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後編 タワー編
1-4.
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1-4.
ヨーゼフに案内された隣室。休憩室のようなそこは、先ほどまで居た部屋とは異なり―レイヒャーの言葉通り―雑多に置かれた物で溢れ返っていた。
何とか腰を落ち着ける場所を確保してから、先に口を開いたのはヨーゼフ。
「それで、ミア様、お話というのは?」
「ヨーゼフに聞きたかったことがある」
彼の額に残る傷。それが出来た時のこと。私が彼につきつけた選択―
「貴方は、私のことを恨んでる?」
八年前、当時既に二十代半ばだったヨーゼフがビンデバルドに連れてこられた時、家の中は一時、彼の噂で持ちきりになった。
奴隷契約時に申告が義務付けられている「レベル」について、彼の自己申告が「レベル15」という数値だったからだ。十代半ばでレベルが完全に止まってしまったという彼の話に、周囲の奴隷仲間はざわめいた、悪意を持って―
レベル上限の平均がおよそ30である世界で、まれにではあるが、その上限が30に満たない者も当然ながら存在する。ヨーゼフの場合も、その時点で既にレベル上限15という壁に引っ掛かってしまっていたのだろう。
家に来た直後から、ヨーゼフは、同じ『奴隷』という虐げられる立場にある者達から虐待を受けるようになった。他より『弱い』ヨーゼフは、彼らの格好のストレス発散の対象だったのだ。
日に日に生傷の増えていく彼の姿を、ただ見ているだけだったある日、
―あなたたち、何をしているの?
―ミア様!?これは!
地にうずくまり、額から血を流していたヨーゼフ。
―行きなさい。二度とこんな真似しないで
―お許しを!
当時はまだ、ヒール一つまともに扱えなくて。
―血は止まったけど、痕は残るかも
―ありがとうございます。ミア様
傷だらけの身体。腫れ上がった顔で笑う男。
―…ねえ、ヨーゼフ。あなた、強くなりたい?
決めていたはずなのに。もう二度と、愚かな真似はしないと―
「…」
「…なぜ、私がミア様を?」
「…私は、あなたを使って自分の好奇心を満たした。あれは、あなたを使った実験だったと言われても否定できない」
「…なるほど」
奴隷商に突き返すという父親からヨーゼフを買取り、隷属の契約を行った。レベル上限15を越えられるか、確かめるために―
「私は感謝こそすれ、ミア様を恨んでなどおりません。ミア様はなぜ、そうお思いに?」
「…」
ヨーゼフの、優しく問う声に、初めて口にした。カイのこと。彼に何をし、何を言われたのか。そして、その上で、ヨーゼフに同じことをし、今、なお、それを繰り返していることを―
「なるほど。では、ミア様はご自分のなされたことを後悔されている、ということですか?」
「うん。後悔したんだ。カイの時に。なのに、私はまた同じことを繰り返してる」
「ふむ。それでなぜ、私にその話を?そのカイと言う人物に対する懺悔でしょうか?」
「ううん、カイに許して欲しいわけじゃない」
私は―
「多分、言ってほしかったんだと思う。ヨーゼフに『恨んでいない』って言われて、安心したかった。最初から、ヨーゼフが許してくれるって期待してたんだ。ごめん、ずるいね」
「お話はわかりましたが、ならば、お話なさる相手が違うのではありませんか?」
「?」
私が話すべき、相手―?
「あなたが安心したいのは、なぜですか?今のあなたの行動を許されたいのはなぜ?」
「…」
「ミア様がお話すべきは、あなたが今、同じことをしているという、その相手にするべきではございませんか?」
ヨーゼフの、優しいけれど容赦ない言葉に、下を向く。出てきたのは、自分でもあきれるくらい、情けない言葉、
「…嫌われるのが、怖い」
そうだ。薄情な私はカイに対して今更何かを恐れているわけではない。私は、自分が愚行を冒したカイを通して、ブレンに拒絶されることを恐れている。もし、カイに対する私の愚かな振る舞いを、ブレンが知ったら?もし、あのときのカイのように、ブレンが離れていったら―?
視線を上げれば、目元で優しく笑うヨーゼフの顔。私は、彼のこの笑い方も好きだった。
「それは、なかなか難しいところですね。では、ミア様、『いつか』ということにしておいてはいかがでしょう?『いつか』、そのお相手に話してみる、とういのは?」
「『いつか』」
今は、まだ、その覚悟がないけれど。いつか、なら―
「ただ、忘れないで下さい。私は本当に、ミア様に感謝しているのですよ?」
「…うん」
「貴方のお陰で、力の無かった私が人並みに働けるようになりました。今はここで働かせて頂き、三年前に自分で自分を買い直しました」
ダンジョン攻略に連れ回した彼がレベル30に到達した時、「解放する」という私の話を退けて、自ら奴隷商の元に売られていったヨーゼフ。今、彼の顔は、眩しいほどの誇りに満ちていて、
「…レイヒャーは、いい雇い主、なのね?」
「ええ」
「そうか。…話を聞いてくれてありがとう、ヨーゼフ」
破顔する彼の顔に、かつて、彼と過ごせたと思ったひととき、あの時と変わらない温かさに包まれた。
ヨーゼフに案内された隣室。休憩室のようなそこは、先ほどまで居た部屋とは異なり―レイヒャーの言葉通り―雑多に置かれた物で溢れ返っていた。
何とか腰を落ち着ける場所を確保してから、先に口を開いたのはヨーゼフ。
「それで、ミア様、お話というのは?」
「ヨーゼフに聞きたかったことがある」
彼の額に残る傷。それが出来た時のこと。私が彼につきつけた選択―
「貴方は、私のことを恨んでる?」
八年前、当時既に二十代半ばだったヨーゼフがビンデバルドに連れてこられた時、家の中は一時、彼の噂で持ちきりになった。
奴隷契約時に申告が義務付けられている「レベル」について、彼の自己申告が「レベル15」という数値だったからだ。十代半ばでレベルが完全に止まってしまったという彼の話に、周囲の奴隷仲間はざわめいた、悪意を持って―
レベル上限の平均がおよそ30である世界で、まれにではあるが、その上限が30に満たない者も当然ながら存在する。ヨーゼフの場合も、その時点で既にレベル上限15という壁に引っ掛かってしまっていたのだろう。
家に来た直後から、ヨーゼフは、同じ『奴隷』という虐げられる立場にある者達から虐待を受けるようになった。他より『弱い』ヨーゼフは、彼らの格好のストレス発散の対象だったのだ。
日に日に生傷の増えていく彼の姿を、ただ見ているだけだったある日、
―あなたたち、何をしているの?
―ミア様!?これは!
地にうずくまり、額から血を流していたヨーゼフ。
―行きなさい。二度とこんな真似しないで
―お許しを!
当時はまだ、ヒール一つまともに扱えなくて。
―血は止まったけど、痕は残るかも
―ありがとうございます。ミア様
傷だらけの身体。腫れ上がった顔で笑う男。
―…ねえ、ヨーゼフ。あなた、強くなりたい?
決めていたはずなのに。もう二度と、愚かな真似はしないと―
「…」
「…なぜ、私がミア様を?」
「…私は、あなたを使って自分の好奇心を満たした。あれは、あなたを使った実験だったと言われても否定できない」
「…なるほど」
奴隷商に突き返すという父親からヨーゼフを買取り、隷属の契約を行った。レベル上限15を越えられるか、確かめるために―
「私は感謝こそすれ、ミア様を恨んでなどおりません。ミア様はなぜ、そうお思いに?」
「…」
ヨーゼフの、優しく問う声に、初めて口にした。カイのこと。彼に何をし、何を言われたのか。そして、その上で、ヨーゼフに同じことをし、今、なお、それを繰り返していることを―
「なるほど。では、ミア様はご自分のなされたことを後悔されている、ということですか?」
「うん。後悔したんだ。カイの時に。なのに、私はまた同じことを繰り返してる」
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「ううん、カイに許して欲しいわけじゃない」
私は―
「多分、言ってほしかったんだと思う。ヨーゼフに『恨んでいない』って言われて、安心したかった。最初から、ヨーゼフが許してくれるって期待してたんだ。ごめん、ずるいね」
「お話はわかりましたが、ならば、お話なさる相手が違うのではありませんか?」
「?」
私が話すべき、相手―?
「あなたが安心したいのは、なぜですか?今のあなたの行動を許されたいのはなぜ?」
「…」
「ミア様がお話すべきは、あなたが今、同じことをしているという、その相手にするべきではございませんか?」
ヨーゼフの、優しいけれど容赦ない言葉に、下を向く。出てきたのは、自分でもあきれるくらい、情けない言葉、
「…嫌われるのが、怖い」
そうだ。薄情な私はカイに対して今更何かを恐れているわけではない。私は、自分が愚行を冒したカイを通して、ブレンに拒絶されることを恐れている。もし、カイに対する私の愚かな振る舞いを、ブレンが知ったら?もし、あのときのカイのように、ブレンが離れていったら―?
視線を上げれば、目元で優しく笑うヨーゼフの顔。私は、彼のこの笑い方も好きだった。
「それは、なかなか難しいところですね。では、ミア様、『いつか』ということにしておいてはいかがでしょう?『いつか』、そのお相手に話してみる、とういのは?」
「『いつか』」
今は、まだ、その覚悟がないけれど。いつか、なら―
「ただ、忘れないで下さい。私は本当に、ミア様に感謝しているのですよ?」
「…うん」
「貴方のお陰で、力の無かった私が人並みに働けるようになりました。今はここで働かせて頂き、三年前に自分で自分を買い直しました」
ダンジョン攻略に連れ回した彼がレベル30に到達した時、「解放する」という私の話を退けて、自ら奴隷商の元に売られていったヨーゼフ。今、彼の顔は、眩しいほどの誇りに満ちていて、
「…レイヒャーは、いい雇い主、なのね?」
「ええ」
「そうか。…話を聞いてくれてありがとう、ヨーゼフ」
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