ぬきさしならへんっ!

夢野咲コ

文字の大きさ
上 下
74 / 243
第二幕

5.虎に耽溺⑤*

しおりを挟む
「いあっ、やめろっ! 最悪や! 絶対むりっ、やめ、あひ」
 景虎を蹴り上げようとした脛を両方とも、がっしりと脇に抱き込むように掴まれて、より自由が効かなくなる。
 さっきより深く尻の間に顔を埋めると、景虎はちゅぱちゅぱと音を立ててそこを舐めた。
「やっ、ちょ……! なんでなんっ!? マジでいやや、き、汚いって……!」
「風呂に入ったところなんだから、汚くないだろ」
「そういう問題とちゃう~! つか、人の尻の間で喋んなっ!」
 抵抗に必死になるあまり、一瞬緩んだ孔にぐりぐりと舌をねじ込むと、今度は縮こまるように舌の先をゆるく締め付けてくる。
「う……くぅ」
 気持ちいいとか悪いだとか、もはやそういう問題ではなかった。恥ずかしくてどうしようもない。
 足を開かれて押さえつけられて、穢れた場所を丹念に舐められる。挿入よりもっと、ずっと恥ずかしかった。

 手で尻たぶを左右に割り開くようにすると、肛門が横に一文字に伸びる。下から上に、舌を引っ掛けるように舐めあげると、ふるふると庄助の内股が震えた。
 今度は指で穴を直接拡げて、少しだけ見える艶めかしい桃色の粘膜に息を吹きかける。面白いように庄助の腹筋が躍った。
「カゲっ、やっ……イヤや! やぁあ……」
 目を閉じた横顔、頬から耳にかけてを真っ赤にして、庄助は泣いた。
 ぐずるように訴えるのが可愛らしくて、剥き出しにした粘膜を舌でねっとりと嬲る。ぬるい唾液が小さな窄まりに溜まって、シーツと内腿をベトベトに濡らしてゆく。

「ひ……、ひいっ、ひィん……もうやめろって……!」
 だんだんとほぐれてきて、誘うように口を開閉する肛門に、指先を埋めた。くぷくぷと、空気を含んだ水の音がする。下に引き下げるようにして、ほんの少しだけ空いた隙間に、景虎は舌を差し込んでゆく。
「んっ、きゅ……や、ひゃ……あかんって、後で殺すからな、クソが……! うああっ!」
 生き物のような舌が入り口の粘膜を這い回るたび、もっと深く侵入されてしまうのではという不安に襲われる。
 この期に及んでまだ飛び出す生意気な言葉と裏腹に、景虎に好き放題にされている身体は、しっかりと反応し始めていた。

「あ、っふ……おっ、ぉ……っ!」
 柔らかくなったアナルに、舌と入れ替わりに指が入り込んでくる。当然のように腹側のしこりを押され、急速に広がる痺れにくらくらした。
「ケツの穴、舐められて勃起してるのか」
 裸の下半身の中心で、指先すら触れてもらえないペニスから溢れるカウパー液が、外気に何分も晒されて冷え、ヒヤリとした感覚を庄助にもたらしていた。
「ちがう……っ」
「エロいな、最高だ。……興奮する」
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた

翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」 そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。 チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

処理中です...