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幻惑の森と出会い
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ガサ...。何かが草を掻き分けるかのような音で目が覚める。
「ん......。朝...か。」
音は俺の寝返りを打つ音だったらしい。
なんだかいつもと感覚が違う。
屋内のような感覚ではない...。どちらかというと屋外だ。
目を開ける。そこに見てるの草と土。
戸惑いながらも起き上がり周囲を見渡す。
「こ...ここは。森...?」
そこにあるのは数え切れないほどの木、草、土がむき出しの地面。そして傍らに置いてある麻袋。
「なんでこんな所にいるんだ?」
疑問しかわかない。昨日はルーン姉と一緒にご飯食べて、ベットで寝たはず...。
なんでこんな森の中に...?いつ?誰が...?
混乱し、涙が出かけたところに、傍らに置いてある麻袋が目にとまる
「あ、麻袋...?なんで?」
疑問に思いながらも麻袋の中を漁る。
ナイフ、水筒、干し肉、5メートル四方の麻布、手紙、、、
「手紙?誰からのだろう...。」
他のもなにか入ってそうだったが、とりあえずは手紙を開けて中身を読んでみる。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
拝啓 シャーム=テリクス様
最後のご挨拶がこのような形になってしまいもうしわけありません。
今シャーム様がいらっしゃる場所は、テリクス家のご邸宅がございますテリヌの街からからふたつの街分離れた場所にある幻惑の森でございます。
その地は神妖狐が住むと言われる土地。
貴方様なら神妖狐に認められると願い、
元の予定地、絶死の森から誠に勝手ながら変更致しました。
また、シャーム様が「見守るもの」の職を得たと知り、このような事態になることは予想がつき、戻られたお父上様に考え直すよう進言致しましたが所詮私は使用人。決断を変えることはありませんでした。
ならば、せめてシャーム様には生き残って欲しいと願い、僅かばかりの金銭と、魔道具などをこの麻袋へお入れしておきました。
どこかでテリクス家としてではなく、一人の人間として幸せになれることを願っています。
敬具
テリクス家使用人代表 ユリトス
PS.ルーンお嬢様より、植物大全をシャーム様へと頂きましたので、そちらもご封入させていただきました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
すぐに麻袋を再度漁る。
いくつか銀貨と銅貨の入った袋、他の石と擦り合わせると火の着く摩炎石、水などの浄化に使う浄化石、少し使い古したマジックバック。そして最後に、ルーン姉からの植物大全...。
「ありがとう...。本当に、ありがとう...。」
そう1粒の涙とともに言葉が零れた。
硬貨と手紙をマジックバックへ入れ、麻袋に他のものと一緒にいれる。ナイフは右手に持ち、左手に麻袋を持ち肩にかける。石の入った麻袋も意外とダメージは与えられそうだしな。
「よし!」
そう声掛けをして、勢いよく立ち上がる。
ユリトスやルーン姉の気持ちに恥じぬよう生き抜く決意を固め、辺りを見渡し今後の計画を立てる。
「幻惑の森は、手紙にあった通り神妖狐が住むとされてる森、入ってきたものはみな幻にかけられて、誰も出ることが出来ないって言う伝説があるところだよな...。そうなると、俺って幻惑の森のどこら辺にいるんだ?使用人が入れるぐらいだから、まだ入口近くかな...。」
そうブツブツと呟きながら考えていると
ガサッ...ガサガサッ
後ろの方から草を擦り、こちらに向かって来るような音が聞こえた。
「......。なんだ...?」
声量を落とし、ナイフを前に構え、中腰になりどこにでも移動出来る体勢になり、音のなった草むらの様子を注意深く見る。
ガサガサ...ガサッ!!
「「え??」」
草むらから出てきたのは、汚れた布切れのような服を着た犬のような耳にしっぽのついた女の子だった。
「ん......。朝...か。」
音は俺の寝返りを打つ音だったらしい。
なんだかいつもと感覚が違う。
屋内のような感覚ではない...。どちらかというと屋外だ。
目を開ける。そこに見てるの草と土。
戸惑いながらも起き上がり周囲を見渡す。
「こ...ここは。森...?」
そこにあるのは数え切れないほどの木、草、土がむき出しの地面。そして傍らに置いてある麻袋。
「なんでこんな所にいるんだ?」
疑問しかわかない。昨日はルーン姉と一緒にご飯食べて、ベットで寝たはず...。
なんでこんな森の中に...?いつ?誰が...?
混乱し、涙が出かけたところに、傍らに置いてある麻袋が目にとまる
「あ、麻袋...?なんで?」
疑問に思いながらも麻袋の中を漁る。
ナイフ、水筒、干し肉、5メートル四方の麻布、手紙、、、
「手紙?誰からのだろう...。」
他のもなにか入ってそうだったが、とりあえずは手紙を開けて中身を読んでみる。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
拝啓 シャーム=テリクス様
最後のご挨拶がこのような形になってしまいもうしわけありません。
今シャーム様がいらっしゃる場所は、テリクス家のご邸宅がございますテリヌの街からからふたつの街分離れた場所にある幻惑の森でございます。
その地は神妖狐が住むと言われる土地。
貴方様なら神妖狐に認められると願い、
元の予定地、絶死の森から誠に勝手ながら変更致しました。
また、シャーム様が「見守るもの」の職を得たと知り、このような事態になることは予想がつき、戻られたお父上様に考え直すよう進言致しましたが所詮私は使用人。決断を変えることはありませんでした。
ならば、せめてシャーム様には生き残って欲しいと願い、僅かばかりの金銭と、魔道具などをこの麻袋へお入れしておきました。
どこかでテリクス家としてではなく、一人の人間として幸せになれることを願っています。
敬具
テリクス家使用人代表 ユリトス
PS.ルーンお嬢様より、植物大全をシャーム様へと頂きましたので、そちらもご封入させていただきました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
すぐに麻袋を再度漁る。
いくつか銀貨と銅貨の入った袋、他の石と擦り合わせると火の着く摩炎石、水などの浄化に使う浄化石、少し使い古したマジックバック。そして最後に、ルーン姉からの植物大全...。
「ありがとう...。本当に、ありがとう...。」
そう1粒の涙とともに言葉が零れた。
硬貨と手紙をマジックバックへ入れ、麻袋に他のものと一緒にいれる。ナイフは右手に持ち、左手に麻袋を持ち肩にかける。石の入った麻袋も意外とダメージは与えられそうだしな。
「よし!」
そう声掛けをして、勢いよく立ち上がる。
ユリトスやルーン姉の気持ちに恥じぬよう生き抜く決意を固め、辺りを見渡し今後の計画を立てる。
「幻惑の森は、手紙にあった通り神妖狐が住むとされてる森、入ってきたものはみな幻にかけられて、誰も出ることが出来ないって言う伝説があるところだよな...。そうなると、俺って幻惑の森のどこら辺にいるんだ?使用人が入れるぐらいだから、まだ入口近くかな...。」
そうブツブツと呟きながら考えていると
ガサッ...ガサガサッ
後ろの方から草を擦り、こちらに向かって来るような音が聞こえた。
「......。なんだ...?」
声量を落とし、ナイフを前に構え、中腰になりどこにでも移動出来る体勢になり、音のなった草むらの様子を注意深く見る。
ガサガサ...ガサッ!!
「「え??」」
草むらから出てきたのは、汚れた布切れのような服を着た犬のような耳にしっぽのついた女の子だった。
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