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魔女狩りの日
深緑の女王2
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「俺はラッセル。よろしくな」
「て、テンだよ」
「テンか、いい名前だな。それで……分かってるよな?」
「なにを?」
「とぼけんなよ、お前らがここで死ぬことについてだ」
「ま、待って話を聞いて!」
「侵入者の話なんて聞くわけないだろ。お前ら深緑の女王、ローズ様のテリトリーに入ったんだ。約束してるわけでも招かれたわけでもないのにな。そういう無礼な輩を排除するのが俺たちの仕事だ」
ラッセルは口笛を鳴らす。
森の中からさらに多くの亜人が顔を出す。
「森がうるさいとローズ様の機嫌が悪くなるからな。頼むから叫び声とかあげるなよ、黙って死んでくれ。おじさんからのお願いだ」
ラッセルが話を終えると、植物型の亜人たちが一斉にテンたちに襲いかかった。
いきなりの戦闘開始に、テンたちに絶望がよぎる。
「私たちはフェスターの仲間なの!!」
テンはやけになって叫んだ。
亜人たちの動きがピタッと止まり、みなラッセルを見つめる。
「あぁマジかよクソ……フェスターかよぉ!」
ラッセルは頭を抱えて、何度も体を振ってうんざりした感情を表現した。
「フェスターかぁ……なんで今頃、せっかくローズ様も落ち着いて森も平和になったのに」
「ラッセルさん、どうします?」
1人の亜人が面倒そうにラッセルに聞いた。
ラッセルはまだ頭を抱えている。
「うーん……よし殺そう。殺して土の中に埋めよう!それがいい、ローズ様には言うな!」
「でも……フェスターきたらどうするんすか?」
「え?」
「だってこいつらフェスターの使いでしょ?なんか伝えたいことがあるんだと思います。殺してしまったらこいつらは要件を伝えられませんよね?そしてこいつらもフェスターのもとに帰れない……そうしたらたぶんあいつここに来ますよ。『おいどうなってんだ?俺の仲間はどうした?』って感じで。それで俺たちが勝手にこいつら殺したのローズ様にバレたら……」
「めちゃくちゃ怒られるだろうな……俺女房以外に叱られるの好きじゃないんだよなぁ」
「俺はローズ様に怒られるの好きですけど」
「そうなのか?でもやっぱ罵倒にも愛がなきゃいけないぜ」
「それでどうします?」
ラッセルは頭をポリポリと掻き、深くため息をつく。
「会わせるだけ会わせよう。お気に召さなきゃローズ様が殺すだろ」
「それがいいと思います」
話はまとまったようで、ラッセルがテンたちを襲わせていた亜人たちを下がらせた。
「持ち場についてろ、こいつらは俺が連れて行くからよ」
亜人たちは「はーい」と呑気に返事をして、森の中に戻っていった。
「じゃあ行くか。ああローズ様の前で屁とかこいたら殺されるから気をつけろよ」
「う、うん。案内してくれるの?」
「ああ、ついてこい」
ラッセルの後ろに4人はついていく。
奥に進んでいくほど、まわりに生える植物の姿が変わっていく。
入り口あたりは普通の草花ばかりだったのに、今では赤やピンクなど、明らかな警告色の植物が生い茂っていた。
「て、テンだよ」
「テンか、いい名前だな。それで……分かってるよな?」
「なにを?」
「とぼけんなよ、お前らがここで死ぬことについてだ」
「ま、待って話を聞いて!」
「侵入者の話なんて聞くわけないだろ。お前ら深緑の女王、ローズ様のテリトリーに入ったんだ。約束してるわけでも招かれたわけでもないのにな。そういう無礼な輩を排除するのが俺たちの仕事だ」
ラッセルは口笛を鳴らす。
森の中からさらに多くの亜人が顔を出す。
「森がうるさいとローズ様の機嫌が悪くなるからな。頼むから叫び声とかあげるなよ、黙って死んでくれ。おじさんからのお願いだ」
ラッセルが話を終えると、植物型の亜人たちが一斉にテンたちに襲いかかった。
いきなりの戦闘開始に、テンたちに絶望がよぎる。
「私たちはフェスターの仲間なの!!」
テンはやけになって叫んだ。
亜人たちの動きがピタッと止まり、みなラッセルを見つめる。
「あぁマジかよクソ……フェスターかよぉ!」
ラッセルは頭を抱えて、何度も体を振ってうんざりした感情を表現した。
「フェスターかぁ……なんで今頃、せっかくローズ様も落ち着いて森も平和になったのに」
「ラッセルさん、どうします?」
1人の亜人が面倒そうにラッセルに聞いた。
ラッセルはまだ頭を抱えている。
「うーん……よし殺そう。殺して土の中に埋めよう!それがいい、ローズ様には言うな!」
「でも……フェスターきたらどうするんすか?」
「え?」
「だってこいつらフェスターの使いでしょ?なんか伝えたいことがあるんだと思います。殺してしまったらこいつらは要件を伝えられませんよね?そしてこいつらもフェスターのもとに帰れない……そうしたらたぶんあいつここに来ますよ。『おいどうなってんだ?俺の仲間はどうした?』って感じで。それで俺たちが勝手にこいつら殺したのローズ様にバレたら……」
「めちゃくちゃ怒られるだろうな……俺女房以外に叱られるの好きじゃないんだよなぁ」
「俺はローズ様に怒られるの好きですけど」
「そうなのか?でもやっぱ罵倒にも愛がなきゃいけないぜ」
「それでどうします?」
ラッセルは頭をポリポリと掻き、深くため息をつく。
「会わせるだけ会わせよう。お気に召さなきゃローズ様が殺すだろ」
「それがいいと思います」
話はまとまったようで、ラッセルがテンたちを襲わせていた亜人たちを下がらせた。
「持ち場についてろ、こいつらは俺が連れて行くからよ」
亜人たちは「はーい」と呑気に返事をして、森の中に戻っていった。
「じゃあ行くか。ああローズ様の前で屁とかこいたら殺されるから気をつけろよ」
「う、うん。案内してくれるの?」
「ああ、ついてこい」
ラッセルの後ろに4人はついていく。
奥に進んでいくほど、まわりに生える植物の姿が変わっていく。
入り口あたりは普通の草花ばかりだったのに、今では赤やピンクなど、明らかな警告色の植物が生い茂っていた。
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