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第二章 巫女という名の監禁生活
13.
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13.
「貴様!人目も憚らず、レオナルト様相手に泣きわめいていたそうだな!」
どうやら、目の前、いきり立つ男との遭遇を、今日は避けることが出来なかったようだ。
朝一番に、『巫女としての一日の流れ』を部屋まで告げに来るハイリヒ。それを聞き流して拒否した後、苦笑するだけの男を部屋から追い出そうとしたところで、まさに怒り狂ったと表現するのがピッタリの男が部屋に飛び込んで来た。
開口一番の暴言に心当たりは無いけれど、面倒なことになりそうなのは間違いない。不運を激しく呪っていると、突然、目の前に現れた広い背中。視界いっぱいに広がる後ろ姿に、顔が見えなくても、声を聞かなくても、それだけで―
「!?なんだ貴様は!」
彼の背中に遮られて、怒鳴る男の姿は見えない。
フリッツの怒声に怯えていたわけではない。でも、庇われて『嬉しい』と思ってしまう。すがり付きたくなる、大きな背中。今ではもう叶わないけれど、ずっと前、この背中に背負ってもらったことだってあった。
「神殿騎士風情が!次期ケルステン侯爵である俺に逆らうつもりか!」
「…フリッツ殿、少々落ち着かれてはいかがですか?ここは巫女様の私室。許可もなく闖入して来たのはあなたの方です。警戒してしまうのは致し方ないでしょう?」
「シュピラー神殿長!そもそも、あなたの対応の甘さが、この女を増長させている要因ではありませんか!?」
私に不満を言いに来たのではなかったのか。ハイリヒにまで一方的に噛みつき出した男が、一体何をしたいのかがわからない。人の部屋で大騒ぎするだけのフリッツには、本当にうんざりする。
このままこのくだらない断罪劇を眺めていてもしょうがない。きっといつも通り、言いたいことだけを言って帰るのであろう男の言い分を、さっさと言わせて終わりにしたい。
「…ヴォルフ、どいて」
―庇ってくれて、ありがとう
「巫女の言葉だ!どけ!貴様は邪魔だ!」
こちらの言葉に耳聡く反応したフリッツが、ヴォルフを犬か何かのように手で追い払おうとする。
「…叫ばないで。普通に話をして。彼は私の護衛なの。私が危険だと判断したから、守ってくれているんでしょう?」
「チッ!」
不承不承ながら、口をつぐんだフリッツを確認して、ヴォルフがやっと定位置、私の背後に戻っていく。
「…部下の教育もまともに出来ていないとはな」
「話はそれで終わり?じゃあ、あなたもさっさとそこをどいて」
「っ待て!話はこれからだ!」
睨み付けられるが、先程の彼の第一声からして、完全な言いがかり。弁明するつもりも無いけれど、くだらない話を延々と聞かされ続けるのも苦痛だ。
「…先日、人の出入りが多い玄関ホールでレオナルト様にすがり付いていたそうではないか?貴様、節度というものを弁えていないのか?」
「私はそんなことしない。すがり付いてないし、抱きついてもない」
「ふん!見苦しい言い訳を」
鼻で笑われたが、本当に知らないものは知らない。『玄関ホール』という単語から浮かんだのは、以前レオナルトと一緒に居た女。彼女と間違われている可能性はあるけれど―
「拒絶されているレオナルト様に、貴様が一方的にすがり付いていたという複数人の証言がある」
そもそも、彼女と私では容姿が全く違う。それに、その目撃証言という話の内容には悪意がありすぎる。何のためかはわからないけれど、誰かが『巫女』を貶めようとしている?
「…フリッツ殿。巫女様は否定されていますし、仮にそのお話が真実だとして、何の問題があると言うのでしょう?」
「何だと!?」
巫女を庇うようなハイリヒの言葉に、フリッツが目を剥いた。
「守護者にとって、巫女様のお側に侍ることは使命です。巫女様に望まれたのであれば、それは至高の喜びとなりこそすれ、拒絶など、絶対に考えられません」
首を振るハイリヒの言葉に、フリッツが言葉に詰まる。
「ただでさえ守護石の継承者が減り、守護者の数が不足しているのです。補うためにも、各々がそのお役目には殊更、真摯であらねばなりません」
「それは…」
「ですが、現状、巫女様のお側に仕えていると言えるのは、神殿長である私ただ一人という有り様なのですよ?」
嘆かわしいと嘆息するハイリヒ。『巫女』と『守護者』の関係、その担う役目。神殿の教義でもあるそれを説かれてしまえば、フリッツも沈黙するしかない。
ハイリヒの主張、神殿の教義は、確かに『巫女』という浄化システムを正常に稼働させ続ける上では正しい。巫女と、その存在を一途に愛し抜く、出来るだけ多くの守護者がその側に侍り続けることが。だけど、
―そんなの、絶対に嫌だ
「っ!しかし、先代の巫女はただ一人の守護者を愛し抜き、ただ一人を側に置き続けたではありませんか!」
「おっしゃる通り、それもまた素晴らしいお話ではあります。つまり重要なのは、それを巫女様ご自身がお選びになられたということです」
こちらの世界も基本は一夫一婦制。例え巫女であろうと、一人の相手を愛し抜いたという話は美談になるんだろうけど。先代巫女の選択が彼らに称賛されてしまうなんて、皮肉でしかない。
彼女の選択は、浄化システムとしては不完全なもの。瘴気に蝕まれるこの世界を憂う『巫女』だった彼女は、死ぬまで自分の選択に罪悪感を持ち続けていたのだから―
守護者や神殿の人達が口にする『巫女』という浄化システムに対しての認識。その認識と、宝珠から得た知識の間に齟齬があるとは感じていた。かつて、先代巫女と守護者が自己保身のために行った、情報の秘匿や操作の影響が残っているのかもしれない。
「…巫女様がお一人をお選びになるならば、その一人は誰でも、もちろんレオナルト様でも良いのではありませんか?」
笑んだまま、穏やかに紡がれた言葉。
「選ばれるのが、あくまで『守護者』であるならば、ですが」
ハイリヒの視線が、私の背後、ヴォルフへと向けられた。次いで、こちらを見る眼差し。ほの暗い光に、背筋が凍る。まさか、気づかれている?私の気持ちが、どこに、誰に向いているのかを。
「…巫女様には、その御身に相応しい相手をお選びいただければ」
何事も無かったかのように、ハイリヒの顔に穏やかな表情が戻る。気づかれていて、釘を刺されたということだろうか。
そんなこと、されなくてもわかっている。私は、ヴォルフを選ばない。選べない。その資格すらない。
彼を切り捨てようとしたくせに。出来なくて、結局中途半端なままだ。今だって、どれだけ拒絶したいと思っていても、身体は確実に果たそうとしている。無理やり与えられた役目を―
「…レオナルト様は確かに守護者のお一人だ」
ハイリヒの言葉に、厳しい顔のままずっと黙り込んでいたフリッツが再び口を開いた。そこに、先程までのこちらを詰問する勢いは無い。
「人としても優れた所の多いレオナルト様を、巫女が選ぶのもわかる。だが、巫女も聞いているだろう?彼は、義姉上の夫となる方だ。それを踏まえて、」
―この男は、何を言っている?
ただでさえ、自分の弱さに腹が立っているのに。
母の娘であり、姉の妹だった私を無理やり連れてきて、勝手な役目を押し付けた。それを当然のこととして受け入れろ、巫女としての役目を果たせと言い続けるこの男が、『公人である前に私人である』と主張する―
「…出ていって。あなたと話すことなんて、何もない」
「貴様!またしてもそのような態度をとるつもりか!?」
―おかしいでしょう?
「帰れ!」
「っな!?」
語気が強くなる。男の、怒りに赤く染まった顔を、ベール越しにねめつける。
「っ何だと言うのだ!突然!」
男の言葉を無視して立ち上がる。部屋に勝手に居座る男達など、最初から無視しておけば良かったのだ。まだ何かを騒いでいるフリッツを避けて扉へ向かう。扉に手をかけたところで振り返り、吐き捨てた。
「自分で考えろ。自分の言ってることの意味を」
部屋から飛び出し、廊下を足早に進む。怒りに、冷静で居られない。自然と、唯一の逃げ場である巫女の間に足が向かう。
「…トーコ」
「っ!」
背後から、労るような声。いつもは、声をかけてくることなんて、全然無いのに。こんな時に、優しくしないで―
「…巫女の間に行くから。ついてこないで」
無理だとわかっていて、言ってしまう。ヴォルフを振りきるようにして、足を進めた。
「貴様!人目も憚らず、レオナルト様相手に泣きわめいていたそうだな!」
どうやら、目の前、いきり立つ男との遭遇を、今日は避けることが出来なかったようだ。
朝一番に、『巫女としての一日の流れ』を部屋まで告げに来るハイリヒ。それを聞き流して拒否した後、苦笑するだけの男を部屋から追い出そうとしたところで、まさに怒り狂ったと表現するのがピッタリの男が部屋に飛び込んで来た。
開口一番の暴言に心当たりは無いけれど、面倒なことになりそうなのは間違いない。不運を激しく呪っていると、突然、目の前に現れた広い背中。視界いっぱいに広がる後ろ姿に、顔が見えなくても、声を聞かなくても、それだけで―
「!?なんだ貴様は!」
彼の背中に遮られて、怒鳴る男の姿は見えない。
フリッツの怒声に怯えていたわけではない。でも、庇われて『嬉しい』と思ってしまう。すがり付きたくなる、大きな背中。今ではもう叶わないけれど、ずっと前、この背中に背負ってもらったことだってあった。
「神殿騎士風情が!次期ケルステン侯爵である俺に逆らうつもりか!」
「…フリッツ殿、少々落ち着かれてはいかがですか?ここは巫女様の私室。許可もなく闖入して来たのはあなたの方です。警戒してしまうのは致し方ないでしょう?」
「シュピラー神殿長!そもそも、あなたの対応の甘さが、この女を増長させている要因ではありませんか!?」
私に不満を言いに来たのではなかったのか。ハイリヒにまで一方的に噛みつき出した男が、一体何をしたいのかがわからない。人の部屋で大騒ぎするだけのフリッツには、本当にうんざりする。
このままこのくだらない断罪劇を眺めていてもしょうがない。きっといつも通り、言いたいことだけを言って帰るのであろう男の言い分を、さっさと言わせて終わりにしたい。
「…ヴォルフ、どいて」
―庇ってくれて、ありがとう
「巫女の言葉だ!どけ!貴様は邪魔だ!」
こちらの言葉に耳聡く反応したフリッツが、ヴォルフを犬か何かのように手で追い払おうとする。
「…叫ばないで。普通に話をして。彼は私の護衛なの。私が危険だと判断したから、守ってくれているんでしょう?」
「チッ!」
不承不承ながら、口をつぐんだフリッツを確認して、ヴォルフがやっと定位置、私の背後に戻っていく。
「…部下の教育もまともに出来ていないとはな」
「話はそれで終わり?じゃあ、あなたもさっさとそこをどいて」
「っ待て!話はこれからだ!」
睨み付けられるが、先程の彼の第一声からして、完全な言いがかり。弁明するつもりも無いけれど、くだらない話を延々と聞かされ続けるのも苦痛だ。
「…先日、人の出入りが多い玄関ホールでレオナルト様にすがり付いていたそうではないか?貴様、節度というものを弁えていないのか?」
「私はそんなことしない。すがり付いてないし、抱きついてもない」
「ふん!見苦しい言い訳を」
鼻で笑われたが、本当に知らないものは知らない。『玄関ホール』という単語から浮かんだのは、以前レオナルトと一緒に居た女。彼女と間違われている可能性はあるけれど―
「拒絶されているレオナルト様に、貴様が一方的にすがり付いていたという複数人の証言がある」
そもそも、彼女と私では容姿が全く違う。それに、その目撃証言という話の内容には悪意がありすぎる。何のためかはわからないけれど、誰かが『巫女』を貶めようとしている?
「…フリッツ殿。巫女様は否定されていますし、仮にそのお話が真実だとして、何の問題があると言うのでしょう?」
「何だと!?」
巫女を庇うようなハイリヒの言葉に、フリッツが目を剥いた。
「守護者にとって、巫女様のお側に侍ることは使命です。巫女様に望まれたのであれば、それは至高の喜びとなりこそすれ、拒絶など、絶対に考えられません」
首を振るハイリヒの言葉に、フリッツが言葉に詰まる。
「ただでさえ守護石の継承者が減り、守護者の数が不足しているのです。補うためにも、各々がそのお役目には殊更、真摯であらねばなりません」
「それは…」
「ですが、現状、巫女様のお側に仕えていると言えるのは、神殿長である私ただ一人という有り様なのですよ?」
嘆かわしいと嘆息するハイリヒ。『巫女』と『守護者』の関係、その担う役目。神殿の教義でもあるそれを説かれてしまえば、フリッツも沈黙するしかない。
ハイリヒの主張、神殿の教義は、確かに『巫女』という浄化システムを正常に稼働させ続ける上では正しい。巫女と、その存在を一途に愛し抜く、出来るだけ多くの守護者がその側に侍り続けることが。だけど、
―そんなの、絶対に嫌だ
「っ!しかし、先代の巫女はただ一人の守護者を愛し抜き、ただ一人を側に置き続けたではありませんか!」
「おっしゃる通り、それもまた素晴らしいお話ではあります。つまり重要なのは、それを巫女様ご自身がお選びになられたということです」
こちらの世界も基本は一夫一婦制。例え巫女であろうと、一人の相手を愛し抜いたという話は美談になるんだろうけど。先代巫女の選択が彼らに称賛されてしまうなんて、皮肉でしかない。
彼女の選択は、浄化システムとしては不完全なもの。瘴気に蝕まれるこの世界を憂う『巫女』だった彼女は、死ぬまで自分の選択に罪悪感を持ち続けていたのだから―
守護者や神殿の人達が口にする『巫女』という浄化システムに対しての認識。その認識と、宝珠から得た知識の間に齟齬があるとは感じていた。かつて、先代巫女と守護者が自己保身のために行った、情報の秘匿や操作の影響が残っているのかもしれない。
「…巫女様がお一人をお選びになるならば、その一人は誰でも、もちろんレオナルト様でも良いのではありませんか?」
笑んだまま、穏やかに紡がれた言葉。
「選ばれるのが、あくまで『守護者』であるならば、ですが」
ハイリヒの視線が、私の背後、ヴォルフへと向けられた。次いで、こちらを見る眼差し。ほの暗い光に、背筋が凍る。まさか、気づかれている?私の気持ちが、どこに、誰に向いているのかを。
「…巫女様には、その御身に相応しい相手をお選びいただければ」
何事も無かったかのように、ハイリヒの顔に穏やかな表情が戻る。気づかれていて、釘を刺されたということだろうか。
そんなこと、されなくてもわかっている。私は、ヴォルフを選ばない。選べない。その資格すらない。
彼を切り捨てようとしたくせに。出来なくて、結局中途半端なままだ。今だって、どれだけ拒絶したいと思っていても、身体は確実に果たそうとしている。無理やり与えられた役目を―
「…レオナルト様は確かに守護者のお一人だ」
ハイリヒの言葉に、厳しい顔のままずっと黙り込んでいたフリッツが再び口を開いた。そこに、先程までのこちらを詰問する勢いは無い。
「人としても優れた所の多いレオナルト様を、巫女が選ぶのもわかる。だが、巫女も聞いているだろう?彼は、義姉上の夫となる方だ。それを踏まえて、」
―この男は、何を言っている?
ただでさえ、自分の弱さに腹が立っているのに。
母の娘であり、姉の妹だった私を無理やり連れてきて、勝手な役目を押し付けた。それを当然のこととして受け入れろ、巫女としての役目を果たせと言い続けるこの男が、『公人である前に私人である』と主張する―
「…出ていって。あなたと話すことなんて、何もない」
「貴様!またしてもそのような態度をとるつもりか!?」
―おかしいでしょう?
「帰れ!」
「っな!?」
語気が強くなる。男の、怒りに赤く染まった顔を、ベール越しにねめつける。
「っ何だと言うのだ!突然!」
男の言葉を無視して立ち上がる。部屋に勝手に居座る男達など、最初から無視しておけば良かったのだ。まだ何かを騒いでいるフリッツを避けて扉へ向かう。扉に手をかけたところで振り返り、吐き捨てた。
「自分で考えろ。自分の言ってることの意味を」
部屋から飛び出し、廊下を足早に進む。怒りに、冷静で居られない。自然と、唯一の逃げ場である巫女の間に足が向かう。
「…トーコ」
「っ!」
背後から、労るような声。いつもは、声をかけてくることなんて、全然無いのに。こんな時に、優しくしないで―
「…巫女の間に行くから。ついてこないで」
無理だとわかっていて、言ってしまう。ヴォルフを振りきるようにして、足を進めた。
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