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魔女狩りの日

フェスターとカーラ7

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「なぁカーラ、嫌がるふりはもうやめろよ。みんな知ってるんだって」
「何をですか?」

テントの陰に、ギロルとカーラはいた。
ギロルがカーラを連れてきたのだ。
彼は半裸で、隆起した筋肉を見せびらかしている。

「お前が俺のこと好きだってことだよ。あの役立たずと一緒にいて俺を嫉妬させようとしてんだろ?そのくらい分かってるぞ」
「意味がわかりません」
「まだ引っ張る気か?いつまで駆け引きするつもりだよ?あんな何もできないグズに誰も惹かれない……そんなこと分かりきってる」
「フェスターは素敵な人です。あなたよりずっと」
「馬鹿言うなよ、あのグズが今この瞬間失踪しても誰も気にしないぞ。それどころか大喜びだ、飯の配分が増えるからな」
「そこですよ」
「あ?」
「そこがあなたとの違いです。彼は絶対にそんなこと言わない」

あくまで毅然とした態度を崩さないカーラを見て、ギロルは笑った。

「分かった、負けたよ。団員たちの目を気にしてるんだろ?」
「は?」
「お前が身持ちを気にしてるのは分かってる。今まで誰とも変な噂はなかったからな……俺だって気を遣ってやってたんだぜ?」
「……は?」
「俺はこのサーカスで花形だからな。誰も俺には逆らえない……だから唾つけてやったんだぜ?お前に変な虫がつかないようにな」
「何を言ってるんですか?」
「だから……お前はビッチだって思われるのが嫌だったんだろ?だから俺だけとヤれるようにお膳立てしてやったんだ。大丈夫だ、もうお前がきて数ヶ月経ったし、俺と付き合っても誰も変な目で見ねぇよ」

真剣な声色で言うギロルに、カーラは呆れ返った。

「もういいですか?疲れたので……テントに戻ります」
「どこまで強情な女だよ」
「もう嫌気がさしてます。あなたの顔も見たくない」
「なるほどな、そういうのが好きなのか」
「はい?」

ギロルは嫌らしく笑って、カーラを抱きかかえて、地面に押し倒した。
カーラはバタバタと体を動かして抵抗するが、ギロルの筋力にはなす術もない。

「無理やりされるのが好きなんだろ?好きな相手によ!!」
「やめて!!」

ギロルはカーラの服を力任せに破る。
はだけた服から、彼女の綺麗な乳首が顔を出す。

「こうされたかったんだろう?カーラ……」
「助けて!フェスター助けて!」

カーラはその言葉を最後に口を手で塞がれた。
呻き声が虚しく響く。

「やめろよ、ほんとに人来ちゃうぜ?それはお前も嫌だろう?大人しくしてれば気持ちよくしてやるか……」

そう言いかけたギロルの顔が跳ね上がった。
ギロルは顔を蹴り上げられ、カーラの体から離れる。
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