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吸血鬼姉妹
留置所とフェスター
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「はぁ……」
城で騒ぎを起こしたフェスターは、留置所に囚われていた。
脱出は困難ではないが、騒ぎを起こしてクロエに探られると面倒なので釈放されるまでここにいることを選んだのだ。
「兄ちゃん、何やらかしたんだ!?」
同じ部屋に囚われているオヤジは、酒を飲みながらデカい声で彼に聞いた。
「城の前で騒いだんだ」
「なるほどな、おいらもよくやるよ」
「へぇ」
「別に理由なんてないんだけどな!ははは!」
「じゃ俺たち仲間ってわけだ、嬉しいね」
フェスターは鼻で笑って煙草を口に咥える。
「煙草くれ」
「酒くれたらやるよ」
「よしきた」
オヤジは部屋のレンガの1つを引き抜いた。
出来た空洞に手を突っ込み、酒の入った瓶を取り出して、フェスターに渡す。
「おいらここの常連なんだ!」
「そいつは頼りになるな」
フェスターは煙草を箱ごと渡し、酒瓶の蓋を開ける。
「兄ちゃん見ない顔だね」
「酔っ払って歩いてたらたどり着いたんだ」
「へへへ、そうかい。ここ出たら観光でもしていくといい」
「観光する場所なんかないだろ」
「まぁなぁ、昔はもっと栄えてたんだがよ」
「前の領主が死んで衰退したんだろ?」
「町が貧乏になったのは確かだな。だがおいらは今のほうが好きだよ」
「なんで?」
「前の領主様のときは金はあったが、余裕がなくてな。みんな働き詰めでよ……それによそから会社ひっぱってきたり、危なそうな連中がたくさんいたからな。今の領主、クロエ様はそいつらを全部追い出したんだ。おかげで平和でまったりしてるよ。住んでる奴らも感謝してんじゃねぇか?」
「ふーん」
「あ、そうだ。町の名物っていやあれがあるな。領主様が住んでる城のてっぺんに大鐘があるんだ」
「鐘?しょぼいな」
「そんなことねぇよ。朝とか仕事終わりとかに町中に響いてた。あれ聞いたらシャキッとするんだよな!でもまぁ壊れたかなんかで前の領主様が死んでから鳴らなくなったけどな、また聞きてぇなぁ」
オヤジは昔を思い出すように言った。
酒を飲みながら、フェスターはテンたちが上手くやっているかどうかを気にしている。
城で騒ぎを起こしたフェスターは、留置所に囚われていた。
脱出は困難ではないが、騒ぎを起こしてクロエに探られると面倒なので釈放されるまでここにいることを選んだのだ。
「兄ちゃん、何やらかしたんだ!?」
同じ部屋に囚われているオヤジは、酒を飲みながらデカい声で彼に聞いた。
「城の前で騒いだんだ」
「なるほどな、おいらもよくやるよ」
「へぇ」
「別に理由なんてないんだけどな!ははは!」
「じゃ俺たち仲間ってわけだ、嬉しいね」
フェスターは鼻で笑って煙草を口に咥える。
「煙草くれ」
「酒くれたらやるよ」
「よしきた」
オヤジは部屋のレンガの1つを引き抜いた。
出来た空洞に手を突っ込み、酒の入った瓶を取り出して、フェスターに渡す。
「おいらここの常連なんだ!」
「そいつは頼りになるな」
フェスターは煙草を箱ごと渡し、酒瓶の蓋を開ける。
「兄ちゃん見ない顔だね」
「酔っ払って歩いてたらたどり着いたんだ」
「へへへ、そうかい。ここ出たら観光でもしていくといい」
「観光する場所なんかないだろ」
「まぁなぁ、昔はもっと栄えてたんだがよ」
「前の領主が死んで衰退したんだろ?」
「町が貧乏になったのは確かだな。だがおいらは今のほうが好きだよ」
「なんで?」
「前の領主様のときは金はあったが、余裕がなくてな。みんな働き詰めでよ……それによそから会社ひっぱってきたり、危なそうな連中がたくさんいたからな。今の領主、クロエ様はそいつらを全部追い出したんだ。おかげで平和でまったりしてるよ。住んでる奴らも感謝してんじゃねぇか?」
「ふーん」
「あ、そうだ。町の名物っていやあれがあるな。領主様が住んでる城のてっぺんに大鐘があるんだ」
「鐘?しょぼいな」
「そんなことねぇよ。朝とか仕事終わりとかに町中に響いてた。あれ聞いたらシャキッとするんだよな!でもまぁ壊れたかなんかで前の領主様が死んでから鳴らなくなったけどな、また聞きてぇなぁ」
オヤジは昔を思い出すように言った。
酒を飲みながら、フェスターはテンたちが上手くやっているかどうかを気にしている。
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