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4話 天啓の日③
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「次、シャーム=テリクス。」
「はい!」
ついに俺の番が来た。
俺が一歩踏み出すと、そこに天啓台への道ができる。まるで、この世界が全人類が俺を祝福してくれてるかのような、世界を統べる王となったかのような感覚に襲われる。
「さ!シャーム様!」
「おう!!」
一歩一歩天啓台へ向けて足を踏み出す。
この先に待ち受けるみらいへ今、一歩。
「さぁ。シャーム=テリクス。手を。」
神殿に静寂が訪れる。
誰も息を飲み、視線を俺に向ける。
ゆっくりと、天啓球に触れる。
.....................。
冷や汗が飛び出る。
鼓動が早くなる。
息が荒れる。
何度も、何度も天啓球に触れる。
けど...それでも光らない。
いや、光っていない訳では無い。
すこし。ほんの少しだけ、今にも消えそうなほど小さく弱い光だ。
神官を見る。目を合わせない。
なんで...。
何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、触れる。触れる。触れる。触れる。
なぜ、どうして、うそだ、そんなはずは無い、夢だ、嫌だ......嫌、だ...。
...後ろから突き刺すような目線を感じる。
まるで壊れた玩具のように俺は目線の方へ顔を向ける。
そこには、落胆し泣き出している母さんと、まるで害虫を見るかのような目で俺を見る父さんがいた。
やめて...なんで、なんでそんな目で見るのさ...。
そんな、敵を見つめるような、仇を見つめるような目で俺を見るんだよ...。
なんで...だよ...。
「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
もうどうしたらいいのか分からない。
でもここにはいたくない。
あんな痛い視線を受けたくない。
だから、走る。
神殿に詰め込まれている人の波をかき分けて、目線とは逆の出入口へ逃げる。
もうとこまで来たかも分からない。
息が切れ、日も落ちかけた頃、1度俺は止まった。
「あ...あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
叫ぶ。ただ叫ぶ。何かも分からないこの気持ちを全て吐き出すかのようにただ叫ぶ。
意味もない言葉を、ただの文字の羅列を叫ぶ。
そして、叫ぶことにも疲れ呆然と立っていると、後ろから光が来る。
「シャーム様。」
「...ユリトス。」
そこには馬車に乗った執事ユリトスがいた。
「お迎えに上がりました。」
「...そつか。」
「さぁ、戻りましょう。」
「......うん。」
ユリトスの引く馬車で家路につく。
外はもう暗く、いくらかある農家の家の明かりだけが見える。
それからうちに着くまで俺とユリトスは一言も交わさなかった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「...ただいま。」
誰の返事もない。
いつもなら、ルーン姉が1番に俺の下へ来て「おかえり!シャーム!」と綺麗な笑顔で言ってくれるのに。
メイドもいない。ユリトス以外の執事もいない。
俺は重いのか軽いのか分からない足で歩を進め、部屋につき、ベットに倒れ込む。
そして、まるでそこから消えるかのように、深い、深い眠りにつく。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
強い日差しがあたり、目が覚める。
昨日の事が脳裏に蘇る。
「......はぁ。」
1つ大きなため息をつく。その時、部屋の扉が開いた。
「シャーム様。ガランス様がお呼びです。」
ユリトスだ。
「わかった。」
昨日、服を着替えずに眠ってしまったので、汚れた服そのままの格好でユリトスに続いて歩く。
俺が通った通路には誰もいない。家族どころか、メイドや執事でさえも。
そして、父さんの書斎の前に着く。
コンコン...
「ガランス様。シャーム様をお連れ致しました。」
「入れ...。」
重く低い声が扉の奥から聞こえる。
その声を聞いた瞬間、震えが止まらなくなる。
昨日の、あの、目線が、蘇る。
ガチャ...。
「どうぞ。」
ユリトスに促され、中に入る。
バタン....。無慈悲にもユリトスは中へ入らず、扉は閉まる。
「シャーム。お前にいくつか話があって呼んだ。」
「...はい。」
「まずお前の職についてだ。」
重い口を開け、さらに重たい声に言葉を乗せて言う。
「お前の職は最弱職『見守る者』だ。」
全身から冷や汗が滲み出る。
震えが一層激しくなる。
「まさか、我がテリクス家から最弱職が出るとは思わなかった。」
一つ一つの言葉が俺の心へとつきささる。
「そしてだ。シャーム、お前を我が家から追放することにした。」
「え......?」
思考が止まる。
追放?ついほう?ツイホウ?つい...ほう?
<追放>という単語のみが脳内を駆け巡る。
「そうだ。追放だ。お前は今この時点からただの<シャーム>となる。猶予は1日。明日の早朝にはこの家を出ていってもらう。わかったな。それまでに準備しておけ。」
何も言えない。言葉が見つからない。
「要件は以上だ。部屋に戻れ。」
ただ、父さんの言うことに従い、書斎を出て部屋へ向かう。
書斎を出たところには母さんとバース兄さん、ライナ姉さんにシンガー兄さんがいた。
「シャーム。あなたはもう私の息子でも、あの人、ガランスの息子でもありません。」
母さんはまるで罪人を見るかのような目で俺を見て言った。
兄さんや姉さん達は何も言わず、バース兄さんは哀れみの表情で、ライナ姉さんは悔しそうに目線をそらし、シンガー兄さんはいつもと変わらない表情で俺を見る。
「...はい。お世話になりました。」
そう言って俯き、部屋に向かうおうとしたところでシンガー兄さんが耳打ちしてくる。
「笑えるな。」
悟る。この一言に全てが詰まってる。
俺の家族は...家族だったものは俺に存在価値を見出していない。それどころか、罪人と同じような存在と思っているんだ。職が良くなければゴミ同然。罪人同然なのだと。俺が生まれた時からそう考えていたんだ。
怒りもわかない。呆れもしない。ただ、納得がいっただけだ。
あの視線も。あの対応も。何もかも。
母さんがルーン姉が俺の部屋に来た時に写真を撮りに来たのもルーン姉と同じぐらいの歳の誰かの2人組を撮りたいから。そうすればルーン姉が映えるから。
父さんが俺に厳しく鍛錬させたのも、部隊として使うため。
兄さんたちも同じだろう。
なんだか、心が少し軽くなった気がする。
まるで世界の全てを理解したかのようなそんな気持ちだ。
少し軽くなった足取りで部屋へ向かう。
部屋に着く前、ひとつのことに気づく。
「...あれ?」
1人、会っていない。そう。ルーン姉だ。
ルーン姉はどこにいるのだろうか。ルーン姉も俺を他の家族のように見ているのだろうか。
そう考えているともう部屋に着いていた。
部屋を開ける。
「え...??」
「おかえり。シャーム。」
そこにはルーン姉が立っていた。
「はい!」
ついに俺の番が来た。
俺が一歩踏み出すと、そこに天啓台への道ができる。まるで、この世界が全人類が俺を祝福してくれてるかのような、世界を統べる王となったかのような感覚に襲われる。
「さ!シャーム様!」
「おう!!」
一歩一歩天啓台へ向けて足を踏み出す。
この先に待ち受けるみらいへ今、一歩。
「さぁ。シャーム=テリクス。手を。」
神殿に静寂が訪れる。
誰も息を飲み、視線を俺に向ける。
ゆっくりと、天啓球に触れる。
.....................。
冷や汗が飛び出る。
鼓動が早くなる。
息が荒れる。
何度も、何度も天啓球に触れる。
けど...それでも光らない。
いや、光っていない訳では無い。
すこし。ほんの少しだけ、今にも消えそうなほど小さく弱い光だ。
神官を見る。目を合わせない。
なんで...。
何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、触れる。触れる。触れる。触れる。
なぜ、どうして、うそだ、そんなはずは無い、夢だ、嫌だ......嫌、だ...。
...後ろから突き刺すような目線を感じる。
まるで壊れた玩具のように俺は目線の方へ顔を向ける。
そこには、落胆し泣き出している母さんと、まるで害虫を見るかのような目で俺を見る父さんがいた。
やめて...なんで、なんでそんな目で見るのさ...。
そんな、敵を見つめるような、仇を見つめるような目で俺を見るんだよ...。
なんで...だよ...。
「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
もうどうしたらいいのか分からない。
でもここにはいたくない。
あんな痛い視線を受けたくない。
だから、走る。
神殿に詰め込まれている人の波をかき分けて、目線とは逆の出入口へ逃げる。
もうとこまで来たかも分からない。
息が切れ、日も落ちかけた頃、1度俺は止まった。
「あ...あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
叫ぶ。ただ叫ぶ。何かも分からないこの気持ちを全て吐き出すかのようにただ叫ぶ。
意味もない言葉を、ただの文字の羅列を叫ぶ。
そして、叫ぶことにも疲れ呆然と立っていると、後ろから光が来る。
「シャーム様。」
「...ユリトス。」
そこには馬車に乗った執事ユリトスがいた。
「お迎えに上がりました。」
「...そつか。」
「さぁ、戻りましょう。」
「......うん。」
ユリトスの引く馬車で家路につく。
外はもう暗く、いくらかある農家の家の明かりだけが見える。
それからうちに着くまで俺とユリトスは一言も交わさなかった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「...ただいま。」
誰の返事もない。
いつもなら、ルーン姉が1番に俺の下へ来て「おかえり!シャーム!」と綺麗な笑顔で言ってくれるのに。
メイドもいない。ユリトス以外の執事もいない。
俺は重いのか軽いのか分からない足で歩を進め、部屋につき、ベットに倒れ込む。
そして、まるでそこから消えるかのように、深い、深い眠りにつく。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
強い日差しがあたり、目が覚める。
昨日の事が脳裏に蘇る。
「......はぁ。」
1つ大きなため息をつく。その時、部屋の扉が開いた。
「シャーム様。ガランス様がお呼びです。」
ユリトスだ。
「わかった。」
昨日、服を着替えずに眠ってしまったので、汚れた服そのままの格好でユリトスに続いて歩く。
俺が通った通路には誰もいない。家族どころか、メイドや執事でさえも。
そして、父さんの書斎の前に着く。
コンコン...
「ガランス様。シャーム様をお連れ致しました。」
「入れ...。」
重く低い声が扉の奥から聞こえる。
その声を聞いた瞬間、震えが止まらなくなる。
昨日の、あの、目線が、蘇る。
ガチャ...。
「どうぞ。」
ユリトスに促され、中に入る。
バタン....。無慈悲にもユリトスは中へ入らず、扉は閉まる。
「シャーム。お前にいくつか話があって呼んだ。」
「...はい。」
「まずお前の職についてだ。」
重い口を開け、さらに重たい声に言葉を乗せて言う。
「お前の職は最弱職『見守る者』だ。」
全身から冷や汗が滲み出る。
震えが一層激しくなる。
「まさか、我がテリクス家から最弱職が出るとは思わなかった。」
一つ一つの言葉が俺の心へとつきささる。
「そしてだ。シャーム、お前を我が家から追放することにした。」
「え......?」
思考が止まる。
追放?ついほう?ツイホウ?つい...ほう?
<追放>という単語のみが脳内を駆け巡る。
「そうだ。追放だ。お前は今この時点からただの<シャーム>となる。猶予は1日。明日の早朝にはこの家を出ていってもらう。わかったな。それまでに準備しておけ。」
何も言えない。言葉が見つからない。
「要件は以上だ。部屋に戻れ。」
ただ、父さんの言うことに従い、書斎を出て部屋へ向かう。
書斎を出たところには母さんとバース兄さん、ライナ姉さんにシンガー兄さんがいた。
「シャーム。あなたはもう私の息子でも、あの人、ガランスの息子でもありません。」
母さんはまるで罪人を見るかのような目で俺を見て言った。
兄さんや姉さん達は何も言わず、バース兄さんは哀れみの表情で、ライナ姉さんは悔しそうに目線をそらし、シンガー兄さんはいつもと変わらない表情で俺を見る。
「...はい。お世話になりました。」
そう言って俯き、部屋に向かうおうとしたところでシンガー兄さんが耳打ちしてくる。
「笑えるな。」
悟る。この一言に全てが詰まってる。
俺の家族は...家族だったものは俺に存在価値を見出していない。それどころか、罪人と同じような存在と思っているんだ。職が良くなければゴミ同然。罪人同然なのだと。俺が生まれた時からそう考えていたんだ。
怒りもわかない。呆れもしない。ただ、納得がいっただけだ。
あの視線も。あの対応も。何もかも。
母さんがルーン姉が俺の部屋に来た時に写真を撮りに来たのもルーン姉と同じぐらいの歳の誰かの2人組を撮りたいから。そうすればルーン姉が映えるから。
父さんが俺に厳しく鍛錬させたのも、部隊として使うため。
兄さんたちも同じだろう。
なんだか、心が少し軽くなった気がする。
まるで世界の全てを理解したかのようなそんな気持ちだ。
少し軽くなった足取りで部屋へ向かう。
部屋に着く前、ひとつのことに気づく。
「...あれ?」
1人、会っていない。そう。ルーン姉だ。
ルーン姉はどこにいるのだろうか。ルーン姉も俺を他の家族のように見ているのだろうか。
そう考えているともう部屋に着いていた。
部屋を開ける。
「え...??」
「おかえり。シャーム。」
そこにはルーン姉が立っていた。
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