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Ⅱ 【完結】見ていてくれる人【18045字】
Ⅱ 2.
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五年前。恩ある人物に頭を下げられ、「サムネア王国特使団」への参加を求められた。自身の魔物討伐隊での経験を買われた後進育成の願いに、他国の話ではあるが、まあそれもいずれは巡りめぐって自国のためにもなるかと、「諾」と答え、結局、三年の時をかの地で過ごすことになったのだが―
通い慣れた道、自身の妹の嫁ぎ先であるハンドール家の門を抜けたところで、聞こえて来た歓声。転がるようにして駆けて来る三歳の姪、ハンナの後ろから、こちらもこの二年ですっかり見慣れてしまった―
「よぉ、シゼル。鬼ごっこか?」
「エルノー先生!門を閉めて!ハンナを捕まえて下さい!」
言われるがまま、自身の横を駆け抜けようとした小さな身体を掬い上げる。
「ダメ!ロラン!下ろして!メッ!」
「ハンナ。お前、つい最近までは俺に抱っこ抱っこって五月蝿かったのになぁ」
「先生、ありがとうございます。…ハンナは最近、お向かいのハッチのことが大好きで、直ぐに門の外へ逃げようとするんです」
「ハッチ…、男か?」
「もう、何言ってるんですか。ハッチは犬ですよ、犬」
怒って見せながら手を伸ばしてくるシゼルに、未だ逃走を諦めていないらしいハンナを引き渡す。
「マリアは?」
「お部屋です。ちょうどジェイクがお昼寝の時間で。そろそろ寝付いたと思うんですけど、呼んで来ましょうか?」
「いや、今日はお前に用。マリアが手ぇ空いてんなら、ハンナ預けて来てくれるか?ちょっと話がある」
「?わかりました。それじゃあ、えーっと、テラスの方でお待ち頂いていいですか?お茶は、」
「いや、飲みもんはいいや。先、行ってる」
「はい」という返事と共に、ハンナを抱えて立ち去るシゼルを見送って、勝手知ったる中庭への道をフラフラ歩き出す。
二年前―
教室で別れを告げたシゼルの行く末が、やはりどうしようもなく気になって、やり残した「教師」としての諸々の仕事を最速で片付けた後、シゼルが世話になっているというラギエの屋敷を訪れた。何もなければそれでいいと、はっきりとした理由も目標もなく見張り続けたその屋敷の玄関扉から―果たして本人の言葉通りに―殆ど身一つで出てきたシゼルの姿には何というかもう、力が抜ける思いがした。
声をかけたこちらの姿に驚愕の表情を浮かべたシゼルは中々の見物だったので、まあ、それはもうそれで良しとしておこう。
ちょうど特使の任期開け、故郷への帰還の時期であったことを告げて、シゼルをこの地に拐うように連れて来てから二年。取り敢えずはと、自身の妹の嫁ぎ先であるこの家でシゼルを雇ってもらい、彼女が落ち着いたらまた改めて新たな仕事先をと考えていたのだが。結局、シゼルを気に入った妹夫妻は彼女をそのまま雇い続けている。
当時一歳のハンナを抱え、議会議員である夫を公私共に支えねばならなかったマリアは、端から見るよりかなり追い詰められていたらしく、シゼルの働きぶりに―割りと本気で―泣いて喜んだ。
今では議員夫妻の私設秘書の役目までこなしているシゼルは、妹夫妻にとってもはや無くてはならない人材。そう、承知している。承知は、しているが―
「…エルノー先生、お待たせしました」
「あぁ、いや、こっちこそ、悪いな。時間とらせて」
「いいえ、それは全く。ハンナもそろそろお昼寝の時間ですので、手は空いていますから」
「ああ…」
「…あの、エルノー先生?その、マリアさんから、『バルセルアワイン、一年分で手を打つ』って伝えるように言われたんですが、意味、わかりますか?」
「ああ、まぁ、な」
最高級、とまではいかないが、それなりに値が張る銘柄ワインを、しかも一年分とは。かなりふっかけられたが、だが、まあ、確かにそれだけの、いや、それ以上の価値があるのだから仕方無い。
「…シゼル、お前、自分の故郷、『バストワ王国』のこと、どう思ってる?」
「…どう、と聞かれると…。何をお答えすればいいですか?」
「そうだな、もう二度と帰りたくないだとか、お前の努力を認めなかった学園なんて潰れてしまえ、国ごと滅んでしまえばいいとか、まあ、そんな感じのことだよ」
シゼルを追い詰めないよう叩いた軽口に、シゼルが小さく笑いをこぼす。
「先生、私、当時でも流石にそこまでのことは考えていませんでしたよ?」
「…そうなのか?」
「はい。それに今思えば、あの頃は私も色々と間違っていたというか、焦っていたというか」
シゼルの弛んだ口元が、自嘲に歪む。
「私、他の何で劣っていても、学業さえ完璧にこなせれば、『プリマリリー』に成れると思っていたんです。人との信頼関係なんて築けなくても、文句を言われないだけの成績を修めれば良いんだって。だから、遊ぶ時間も友人も無駄だと切り捨てて、色んなものを見ないふりして…」
「…」
「そんな余裕が無かったっていうのもあるんですが。こっちに来て、ハンナのお世話をして、マリアさんのお仕事に付き添って、色々な経験をさせてもらう中で、私はそういう人との関わりを疎かにしてきたんだなってことに気づけました」
「…」
「特に、マリアさんについて回る時には痛感させられています。人と人を繋ぐお仕事、議員の奥様の役割って、大変なんだなって…」
「…マリアは、お前の存在に助かってる。感謝してるよ」
「…はい。本当にそうだったら、嬉しいです」
笑みが、はにかむような弛さに戻ったシゼルの口元に、視線が引き付けられる。
「…俺さ…」
「はい」
「また特使団に任命されて、バストワに行くことになった」
「!」
「任期は前と同じ三年。今回はバストワ騎士団の軍事顧問、まあ、要するに、魔物との戦い方を教えに行くんだが…」
「…それは、寂しく、なりますね…」
これは多分、自惚れでなく、本音で言ってくれているのであろう言葉。それに伴う感情が何であれ、俺との別離を惜しんでくれてはいる。それに一つ、勇気を得て、
「それでな、シゼル。お前も特使団入って、一緒に行かねぇか?」
「え?」
「ポマス議員、知ってるだろ?前議長だった」
「あ、はい。奥様とご一緒に何度かお会いしたことがあります」
「そうそう。で、そのポマス議員夫妻も特使団に入ってるんだが、その奥様がさ、バストワ滞在中の付き添い兼秘書を探してんだよ」
「…」
「シゼルならあっちのことに詳しいし、付き添いも慣れたもんだからどうかって話が出てる」
「…私が…」
言って、動かなくなったシゼルの答えを待つ。
「でも、私では…それに、マリアさんのお手伝いも…」
「お前の任期の間、マリアにはポマス夫人の秘書を代わりにつけてくれるそうだ。後の細々、マリアの負担に関しても、まあ、こっちで何とかするって話がついてる」
主に、バルセルアワイン一年分で―
「シゼル、お前はどうしたい?やってみたくはないか?」
特使団としての任務。かの地とこの地で、今まで彼女が学んできたものを活かせる場所。
「…一緒に、行かねぇか?」
「…」
下がったままの視線。表情がうかがえない。一度は彼女を拒んだ地、やはり酷かと考え始めたところで、
「…行きます。私、行ってみたいです」
「シゼル…」
「やってみたい…。私に何が出来るのか、わならなくて不安ですけど、やらせてもらえるのなら、やってみたいです」
「おぅ」
顔を上げ、決意を見せるシゼルの瞳に、自然、口角が上がる。
七つも年下。己が庇護し、彼女自身、己を保護者と認識しているだろうことはわかっている。わかっていて、敢えて口にする。追い詰める。逃げ道だけは、一応残しておくが、
「んじゃあさ、シゼル、ついでにってわけじゃあねえけど、」
「?」
「俺と―」
果たして、彼女が逃げ道に気づけるかどうか―
通い慣れた道、自身の妹の嫁ぎ先であるハンドール家の門を抜けたところで、聞こえて来た歓声。転がるようにして駆けて来る三歳の姪、ハンナの後ろから、こちらもこの二年ですっかり見慣れてしまった―
「よぉ、シゼル。鬼ごっこか?」
「エルノー先生!門を閉めて!ハンナを捕まえて下さい!」
言われるがまま、自身の横を駆け抜けようとした小さな身体を掬い上げる。
「ダメ!ロラン!下ろして!メッ!」
「ハンナ。お前、つい最近までは俺に抱っこ抱っこって五月蝿かったのになぁ」
「先生、ありがとうございます。…ハンナは最近、お向かいのハッチのことが大好きで、直ぐに門の外へ逃げようとするんです」
「ハッチ…、男か?」
「もう、何言ってるんですか。ハッチは犬ですよ、犬」
怒って見せながら手を伸ばしてくるシゼルに、未だ逃走を諦めていないらしいハンナを引き渡す。
「マリアは?」
「お部屋です。ちょうどジェイクがお昼寝の時間で。そろそろ寝付いたと思うんですけど、呼んで来ましょうか?」
「いや、今日はお前に用。マリアが手ぇ空いてんなら、ハンナ預けて来てくれるか?ちょっと話がある」
「?わかりました。それじゃあ、えーっと、テラスの方でお待ち頂いていいですか?お茶は、」
「いや、飲みもんはいいや。先、行ってる」
「はい」という返事と共に、ハンナを抱えて立ち去るシゼルを見送って、勝手知ったる中庭への道をフラフラ歩き出す。
二年前―
教室で別れを告げたシゼルの行く末が、やはりどうしようもなく気になって、やり残した「教師」としての諸々の仕事を最速で片付けた後、シゼルが世話になっているというラギエの屋敷を訪れた。何もなければそれでいいと、はっきりとした理由も目標もなく見張り続けたその屋敷の玄関扉から―果たして本人の言葉通りに―殆ど身一つで出てきたシゼルの姿には何というかもう、力が抜ける思いがした。
声をかけたこちらの姿に驚愕の表情を浮かべたシゼルは中々の見物だったので、まあ、それはもうそれで良しとしておこう。
ちょうど特使の任期開け、故郷への帰還の時期であったことを告げて、シゼルをこの地に拐うように連れて来てから二年。取り敢えずはと、自身の妹の嫁ぎ先であるこの家でシゼルを雇ってもらい、彼女が落ち着いたらまた改めて新たな仕事先をと考えていたのだが。結局、シゼルを気に入った妹夫妻は彼女をそのまま雇い続けている。
当時一歳のハンナを抱え、議会議員である夫を公私共に支えねばならなかったマリアは、端から見るよりかなり追い詰められていたらしく、シゼルの働きぶりに―割りと本気で―泣いて喜んだ。
今では議員夫妻の私設秘書の役目までこなしているシゼルは、妹夫妻にとってもはや無くてはならない人材。そう、承知している。承知は、しているが―
「…エルノー先生、お待たせしました」
「あぁ、いや、こっちこそ、悪いな。時間とらせて」
「いいえ、それは全く。ハンナもそろそろお昼寝の時間ですので、手は空いていますから」
「ああ…」
「…あの、エルノー先生?その、マリアさんから、『バルセルアワイン、一年分で手を打つ』って伝えるように言われたんですが、意味、わかりますか?」
「ああ、まぁ、な」
最高級、とまではいかないが、それなりに値が張る銘柄ワインを、しかも一年分とは。かなりふっかけられたが、だが、まあ、確かにそれだけの、いや、それ以上の価値があるのだから仕方無い。
「…シゼル、お前、自分の故郷、『バストワ王国』のこと、どう思ってる?」
「…どう、と聞かれると…。何をお答えすればいいですか?」
「そうだな、もう二度と帰りたくないだとか、お前の努力を認めなかった学園なんて潰れてしまえ、国ごと滅んでしまえばいいとか、まあ、そんな感じのことだよ」
シゼルを追い詰めないよう叩いた軽口に、シゼルが小さく笑いをこぼす。
「先生、私、当時でも流石にそこまでのことは考えていませんでしたよ?」
「…そうなのか?」
「はい。それに今思えば、あの頃は私も色々と間違っていたというか、焦っていたというか」
シゼルの弛んだ口元が、自嘲に歪む。
「私、他の何で劣っていても、学業さえ完璧にこなせれば、『プリマリリー』に成れると思っていたんです。人との信頼関係なんて築けなくても、文句を言われないだけの成績を修めれば良いんだって。だから、遊ぶ時間も友人も無駄だと切り捨てて、色んなものを見ないふりして…」
「…」
「そんな余裕が無かったっていうのもあるんですが。こっちに来て、ハンナのお世話をして、マリアさんのお仕事に付き添って、色々な経験をさせてもらう中で、私はそういう人との関わりを疎かにしてきたんだなってことに気づけました」
「…」
「特に、マリアさんについて回る時には痛感させられています。人と人を繋ぐお仕事、議員の奥様の役割って、大変なんだなって…」
「…マリアは、お前の存在に助かってる。感謝してるよ」
「…はい。本当にそうだったら、嬉しいです」
笑みが、はにかむような弛さに戻ったシゼルの口元に、視線が引き付けられる。
「…俺さ…」
「はい」
「また特使団に任命されて、バストワに行くことになった」
「!」
「任期は前と同じ三年。今回はバストワ騎士団の軍事顧問、まあ、要するに、魔物との戦い方を教えに行くんだが…」
「…それは、寂しく、なりますね…」
これは多分、自惚れでなく、本音で言ってくれているのであろう言葉。それに伴う感情が何であれ、俺との別離を惜しんでくれてはいる。それに一つ、勇気を得て、
「それでな、シゼル。お前も特使団入って、一緒に行かねぇか?」
「え?」
「ポマス議員、知ってるだろ?前議長だった」
「あ、はい。奥様とご一緒に何度かお会いしたことがあります」
「そうそう。で、そのポマス議員夫妻も特使団に入ってるんだが、その奥様がさ、バストワ滞在中の付き添い兼秘書を探してんだよ」
「…」
「シゼルならあっちのことに詳しいし、付き添いも慣れたもんだからどうかって話が出てる」
「…私が…」
言って、動かなくなったシゼルの答えを待つ。
「でも、私では…それに、マリアさんのお手伝いも…」
「お前の任期の間、マリアにはポマス夫人の秘書を代わりにつけてくれるそうだ。後の細々、マリアの負担に関しても、まあ、こっちで何とかするって話がついてる」
主に、バルセルアワイン一年分で―
「シゼル、お前はどうしたい?やってみたくはないか?」
特使団としての任務。かの地とこの地で、今まで彼女が学んできたものを活かせる場所。
「…一緒に、行かねぇか?」
「…」
下がったままの視線。表情がうかがえない。一度は彼女を拒んだ地、やはり酷かと考え始めたところで、
「…行きます。私、行ってみたいです」
「シゼル…」
「やってみたい…。私に何が出来るのか、わならなくて不安ですけど、やらせてもらえるのなら、やってみたいです」
「おぅ」
顔を上げ、決意を見せるシゼルの瞳に、自然、口角が上がる。
七つも年下。己が庇護し、彼女自身、己を保護者と認識しているだろうことはわかっている。わかっていて、敢えて口にする。追い詰める。逃げ道だけは、一応残しておくが、
「んじゃあさ、シゼル、ついでにってわけじゃあねえけど、」
「?」
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果たして、彼女が逃げ道に気づけるかどうか―
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