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第14話 スフィアと初めての生産活動

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新しい仲間、スフィアが加わったアキたちは、彼と一緒に生産活動に挑戦することにした。薬師サフィアから教わった香りの良いポーション作りをもう一度試してみようと思い立ち、スフィアにも少しずつ生産の手助けをしてもらうことにした。

森に入ると、スフィアはすぐにその小さな鼻を動かし、アキの近くでぴょんぴょんと跳ねるように歩き始めた。アキが「ラベンティアを探そう」と声をかけると、スフィアは楽しそうに前足で地面を掘るような仕草をして答えている。まるで自分も冒険の手伝いをしたいと伝えようとしているかのようだった。

「スフィア、ラベンティアを見つけてくれるの?」

スフィアが静かに森の奥を見つめて頷くような動きをし、柔らかい光を放ちながら森の中を歩いていく。アキはその姿に頼もしさを感じ、スフィアの後をついていった。しばらくすると、青紫色の花が群生している場所にたどり着いた。

「おぉ、ここにラベンティアがたくさんあるね。スフィア、ありがとう!」

アキはスフィアの頭をそっと撫で、感謝の気持ちを伝える。スフィアは嬉しそうにアキの手に顔をすり寄せ、ふわふわの毛がアキの手に心地よい感触を残した。

アキがラベンティアを慎重に摘み取り、持ち帰ると、スフィアはそのそばで見守るようにしている。街に戻り、薬師サフィアの店で学んだ通り、ラベンティアを手のひらで軽く潰して香りを引き出すと、柔らかな香りが部屋いっぱいに広がっていく。

スフィアはその香りにもうっとりとした表情を浮かべ、鼻をくんくんと動かしている。アキはその姿に微笑みつつ、次にローズマリンを加え、木の棒でゆっくりと混ぜてポーションを作り始めた。

アキが香りを引き出しながらポーションを仕上げていくと、スフィアが静かにその側で光を放ち、周囲に癒しの風を生み出していた。アキはスフィアの力によりポーションの香りがさらに深く、心安らぐものに仕上がっているのを感じ取る。

「スフィアのおかげで、すごくいい香りが出た気がするよ」

スフィアは嬉しそうに尻尾を振りながらアキの隣でポーション作りを見つめ、まるで自分も一緒に完成させたかのように満足げだ。アキはその姿に癒され、特別なポーションが完成するのを感じた。

アイテム名:癒しのポーション(スフィア特製)
説明: 「スピリット・フォックスの癒しの力を込めた特製ポーション。香りと共に心身の疲れを深く癒す効果がある」

「できたね、スフィア。君と一緒に作ったから、このポーションはすごく特別だよ」

スフィアは優しくアキを見上げ、嬉しそうに小さな声で鳴く。アキはスフィアとの特別な絆を感じ、この異世界での生活に新しい安らぎを見出した。スフィアと一緒に過ごす穏やかな時間が、アキにとってはかけがえのないものになっている。

新しい仲間と共に、心温まる日常を少しずつ積み重ねながら、アキは次の冒険に向けて心を整えていた。
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