屍人の王とキョンシー娘の葬送行進曲

魔女狩りの日

攻撃開始2

「ふぅ……私はここまでです。どうか……フェスターさんを助けてあげてください」

ミユは仲間たちにそう告げて、倒れそうになった。
コトネは彼女を抱き止めて、ゆっくりと床に寝かせる。

「道は作ったよ、後はお願いねコトネ」
「もちろんだ。任せて……行くぞローズ」
「お？おう……あれをそこの小娘がやったのか……大したものじゃ」
「絶対助けるぞ、フェスターを」
「分かっておる」

ローズは大きく息を吸った。
そして魔術学園を睨みつけ、兵士どもに言い放った。

「道は開けた！！後はフェスターを助けるだけじゃ！わしに続けい！！思い切り暴れるがいいぞ！！」

兵たちの雄叫びがあがる。
興奮はすでに最高潮だ。
ローズとコトネが先陣を切り、その後ろに兵が続く。
誰にも荒らされなかった禁忌に、彼女たちは土足で踏み入る。
ドタドタと足音を鳴らし、目に入った人間を殺してまわった。

「お、おい！なんでシールドが壊れてんだよ！」
「しらねぇよ！あいつら突っ込んでくるぞ！」
「いいじゃねぇか、やっと人に向けて魔法放てるんだ。殺してやろうぜ！」

血気盛んな魔術学園の生徒たちが、侵入者に杖を向ける。
そして磨き上げた魔法を放った。
炎や雷、聖魔法さえも放つ。
兵たちは倒れていくが、先頭に立つローズとコトネは全て避け、魔術師の群れの中に突撃した。
ローズは鞭状のイバラで叩き、コトネは刀で斬り伏せる。
強敵の乱入に、ロクな戦いの経験などない生徒たちは慌てふためて、簡単に殺されていく。

「何をしているのです！下劣な雑魚相手に！早く蹴散らしますよ！」

蹂躙される生徒たちに向かって、学園の教師が叫ぶ。
教師は体のまわりに剣を模した魔法を大量に作り、雨のように降らせた。
剣は兵たちの体を貫き、命を奪う。