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第十八章 あがいた

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信じらんない!信じらんない!

何が、お帰り、なの!何で、そんな笑ってるの!心配したの!ずっと待ってたの!あなたが、帰ってくるのを!

だから、それは、私のセリフで!

「っ、お帰りなさい!アッシュ様!」

抱きついた体は、消えてしまわない。ちゃんと感じられる質量に、アッシュ様を待ち続けた間の恐怖心が薄らいでいく。

「心配したんですよ。オレアは大丈夫って言うけど、アッシュ様、なかなか戻ってこないし。勇者はヒルフェ様が跳ばしてくれたらしいですけど、その後、どうなったかわからないし」

今、あいつらに来られたら、魔素溜まりごと、アッシュ様が殺されちゃうんじゃないかって。私には、守る力なんかなくて。どうしようって。

「ごめんね」

いつもみたいに、ポンポンってされた。

もう、本当に、この人は、それで私が誤魔化されると。今回は、私、本気だから。これは、もう、本当に、初めての夫婦喧嘩案件なんだから。

そう思うのに。

涙が止まらなくなって、ちゃんと意味のあることをしゃべれなくなって。抗議することも出来ずに、必死にしがみついて泣くだけの私を、アッシュ様は黙ってなで続けてくれた。




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