屍人の王とキョンシー娘の葬送行進曲

吸血鬼姉妹

急げフェスター！

「おっ！鐘の音だ！」

留置所の部屋の中で、オヤジは嬉しそうに笑った。
フェスターは怪訝な顔で鐘の音に耳を澄ます。
不規則でリズム感がなく、まるで素人が鳴らしているようだ。

「今夜は祭りか！？あははは！」
「おい、鐘は鳴らねぇんじゃないのか？」
「ああ、10年ぶりだよ！領主様にいいことでもあったのか？」

オヤジは煙草を吸いながら、がぶがぶ酒を飲んだ。
フェスターの頭に嫌な考えが浮かぶ。

「あいつらしくじったのか！？」

自分たちの思惑が露呈し、テンたちは襲われた。
そしてなんとか自分にそのことを伝えようと鐘を鳴らしたのではないか？
フェスターの予想は大当たりだった。
彼はすぐに壁を破壊して外に出る。
壊して地面に落ちたレンガを魔法で操り、足場を作る。
彼はそれに乗り、空を進んで城を目指した。

「おい兄ちゃん！早く帰ってこないと怒られるぞ！！」

オヤジは叫ぶ、その声はフェスターに聞こえていない。
オヤジはゲラゲラ笑いながら、再び酒に口をつけた。