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終章
21 エンドロールのその裏で
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「…ジェイク、私と一緒に来てくれるの?」
「勿論です。私はお嬢様の、…いえ、ナディア様のお側に居ます。」
「…私ね、本当はずっと、あなたこそが強制力なんだって思ってたの。」
「え…?」
「私が何処にいようが、死にかけようが、あなたが必ず見つけ出して連れ帰る。公爵令嬢ナディア・シュタイラートとしての私を。」
「お嬢、さま…?」
「私の、それとも、ジェイクの、かな?…人の大事な『想い』まで利用してシナリオを進めようとする制作会社、マジで鬼って、思ってたんだ。」
「…私は、私はただ、お嬢様のお側に…」
「うん、そうだね。私も、それでもジェイクが側にいてくれて、本当、良かったって思ってる。」
「…」
「お嬢様の私は不死身だったし、ジェイクが側に居てくれた。でも、私の…、ナディアとしての人生はここから始まるの。これからは、死ぬ時は死ぬ。だから、命だいじに、よ。ジェイクも、私の執事じゃなくなるんだから、無理に側に居る必要はないんだよ?」
「…ナディア様は仰いました。ナディア様が私の『お嬢様』である限り、幸せにはなれない、と。」
「うん、言ったね。…答え、出た?」
「私は…、ナディア様、あなたのお側に居たい。それだけが私の望みです。あなたが、執事の私を連れていけないとおっしゃるのなら、私は、ただのジェイク・ヴァイゼとしてあなたについていきたい。」
「…いいの?本当に?…それは、本当に、ジェイクの気持ち?」
「ナディア様、私は…」
「うん。」
「…私は、ずっと、あなたをお慕いしていました。あなたが、…好きです。」
「…」
「それが、私の想い。偽らざる『私の気持ち』です。…だから、どうか。」
「ジェイク…」
「どうかお願いです、ナディア様。…ずっと、ずっと、永遠にお側に。…あなたと一緒にいさせて下さい。」
「うん、…うん。」
「勿論です。私はお嬢様の、…いえ、ナディア様のお側に居ます。」
「…私ね、本当はずっと、あなたこそが強制力なんだって思ってたの。」
「え…?」
「私が何処にいようが、死にかけようが、あなたが必ず見つけ出して連れ帰る。公爵令嬢ナディア・シュタイラートとしての私を。」
「お嬢、さま…?」
「私の、それとも、ジェイクの、かな?…人の大事な『想い』まで利用してシナリオを進めようとする制作会社、マジで鬼って、思ってたんだ。」
「…私は、私はただ、お嬢様のお側に…」
「うん、そうだね。私も、それでもジェイクが側にいてくれて、本当、良かったって思ってる。」
「…」
「お嬢様の私は不死身だったし、ジェイクが側に居てくれた。でも、私の…、ナディアとしての人生はここから始まるの。これからは、死ぬ時は死ぬ。だから、命だいじに、よ。ジェイクも、私の執事じゃなくなるんだから、無理に側に居る必要はないんだよ?」
「…ナディア様は仰いました。ナディア様が私の『お嬢様』である限り、幸せにはなれない、と。」
「うん、言ったね。…答え、出た?」
「私は…、ナディア様、あなたのお側に居たい。それだけが私の望みです。あなたが、執事の私を連れていけないとおっしゃるのなら、私は、ただのジェイク・ヴァイゼとしてあなたについていきたい。」
「…いいの?本当に?…それは、本当に、ジェイクの気持ち?」
「ナディア様、私は…」
「うん。」
「…私は、ずっと、あなたをお慕いしていました。あなたが、…好きです。」
「…」
「それが、私の想い。偽らざる『私の気持ち』です。…だから、どうか。」
「ジェイク…」
「どうかお願いです、ナディア様。…ずっと、ずっと、永遠にお側に。…あなたと一緒にいさせて下さい。」
「うん、…うん。」
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