46 / 64
後編 タワー編
2-3.
しおりを挟む
2-3.
「パーティー名は『星影』、メンバーはミアさんとブレンさんのお二人ですね」
タワー入口、受付の女性の言葉に頷く。
「お二人はどこかのギルドに参加されていらっしゃいますか?」
「いえ」
「では、こちらがお二人の『入塔証』です。次回からはこちらを入口でご提示頂ければ、タワーに登ることが可能になります」
「ありがとうございます」
タワーについて案内をしてくれた女性にお礼を言って、カードを受け取った。タワーの階段に足をかけたところで流れたアナウンス。
《パーティー『サザンクロス』が30階層に到達しました》
「…これって、タワーの中でも聞こえるんだね」
「鬱陶しいな」
タワーに入ってからも繰り返されるアナウンスを聞き流しながら、二階への階段をのぼる。
「とりあえず、今日は日帰りで。のぼれるところまでのぼって、様子を見ようと思う」
「いいだろう」
「レイヒャーのお店で50階層までの地図は買ったから、後は時間が許す限りって感じかな」
頷いたブレンに地図を渡せば、一瞥した後に先導して歩き出す。迷いのない足取りで二階層を通り過ぎ、直ぐに上層階への階段へとたどり着いた。
階段をのぼった先、3階層も、下層とそう変わらない造り、石壁に石畳の空間に、たまに思い出したようにモンスターが出現する。
同じ様な階を繰り返し、10階層へと到達した時、初めて景色が変化した。開けた空間、周囲の石壁には、数えきれないほどの扉が立ち並んでいる。
ボス階層―
タワー入口で説明があった通り、扉の数だけ繋がる空間、そこでのボス戦闘。選ぶ扉は任意、既に他パーティーが選択済みの扉を選ぶことも出来る。戦闘に加勢するには、先行パーティーの許可が必要だが、見ているだけなら自由。そうやって、後続パーティーがボス戦の戦い方を学ぶことも可能なのだそうだが、
「ミア、こっちだ」
「…」
ブレンが選んだ扉からは、当然のように、戦闘の気配が感じられなかった。
《パーティー『星影』が、20階層に到達しました》
地図頼り、最短距離で20階層への階段をのぼりきってすぐ、開けた空間には何組かのパーティーがたむろしている。石積みの壁には、数えきれないほどの扉。10階層と同じ―
「おう、お前ら。そんなレベルでこんなとこまで上がって来たのか?」
突如、かけられた声は、
「昨日の…」
食堂で絡んできた、バッシュと呼ばれていた男達三人組。
「お前らなぁ、昨日言っただろうが、人の忠告は素直に聞いとけよ」
「…」
少し、驚いた。昨日のあれは絡まれたんじゃなく、忠告だったのか。そう言われれば、内容的にはそうだった気もするが、
「…ミア、行くぞ」
「あ!おい、待て!お前ら!この階のボスは、そこそこ厄介、」
男達の存在は完全に無視することにしたらしいブレンが、扉を開けて、中へと入る。後に続いたところで、ブレンが扉を思いっきり閉めたのだが、
「お前ら!命は大切にしろ!人の話は最後まで、」
「チッ」
拒絶など気にもせずに扉を開けて入ってきた男達に、ブレンが舌打ちした。
その間にも、部屋の中央で膨らむ気配。現れたのは、角が二つ、馬の姿のモンスター。その姿がはっきりと現れた瞬間、跳躍したブレンがモンスターの首を一刀で切り落とした。
「行くぞ」
「…」
先に進むことを優先している以上はこうなるのだろうが、なんというかもう少し余韻が欲しかった。10階の階層ボス『キングフロッグ』の時にも、部屋に入ると同時に討伐が完了してしまったし。
《パーティー『星影』が、『バイコーン』の討伐に成功しました》
流れるアナウンスを聞きながら、上層階への階段へと足を向ければ、
「ちょっと待て!お前ら!何だよ!今の!?」
「…」
大声で呼び止められ、背後を振り返る。
「あり得んだろう!?何だ、今の動き!剣の一振りで、どうやったらバイコーンの首が落ちんだよ!?」
「レベル27の動きじゃねえだろ!」
詰め寄ってくる男達に、ブレンが嘆息し、
「やかましい。行くぞ、ミア」
「…うん」
「あ!ちょ!まてまてまて」
階段をのぼり始めたブレンに続く。男達も、階段へと駆け寄るが、そこで結界に阻まれた。
「あ!くそっ!」
共闘と見なされなかった彼らには、上階へ上がる資格が認められなかったのだろう。
「いいか!お前ら!ちょっと待ってろ!直ぐ追いつくからな!上で待ってろよ!」
「…」
言い捨てたバッシュ達が、部屋の外へと飛び出していく。恐らく、他のボス部屋へ向かったのだろう。それを見送ったブレンが無言で歩き出し、
「…ブレン」
「…」
「…ブレン、ちょっと、早すぎる」
「…すまん」
当然ながら、バッシュ達を待たずに―それどころか、確実に振りきるスピードで―突き進むブレン。そのまま、気がつけば50階層まで到達していた。
流石にここまでのぼって来ると、冒険者の数も少なく、ボス部屋前の広場にキャンプを張った一行しか見当たらない。今までも、10階層毎に似たようなものを見たので、あれがバッシュ達の言っていた『ガイラスの夜明け』の攻略拠点なのだろう。
見知った顔が無いことを確認し、持ち込んだ懐中時計で時間を見る。
「…ブレン、時間的に今日はここまでみたい。ボスを倒したら、折り返そう」
「ああ」
購入した地図の情報によると、50階層を守るのは『デュラハン』。レベルはランダムだが、物理耐性が高く、人型。つまり、ブレンが好きそうな、
「ミア、俺にやらせろ。手を出すな」
「…わかった」
部屋に入るなり、そう宣言したブレン。ここまで、ほとんど一瞬でモンスターを狩ってきたから、力が有り余っているのだろう。大人しく見ているつもりで、部屋の隅へと移動した。
そうして、ブレンがデュラハンと剣の勝負を開始して間もなく、部屋の扉が開いて、入って来たのは―
―レオン?
バッシュ達に追いつかれたのかと思ったが、現れたのは『ガイラスの夜明け』のギルドリーダー、巨漢の男。
「…」
無言で手を振り合図を送ってきた男は、ブレンの戦闘を興味津々に眺めながら、こちらへと近づいてくる。そして、彼の後に続く二人、
―アイリー、カイ
対照的に、こちらをきつく睨んで不機嫌を顕に近づいてきた彼女に指を突きつけられる。
「ちょっと!あんた、」
「やめろ、アイリー」
「!?」
小さい、けれど鋭い声でアイリーを遮ったのはレオン。
「戦闘の邪魔をするな。騒ぐのなら、出ていけ」
「!?」
ボス戦における先行パーティーへの不用意な言動は、妨害行為と見なされる。ペナルティこそないものの、冒険者の間では顰蹙をかう行為。見咎められたアイリーが悔しげに口をつぐみ、慰めようと言葉をかけたカイを、煩わし気に振り払った。
「すまんな」
「…」
軽く謝るレオンから、ブレンへ視線を戻したところで、再び部屋の扉が開くのが視界に入った。慌ただしげに入って来たのは、今度こそバッシュ達で。
「!?」
「…」
こちらに気づいた彼らが、ジェスチャーで何やら伝えようとしてくるが、何を言いたいのやら全くわからない。結局、近づいて来た男達に、小声で文句を言われる。
「お前ら、待ってろって言っただろうが。こんなとこまでさっさと進みやがって」
「…」
「しかも、兄ちゃんだけでやってんのか?姉ちゃんの方は、戦わないのかよ?」
「…静かにして」
「!悪い…」
慌てたように自分の口を塞いだ男に、悪い人間ではないのだろうとは思うのだが。
結局、大人数での観戦というよくわからない状況になってしまったが、嬉々としてデュラハンとやりあうブレンの邪魔にならなければ、まあ問題はない。
「…」
大振りの剣を、重さを感じさせない勢いで振り回すデュラハンの斬撃を、ブレンが軽々とかわす。
「…俺じゃ、受け止めるので精一杯だったんだがな」
「あいつ、レベル71のデュラハンの攻撃を避けんのか。お前達ん時は?いくつだったんだ?」
レオンの呟きとも言える言葉に、バッシュが反応する。
「75だったが、あの動きを避けられる気はしないな」
「…」
レオンの言葉からは、ブレンに対する称賛が感じられて、悪い気はしなかった。ブレンがここまで努力してきたことを認められるのは、素直に嬉しいし、誇らしい。
緩みそうになった頬を、アイリーの突き刺すような視線を感じて、引き締めなおした。
目の前では、ブレンの最後の一撃。鎧の隙間に綺麗に決まった彼の剣が、ズルリと引き抜かれる。
ゆっくりと、崩れ落ちて行くデュラハン。ガシャリと重い金属音を響かせて、その膝が地についた。倒れたデュラハンの体が淡く発光し始め、やがて光の粒子となって、跡形もなく消えた。
「…すげぇ」
「…」
漏れた呟きは誰のものだったのか。
張り付く髪を一振りし、デュラハンの残した『鞭』を拾い上げたブレンが戻ってくる。その顔が、こちら―ブレンの勝利に歓声を上げる見物人達―を捉えて、嫌そうに歪められた。
「パーティー名は『星影』、メンバーはミアさんとブレンさんのお二人ですね」
タワー入口、受付の女性の言葉に頷く。
「お二人はどこかのギルドに参加されていらっしゃいますか?」
「いえ」
「では、こちらがお二人の『入塔証』です。次回からはこちらを入口でご提示頂ければ、タワーに登ることが可能になります」
「ありがとうございます」
タワーについて案内をしてくれた女性にお礼を言って、カードを受け取った。タワーの階段に足をかけたところで流れたアナウンス。
《パーティー『サザンクロス』が30階層に到達しました》
「…これって、タワーの中でも聞こえるんだね」
「鬱陶しいな」
タワーに入ってからも繰り返されるアナウンスを聞き流しながら、二階への階段をのぼる。
「とりあえず、今日は日帰りで。のぼれるところまでのぼって、様子を見ようと思う」
「いいだろう」
「レイヒャーのお店で50階層までの地図は買ったから、後は時間が許す限りって感じかな」
頷いたブレンに地図を渡せば、一瞥した後に先導して歩き出す。迷いのない足取りで二階層を通り過ぎ、直ぐに上層階への階段へとたどり着いた。
階段をのぼった先、3階層も、下層とそう変わらない造り、石壁に石畳の空間に、たまに思い出したようにモンスターが出現する。
同じ様な階を繰り返し、10階層へと到達した時、初めて景色が変化した。開けた空間、周囲の石壁には、数えきれないほどの扉が立ち並んでいる。
ボス階層―
タワー入口で説明があった通り、扉の数だけ繋がる空間、そこでのボス戦闘。選ぶ扉は任意、既に他パーティーが選択済みの扉を選ぶことも出来る。戦闘に加勢するには、先行パーティーの許可が必要だが、見ているだけなら自由。そうやって、後続パーティーがボス戦の戦い方を学ぶことも可能なのだそうだが、
「ミア、こっちだ」
「…」
ブレンが選んだ扉からは、当然のように、戦闘の気配が感じられなかった。
《パーティー『星影』が、20階層に到達しました》
地図頼り、最短距離で20階層への階段をのぼりきってすぐ、開けた空間には何組かのパーティーがたむろしている。石積みの壁には、数えきれないほどの扉。10階層と同じ―
「おう、お前ら。そんなレベルでこんなとこまで上がって来たのか?」
突如、かけられた声は、
「昨日の…」
食堂で絡んできた、バッシュと呼ばれていた男達三人組。
「お前らなぁ、昨日言っただろうが、人の忠告は素直に聞いとけよ」
「…」
少し、驚いた。昨日のあれは絡まれたんじゃなく、忠告だったのか。そう言われれば、内容的にはそうだった気もするが、
「…ミア、行くぞ」
「あ!おい、待て!お前ら!この階のボスは、そこそこ厄介、」
男達の存在は完全に無視することにしたらしいブレンが、扉を開けて、中へと入る。後に続いたところで、ブレンが扉を思いっきり閉めたのだが、
「お前ら!命は大切にしろ!人の話は最後まで、」
「チッ」
拒絶など気にもせずに扉を開けて入ってきた男達に、ブレンが舌打ちした。
その間にも、部屋の中央で膨らむ気配。現れたのは、角が二つ、馬の姿のモンスター。その姿がはっきりと現れた瞬間、跳躍したブレンがモンスターの首を一刀で切り落とした。
「行くぞ」
「…」
先に進むことを優先している以上はこうなるのだろうが、なんというかもう少し余韻が欲しかった。10階の階層ボス『キングフロッグ』の時にも、部屋に入ると同時に討伐が完了してしまったし。
《パーティー『星影』が、『バイコーン』の討伐に成功しました》
流れるアナウンスを聞きながら、上層階への階段へと足を向ければ、
「ちょっと待て!お前ら!何だよ!今の!?」
「…」
大声で呼び止められ、背後を振り返る。
「あり得んだろう!?何だ、今の動き!剣の一振りで、どうやったらバイコーンの首が落ちんだよ!?」
「レベル27の動きじゃねえだろ!」
詰め寄ってくる男達に、ブレンが嘆息し、
「やかましい。行くぞ、ミア」
「…うん」
「あ!ちょ!まてまてまて」
階段をのぼり始めたブレンに続く。男達も、階段へと駆け寄るが、そこで結界に阻まれた。
「あ!くそっ!」
共闘と見なされなかった彼らには、上階へ上がる資格が認められなかったのだろう。
「いいか!お前ら!ちょっと待ってろ!直ぐ追いつくからな!上で待ってろよ!」
「…」
言い捨てたバッシュ達が、部屋の外へと飛び出していく。恐らく、他のボス部屋へ向かったのだろう。それを見送ったブレンが無言で歩き出し、
「…ブレン」
「…」
「…ブレン、ちょっと、早すぎる」
「…すまん」
当然ながら、バッシュ達を待たずに―それどころか、確実に振りきるスピードで―突き進むブレン。そのまま、気がつけば50階層まで到達していた。
流石にここまでのぼって来ると、冒険者の数も少なく、ボス部屋前の広場にキャンプを張った一行しか見当たらない。今までも、10階層毎に似たようなものを見たので、あれがバッシュ達の言っていた『ガイラスの夜明け』の攻略拠点なのだろう。
見知った顔が無いことを確認し、持ち込んだ懐中時計で時間を見る。
「…ブレン、時間的に今日はここまでみたい。ボスを倒したら、折り返そう」
「ああ」
購入した地図の情報によると、50階層を守るのは『デュラハン』。レベルはランダムだが、物理耐性が高く、人型。つまり、ブレンが好きそうな、
「ミア、俺にやらせろ。手を出すな」
「…わかった」
部屋に入るなり、そう宣言したブレン。ここまで、ほとんど一瞬でモンスターを狩ってきたから、力が有り余っているのだろう。大人しく見ているつもりで、部屋の隅へと移動した。
そうして、ブレンがデュラハンと剣の勝負を開始して間もなく、部屋の扉が開いて、入って来たのは―
―レオン?
バッシュ達に追いつかれたのかと思ったが、現れたのは『ガイラスの夜明け』のギルドリーダー、巨漢の男。
「…」
無言で手を振り合図を送ってきた男は、ブレンの戦闘を興味津々に眺めながら、こちらへと近づいてくる。そして、彼の後に続く二人、
―アイリー、カイ
対照的に、こちらをきつく睨んで不機嫌を顕に近づいてきた彼女に指を突きつけられる。
「ちょっと!あんた、」
「やめろ、アイリー」
「!?」
小さい、けれど鋭い声でアイリーを遮ったのはレオン。
「戦闘の邪魔をするな。騒ぐのなら、出ていけ」
「!?」
ボス戦における先行パーティーへの不用意な言動は、妨害行為と見なされる。ペナルティこそないものの、冒険者の間では顰蹙をかう行為。見咎められたアイリーが悔しげに口をつぐみ、慰めようと言葉をかけたカイを、煩わし気に振り払った。
「すまんな」
「…」
軽く謝るレオンから、ブレンへ視線を戻したところで、再び部屋の扉が開くのが視界に入った。慌ただしげに入って来たのは、今度こそバッシュ達で。
「!?」
「…」
こちらに気づいた彼らが、ジェスチャーで何やら伝えようとしてくるが、何を言いたいのやら全くわからない。結局、近づいて来た男達に、小声で文句を言われる。
「お前ら、待ってろって言っただろうが。こんなとこまでさっさと進みやがって」
「…」
「しかも、兄ちゃんだけでやってんのか?姉ちゃんの方は、戦わないのかよ?」
「…静かにして」
「!悪い…」
慌てたように自分の口を塞いだ男に、悪い人間ではないのだろうとは思うのだが。
結局、大人数での観戦というよくわからない状況になってしまったが、嬉々としてデュラハンとやりあうブレンの邪魔にならなければ、まあ問題はない。
「…」
大振りの剣を、重さを感じさせない勢いで振り回すデュラハンの斬撃を、ブレンが軽々とかわす。
「…俺じゃ、受け止めるので精一杯だったんだがな」
「あいつ、レベル71のデュラハンの攻撃を避けんのか。お前達ん時は?いくつだったんだ?」
レオンの呟きとも言える言葉に、バッシュが反応する。
「75だったが、あの動きを避けられる気はしないな」
「…」
レオンの言葉からは、ブレンに対する称賛が感じられて、悪い気はしなかった。ブレンがここまで努力してきたことを認められるのは、素直に嬉しいし、誇らしい。
緩みそうになった頬を、アイリーの突き刺すような視線を感じて、引き締めなおした。
目の前では、ブレンの最後の一撃。鎧の隙間に綺麗に決まった彼の剣が、ズルリと引き抜かれる。
ゆっくりと、崩れ落ちて行くデュラハン。ガシャリと重い金属音を響かせて、その膝が地についた。倒れたデュラハンの体が淡く発光し始め、やがて光の粒子となって、跡形もなく消えた。
「…すげぇ」
「…」
漏れた呟きは誰のものだったのか。
張り付く髪を一振りし、デュラハンの残した『鞭』を拾い上げたブレンが戻ってくる。その顔が、こちら―ブレンの勝利に歓声を上げる見物人達―を捉えて、嫌そうに歪められた。
50
お気に入りに追加
2,333
あなたにおすすめの小説
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。

お姉様に恋した、私の婚約者。5日間部屋に篭っていたら500年が経過していました。
ごろごろみかん。
恋愛
「……すまない。彼女が、私の【運命】なんだ」
──フェリシアの婚約者の【運命】は、彼女ではなかった。
「あなたも知っている通り、彼女は病弱だ。彼女に王妃は務まらない。だから、フェリシア。あなたが、彼女を支えてあげて欲しいんだ。あなたは王妃として、あなたの姉……第二妃となる彼女を、助けてあげて欲しい」
婚約者にそう言われたフェリシアは──
(え、絶対嫌なんですけど……?)
その瞬間、前世の記憶を思い出した。
彼女は五日間、部屋に籠った。
そして、出した答えは、【婚約解消】。
やってられるか!と勘当覚悟で父に相談しに部屋を出た彼女は、愕然とする。
なぜなら、前世の記憶を取り戻した影響で魔力が暴走し、部屋の外では【五日間】ではなく【五百年】の時が経過していたからである。
フェリシアの第二の人生が始まる。
☆新連載始めました!今作はできる限り感想返信頑張りますので、良ければください(私のモチベが上がります)よろしくお願いします!

完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。

転生した世界のイケメンが怖い
祐月
恋愛
わたしの通う学院では、近頃毎日のように喜劇が繰り広げられている。
第二皇子殿下を含む学院で人気の美形子息達がこぞって一人の子爵令嬢に愛を囁き、殿下の婚約者の公爵令嬢が諌めては返り討ちにあうという、わたしにはどこかで見覚えのある光景だ。
わたし以外の皆が口を揃えて言う。彼らはものすごい美形だと。
でもわたしは彼らが怖い。
わたしの目には彼らは同じ人間には見えない。
彼らはどこからどう見ても、女児向けアニメキャラクターショーの着ぐるみだった。
2024/10/06 IF追加
小説を読もう!にも掲載しています。

【完結】引きこもり令嬢は迷い込んできた猫達を愛でることにしました
かな
恋愛
乙女ゲームのモブですらない公爵令嬢に転生してしまった主人公は訳あって絶賛引きこもり中!
そんな主人公の生活はとある2匹の猫を保護したことによって一変してしまい……?
可愛い猫達を可愛がっていたら、とんでもないことに巻き込まれてしまった主人公の無自覚無双の幕開けです!
そしていつのまにか溺愛ルートにまで突入していて……!?
イケメンからの溺愛なんて、元引きこもりの私には刺激が強すぎます!!
毎日17時と19時に更新します。
全12話完結+番外編
「小説家になろう」でも掲載しています。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!
鳥柄ささみ
恋愛
美人になんて、生まれたくなかった……!
前世で絶世の美女として生まれ、その見た目で国王に好かれてしまったのが運の尽き。
正妃に嫌われ、私は国を傾けた悪女とレッテルを貼られて処刑されてしまった。
そして、気づけば違う世界に転生!
けれど、なんとこの世界でも私は絶世の美女として生まれてしまったのだ!
私は前世の経験を生かし、今世こそは目立たず、人目にもつかない喪女になろうと引きこもり生活をして平穏な人生を手に入れようと試みていたのだが、なぜか世界有数の魔法学校で陽キャがいっぱいいるはずのNMA(ノーマ)から招待状が来て……?
前世の教訓から喪女生活を目指していたはずの主人公クラリスが、トラウマを抱えながらも奮闘し、四苦八苦しながら魔法学園で成長する異世界恋愛ファンタジー!
※第15回恋愛大賞にエントリーしてます!
開催中はポチッと投票してもらえると嬉しいです!
よろしくお願いします!!

【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる