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二章

10 個別イベント 真夏の海水浴2

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不甲斐ない─

「…ごめんね、ジェイク。ちょっと、ふざけ過ぎちゃった。」

「いえ、私こそ、申し訳ありません。お嬢様の前でこのような醜態をさらすなど。」

「ううん。情けなくなんてないよ、かわい、…とにかく、砂の上とはいえ、後頭部打ってるんだから、もう少し大人しくしてて。」

「…お嬢様、申し訳ありません。お優しいお嬢様にご心配をお掛けしてしまい、心よりお詫びを、」

「ううん。本当に気にしないで、役得だから。」

「…役得、でございますか?」

「うん、そう。ジェイクの腹斜筋堪能してるの。…すごく、エロ格好いいです。」

「フクシャ…?」

聞き慣れぬ言葉に問い返してみるも、お嬢様はユルユルと首をお振りになるだけ。どこか、達観したような笑みを浮かべて幸せそうにしていらっしゃる。

(お嬢様がお幸せなら、私はそれで…)

「よーし、それじゃ、この隙、…じゃないな、この間に、ジェイクに日焼け止め塗っちゃおうっと。」

「っ!?お嬢様何をっ!?」

「え?おさわ、…ボディタッ、…スキンシップ、かな?」

「っ!?お嬢様ぁぁああ!?」

「あ、久しぶりに聞いたかも。ジェイクのその叫び。」

ニコリと、華のように笑われたお嬢様が、手に持った魔法薬を持って─

「ふふふ。良いでははいか、良いではないか。」

「っ!?」

迫るお嬢様の、顔と─

「あー。しまったー。よろめいたー。」

黒い布地に包まれた─

「やだー、胸が当たっちゃったー。」

「…」

「ん?あれ、ジェイク?」

「…」

「え!?あ!ちょ!?嘘!?鼻血!?なんてベタな!?」










「ジェイク―、ジェイク―、ごめんって。そんな落ち込まないでよー。」

(私は、何ということを…)

「青少年として、健全な反応よー?いや、むしろ、反応してくれて嬉しいっていうか。」

(お嬢様の柔肌に、…やわ、肌…)

「ジェイク、ジェイク。怖い怖い。顔怖いよ、どうしたの。」

「…死んでお詫びを、」

「あ、いえ、それは結構です。」

「…」

「ジェイクは、本当、直ぐ死ぬとか言うんだから。」

苦笑するお嬢様の手が、己の頭へと伸び、髪を優しく撫で始めた。

「一緒に生きてこうって約束したばっかりじゃない。忘れたの?」

「いえ。お嬢様との約束を忘れたわけではございません。ですが…」

目の前、今もチラつくソレから目を逸らし、きつく目を閉じる。己の邪心を押し込めるため─

「…うーん、ちょっと性急過ぎたかなー?でも、あんまり時間無いし。」

「…」

「あのね、ジェイク。私は、ジェイクに私を『女の子』として意識させたいの。『お嬢様』じゃなくてね?」

「…お嬢様は、私のお嬢様で、」

「そう、それなんだよね。なかなか、その『お嬢様』から脱却できなくて、私も苦労してるんだー。だから、今回の『真夏のドキドキ水着大作戦!』を決行したわけですが…」

「…」

「どう?…ジェイク、ドキドキした?」

「…」

(…そのような、不埒な思い…、私が、お嬢様に…)

「ジェイク?」

「…殺して下さい。」

「悪化!?まさかの悪化!?」




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