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真実のお話編
1. フィオレンティーナの事情
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黒くて数センチ先も見ることの出来ないほどの真っ暗な闇の中。何処からか泣き声が聞こえてくる。
そこには悲しみと絶望、果てには歓喜すら孕んだような、どこか歪な想いが込められているかのようだった。
雫がひたひたと地面に落ちる音が聞こえる。
———ああ、またこの夢か。
夢の中にいても尚、その場所が夢なのだと分かりきってしまうほどに繰り返した夢。そして私は、この夢がある意味で現実であることを知っていた。
辺りには錆びた鉄のような血の、濃厚な匂いが立ち込めていた。
きらい。だいきらい。
許さない。許せない。許したくない。
だいきらい。だいきらい。
だいきらい。だいきらい。
許せるはずがない。一生、許すことなんて出来ない。
泣き声からは、そんな黒い想いが溢れ返っていた。
その声を、私は誰よりも一番よく知っている。誰よりも知って、そして理解していた。
けれども、知っていたはずなのにそれが誰なのかを未だに思い出すことが出来ずにいた。
———私が、私だけが××××だったのにっ!!
泣き声とは別に、違う誰かの甲高い声が響き渡る。
それと同時に泣き声はさらに強くなる。
後悔して。絶望してね。
奈落の底へ堕ちてね。
絶望して、泣き叫んで。
貴方の所為でこうなったんだもの。
後悔してね。
今度は知らない誰かの思い。
嘲笑うかのようなその感情は、私の心を蝕んでいく。
鎖のようにしっかりと、泥のようにねっとりと纏わり付いてくる。
そうして私はそのまま、知らない誰かの感情の底へと呑み込まれていくのだ。
いつものこと。
いつものことなのに。
未だに聞こえる泣き声を思いながら、私は今日もまた、その手をとることが出来なかったのかと嘆いて後悔をするのだ。
知らないはずのに、知っていると心の奥底で認識している現実。
どうしてそう思ってしまうのだろうか。しかし幾ら考えたところで、その答えが出てくるはずがない。
そうして私はその声に、そしてその思いに呑み込まれていった。
暗い、暗い闇の中。
私の心はどこまでも堕ちていく。
そして意識もまた、遠ざかっていくのだ。
一筋の光すら、この闇の中には訪れないことを知っている。
もう、手遅れなんだよ、と。
意識がそこから無くなる寸前に、誰かが私の耳元でそう囁いていた。
* * *
まだ八歳だった頃、私はリナリザ子爵に庶子として引き取られた。
私の名前はフィオレンティーナ・エリナ・リナリザ。周りからはティーナの愛称で通っている。
そんな私はとある事情によって十四歳の時に、この国の王太子であるジルベルト・クリア・リエラネル様と婚約を結んでいた。
しかし婚約のことを知っているのは私の周りと王族、それから国の上層部に位置する一部の人のみであった。つまりこのことはある意味国家機密レベルの秘密であったりする。
本来であれば、王太子である彼の婚約が発表されないなんてことは無いのだが、事情が事情であるために秘匿しなければならなかったのだ。そして、秘匿しなければならない原因は私の存在にある。
私は今リナリザ子爵家の庶子とされているが、実際には私はリナリザ家とは全く関係がない。
私の本名は、フィオレンティーナ・ナリル・エレオノーラ。エレオノーラ公爵家の、正真正銘のお姫様である。
そんな私が、何故リナリザ家の庶子として暮らしているのかと云うと、それにはある事件が関与していた。
当時の記憶を私は覚えていない。
ただ、何が起こったのかは人伝に聞いて知っていた。
詳しいことは国の上層部によって秘匿されているのと、私自身話すのがめんど……躊躇われる為省略するが、八年前エレオノーラ公爵邸に何者かが侵入し、そして一家諸共襲われたのだ。それによってエレオノーラ家からは当時の公爵当主とその奥方、そしてその年で六歳となる一人娘、そして多くの使用人の大量の死体が見つかったという。
国は必死になって犯人を探したのだが、証拠も何も掴めなかったらしい。
そしてそのままニ年が過ぎた頃、国は犯人を捜すことを諦めたのだった。
エレオノーラ公爵邸を襲った犯行。
そのことからこの事件は『エメラルドの事件』と呼ばれていた。
何故エメラルドなのかというと、エレオノーラ家は代々翠玉色の瞳を受け継いできていたからであった。
そして、その事件は、未解決のまま幕を閉じたのであった。
———というのが表向きの内容である。
しかし、実際はほんの少しだけ事情が異なっていた。
公爵夫妻と共に一人娘も亡くなったとされているが、実際にはきちんと生きていたのだ。まあ、兵士が見つけた時には瀕死状態だったらしいのだが。
そして一人娘であるフィオレンティーナ、つまり私が今リナリザ家にいて無事に過ごしているのが生きている証拠だ。
生死の境をさまよった後に奇跡的に回復した私を、現国王が信頼の置ける側近に私を託したのである。
何故ここで国王が出てくるのがと不思議に思った方も多いことだろう。
何故私が国王から託されたのか。
答えは簡単だ。エレオノーラ公爵家の奥方だった私の本当の母は、国王の唯一の同腹の妹君であられたからだ。
その事実を知る者もまた少ない。
母は病弱だったため、その存在を公にはしていなかったのだ。
エレオノーラ家を狙った犯行ならば、その娘である私が無事と知ってまた狙われる可能性が高いと、そう考えた国王が私という存在を一部の者以外に秘匿し、秘密裏に裏で色々手を回した結果が今のこの私の現状である。
そして冒頭の話に戻るのだが、何故私がこの国の王太子殿下と婚約関係にあり、その事実が秘匿されているのか。
まず、王太子殿下との婚約は国王直々に定めたものであった。
理由は『私』の存在が公になった際に、守れるようにするためだ。
今、エレオノーラ公爵家の領地は王家のものとされているがそれは仮なもので、いずれは私に帰ってくるのである。
エレオノーラ家の血はもう誰も引き継いでいないとされているため、いずれ私の存在は公にしなければならない日が来るとか来ないとか。
まあ、そうは言ってもそれを引き継ぐのは私ではなく私の子供であるのだが。
そんなこんなで私は王太子殿下と婚約しているのであった。
因みに王太子殿下のジルベルト様とは、お互い愛称で呼び合うほどには関係は良好である。
というよりは幼馴染であるため、気安い関係であると言った方が正しいのか。
そんなわけで『私』という存在はとても重要なのであるらしい。
そして、一つだけ、私以外の誰もが知らない秘密があった。
それは、私が転生者であるということ。
私には、この世界ではない、『地球』という星の、『日本』というところで暮らしていた記憶があるのだ。
こんな事を誰かに話したら頭がおかしいのではと言われる事間違いなしである。だからこそ、このことは他でもない私しか知らない秘密なのであった。
因みに享年は十六歳。高校一年生だった。
死因は交通事故である。
ファンタジー小説のような、定番中のど定番である死に方だった。(実際リエラネル王国、いやこの世界メリアルチェは魔法があるから充分ファンタジー世界であるのだが。)
そんな私が『私』を思い出したのは、先程話した事件が影響している。
襲われて瀕死状態になっている時に夢となって私が『私』だった頃の記憶が蘇ったというわけなのだった。
そこには悲しみと絶望、果てには歓喜すら孕んだような、どこか歪な想いが込められているかのようだった。
雫がひたひたと地面に落ちる音が聞こえる。
———ああ、またこの夢か。
夢の中にいても尚、その場所が夢なのだと分かりきってしまうほどに繰り返した夢。そして私は、この夢がある意味で現実であることを知っていた。
辺りには錆びた鉄のような血の、濃厚な匂いが立ち込めていた。
きらい。だいきらい。
許さない。許せない。許したくない。
だいきらい。だいきらい。
だいきらい。だいきらい。
許せるはずがない。一生、許すことなんて出来ない。
泣き声からは、そんな黒い想いが溢れ返っていた。
その声を、私は誰よりも一番よく知っている。誰よりも知って、そして理解していた。
けれども、知っていたはずなのにそれが誰なのかを未だに思い出すことが出来ずにいた。
———私が、私だけが××××だったのにっ!!
泣き声とは別に、違う誰かの甲高い声が響き渡る。
それと同時に泣き声はさらに強くなる。
後悔して。絶望してね。
奈落の底へ堕ちてね。
絶望して、泣き叫んで。
貴方の所為でこうなったんだもの。
後悔してね。
今度は知らない誰かの思い。
嘲笑うかのようなその感情は、私の心を蝕んでいく。
鎖のようにしっかりと、泥のようにねっとりと纏わり付いてくる。
そうして私はそのまま、知らない誰かの感情の底へと呑み込まれていくのだ。
いつものこと。
いつものことなのに。
未だに聞こえる泣き声を思いながら、私は今日もまた、その手をとることが出来なかったのかと嘆いて後悔をするのだ。
知らないはずのに、知っていると心の奥底で認識している現実。
どうしてそう思ってしまうのだろうか。しかし幾ら考えたところで、その答えが出てくるはずがない。
そうして私はその声に、そしてその思いに呑み込まれていった。
暗い、暗い闇の中。
私の心はどこまでも堕ちていく。
そして意識もまた、遠ざかっていくのだ。
一筋の光すら、この闇の中には訪れないことを知っている。
もう、手遅れなんだよ、と。
意識がそこから無くなる寸前に、誰かが私の耳元でそう囁いていた。
* * *
まだ八歳だった頃、私はリナリザ子爵に庶子として引き取られた。
私の名前はフィオレンティーナ・エリナ・リナリザ。周りからはティーナの愛称で通っている。
そんな私はとある事情によって十四歳の時に、この国の王太子であるジルベルト・クリア・リエラネル様と婚約を結んでいた。
しかし婚約のことを知っているのは私の周りと王族、それから国の上層部に位置する一部の人のみであった。つまりこのことはある意味国家機密レベルの秘密であったりする。
本来であれば、王太子である彼の婚約が発表されないなんてことは無いのだが、事情が事情であるために秘匿しなければならなかったのだ。そして、秘匿しなければならない原因は私の存在にある。
私は今リナリザ子爵家の庶子とされているが、実際には私はリナリザ家とは全く関係がない。
私の本名は、フィオレンティーナ・ナリル・エレオノーラ。エレオノーラ公爵家の、正真正銘のお姫様である。
そんな私が、何故リナリザ家の庶子として暮らしているのかと云うと、それにはある事件が関与していた。
当時の記憶を私は覚えていない。
ただ、何が起こったのかは人伝に聞いて知っていた。
詳しいことは国の上層部によって秘匿されているのと、私自身話すのがめんど……躊躇われる為省略するが、八年前エレオノーラ公爵邸に何者かが侵入し、そして一家諸共襲われたのだ。それによってエレオノーラ家からは当時の公爵当主とその奥方、そしてその年で六歳となる一人娘、そして多くの使用人の大量の死体が見つかったという。
国は必死になって犯人を探したのだが、証拠も何も掴めなかったらしい。
そしてそのままニ年が過ぎた頃、国は犯人を捜すことを諦めたのだった。
エレオノーラ公爵邸を襲った犯行。
そのことからこの事件は『エメラルドの事件』と呼ばれていた。
何故エメラルドなのかというと、エレオノーラ家は代々翠玉色の瞳を受け継いできていたからであった。
そして、その事件は、未解決のまま幕を閉じたのであった。
———というのが表向きの内容である。
しかし、実際はほんの少しだけ事情が異なっていた。
公爵夫妻と共に一人娘も亡くなったとされているが、実際にはきちんと生きていたのだ。まあ、兵士が見つけた時には瀕死状態だったらしいのだが。
そして一人娘であるフィオレンティーナ、つまり私が今リナリザ家にいて無事に過ごしているのが生きている証拠だ。
生死の境をさまよった後に奇跡的に回復した私を、現国王が信頼の置ける側近に私を託したのである。
何故ここで国王が出てくるのがと不思議に思った方も多いことだろう。
何故私が国王から託されたのか。
答えは簡単だ。エレオノーラ公爵家の奥方だった私の本当の母は、国王の唯一の同腹の妹君であられたからだ。
その事実を知る者もまた少ない。
母は病弱だったため、その存在を公にはしていなかったのだ。
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そして冒頭の話に戻るのだが、何故私がこの国の王太子殿下と婚約関係にあり、その事実が秘匿されているのか。
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理由は『私』の存在が公になった際に、守れるようにするためだ。
今、エレオノーラ公爵家の領地は王家のものとされているがそれは仮なもので、いずれは私に帰ってくるのである。
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まあ、そうは言ってもそれを引き継ぐのは私ではなく私の子供であるのだが。
そんなこんなで私は王太子殿下と婚約しているのであった。
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というよりは幼馴染であるため、気安い関係であると言った方が正しいのか。
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