137 / 148
第二幕 番外編
スピカの後味⑦*
しおりを挟む
景虎は、庄助の精を唇で吸い上げると、残滓の散る下腹を舐めた。掴んだ腰はじっとりと汗をかいている。庄助は整わないままの呼吸で、景虎の行為を咎める。
「やめろっ! 落ちたやつ飲まれんの、キモくてめっちゃイヤやねんからな……!」
「そうだったのか、すまない。もう飲んだ」
「もうイヤや変態、変態~っ!」
本気で怒って拙い悪態をつく唇に、つうと目尻から涙がひと筋、こぼれ落ちた。
力の入らない身体を折り曲げられ、大きく脚を開かせられた。
景虎は、濡れて萎えて小さくなった柔らかい陰茎をつまみ上げる。そのまま、今度は口の中にぱくりと全部含まれてしまった。
庄助は驚いてベッドの上の方に逃げようとしたが、腰を押さえつけられて動けない。唇で挟まれて引っ張り上げるように扱かれると、庄助はとうとう諦めてちいさく鳴きはじめた。
「はあっ、それ……つらい、んっん……あぁあっ! ぐぅっ……」
皮の内側を、剥がすようにぐるりと舌で舐められる。
今しがた精液を吐き出して敏感になっている鈴口は熱く、尿道に残ったものを吸い出されるだけで、電流のように強い快感が走る。
「気持ちよさそうだな」
「ちがぁっ……! イったばっか、イ……っ、た、つらいって……あ! うぅ゙う~!」
背筋が発作のように弓なりに跳ねる。とっくに気持ちよさは上限を突破して、痛いほどになっていた。
反応を確かめるように、ペニスを舐めしゃぶられながら、奥まった小さな穴に指が伸びてくる。撫でるように少しずつ割れ目を探られ、庄助は慌てた。
「あっ……そこ……」
菊座に、景虎の指先が触れる。いつもは硬く拒むように息づくそれが、指のほんの先にちゅっと吸い付くような動きをした。指を這わせると、ぬるぬるとしたゼリーのような感触がある。
「……これは」
庄助は真っ赤な顔をして身体を起こした。
「や……違う……っ! どうせ、するやろなと思って! それやったらちゃんと風呂でキレイにしたほうがええし、濡らしてたら痛くないし!」
なんてことだ。景虎は目を見開いた。
あの、いつも嫌だ嫌だとうるさく泣き喚く庄助が、自らセックスの準備をしてきているなんて。自分を受け入れるために、抱かれるために一人でほぐしたのかと思うと、胸が詰まる。
何ていじらしくて、いやらしい生き物なのだろうか!
「俺かて別にそんなっ……ただ、いつもお前がめちゃくちゃやから用心して……」
景虎は何も言わず、まだ何事かをぶつぶつ喋り続ける庄助の身体を、ベッドにまたゆっくりと押し倒した。
「聞いてんのかおいっ!」
「聞いてる。俺は今感動してるんだ、庄助。愛してる……お誕生日おめでとう」
「なんで今言うねんっ! おかしいやろ……んわあっ!」
再度開かせた庄助の股間に顔を埋めると、景虎は陰毛をざり、と舐めた。そのまま、何度も毛繕いみたいに流れに舌を這わせ、恥ずかしさでぴくぴくと反応する庄助のペニスをもう一度咥えた。
「ア……!」
口腔内をすぼめて密着させ、押し引きするように舐める。半ば強制的に与えられる強い性感に、庄助は大きく身震いをした。
フェラチオと一緒のタイミングで、狭い胎の壁に沿って中指が入り込む。爪が当たらないように指の腹で探って、ペニスの付け根の裏側に当たるそこになだらかな膨らみを見つけては、揺らすように押す。悲鳴のような嬌声が、空気を求めて反らした庄助の喉からせり上がった。
「ィ、ぅくっ……! ひっ、そこ、そこやめっ……あはぁ……っ!」
口の中で、庄助の陰茎が硬さを取り戻すのがわかった。指全体を出し入れさせると、戸惑うように蠢く孔がたまに空気を飲み込み、そこに奥から溢れてくる潤滑ゼリーが混ざって、ちゅぽちゅぽと吸い付くような音を立てた。
「ゔぅ……あかんてっ、もう無理やってえ……っん゙み……っ、ぁああっ」
中を掻き回すと、庄助の足先がガクガクと震えた。尻を浮かせてふくらはぎで踏ん張って、自分ではどうしようもない異物感と快感に耐えている。浮き出た腰骨から汗が流れて、髪の色とは違う、地毛の黒の中に落ちる。
庄助の指が髪に触れ、頭皮に軽く爪を立てる。景虎はたまらなくなって、バスローブを脱ぎ捨てた。
「やめろっ! 落ちたやつ飲まれんの、キモくてめっちゃイヤやねんからな……!」
「そうだったのか、すまない。もう飲んだ」
「もうイヤや変態、変態~っ!」
本気で怒って拙い悪態をつく唇に、つうと目尻から涙がひと筋、こぼれ落ちた。
力の入らない身体を折り曲げられ、大きく脚を開かせられた。
景虎は、濡れて萎えて小さくなった柔らかい陰茎をつまみ上げる。そのまま、今度は口の中にぱくりと全部含まれてしまった。
庄助は驚いてベッドの上の方に逃げようとしたが、腰を押さえつけられて動けない。唇で挟まれて引っ張り上げるように扱かれると、庄助はとうとう諦めてちいさく鳴きはじめた。
「はあっ、それ……つらい、んっん……あぁあっ! ぐぅっ……」
皮の内側を、剥がすようにぐるりと舌で舐められる。
今しがた精液を吐き出して敏感になっている鈴口は熱く、尿道に残ったものを吸い出されるだけで、電流のように強い快感が走る。
「気持ちよさそうだな」
「ちがぁっ……! イったばっか、イ……っ、た、つらいって……あ! うぅ゙う~!」
背筋が発作のように弓なりに跳ねる。とっくに気持ちよさは上限を突破して、痛いほどになっていた。
反応を確かめるように、ペニスを舐めしゃぶられながら、奥まった小さな穴に指が伸びてくる。撫でるように少しずつ割れ目を探られ、庄助は慌てた。
「あっ……そこ……」
菊座に、景虎の指先が触れる。いつもは硬く拒むように息づくそれが、指のほんの先にちゅっと吸い付くような動きをした。指を這わせると、ぬるぬるとしたゼリーのような感触がある。
「……これは」
庄助は真っ赤な顔をして身体を起こした。
「や……違う……っ! どうせ、するやろなと思って! それやったらちゃんと風呂でキレイにしたほうがええし、濡らしてたら痛くないし!」
なんてことだ。景虎は目を見開いた。
あの、いつも嫌だ嫌だとうるさく泣き喚く庄助が、自らセックスの準備をしてきているなんて。自分を受け入れるために、抱かれるために一人でほぐしたのかと思うと、胸が詰まる。
何ていじらしくて、いやらしい生き物なのだろうか!
「俺かて別にそんなっ……ただ、いつもお前がめちゃくちゃやから用心して……」
景虎は何も言わず、まだ何事かをぶつぶつ喋り続ける庄助の身体を、ベッドにまたゆっくりと押し倒した。
「聞いてんのかおいっ!」
「聞いてる。俺は今感動してるんだ、庄助。愛してる……お誕生日おめでとう」
「なんで今言うねんっ! おかしいやろ……んわあっ!」
再度開かせた庄助の股間に顔を埋めると、景虎は陰毛をざり、と舐めた。そのまま、何度も毛繕いみたいに流れに舌を這わせ、恥ずかしさでぴくぴくと反応する庄助のペニスをもう一度咥えた。
「ア……!」
口腔内をすぼめて密着させ、押し引きするように舐める。半ば強制的に与えられる強い性感に、庄助は大きく身震いをした。
フェラチオと一緒のタイミングで、狭い胎の壁に沿って中指が入り込む。爪が当たらないように指の腹で探って、ペニスの付け根の裏側に当たるそこになだらかな膨らみを見つけては、揺らすように押す。悲鳴のような嬌声が、空気を求めて反らした庄助の喉からせり上がった。
「ィ、ぅくっ……! ひっ、そこ、そこやめっ……あはぁ……っ!」
口の中で、庄助の陰茎が硬さを取り戻すのがわかった。指全体を出し入れさせると、戸惑うように蠢く孔がたまに空気を飲み込み、そこに奥から溢れてくる潤滑ゼリーが混ざって、ちゅぽちゅぽと吸い付くような音を立てた。
「ゔぅ……あかんてっ、もう無理やってえ……っん゙み……っ、ぁああっ」
中を掻き回すと、庄助の足先がガクガクと震えた。尻を浮かせてふくらはぎで踏ん張って、自分ではどうしようもない異物感と快感に耐えている。浮き出た腰骨から汗が流れて、髪の色とは違う、地毛の黒の中に落ちる。
庄助の指が髪に触れ、頭皮に軽く爪を立てる。景虎はたまらなくなって、バスローブを脱ぎ捨てた。
11
お気に入りに追加
337
あなたにおすすめの小説
目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
ヤクザと捨て子
幕間ささめ
BL
執着溺愛ヤクザ幹部×箱入り義理息子
ヤクザの事務所前に捨てられた子どもを自分好みに育てるヤクザ幹部とそんな保護者に育てられてる箱入り男子のお話。
ヤクザは頭の切れる爽やかな風貌の腹黒紳士。息子は細身の美男子の空回り全力少年。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる