上 下
8 / 11

7話 3人の昼ごはん

しおりを挟む
<♪♪♪ ♪♪♪ ♪♪♪ ♪♪♪ ♪♪♪ ♪♪♪ ♪♪♪ ♪♪♪>

12時を告げるチャイムが鳴った。
「おーい。春樹~。」
畑中の声が背後からする。
いつも通りランチの誘いだと思い振り返りながら、「今日もパンなんだ」と言うと今日は様子が違った。

畑中は
「今日は俺もパンなんだー」
とコンビニ袋をさげてニヤニヤしていた。

「ところで高島さんは?」
と言っている畑中の後ろで高島さんはコンビニ袋をさげて立っていた。

畑中に分かるように「後ろに居るぞ」と顎をクイクイして伝えようとしたが、うまく伝わらなかったみたいで、とぼけた顔をしていた。

畑中「高島さん呼びに声掛けに行こう」と続けた。

「私?」
高島さんが自分の名前が出てきたのでビックリしている。

畑中はギクッとした様子で
「いやぁ…お昼3人で一緒にどうかなぁっと思って…」
いつもハキハキしてるくせに妙にオドオドしている。

やれやれ。これは図星だな。
「まぁ、とりあえずフリールーム行こうよ。」




「ここはいつもガラガラだな」
例の通り誰も居なくて、昨日と同じ奥の席に座った。

「こんなに落ち着いてランチできる場所他にないよね。」

「それにしても畑中買いすぎじゃないか?」
明らかに袋が推し詰めたようにパンパンに膨らんでいる。

「海苔弁に、パンに、フランクフルトにお茶…あと食後のプリンしか買ってないぞ?」

「畑中それは、って言える量じゃない。」

「お前は食わなさすぎなんだよ!だからそんなモヤシなんだ!」

「ふふっ」
高島さんがクスッと笑った。

僕と畑中は顔を見合わせてキョトンとしていると
「いや…あの…2人は仲良いんだなと思って!」

畑中が顔を赤くして照れている。

「畑中気持ち悪いよ。」

「お前真顔で気持ち悪いとか言うなよ!」
3人で顔を見合わせて笑った。

「3年経ってて今更感もあるけど、定期的に同期会と称する飲み会しようぜ。俺幹事すっから!」

「僕は大丈夫だけど高島さんは大丈夫?お酒あんまり強くないイメージだけど。」

「わ…私も大丈夫だよ!楽しみ!」
パッと明るくなったとこ見ると意外とそういう場は好きなのかな。

「よーし、じゃあこれまた今更だけどLIMEでグル作るから、ID交換しよっか。」
畑中はこういう時まとめてくれるから助かる。

こうして、3人で同期会することになった。

今までこういう風に定期的な飲み会とか参加して来なかったけど、少し心が弾んだ。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる

Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。 でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。 彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。

「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。

あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。 「君の為の時間は取れない」と。 それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。 そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。 旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。 あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。 そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。 ※35〜37話くらいで終わります。

あの子を好きな旦那様

はるきりょう
恋愛
「クレアが好きなんだ」  目の前の男がそう言うのをただ、黙って聞いていた。目の奥に、熱い何かがあるようで、真剣な想いであることはすぐにわかった。きっと、嬉しかったはずだ。その名前が、自分の名前だったら。そう思いながらローラ・グレイは小さく頷く。 ※小説家になろうサイト様に掲載してあります。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

処理中です...