11 / 27
二章
10 個別イベント 真夏の海水浴2
しおりを挟む
不甲斐ない─
「…ごめんね、ジェイク。ちょっと、ふざけ過ぎちゃった。」
「いえ、私こそ、申し訳ありません。お嬢様の前でこのような醜態をさらすなど。」
「ううん。情けなくなんてないよ、かわい、…とにかく、砂の上とはいえ、後頭部打ってるんだから、もう少し大人しくしてて。」
「…お嬢様、申し訳ありません。お優しいお嬢様にご心配をお掛けしてしまい、心よりお詫びを、」
「ううん。本当に気にしないで、役得だから。」
「…役得、でございますか?」
「うん、そう。ジェイクの腹斜筋堪能してるの。…すごく、エロ格好いいです。」
「フクシャ…?」
聞き慣れぬ言葉に問い返してみるも、お嬢様はユルユルと首をお振りになるだけ。どこか、達観したような笑みを浮かべて幸せそうにしていらっしゃる。
(お嬢様がお幸せなら、私はそれで…)
「よーし、それじゃ、この隙、…じゃないな、この間に、ジェイクに日焼け止め塗っちゃおうっと。」
「っ!?お嬢様何をっ!?」
「え?おさわ、…ボディタッ、…スキンシップ、かな?」
「っ!?お嬢様ぁぁああ!?」
「あ、久しぶりに聞いたかも。ジェイクのその叫び。」
ニコリと、華のように笑われたお嬢様が、手に持った魔法薬を持って─
「ふふふ。良いでははいか、良いではないか。」
「っ!?」
迫るお嬢様の、顔と─
「あー。しまったー。よろめいたー。」
黒い布地に包まれた─
「やだー、胸が当たっちゃったー。」
「…」
「ん?あれ、ジェイク?」
「…」
「え!?あ!ちょ!?嘘!?鼻血!?なんてベタな!?」
「ジェイク―、ジェイク―、ごめんって。そんな落ち込まないでよー。」
(私は、何ということを…)
「青少年として、健全な反応よー?いや、むしろ、反応してくれて嬉しいっていうか。」
(お嬢様の柔肌に、…やわ、肌…)
「ジェイク、ジェイク。怖い怖い。顔怖いよ、どうしたの。」
「…死んでお詫びを、」
「あ、いえ、それは結構です。」
「…」
「ジェイクは、本当、直ぐ死ぬとか言うんだから。」
苦笑するお嬢様の手が、己の頭へと伸び、髪を優しく撫で始めた。
「一緒に生きてこうって約束したばっかりじゃない。忘れたの?」
「いえ。お嬢様との約束を忘れたわけではございません。ですが…」
目の前、今もチラつくソレから目を逸らし、きつく目を閉じる。己の邪心を押し込めるため─
「…うーん、ちょっと性急過ぎたかなー?でも、あんまり時間無いし。」
「…」
「あのね、ジェイク。私は、ジェイクに私を『女の子』として意識させたいの。『お嬢様』じゃなくてね?」
「…お嬢様は、私のお嬢様で、」
「そう、それなんだよね。なかなか、その『お嬢様』から脱却できなくて、私も苦労してるんだー。だから、今回の『真夏のドキドキ水着大作戦!』を決行したわけですが…」
「…」
「どう?…ジェイク、ドキドキした?」
「…」
(…そのような、不埒な思い…、私が、お嬢様に…)
「ジェイク?」
「…殺して下さい。」
「悪化!?まさかの悪化!?」
「…ごめんね、ジェイク。ちょっと、ふざけ過ぎちゃった。」
「いえ、私こそ、申し訳ありません。お嬢様の前でこのような醜態をさらすなど。」
「ううん。情けなくなんてないよ、かわい、…とにかく、砂の上とはいえ、後頭部打ってるんだから、もう少し大人しくしてて。」
「…お嬢様、申し訳ありません。お優しいお嬢様にご心配をお掛けしてしまい、心よりお詫びを、」
「ううん。本当に気にしないで、役得だから。」
「…役得、でございますか?」
「うん、そう。ジェイクの腹斜筋堪能してるの。…すごく、エロ格好いいです。」
「フクシャ…?」
聞き慣れぬ言葉に問い返してみるも、お嬢様はユルユルと首をお振りになるだけ。どこか、達観したような笑みを浮かべて幸せそうにしていらっしゃる。
(お嬢様がお幸せなら、私はそれで…)
「よーし、それじゃ、この隙、…じゃないな、この間に、ジェイクに日焼け止め塗っちゃおうっと。」
「っ!?お嬢様何をっ!?」
「え?おさわ、…ボディタッ、…スキンシップ、かな?」
「っ!?お嬢様ぁぁああ!?」
「あ、久しぶりに聞いたかも。ジェイクのその叫び。」
ニコリと、華のように笑われたお嬢様が、手に持った魔法薬を持って─
「ふふふ。良いでははいか、良いではないか。」
「っ!?」
迫るお嬢様の、顔と─
「あー。しまったー。よろめいたー。」
黒い布地に包まれた─
「やだー、胸が当たっちゃったー。」
「…」
「ん?あれ、ジェイク?」
「…」
「え!?あ!ちょ!?嘘!?鼻血!?なんてベタな!?」
「ジェイク―、ジェイク―、ごめんって。そんな落ち込まないでよー。」
(私は、何ということを…)
「青少年として、健全な反応よー?いや、むしろ、反応してくれて嬉しいっていうか。」
(お嬢様の柔肌に、…やわ、肌…)
「ジェイク、ジェイク。怖い怖い。顔怖いよ、どうしたの。」
「…死んでお詫びを、」
「あ、いえ、それは結構です。」
「…」
「ジェイクは、本当、直ぐ死ぬとか言うんだから。」
苦笑するお嬢様の手が、己の頭へと伸び、髪を優しく撫で始めた。
「一緒に生きてこうって約束したばっかりじゃない。忘れたの?」
「いえ。お嬢様との約束を忘れたわけではございません。ですが…」
目の前、今もチラつくソレから目を逸らし、きつく目を閉じる。己の邪心を押し込めるため─
「…うーん、ちょっと性急過ぎたかなー?でも、あんまり時間無いし。」
「…」
「あのね、ジェイク。私は、ジェイクに私を『女の子』として意識させたいの。『お嬢様』じゃなくてね?」
「…お嬢様は、私のお嬢様で、」
「そう、それなんだよね。なかなか、その『お嬢様』から脱却できなくて、私も苦労してるんだー。だから、今回の『真夏のドキドキ水着大作戦!』を決行したわけですが…」
「…」
「どう?…ジェイク、ドキドキした?」
「…」
(…そのような、不埒な思い…、私が、お嬢様に…)
「ジェイク?」
「…殺して下さい。」
「悪化!?まさかの悪化!?」
30
お気に入りに追加
1,146
あなたにおすすめの小説
絞首刑まっしぐらの『醜い悪役令嬢』が『美しい聖女』と呼ばれるようになるまでの24時間
夕景あき
ファンタジー
ガリガリに痩せて肌も髪もボロボロの『醜い悪役令嬢』と呼ばれたオリビアは、ある日婚約者であるトムス王子と義妹のアイラの会話を聞いてしまう。義妹はオリビアが放火犯だとトムス王子に訴え、トムス王子はそれを信じオリビアを明日の卒業パーティーで断罪して婚約破棄するという。
卒業パーティーまで、残り時間は24時間!!
果たしてオリビアは放火犯の冤罪で断罪され絞首刑となる運命から、逃れることが出来るのか!?
異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。
どうやら私(オタク)は乙女ゲームの主人公の親友令嬢に転生したらしい
海亜
恋愛
大交通事故が起きその犠牲者の1人となった私(オタク)。
その後、私は赤ちゃんー璃杏ーに転生する。
赤ちゃんライフを満喫する私だが生まれた場所は公爵家。
だから、礼儀作法・音楽レッスン・ダンスレッスン・勉強・魔法講座!?と様々な習い事がもっさりある。
私のHPは限界です!!
なのになのに!!5歳の誕生日パーティの日あることがきっかけで、大人気乙女ゲーム『恋は泡のように』通称『恋泡』の主人公の親友令嬢に転生したことが判明する。
しかも、親友令嬢には小さい頃からいろんな悲劇にあっているなんとも言えないキャラなのだ!
でも、そんな未来私(オタクでかなりの人見知りと口下手)が変えてみせる!!
そして、あわよくば最後までできなかった乙女ゲームを鑑賞したい!!・・・・うへへ
だけど・・・・・・主人公・悪役令嬢・攻略対象の性格が少し違うような?
♔♕♖♗♘♙♚♛♜♝♞♟
皆さんに楽しんでいただけるように頑張りたいと思います!
この作品をよろしくお願いします!m(_ _)m
転生したら大好きな乙女ゲームの世界だったけど私は妹ポジでしたので、元気に小姑ムーブを繰り広げます!
つなかん
ファンタジー
なんちゃってヴィクトリア王朝を舞台にした乙女ゲーム、『ネバーランドの花束』の世界に転生!? しかし、そのポジションはヒロインではなく少ししか出番のない元婚約者の妹! これはNTRどころの騒ぎではないんだが!
第一章で殺されるはずの推しを救済してしまったことで、原作の乙女ゲーム展開はまったくなくなってしまい――。
***
黒髪で、魔法を使うことができる唯一の家系、ブラッドリー家。その能力を公共事業に生かし、莫大な富と権力を持っていた。一方、遺伝によってのみ継承する魔力を独占するため、下の兄弟たちは成長速度に制限を加えられる負の側面もあった。陰謀渦巻くパラレル展開へ。
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
悪役令嬢によればこの世界は乙女ゲームの世界らしい
斯波
ファンタジー
ブラック企業を辞退した私が卒業後に手に入れたのは無職の称号だった。不服そうな親の目から逃れるべく、喫茶店でパート情報を探そうとしたが暴走トラックに轢かれて人生を終えた――かと思ったら村人達に恐れられ、軟禁されている10歳の少女に転生していた。どうやら少女の強大すぎる魔法は村人達の恐怖の対象となったらしい。村人の気持ちも分からなくはないが、二度目の人生を小屋での軟禁生活で終わらせるつもりは毛頭ないので、逃げることにした。だが私には強すぎるステータスと『ポイント交換システム』がある!拠点をテントに決め、日々魔物を狩りながら自由気ままな冒険者を続けてたのだが……。
※1.恋愛要素を含みますが、出てくるのが遅いのでご注意ください。
※2.『悪役令嬢に転生したので断罪エンドまでぐーたら過ごしたい 王子がスパルタとか聞いてないんですけど!?』と同じ世界観・時間軸のお話ですが、こちらだけでもお楽しみいただけます。
悪役令嬢、第四王子と結婚します!
水魔沙希
恋愛
私・フローディア・フランソワーズには前世の記憶があります。定番の乙女ゲームの悪役転生というものです。私に残された道はただ一つ。破滅フラグを立てない事!それには、手っ取り早く同じく悪役キャラになってしまう第四王子を何とかして、私の手中にして、シナリオブレイクします!
小説家になろう様にも、書き起こしております。
【完結】もったいないですわ!乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢は、今日も生徒会活動に勤しむ~経済を回してる?それってただの無駄遣いですわ!~
鬼ヶ咲あちたん
恋愛
内容も知らない乙女ゲームの世界に転生してしまった悪役令嬢は、ヒロインや攻略対象者たちを放って今日も生徒会活動に勤しむ。もったいないおばけは日本人の心! まだ使える物を捨ててしまうなんて、もったいないですわ! 悪役令嬢が取り組む『もったいない革命』に、だんだん生徒会役員たちは巻き込まれていく。「このゲームのヒロインは私なのよ!?」荒れるヒロインから一方的に恨まれる悪役令嬢はどうなってしまうのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる