上 下
13 / 27
第三幕:守る意志

3-2:危機

しおりを挟む
 ――カイルヴェン伯爵、とシュトリカが顔が青ざめさせる中、彼は騎士すらつけないで一人、こちらに向かってくる。帯刀している細剣が少し抜かれており、刃が陽光に眩しい。

 きっと転移の術を使ってここに来たのだろう。魔力の波動は多分、その残滓だ。だが、なぜこんな場所に、と混乱し、戸惑う自分を睨みつけるかのような黄色い目は鋭かった。

「どこぞの子女かは知らぬが、その花畑、今はなき巫女たちが植えたことを存ぜぬと?」
「あ……」

 確実に殺気をこめた口調で言われた。殺意を感じるのはこれがはじめてで、足が竦んで動けない。コルやサミーが来る気配はなく、今、自分の身分を保障するものは誰もいない。

「し、知りませんでした……ごめんなさい……」

 自らのことをどう告げればいいのか迷い、ただ謝ることしかできなかった。影が頭上を覆う。見下ろされている、とわかった瞬間、顔を背けてうつむいた。

「謝罪は受け取った。しかし、一体どこのご令嬢か。証しを立てよ」
「わ、わたしは……」

 なんと言えばいいのだろう。花枯はながらしだとは到底言えず、かといって、適当な嘘をつくにはあまりにも、上流階級のことを知らなさすぎる。状況を打破する突破口が見当たらず、シュトリカが考えあぐねていたそのとき。

 ペクの声が聞こえた。怖々と顔を上げれば、離れの自室から、こちらに滑空してくるのが見える。ペクはもう一つ大きく鳴くと、まるで自分を護るかのように肩に止まった。

「ペク……」
「陛下の鳥? なぜここに。ご令嬢、そなたは何者か」

 答えられないことばかりを聞かれ、うなだれる。名前くらいは言ってもいいのかもしれない。だが、そこから花枯らしだとわかってしまえば、全てが水の泡だ。特にカイルヴェンは反主流派。エンファニオの敵と言っても過言ではないのだから。

 何も言えぬまま、少しの間が過ぎ去った。むっ、と一つ零したカイルヴェンが、細剣を鞘から完全に取り出す。

「証しをも立てられぬ、とは実に怪しいやつ。今ここで、このカイルヴェンが切り捨ててくれる」
「待つんだ、カイルヴェン伯爵」

 剣が来る――死を覚悟した直後、今ここで、一番聞きたい声が届いた。コルのものでもサミーのものでもない。誰であろう、エンファニオの声が。聞きたかった声に顔を上げた。自分の横に、転移の術を使ったと思しきエンファニオが立っている。

「陛下……」

 エンファニオのいわおのような横顔に、それでも心の底から安堵した。多分、ペクがこの状況を主人に知らせたのだろう。来てくれた、それだけでまた力が抜ける。

「カイルヴェン伯爵、剣を納めよ。血で自らの思い出を汚す気か」
「……これは失礼致した、陛下。しかし、そこのご令嬢は何者であるか」
「彼女は私の客人。無聊ぶりょうを慰めるために呼んだ歌い手だ」
「歌い手、とは……陛下が歌に興味がおありとは思いもしなかったゆえ、無礼を働いた」

 そう言い、カイルヴェンはようやく剣を鞘に戻す。それからカイルヴェンはこちらを見て、軽く眉をつり上げた。黄色の瞳の力は強い。とても初老とは思えないほどだ。

「そなたは……」

 一瞬、目付きがまるで、懐かしいものを見るかのようになる。先程とは違い、どこか悲しげな光を瞳にたたえながら。だが、それもほんの僅かのことだった。

「許せ、娘。ここは特別な地なのでな。無闇に花を摘むことは遠慮してもらいたい」
「は、はい……わたしの方こそ、ごめんなさい」
「……それでは陛下。また後ほど。失礼した」

 カイルヴェンは一礼した後、術を使わずに徒歩で本館の方へと戻っていく。二度ほどこちらを振り返ったが、何も言わず去って行くその背中は、なぜかどこか寂しげに見えた。

「シュトリカ、怖かっただろう。大丈夫だったかい?」
「陛下、あの、ありがとうございます……まさかこっちに来る人がいるとは思わなくて」
「カイルヴェン伯爵が来るとわかっていながら、ここを封鎖しておかなかったこちらの落ち度さ。気にすることはないよ」

 エンファニオは微笑み、手を差し伸べてくれた。未だ震える手を重ね、なんとか立ち上がる。ペクが頭を擦りつけてくるものだから、労いにそのくちばしを撫でてやった。

「陛下、術が使えるようになったんですね。よかった……」
「いや、まだ本調子ではないかな。普段、二日かかる距離くらいなら一度で移動できるはずなんだけれど、本館からここに来るまでが精一杯だ」
「そうなんですね。今日は歌を歌うこともできないですし……で、でも、いつもの陛下で本当によかったです」
「うん、君のおかげだ、シュトリカ。礼を言っても言い切れないよ」

 ペクがエンファニオの肩に移動し、小さく鳴く。アーベではない、それを賢い鳥は理解しているらしい。

「そう言えばカイルヴェン伯爵……様は、ここが特別だって言ってましたけど……」
「ああ、この避暑地は元々、処女神フェレネの神殿があった土地だ、ということは知っているだろう? ここは、フェレネに仕えていた巫女たちが作った花畑なんだよ。カイルヴェン伯爵は昔、よく神殿に訪れていたらしい。詳しいことは話してくれないけれどね」
「そうだったんですか……わたし、悪いことをしてしまいました」
「気に病む必要はないよ。それより、肝心の護衛。コルはどうしたんだい」
「あ、え、っと。お茶をサミーにお願いしに行きました……わ、わたしが頼んだんです、本当ですよ」

 一瞬、エンファニオの端正な眉が歪んだものだから、慌てて取り繕った。これでコルと一緒に議会を覗いていた、なんて言ったら、余計怒られてしまうかもしれない。

 コルを庇ったことを察したのか、エンファニオが苦笑を作り、頭を撫でてくる。

「もう、こちら側に来るような貴族はいないと思うけれど。念のため、出かけるときはちゃんとコルと一緒にいること。わかったね?」
「は、はい……なるべく離れないようにしますね」
「本当なら、私自身が守ってあげたいんだけれど。すまない」
「そ、そんなこと……ペクもコルもいますし、こうして陛下が来てくれたから、平気です」

 微笑んだ瞬間、額に口付けを落とされて、顔が熱くなる。慌てて距離を作ろうとしたが、片手で腰を引き寄せられてしまった。

「窮屈な思いをさせていて、本当に申し訳ないと思っている。三日だけ我慢してほしい。そのあとちゃんと責任は……とるから」

 責任、と言われて胸の奥が痛んだ。そんなもの、望んじゃいない。エンファニオに迷惑はかけたくないという気持ちだけが膨らんで、棘という形で心の奥を苛む。

 この身は忌まれるべき花枯らし。王たるエンファニオとは、不釣り合いにもほどがある。けれど、抱き留めてくれる手が、額から伝わる唇の温もりが、強欲にもエンファニオから離れたくないという感情を抱かせて止まない。

「……陛下、そろそろ本館に戻って下さい……わたしはもう、大丈夫です」
「……うん」

 それでも胸の内を秘め、静かに胸板を押した。エンファニオの体が離れていく。ペクがエンファニオからこちらの肩に乗り、一つ、小さく鳴いた。

「じゃあ、私は戻るよ。カイルヴェン伯爵のことは、悪く思わないでほしい。ああ見えて、無骨ながらも正々堂々としている男なんだ」
「はい。なんとなくわかります。怖かったですけど……でも気をつけて下さいね、陛下」
「ありがとう、シュトリカ」

 彼の微笑みに、少しばかりの寂しさがあるのは、自分の思いこみではないと信じたい。

 目を閉じたエンファニオが転移の術を唱えれば、姿がかき消え、魔力の残滓だけが残る。今、触れ合ったことが嘘みたいに。エンファニオの体温だけが体に残って、切ない気持ちになった。

 術を少しでも使えるのはよい兆候だ。花枯らしの歌が効いているという証拠だろう。少しでもエンファニオの役に立っているだけでいい。そう思う反面、と自らの体を抱く。

 風が強まり、温もりを消し去っていくことが辛かった。いつの間にこんな欲深くなってしまったのか、自分でもわからない。たった数日、いや、思えばみすぼらしい手を取ってくれたあのはじまりの日から、優しい手のひらに惹かれてしまった。

 だめよ――また、自制の声が聞こえる。わかってる、と呟いて、ニゲラの花を見下ろす。

 例えアーベがどうしようと、自分の身を汚そうと、責任はエンファニオにはない。全てが呪いのせいなのだから。

 天を仰げば、雲が空を覆いはじめていることに気付いた。慌てた様子でコルが離れの館からこちらに向かってくるのが見えて、ペクを肩に歩き出す。

 結局その日は、離れの中の談話室で茶をすることになった。

「外は寒くありませんでしたか、シュトリカ嬢」
「はい、花も見ました。勝手に外に出てごめんなさい」

 暖かい香草茶を入れてくれたサミーへ謝罪し、立ち上る甘い香りにようやく一息つく。

「あの、コルは? どうしたんですか」
「見回りに行かせました。つまみ食いばかりしていましたので、罰です」

 コルらしい、と苦笑し、クリーム入りのパイを少しずつ口に含んでいく。通りで自分を呼ぶのが遅くなったわけだ。そのおかげでエンファニオと会えたのだが。

 それから、コルから聞いたことが少し気になり、横に立つサミーを見上げた。

「あの……サミー。ディーンさんのことなんですけど……昔、陛下と王位を巡って競っていた、というのは本当ですか?」
「……どこでその話を?」
「あ、コ、コルが教えてくれたんです……。内緒の話なんでしょうか」
「全く、ろくなことを話しませんね。ですが、隠す必要もないでしょう。その通りです」
「じゃあ、やっぱり? ディーンさんが元反主流派だったってことも……」
「はい、とだけ。まつりごとに興味がおありですか?」
「い、いえ、そんな大それたことじゃないんです。ただ……」

 呪い師を使ったのは誰か、ということがどうしても言い出せず、口ごもる。怪しい人間がポラート側だけではなく、反主流派の貴族にもいるという事実が頭を悩ませた。

「ディーン様は確かに反主流派で、陛下と王位を競いあっておりました。ですが、あの方は不器用ながら、陛下を支えることに今は熱中してらっしゃいますよ」
「そ、そうですよね。いつも陛下を助けてらっしゃいますもんね」

 疑念を打ち砕くように穏やかに諭され、うなずく。気難しいが、ちゃんと自分のことも考えてくれているディーンを疑うなんて、と若干気恥ずかしくなった。

 だが、ディーンの内心を、どこまでサミーは察しているのだろう。サミーの観察眼を信用してはいる。それでも人の心は、そう容易く読めるものではない。

 小さなパイを一つだけ食べて、食欲がすっかり満たされた。茶を啜り、考える。

 答えなど、どの疑問にも出そうになくて、結局息を吐き出すだけしかできなかった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】お義父様と義弟の溺愛が凄すぎる件

百合蝶
恋愛
お母様の再婚でロバーニ・サクチュアリ伯爵の義娘になったアリサ(8歳)。 そこには2歳年下のアレク(6歳)がいた。 いつもツンツンしていて、愛想が悪いが(実話・・・アリサをーーー。) それに引き替え、ロバーニ義父様はとても、いや異常にアリサに構いたがる! いいんだけど触りすぎ。 お母様も呆れからの憎しみも・・・ 溺愛義父様とツンツンアレクに愛されるアリサ。 デビュタントからアリサを気になる、アイザック殿下が現れーーーーー。 アリサはの気持ちは・・・。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

【R18】今夜、私は義父に抱かれる

umi
恋愛
封じられた初恋が、時を経て三人の男女の運命を狂わせる。メリバ好きさんにおくる、禁断のエロスファンタジー。 一章 初夜:幸せな若妻に迫る義父の魔手。夫が留守のある夜、とうとう義父が牙を剥き──。悲劇の始まりの、ある夜のお話。 二章 接吻:悪夢の一夜が明け、義父は嫁を手元に囲った。が、事の最中に戻ったかに思われた娘の幼少時代の記憶は、夜が明けるとまた元通りに封じられていた。若妻の心が夫に戻ってしまったことを知って絶望した義父は、再び力づくで娘を手に入れようと──。 【共通】 *中世欧州風ファンタジー。 *立派なお屋敷に使用人が何人もいるようなおうちです。旦那様、奥様、若旦那様、若奥様、みたいな。国、服装、髪や目の色などは、お好きな設定で読んでください。 *女性向け。女の子至上主義の切ないエロスを目指してます。 *一章、二章とも、途中で無理矢理→溺愛→に豹変します。二章はその後闇落ち展開。思ってたのとちがう(スン)…な場合はそっ閉じでスルーいただけると幸いです。 *ムーンライトノベルズ様にも旧バージョンで投稿しています。 ※同タイトルの過去作『今夜、私は義父に抱かれる』を改編しました。2021/12/25

【R-18】年下国王の異常な執愛~義母は義息子に啼かされる~【挿絵付】

臣桜
恋愛
『ガーランドの翠玉』、『妖精の紡いだ銀糸』……数々の美辞麗句が当てはまる17歳のリディアは、国王ブライアンに見初められ側室となった。しかし間もなくブライアンは崩御し、息子であるオーガストが成人して即位する事になった。17歳にして10歳の息子を持ったリディアは、戸惑いつつも宰相の力を借りオーガストを育てる。やがて11年後、21歳になり成人したオーガストは国王となるなり、28歳のリディアを妻に求めて……!? ※毎日更新予定です ※血の繋がりは一切ありませんが、義息子×義母という特殊な関係ですので地雷っぽい方はお気をつけください ※ムーンライトノベルズ様にも同時連載しています

悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~

一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、 快楽漬けの日々を過ごすことになる! そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!? ※この物語はフィクションです。 R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。

性欲の強すぎるヤクザに捕まった話

古亜
恋愛
中堅企業の普通のOL、沢木梢(さわきこずえ)はある日突然現れたチンピラ3人に、兄貴と呼ばれる人物のもとへ拉致されてしまう。 どうやら商売女と間違えられたらしく、人違いだと主張するも、兄貴とか呼ばれた男は聞く耳を持たない。 「美味しいピザをすぐデリバリーできるのに、わざわざコンビニのピザ風の惣菜パンを食べる人います?」 「たまには惣菜パンも悪くねぇ」 ……嘘でしょ。 2019/11/4 33話+2話で本編完結 2021/1/15 書籍出版されました 2021/1/22 続き頑張ります 半分くらいR18な話なので予告はしません。 強引な描写含むので苦手な方はブラウザバックしてください。だいたいタイトル通りな感じなので、少しでも思ってたのと違う、地雷と思ったら即回れ右でお願いします。 誤字脱字、文章わかりにくい等の指摘は有り難く受け取り修正しますが、思った通りじゃない生理的に無理といった内容については自衛に留め批判否定はご遠慮ください。泣きます。 当然の事ながら、この話はフィクションです。

大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました

扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!? *こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。 ―― ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。 そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。 その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。 結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。 が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。 彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。 しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。 どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。 そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。 ――もしかして、これは嫌がらせ? メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。 「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」 どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……? *WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。

【R18】散らされて

月島れいわ
恋愛
風邪を引いて寝ていた夜。 いきなり黒い袋を頭に被せられ四肢を拘束された。 抵抗する間もなく躰を開かされた鞠花。 絶望の果てに待っていたのは更なる絶望だった……

処理中です...