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Ⅲ【完結】迎えに来てくれる人【19,450字】
Ⅲ 後日談 (完)
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「ねぇねぇ、大沢さん、サークル決まった?まだだったらさー、俺らの映画サークルってどう?」
「部室で映画見て、みんなで感想言い合って、たまに飲みもやるから楽しいよ?」
「えっと、ごめんなさい。」
異世界から帰ってきて半年以上。戻ってきた日常の中で、地元の志望大学への進学も叶い、どことなく浮かれた気持ちで始まったキャンパスライフ。でも、やっぱり―
「私、バイトとか、色々忙しくて、ごめんなさい。」
口にできる言い訳で謝罪して、それでも粘ろうとする顔見知りの男たちを振り切るようにして教室を出た。速足に向かうのは大学の正門、バイトで忙しいのも嘘ではないが、今日は―
「えっ!?黒りゅ、…クロさん?どうして…」
たった今、頭に浮かんでいた人物。急いで帰って、会いに行こうと思っていたその人が、着流し姿で正門の前に悠然と佇んでいる。その姿に驚いてしまったけれど、それ以上に喜びが沸いてきて、「どうして」なんて、自分で言ったそばからもう、どうでも良くなってしまう。
「クロさん!」
「…秋穂。慌てるな。転ぶぞ。」
小走りに駆け寄った私の足元、大学デビューとばかりに新調したハイヒールを見て、黒龍さまの眉間に薄く皺が寄った。どうやら、未だ覚束ない足取りを心配されてしまっているらしい。
「大丈夫です!こけません!」
宣言して、でも、ちゃっかり黒龍さまの着流しの袖にすがりついた。黒龍さまが振り払ったりできないのを承知の上、案の定、ため息で許容してくれた優しい神様に笑う。
「…秋穂は、これから何か用事があるのか?」
「え?」
「先ほどは、急いでいるように見えたが。」
「あ、はい!お社に遊びに行こうと思って。」
正直に告げれば、何とも言えない微妙な顔で見下ろされてしまう。それに、少しだけ怯んだけれど、
「迷惑、でしたか?クロさん、お仕事、忙しかったり…?」
「…いや。」
見下ろす瞳は黒、教えてもらった真名の「黒金」から、「クロさん」と呼ばせてもらっている彼は、どう見てもただの人間。だけど、人の理とは全く別の世界で生きていると言う黒龍さまの私生活は謎すぎて、踏み込み方もいまいちよくわからない。
少しだけ、躊躇してしまったのが伝わったのか、
「…行くか。」
「あ、はい!」
黒龍さまが手を引いてくれた。次の瞬間―
「わぁ!もう着いた!」
「…」
何がどうなっているのか、瞬きの間にたどり着いたのはお社の奥、先日初めて招き入れてもらえた黒龍さまのプライベートスペース。外界とは隔絶しているのだというその場所で靴を脱ぎながら、違和感を感じた。
「…あれ?」
部屋の中を見回す。
「…黒龍さま、お部屋の模様替えしました?」
「…」
先日来た時の部屋の印象は板張りの和室、床の間や襖のある、どちらかというと殺風景な-
「このソファ、前は無かったですよね?買ったんですか?」
「…」
神様のお買い物ってどんなだろう?と思いながら、黙ったまま真新しい水色のソファに腰を下ろした黒龍さまの隣にお邪魔する。
「あ、そう言えば、黒龍さま、今日はどうして学校に来てたんですか?…ひょっとして、私のお迎え?」
「…」
さりげなく自身の願望を混ぜ込んだ質問に、黒龍さまの瞳が金色に煌めく。
「…秋穂は、『サークル』とやらには入らんのか?」
「サークル?ですか?うーん、あんまり興味無いです。バイトの方も忙しいですし。」
「バイト、…食事処の料理人だったか?」
「はい。」
もっと砕けた言い方をするなら、「ファミレスのキッチン担当」。私の言葉遣いに合わせようとしてくれている黒龍さまの話し方はだいぶ砕けてきていて、でも、砕けきらないその固さが何となく好きだったりする。
「バイトは、大変ではないのか?」
黒龍さまの視線が、私の腕の内側、手首に近い部分に向けられる。そこにあるのは、かなり薄くはなってきたものの、はっきりと分かる茶色の線。バイト中にうっかり負ってしまった火傷の痕だ。
「大変、ですけど。私、今、花嫁修行中なので。」
「…」
とは言っても、殆ど一方的に押し掛けた花嫁志願者。良くて、花嫁見習いでしかないという自分の立場を、少しでも確かなものにしたくて頑張っている最中だったりする。
「お料理出来るようになって、お金もちゃんと稼いで、将来は黒龍さまを養っていけるようになるのが私の目標ですから!」
「…」
人間社会での所謂「稼ぎ」みたいなものがない黒龍さまと生きていくためには必要なことだろうと覚悟を決め、大学生の今からでも始められることの一つとして、「バイト」を選んだ。本業は学業と承知の上で、何かをせずにはいられなかった。
「秋穂は…」
「はい?」
言いかけて、逡巡する黒龍さまの言葉の続きを待つ。あまり、口数多い方ではない黒龍さまが何を言ってくれるのか、楽しみにしていたのに―
「え?…あれ?電話?」
横に置いた通学バッグの中から、あまり鳴らない通話アプリの着信を報せる音がしている。「神域」だというこの部屋で鳴るその音を面白い、と思えたのも、発信者の表示を見るまでのこと。表示されたバイト先の名前に顔が引きつった。
「お疲れ様でしたー!」
「お疲れー!」
「お疲れーっす!」
結局、「バイトは花嫁修行だ」と豪語した手前、店長からのピンチヒッターとしての呼び出しの電話を断ることも出来ず、急遽、ラストまでのシフトをこなすことになってしまった。時刻は二十三時、こんな遅い時間まで働いたことはなかったから、少しだけ、緊張する時間。
それでも、自転車で飛ばせば何とかなるだろうと駐輪場に回ろうとしたところで、呼び止められた。
「…秋穂、お前、チャリか?」
「…お疲れさまでーす。」
声の主は、先程まで散々怒鳴られていた相手、キッチンのトップである島田チーフ。バイトからの叩き上げである上、若くしてチーフになった彼は、本社の覚えも目出度い出世頭なのだと、以前、シフトが一緒になったパートのおば様方に教えて頂いたことがある。だけど、
(…私、苦手なんだよね。)
得意とは言えない相手、曖昧に笑って逃げ出そうとしたのに、
「お前、坂町の辺りだったよな?乗っけてってやるから、これ着けろ。」
「え…?」
差し出されたのはフルフェイスのヘルメット、チーフの後ろには、大型?のバイク。詳しくはないけれど、多分、二人乗りが出来るタイプの-
「ボーッとすんな、さっさと着けろ。」
「…」
グイと差し出されるヘルメットを見下ろして、笑えなくなった。
(…本当、苦手。)
勝手に人の名前を呼び捨てにするところも、こちらの都合などお構い無しに物事を押し進めようとするところも。例え、それが善意からの申し出であろうと―
(…アイツみたい。)
押しの強い相手は元から得意ではなかったけれど、あちらの世界で確実に「嫌い」になってしまったタイプの男性。
取り乱したりしないよう、一つ、大きく息を吸った。
「…すみません。あの、結構です。自分で帰れますので。」
「こんな時間に一人で帰らせるわけないだろう?いいから、大人しく被っとけ。」
「っ!」
頭に乗せられそうになったヘルメットを咄嗟に避ける。
「あの、本当に大丈夫です。迎え、来てもらうので、」
「じゃあ、その迎えが来るまで付き合ってやるよ。」
「…」
言って、煙草を吸い始めたチーフ。自転車が彼の後ろにあるから、逃亡するわけにもいかない。本気で困ると思った、瞬間―
「…秋穂。待たせたな。」
「!」
いつかの、再現みたいな言葉。彼の呼ぶ「秋穂」という言葉の柔らかさが好きだ。振り返って、躊躇いもせず抱きついた。振り払われないと、分かっているから―
「クロさん!」
「…なんだ、こいつ。秋穂、お前の迎えって…」
「彼氏です。婚約済みの!」
「はぁっ!?」
失礼な声と視線のチーフのことは放っておいて、今は黒の瞳を見上げる。
(来てくれた…)
黒龍さまは、いつだって、私が困った時に駆けつけてくれる。だから、私は勝手に己惚れる。
「帰りましょう!クロさん!」
「…ああ。」
彼の隣に在れる自分を、許される立場を享受して笑う。
(黒龍さま、責任は、とって下さいね…?)
救った以上、この命、最期まで―
~After~
「なんじゃ、黒龍よ。お主、また覗いておるのか?」
「…」
「それほど心配ならば、此の場に閉じ込めてしまえばいいものを。」
「それでは、どこぞの愚か者どもと変わらぬ。」
「ふむ。言う割に、訪れる度にこの部屋は様変わりしていくようだがの?主の愛し子は空色が好きか?」
「…」
「本人が望んでおるのだろう?何時までも曖昧なままでは秋穂が可哀想じゃ。」
「…分かっている。だが、秋穂の想いは、命救われたことに対する感謝、我への恩義、かもしれぬであろうが。であれば、いつかは冷めゆく…」
「お主、驚くほどのヘタレっぷりだのぉ。」
「…」
「これは秋穂も苦労するだろうて…」
(完)
「部室で映画見て、みんなで感想言い合って、たまに飲みもやるから楽しいよ?」
「えっと、ごめんなさい。」
異世界から帰ってきて半年以上。戻ってきた日常の中で、地元の志望大学への進学も叶い、どことなく浮かれた気持ちで始まったキャンパスライフ。でも、やっぱり―
「私、バイトとか、色々忙しくて、ごめんなさい。」
口にできる言い訳で謝罪して、それでも粘ろうとする顔見知りの男たちを振り切るようにして教室を出た。速足に向かうのは大学の正門、バイトで忙しいのも嘘ではないが、今日は―
「えっ!?黒りゅ、…クロさん?どうして…」
たった今、頭に浮かんでいた人物。急いで帰って、会いに行こうと思っていたその人が、着流し姿で正門の前に悠然と佇んでいる。その姿に驚いてしまったけれど、それ以上に喜びが沸いてきて、「どうして」なんて、自分で言ったそばからもう、どうでも良くなってしまう。
「クロさん!」
「…秋穂。慌てるな。転ぶぞ。」
小走りに駆け寄った私の足元、大学デビューとばかりに新調したハイヒールを見て、黒龍さまの眉間に薄く皺が寄った。どうやら、未だ覚束ない足取りを心配されてしまっているらしい。
「大丈夫です!こけません!」
宣言して、でも、ちゃっかり黒龍さまの着流しの袖にすがりついた。黒龍さまが振り払ったりできないのを承知の上、案の定、ため息で許容してくれた優しい神様に笑う。
「…秋穂は、これから何か用事があるのか?」
「え?」
「先ほどは、急いでいるように見えたが。」
「あ、はい!お社に遊びに行こうと思って。」
正直に告げれば、何とも言えない微妙な顔で見下ろされてしまう。それに、少しだけ怯んだけれど、
「迷惑、でしたか?クロさん、お仕事、忙しかったり…?」
「…いや。」
見下ろす瞳は黒、教えてもらった真名の「黒金」から、「クロさん」と呼ばせてもらっている彼は、どう見てもただの人間。だけど、人の理とは全く別の世界で生きていると言う黒龍さまの私生活は謎すぎて、踏み込み方もいまいちよくわからない。
少しだけ、躊躇してしまったのが伝わったのか、
「…行くか。」
「あ、はい!」
黒龍さまが手を引いてくれた。次の瞬間―
「わぁ!もう着いた!」
「…」
何がどうなっているのか、瞬きの間にたどり着いたのはお社の奥、先日初めて招き入れてもらえた黒龍さまのプライベートスペース。外界とは隔絶しているのだというその場所で靴を脱ぎながら、違和感を感じた。
「…あれ?」
部屋の中を見回す。
「…黒龍さま、お部屋の模様替えしました?」
「…」
先日来た時の部屋の印象は板張りの和室、床の間や襖のある、どちらかというと殺風景な-
「このソファ、前は無かったですよね?買ったんですか?」
「…」
神様のお買い物ってどんなだろう?と思いながら、黙ったまま真新しい水色のソファに腰を下ろした黒龍さまの隣にお邪魔する。
「あ、そう言えば、黒龍さま、今日はどうして学校に来てたんですか?…ひょっとして、私のお迎え?」
「…」
さりげなく自身の願望を混ぜ込んだ質問に、黒龍さまの瞳が金色に煌めく。
「…秋穂は、『サークル』とやらには入らんのか?」
「サークル?ですか?うーん、あんまり興味無いです。バイトの方も忙しいですし。」
「バイト、…食事処の料理人だったか?」
「はい。」
もっと砕けた言い方をするなら、「ファミレスのキッチン担当」。私の言葉遣いに合わせようとしてくれている黒龍さまの話し方はだいぶ砕けてきていて、でも、砕けきらないその固さが何となく好きだったりする。
「バイトは、大変ではないのか?」
黒龍さまの視線が、私の腕の内側、手首に近い部分に向けられる。そこにあるのは、かなり薄くはなってきたものの、はっきりと分かる茶色の線。バイト中にうっかり負ってしまった火傷の痕だ。
「大変、ですけど。私、今、花嫁修行中なので。」
「…」
とは言っても、殆ど一方的に押し掛けた花嫁志願者。良くて、花嫁見習いでしかないという自分の立場を、少しでも確かなものにしたくて頑張っている最中だったりする。
「お料理出来るようになって、お金もちゃんと稼いで、将来は黒龍さまを養っていけるようになるのが私の目標ですから!」
「…」
人間社会での所謂「稼ぎ」みたいなものがない黒龍さまと生きていくためには必要なことだろうと覚悟を決め、大学生の今からでも始められることの一つとして、「バイト」を選んだ。本業は学業と承知の上で、何かをせずにはいられなかった。
「秋穂は…」
「はい?」
言いかけて、逡巡する黒龍さまの言葉の続きを待つ。あまり、口数多い方ではない黒龍さまが何を言ってくれるのか、楽しみにしていたのに―
「え?…あれ?電話?」
横に置いた通学バッグの中から、あまり鳴らない通話アプリの着信を報せる音がしている。「神域」だというこの部屋で鳴るその音を面白い、と思えたのも、発信者の表示を見るまでのこと。表示されたバイト先の名前に顔が引きつった。
「お疲れ様でしたー!」
「お疲れー!」
「お疲れーっす!」
結局、「バイトは花嫁修行だ」と豪語した手前、店長からのピンチヒッターとしての呼び出しの電話を断ることも出来ず、急遽、ラストまでのシフトをこなすことになってしまった。時刻は二十三時、こんな遅い時間まで働いたことはなかったから、少しだけ、緊張する時間。
それでも、自転車で飛ばせば何とかなるだろうと駐輪場に回ろうとしたところで、呼び止められた。
「…秋穂、お前、チャリか?」
「…お疲れさまでーす。」
声の主は、先程まで散々怒鳴られていた相手、キッチンのトップである島田チーフ。バイトからの叩き上げである上、若くしてチーフになった彼は、本社の覚えも目出度い出世頭なのだと、以前、シフトが一緒になったパートのおば様方に教えて頂いたことがある。だけど、
(…私、苦手なんだよね。)
得意とは言えない相手、曖昧に笑って逃げ出そうとしたのに、
「お前、坂町の辺りだったよな?乗っけてってやるから、これ着けろ。」
「え…?」
差し出されたのはフルフェイスのヘルメット、チーフの後ろには、大型?のバイク。詳しくはないけれど、多分、二人乗りが出来るタイプの-
「ボーッとすんな、さっさと着けろ。」
「…」
グイと差し出されるヘルメットを見下ろして、笑えなくなった。
(…本当、苦手。)
勝手に人の名前を呼び捨てにするところも、こちらの都合などお構い無しに物事を押し進めようとするところも。例え、それが善意からの申し出であろうと―
(…アイツみたい。)
押しの強い相手は元から得意ではなかったけれど、あちらの世界で確実に「嫌い」になってしまったタイプの男性。
取り乱したりしないよう、一つ、大きく息を吸った。
「…すみません。あの、結構です。自分で帰れますので。」
「こんな時間に一人で帰らせるわけないだろう?いいから、大人しく被っとけ。」
「っ!」
頭に乗せられそうになったヘルメットを咄嗟に避ける。
「あの、本当に大丈夫です。迎え、来てもらうので、」
「じゃあ、その迎えが来るまで付き合ってやるよ。」
「…」
言って、煙草を吸い始めたチーフ。自転車が彼の後ろにあるから、逃亡するわけにもいかない。本気で困ると思った、瞬間―
「…秋穂。待たせたな。」
「!」
いつかの、再現みたいな言葉。彼の呼ぶ「秋穂」という言葉の柔らかさが好きだ。振り返って、躊躇いもせず抱きついた。振り払われないと、分かっているから―
「クロさん!」
「…なんだ、こいつ。秋穂、お前の迎えって…」
「彼氏です。婚約済みの!」
「はぁっ!?」
失礼な声と視線のチーフのことは放っておいて、今は黒の瞳を見上げる。
(来てくれた…)
黒龍さまは、いつだって、私が困った時に駆けつけてくれる。だから、私は勝手に己惚れる。
「帰りましょう!クロさん!」
「…ああ。」
彼の隣に在れる自分を、許される立場を享受して笑う。
(黒龍さま、責任は、とって下さいね…?)
救った以上、この命、最期まで―
~After~
「なんじゃ、黒龍よ。お主、また覗いておるのか?」
「…」
「それほど心配ならば、此の場に閉じ込めてしまえばいいものを。」
「それでは、どこぞの愚か者どもと変わらぬ。」
「ふむ。言う割に、訪れる度にこの部屋は様変わりしていくようだがの?主の愛し子は空色が好きか?」
「…」
「本人が望んでおるのだろう?何時までも曖昧なままでは秋穂が可哀想じゃ。」
「…分かっている。だが、秋穂の想いは、命救われたことに対する感謝、我への恩義、かもしれぬであろうが。であれば、いつかは冷めゆく…」
「お主、驚くほどのヘタレっぷりだのぉ。」
「…」
「これは秋穂も苦労するだろうて…」
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