不本意な溺愛です!

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出会い再会

7.運命の番

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「「運命の番ぃ!?」」
二人の声が重なり合う。千夜は何か考える素振りを見せた後一条に聞く
「本当ですかそれは?」
「本当だ、運命の番ではないと言うのならばこれは一目惚れだな」
悠真が俺を抱えたまま一条から距離をとった。千夜はまたも一条を羽交い締めすると悠真から距離をとらせた。
「悠真に近づくことは許しませんよ」
単なる嫉妬からやった様だった。一条は悔しそうな顔になったが俺が視線を向けるとすぐにだらしない顔になった。一条が俺に話し掛ける
「ねぇ、君の名前はなんて言うの?」
(え?さっきこいつ聞いてたよな。頭がおかしいのか?)
眉を顰め俺は怪しむ。だが質問された事には答えねばならぬので答えた
「やまも………古谷まさる」
やはりまだ新しい苗字には慣れない。俺の言葉を聞いた一条は嬉しそうな顔で自身も自己紹介をしだす
「俺の名前は一条智いちじょうさとる!年齢21歳大学生。身長186cm体重85kg、趣味は写真撮影。職業は俳優だ!俺のことは智って呼んでね?」
「お、おぉ」
困惑しながらも返事をすると一条はニコニコしながら徐々に近づこうとしていたが千夜に羽交い締めされているせいで近づけなかった。
(こいつやべぇ)
そう思ったがそれよりも気になることがあったので一条に聞いてみた
「なぁ一条さん?」
「智」
「俺気になることがあるんだけどよ、なんで一条さんは俺が」
「智」
「え?」
「智」
「さ、智さん?」
「なぁに?」
(こいつ名前で呼ばないと駄目なのかよ、めんどくせぇ~)
俺は気を取り直して一条、もとい智に聞いた
「なんでいち、智さんは俺が運命の番だと思ったんだ?」
「それは簡単だよ!君からいい匂いがしたからさ」
「は?Ωなら誰でもするくね?」
「俺は運命の番以外のフェロモンが感知できないそうなんだ、だから君からフェロモンの匂いがした時『あぁ、運命だ!』って思ったんだよ」
「なるほど、そうゆう理由なんだな、だがな俺は運命だの信じないんだよ」
「はい?」
「俺は自分で決めた人と番になる。だからアンタとは番にはならないしそれにお前から臭い匂いがするから今後関わるつもりもない」
俺はそう宣言した後悠真から降りて自分の部屋に戻った。


-悠真視点-
一条が見事にまさるから振られた。俺が一条に視線を向けると一条は死んだ魚の目をしておりブツブツと何かを言いながら突っ伏していた。俺が呆れて何も言わずにいると千夜が一条を椅子に座らせた後自分も向かい側に座った、俺を手招きして自分の隣に座らせる。そして千夜は深刻そうな顔をしていたかと思えば急に笑いだした
「フハハハハハハハ、ブッ、いえ、すいませんフッ、あぁゔゔん。いや、フッあのフフ、いや~まさか貴方が振られるとは笑えますね~今どんな気持ちですか?ねぇねぇねぇ?」
千夜は一条を煽る
「貴方私が悠真に振られた時笑っていましたよね?そんなあなたが年下に振られて、それも臭いからという理由でプッ、私のこと散々馬鹿にしてましたけど今は貴方が馬鹿にされる方ですね~愉快愉快」
「うるせぇ!黙れや!」
「プップ~黙りませんよ!こんな面白い状況」
「くそが!どうすればまさるに振り向いてもりえるんだ~!やっと出会えた運命なのに~」
「それじゃね?」
俺が一条に言う。一条はなんの事だかわかっていなかった。俺はため息をつきながら一条に言う
「それだよ、その運命とか言うのがまさるにとっては嫌なんだろ」
一条は間抜けな顔になる
「そ、そうなのか?」
「そうだろ、『運命だから番になりましょう』なんて言われて『はいそうですか、なりましょう』なんてなる訳ないだろ。俺なら嫌だね、俺だって運命だからとか関係なく自分で選んだ人と番になるほうが良いって考えだし、それにお前の『運命だから』が愛されているのかわからないから信用できないんだろ」
「そんなことない!俺はまさるの顔や口が悪い所も愛しているし将来のことを真剣に考えてる所も愛してる!」
俺はため息をつく
「それを先に言ってれば良かったじゃん。馬鹿だなお前は」
千夜が俺に話し掛けてくる
「では、どうしますか?こいつの恋を応援するんですか?私は嫌ですよこいつの恋を応援するなんて、それってまさるが嫁に行くっていうことですよね」
「た、たしかに。それなら俺も嫌だな、こんなショタコン野郎にウチのまさるを嫁に行かせるなんざ嫌だ」
「ショタコンではないわ!」
俺は一条の主張を無視しこれからどうすればいいのか考えた。数分程悩んた後に一条に言う
「一条、本当にまさると番になりたいならばまさるを惚れさせろ。そしたら番になってもいいが、番になる前に婚姻はすること、それと浮気は絶対にしないこと、いいな?」
一条は真剣な顔つきになると頷いた
「わかった。まさるを惚れさせてみせる!」
まさるが知らぬ所である男の決意が立った瞬間だった
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