92 / 151
第十二章 聖女候補になった
2.
しおりを挟む
2.
朝は早起きして、寮に転移で移動、食堂で朝ごはんをとることで、周囲の目を欺いてるんだけど、友達のいない私は、一人でご飯。アッシュ様とご飯食べたいなー。
一人でモグモグしてたら、目の前の席に着席される、三人の人影。周囲へ溶け込む配慮一切無しの、純白に輝く制服のお三方には、何やら見覚えが。
「ローザさん、貴女、エラさんのことは聞いていまして?」
えっと、誰だっけ。前回呼び出しくらったご令嬢と取り巻きその一とその二ということはわかってるんだけど、覚える気がなかったから、名前が出てこない。モグモグ。
「ちょっと、貴女!フリーデ様のお話を聞いているの!?」
聞いてるよー。目の前で、目も合ってるじゃん。そして、名前がわかった。
「…すみません、フリーデ様。口にものが入ってたもので」
「…」
ちゃんとゴックンしてから、口を開いたのに、フリーデ様に嫌そうな顔された。
「…まあ、いいわ、許しましょう。それで?エラさんのことは?」
「いえ、特に何も聞いてません」
「貴女、それで本当にエラさんの友人だったの?」
睨まれておりますが、友達ではなかったからな。一番話をする相手だったくらいで。面倒なので、必殺技『曖昧な笑顔』を繰り出しといた。
「…エラさんの捜索が打ち切られたわ。崇高なお役目から逃げ出すことも信じられないけれど、聖女候補の捜索を打ち切るのも信じられない」
そうなんですね、本当に酷い話ですね、フンフンと相づちを打っていたら、フリーデ様の眉間の皺が深くなって、
「貴女、本当にことの重大さがわかっていないようね?…いいわ、ついてらっしゃい」
と、食事終わってないのに、ラチられた。一限は座学だから出席数、稼いどきたいのに。ソロソロ先生方から無能の烙印押されて、退学させられそうで恐いんだけど。
私の遠回しの訴えは、聖女候補の皆様には届かなかった。
朝は早起きして、寮に転移で移動、食堂で朝ごはんをとることで、周囲の目を欺いてるんだけど、友達のいない私は、一人でご飯。アッシュ様とご飯食べたいなー。
一人でモグモグしてたら、目の前の席に着席される、三人の人影。周囲へ溶け込む配慮一切無しの、純白に輝く制服のお三方には、何やら見覚えが。
「ローザさん、貴女、エラさんのことは聞いていまして?」
えっと、誰だっけ。前回呼び出しくらったご令嬢と取り巻きその一とその二ということはわかってるんだけど、覚える気がなかったから、名前が出てこない。モグモグ。
「ちょっと、貴女!フリーデ様のお話を聞いているの!?」
聞いてるよー。目の前で、目も合ってるじゃん。そして、名前がわかった。
「…すみません、フリーデ様。口にものが入ってたもので」
「…」
ちゃんとゴックンしてから、口を開いたのに、フリーデ様に嫌そうな顔された。
「…まあ、いいわ、許しましょう。それで?エラさんのことは?」
「いえ、特に何も聞いてません」
「貴女、それで本当にエラさんの友人だったの?」
睨まれておりますが、友達ではなかったからな。一番話をする相手だったくらいで。面倒なので、必殺技『曖昧な笑顔』を繰り出しといた。
「…エラさんの捜索が打ち切られたわ。崇高なお役目から逃げ出すことも信じられないけれど、聖女候補の捜索を打ち切るのも信じられない」
そうなんですね、本当に酷い話ですね、フンフンと相づちを打っていたら、フリーデ様の眉間の皺が深くなって、
「貴女、本当にことの重大さがわかっていないようね?…いいわ、ついてらっしゃい」
と、食事終わってないのに、ラチられた。一限は座学だから出席数、稼いどきたいのに。ソロソロ先生方から無能の烙印押されて、退学させられそうで恐いんだけど。
私の遠回しの訴えは、聖女候補の皆様には届かなかった。
21
お気に入りに追加
663
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

【完結】悪役令嬢の反撃の日々
くも
恋愛
「ロゼリア、お茶会の準備はできていますか?」侍女のクラリスが部屋に入ってくる。
「ええ、ありがとう。今日も大勢の方々がいらっしゃるわね。」ロゼリアは微笑みながら答える。その微笑みは氷のように冷たく見えたが、心の中では別の計画を巡らせていた。
お茶会の席で、ロゼリアはいつものように優雅に振る舞い、貴族たちの陰口に耳を傾けた。その時、一人の男性が現れた。彼は王国の第一王子であり、ロゼリアの婚約者でもあるレオンハルトだった。
「ロゼリア、君の美しさは今日も輝いているね。」レオンハルトは優雅に頭を下げる。

悪役令嬢?いま忙しいので後でやります
みおな
恋愛
転生したその世界は、かつて自分がゲームクリエーターとして作成した乙女ゲームの世界だった!
しかも、すべての愛を詰め込んだヒロインではなく、悪役令嬢?
私はヒロイン推しなんです。悪役令嬢?忙しいので、後にしてください。
悪役令嬢だとわかったので身を引こうとしたところ、何故か溺愛されました。
香取鞠里
恋愛
公爵令嬢のマリエッタは、皇太子妃候補として育てられてきた。
皇太子殿下との仲はまずまずだったが、ある日、伝説の女神として現れたサクラに皇太子妃の座を奪われてしまう。
さらには、サクラの陰謀により、マリエッタは反逆罪により国外追放されて、のたれ死んでしまう。
しかし、死んだと思っていたのに、気づけばサクラが現れる二年前の16歳のある日の朝に戻っていた。
それは避けなければと別の行き方を探るが、なぜか殿下に一度目の人生の時以上に溺愛されてしまい……!?

【完結】傷物令嬢は近衛騎士団長に同情されて……溺愛されすぎです。
朝日みらい
恋愛
王太子殿下との婚約から洩れてしまった伯爵令嬢のセーリーヌ。
宮廷の大広間で突然現れた賊に襲われた彼女は、殿下をかばって大けがを負ってしまう。
彼女に同情した近衛騎士団長のアドニス侯爵は熱心にお見舞いをしてくれるのだが、その熱意がセーリーヌの折れそうな心まで癒していく。
加えて、セーリーヌを振ったはずの王太子殿下が、親密な二人に絡んできて、ややこしい展開になり……。
果たして、セーリーヌとアドニス侯爵の関係はどうなるのでしょう?
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
旦那様、愛人を作ってもいいですか?
ひろか
恋愛
私には前世の記憶があります。ニホンでの四六年という。
「君の役目は魔力を多く持つ子供を産むこと。その後で君も自由にすればいい」
これ、旦那様から、初夜での言葉です。
んん?美筋肉イケオジな愛人を持っても良いと?
’18/10/21…おまけ小話追加
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる