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第二幕
5.虎に耽溺③*
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痕をつけるなと言うと、逆に意地になって首筋などの見えるところにマーキングしてこようとする景虎に辟易して、庄助はもう最近はあえてやめろとは言わずにいるのだけれど、
「あっ、ン……うぅ、んひ……っ」
何も言わなければ言わないで、体のどこかしらをずっと、舌や歯で噛まれて吸われ続ける。
そしてもっぱら、景虎は庄助の乳首が気に入っている。
小さくて感じやすくて、弄くっていると先端が赤くなってくる、愛おしい粒だ。
「かっ……待って、むねっ、胸、もう」
“乳首”と言うのが恥ずかしいのか、胸と表現するのが面白い。
景虎の大きな身体の下で、庄助は自らシャツを捲って、そのくせ恥ずかしそうに目を閉じている。
いじめてやりたい。言葉で、指で、舌で、あらゆる恥辱を与えて泣かせたい。
とてつもなく悪い気持ちになるのを、景虎は堪える。その代わりとばかりに、わざといやらしい音を立てて乳首を吸い上げた。
「んき……! う、ンあ、うぅ~~!」
必死に景虎の顔を押しのけようと、手を突っ張る仕草が、抱っこを嫌がる猫の子みたいで笑ってしまう。
舌の広い面で押し込むように舐めた後、先端を弾くように舌先で転がすと、庄助の腰が浮く。無意識に景虎の発達した太腿の筋肉に、自らの股間を押し付けてしまう。ボクサーパンツと太腿で擦れた庄助のペニスは、すでにゆるく勃起していた。
「俺はてっきり、庄助が疲れてるだろうと遠慮していたのに。元気だな。そんなサカって」
「うっ……さい、この変態……! んんっ」
何度目かわからないキスも、その後にまた耳や乳首を舐められるのも、全部気持ちよかった。景虎に触れられている箇所が、チョコレートみたいに体温で溶けていっている気さえした。
「うっ、う……や゙あっ……! ふ……っン」
「あんまり大きな声を出すと、近所に聞こえるぞ」
景虎はゆっくりと手を取って、今にも泣き出しそうに唇を噛む庄助の真っ赤な顔を見つめる。目を合わせてくれないのが逆に唆る。
頬を撫で、それから庄助の指に指を絡ませて恋人繋ぎにすると、濡れた唇から切なげな吐息が漏れた。
手の甲に口づけたまま、濡れた下着を脱がせる。もどかしいほど優しい愛撫に震えるペニスの先端が、とろとろと期待の汁を零している。
「まだ前戯なのに、感じすぎだ」
「久しぶりやねんからっ……しゃーないやろ」
「“ほんの何日か”じゃないのか」
先程の庄助の言葉を根に持っているのか、景虎はからかうように笑った。その吐息が頬に触れて、庄助の短い眉の根が切なげにぎゅっと寄った。
「……っカゲ」
景虎が身体を伸ばして、キャビネットの中のローションやコンドームを取り出す。その間すらもどかしいというように、庄助は腰を揺らめかせた。庄助は絶対に認めないだろうが、数ヶ月で随分セックスが好きになったものだ。
「あっ、ン……うぅ、んひ……っ」
何も言わなければ言わないで、体のどこかしらをずっと、舌や歯で噛まれて吸われ続ける。
そしてもっぱら、景虎は庄助の乳首が気に入っている。
小さくて感じやすくて、弄くっていると先端が赤くなってくる、愛おしい粒だ。
「かっ……待って、むねっ、胸、もう」
“乳首”と言うのが恥ずかしいのか、胸と表現するのが面白い。
景虎の大きな身体の下で、庄助は自らシャツを捲って、そのくせ恥ずかしそうに目を閉じている。
いじめてやりたい。言葉で、指で、舌で、あらゆる恥辱を与えて泣かせたい。
とてつもなく悪い気持ちになるのを、景虎は堪える。その代わりとばかりに、わざといやらしい音を立てて乳首を吸い上げた。
「んき……! う、ンあ、うぅ~~!」
必死に景虎の顔を押しのけようと、手を突っ張る仕草が、抱っこを嫌がる猫の子みたいで笑ってしまう。
舌の広い面で押し込むように舐めた後、先端を弾くように舌先で転がすと、庄助の腰が浮く。無意識に景虎の発達した太腿の筋肉に、自らの股間を押し付けてしまう。ボクサーパンツと太腿で擦れた庄助のペニスは、すでにゆるく勃起していた。
「俺はてっきり、庄助が疲れてるだろうと遠慮していたのに。元気だな。そんなサカって」
「うっ……さい、この変態……! んんっ」
何度目かわからないキスも、その後にまた耳や乳首を舐められるのも、全部気持ちよかった。景虎に触れられている箇所が、チョコレートみたいに体温で溶けていっている気さえした。
「うっ、う……や゙あっ……! ふ……っン」
「あんまり大きな声を出すと、近所に聞こえるぞ」
景虎はゆっくりと手を取って、今にも泣き出しそうに唇を噛む庄助の真っ赤な顔を見つめる。目を合わせてくれないのが逆に唆る。
頬を撫で、それから庄助の指に指を絡ませて恋人繋ぎにすると、濡れた唇から切なげな吐息が漏れた。
手の甲に口づけたまま、濡れた下着を脱がせる。もどかしいほど優しい愛撫に震えるペニスの先端が、とろとろと期待の汁を零している。
「まだ前戯なのに、感じすぎだ」
「久しぶりやねんからっ……しゃーないやろ」
「“ほんの何日か”じゃないのか」
先程の庄助の言葉を根に持っているのか、景虎はからかうように笑った。その吐息が頬に触れて、庄助の短い眉の根が切なげにぎゅっと寄った。
「……っカゲ」
景虎が身体を伸ばして、キャビネットの中のローションやコンドームを取り出す。その間すらもどかしいというように、庄助は腰を揺らめかせた。庄助は絶対に認めないだろうが、数ヶ月で随分セックスが好きになったものだ。
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