81 / 174
S級試験 ▶34話
#26 そーいうんじゃねぇから(ルキ視点)
しおりを挟む
「…よぉ。」
「…やっぱ、お前も受かってたか…」
「まぁな。」
「…おめでとさん。」
「そっちもな。」
狭くはないギルド本部の講堂、「S級冒険者の心構え」とやらの研修が行われたその場所で、見慣れたカッシュの後ろ姿を見つけた時から、内心の興奮を抑え切れずにいた。
研修が終わり、解散が言い渡されたところで声を掛けたが、どうやら相手もこちらの存在には気づいていたらしい。お互いの目標が叶ったことを称え合って、それから、何となく押し黙った。
本来ならもっと、心から喜び合いたい場面なのに─
微妙な空気に、先に口を開いたのはカッシュだった。
「…昨日は、伝える暇もなかったからな、言いそびれた。」
「ああ…」
「…悪かったな。」
「いや、それはもういいって。」
「…お前、これから飯だろ?ちょっと付き合えよ。」
「あー…」
カッシュの言葉に迷う。明日にはロカールに帰る予定で、タイミング的に、カッシュと会えるのは今日が最後。ただ、昨夜のことがあるせいで、「一緒に飯」という気分にもなれない。
(…あんだけ、セリ達に迷惑かけまくった後だしなぁ。)
こちらの迷いを見て取ったカッシュが、珍しく、頭を下げる。
「…すまん。詫び代わりだと思って、一杯、奢らせてくれ。」
「…」
カッシュのその態度に、それ以上、断ることも出来ずに頷いた。
ギルドを出て、カッシュに連れていかれたのは食堂というより、酒場に近い店だった。立ったまま、カウンターで出される食事をつまみながら、一応の、祝杯をあげる。
「…お互い、夢が叶ったってことで…」
カッシュの掲げた杯に返して、酒を口に含んだ。
「…まあ、何か、何だろ?まだ実感薄いせいかもしんねぇけど、S級成ったって言っても、あれだな、何も変わんねぇってか…」
「まぁな。まだ仕事受けたわけでもねぇから、…こっからだろ?」
「だな…」
頷いて、また、少しの沈黙。破ったのは、またカッシュの方で─
「リリーのこと、悪かった…」
「ああ。」
「昨日のことだけじゃなくてさ、昔のことも。…今さらだろうけど、結局、お前に助けられてたんだなって、流石にもう、分かってっから…」
「…別に、昔のことはもういい、謝んな。謝るくらいなら、これからのこと、ちゃんと考えろよ?」
「…」
黙り込んだカッシュに、これ以上、口出ししたくはないと思いながらも、
「子どものことだけは、ホント、しっかりしろよ。…あんま、リリーを不安にさせんな。」
つい口にしてしまった苦言。
カッシュが嫌そうに顔を歪めて、
「正直、あんま、父親になる実感とかねぇんだよな…」
「…」
「S級目指して、それなりに努力してここまで来て、そんで、漸くって時に、結婚とか父親とか…。そんなんに縛られたら、何か、色々、鈍っちまいそうで、考える余裕なんて全くねぇし…」
「何だそれ…。だったら、何で子ども作るような真似した?」
「…リリーが欲しがったんだよ。」
「お前…」
言われるままに子どもを作り、実際、出来た後に「受け入れられない」なんて、ホント、どんだけガキなんだと呆れる気持ちを抑え込んで、
「S級で家庭持ちなんて、ゴロゴロいんだろ。シュルツさんなんて、孫までいるじゃねぇか。」
「…」
「ヒヨってないで、さっさと籍入れて、父親に成れよ。…親父さん達も喜ぶだろ?」
「…」
黙って杯を重ねるカッシュが、こちらの言葉をどれだけ聞いているかは分からない。結局は二人の問題、そう思って、それ以上の言葉を飲み込めば、
「…お前の方は、どうなんだ?」
「あ?…どうって?」
脈絡の無いカッシュの言葉を問い返す。
「…リリーが、…ミランダも言ってたけどさ、お前、セリって魔導師と出来てんだろ?」
「はあ?何だそれ。何でそんな話になってる。」
「出来てんじゃねぇの?」
「違ぇよ。アイツをそういう勘ぐりに巻き込むな。ウゼェ。」
イラつきを抑えきれずに否定すれば、こちらをじっと見据えるカッシュと視線が合った。
「…お前、変なとこで鈍いからな。」
「鈍くねぇ…」
「まあ、鈍いってのとも違うか。けど、お前さ、無意識かもしんねぇけど、自分が身内扱いしてる人間は、絶対に対象外にすんだろ?」
「何だよ、対象外って。わけわかんねぇ…」
「ハーフェン居た頃も、街の外の女とは遊ぶくせに、街の女には絶対手ぇ出さなかったじゃねぇか。」
「んなもんは、たまたま。地元の奴らに好みの女が居なかったってだけの話だろ?」
よく分からない主張をするカッシュに、嫌気がさしながらそう否定してやれば、
「アミーとか、ジェインもか?」
懐かしい、だけど、あり得ない名前に、余計に不快が増す。
「…それこそ、ねぇだろ?俺らがハーフェン居た頃なんて、アイツらガキだぞ?」
「二個下はガキとは言わねぇよ。…二人とも、お前に惚れてただろ?街、出る時に告られてたよな?お前、バッサリ切り捨ててたけどさ。」
「あれは…」
確かにそんなこともあった。それこそ、子どもの頃から男も女も関係なく、毎日のように一緒に遊びまわっていた仲間。街を出る頃には、流石に男女の違いくらいは意識するようになってはいたが、「好きだ」と向けられた想いには、ひたすら困惑するしかなくて─
「…あいつらは妹みたいなもんで、何か、違うだろ?そういうのとは…」
「だから、それが、無意識に対象外にしてるってことだろ?」
「…」
「…お前さ、こっち来てミランダに再会した時、どう思った?」
「…ミランダ?」
話題の飛んだカッシュの会話についていけず、一拍、間が開いた。
(再会した時のミランダって…)
その姿を思い出してみるも、気づいたことと言えば─
「…化粧するようになったんだな、とか?」
「それで?」
「あ?」
「化粧するようになったミランダ見て、どう思ったかって聞いてんだよ。」
「…アイツも、王都に出て色気づいたな?」
「それだけか?」
「…他に何があんだよ?」
「…」
沈黙してしまったカッシュに、何となく居心地の悪い思いがする。ため息をついたカッシュが、「まぁいいや」と呟いて、
「とにかく、だ。お前、自分が囲い込んだ人間には、変な思い込みするところがあるからな、ってことを言っときたかったんだよ、俺は。」
「…つってもなー。」
「そのセリって奴にしても。本当にただの弟分か?お前、自分でそう思い込んでるだけじゃねぇの?」
「止めろって、マジで。…アイツで下種な勘ぐりすんな。」
他の人間の名前を出された時の比ではない、怒りに近いザラつく思いに、自然、言葉に険がのる。カッシュにも、そのイラつきは伝わっているはずなのに─
「けど、お前さ、女と遊びはしても、今まで特定の相手って作らなかっただろ?だから、そのセリって奴のこと聞いた時、そういうことかって、」
「カッシュ…」
押し殺せなかった怒りが、溢れ出す。
「…悪かった、んな怒んなって。」
「…」
「…揶揄ってるつもりはねぇんだよ。…ただ、お前がそういうことで何か悩んだり、困ったりしてんだったら、まぁ、相談相手くらいにはなれるんじゃねぇかって…」
「…」
「…分かった。もう、何も言わねぇ…」
カッシュの言葉に、大きく息をつく。どうやら、カッシュはカッシュなりに、本気でこちらを案じてくれていたらしい。ムカつくが、それが分かってしまったから、全部、飲み込んで─
「…安心しろ。」
「…」
「もし、なんか悩むことがあったとしても、お前だけには絶対相談しねぇから。」
「は?」
「いや、だって、普通にねぇだろ?自分の世話もまともに見れない奴相手に相談とか?ぜってぇ、しねぇ…」
「…てめぇ。」
横から、肩に一つ拳が飛んできた。それを、笑って受けて、酒の杯に手を伸ばす。温くなってしまったアルコールを流し込みながら、何だか、今、無性にセリに会いたいと思った。
「…やっぱ、お前も受かってたか…」
「まぁな。」
「…おめでとさん。」
「そっちもな。」
狭くはないギルド本部の講堂、「S級冒険者の心構え」とやらの研修が行われたその場所で、見慣れたカッシュの後ろ姿を見つけた時から、内心の興奮を抑え切れずにいた。
研修が終わり、解散が言い渡されたところで声を掛けたが、どうやら相手もこちらの存在には気づいていたらしい。お互いの目標が叶ったことを称え合って、それから、何となく押し黙った。
本来ならもっと、心から喜び合いたい場面なのに─
微妙な空気に、先に口を開いたのはカッシュだった。
「…昨日は、伝える暇もなかったからな、言いそびれた。」
「ああ…」
「…悪かったな。」
「いや、それはもういいって。」
「…お前、これから飯だろ?ちょっと付き合えよ。」
「あー…」
カッシュの言葉に迷う。明日にはロカールに帰る予定で、タイミング的に、カッシュと会えるのは今日が最後。ただ、昨夜のことがあるせいで、「一緒に飯」という気分にもなれない。
(…あんだけ、セリ達に迷惑かけまくった後だしなぁ。)
こちらの迷いを見て取ったカッシュが、珍しく、頭を下げる。
「…すまん。詫び代わりだと思って、一杯、奢らせてくれ。」
「…」
カッシュのその態度に、それ以上、断ることも出来ずに頷いた。
ギルドを出て、カッシュに連れていかれたのは食堂というより、酒場に近い店だった。立ったまま、カウンターで出される食事をつまみながら、一応の、祝杯をあげる。
「…お互い、夢が叶ったってことで…」
カッシュの掲げた杯に返して、酒を口に含んだ。
「…まあ、何か、何だろ?まだ実感薄いせいかもしんねぇけど、S級成ったって言っても、あれだな、何も変わんねぇってか…」
「まぁな。まだ仕事受けたわけでもねぇから、…こっからだろ?」
「だな…」
頷いて、また、少しの沈黙。破ったのは、またカッシュの方で─
「リリーのこと、悪かった…」
「ああ。」
「昨日のことだけじゃなくてさ、昔のことも。…今さらだろうけど、結局、お前に助けられてたんだなって、流石にもう、分かってっから…」
「…別に、昔のことはもういい、謝んな。謝るくらいなら、これからのこと、ちゃんと考えろよ?」
「…」
黙り込んだカッシュに、これ以上、口出ししたくはないと思いながらも、
「子どものことだけは、ホント、しっかりしろよ。…あんま、リリーを不安にさせんな。」
つい口にしてしまった苦言。
カッシュが嫌そうに顔を歪めて、
「正直、あんま、父親になる実感とかねぇんだよな…」
「…」
「S級目指して、それなりに努力してここまで来て、そんで、漸くって時に、結婚とか父親とか…。そんなんに縛られたら、何か、色々、鈍っちまいそうで、考える余裕なんて全くねぇし…」
「何だそれ…。だったら、何で子ども作るような真似した?」
「…リリーが欲しがったんだよ。」
「お前…」
言われるままに子どもを作り、実際、出来た後に「受け入れられない」なんて、ホント、どんだけガキなんだと呆れる気持ちを抑え込んで、
「S級で家庭持ちなんて、ゴロゴロいんだろ。シュルツさんなんて、孫までいるじゃねぇか。」
「…」
「ヒヨってないで、さっさと籍入れて、父親に成れよ。…親父さん達も喜ぶだろ?」
「…」
黙って杯を重ねるカッシュが、こちらの言葉をどれだけ聞いているかは分からない。結局は二人の問題、そう思って、それ以上の言葉を飲み込めば、
「…お前の方は、どうなんだ?」
「あ?…どうって?」
脈絡の無いカッシュの言葉を問い返す。
「…リリーが、…ミランダも言ってたけどさ、お前、セリって魔導師と出来てんだろ?」
「はあ?何だそれ。何でそんな話になってる。」
「出来てんじゃねぇの?」
「違ぇよ。アイツをそういう勘ぐりに巻き込むな。ウゼェ。」
イラつきを抑えきれずに否定すれば、こちらをじっと見据えるカッシュと視線が合った。
「…お前、変なとこで鈍いからな。」
「鈍くねぇ…」
「まあ、鈍いってのとも違うか。けど、お前さ、無意識かもしんねぇけど、自分が身内扱いしてる人間は、絶対に対象外にすんだろ?」
「何だよ、対象外って。わけわかんねぇ…」
「ハーフェン居た頃も、街の外の女とは遊ぶくせに、街の女には絶対手ぇ出さなかったじゃねぇか。」
「んなもんは、たまたま。地元の奴らに好みの女が居なかったってだけの話だろ?」
よく分からない主張をするカッシュに、嫌気がさしながらそう否定してやれば、
「アミーとか、ジェインもか?」
懐かしい、だけど、あり得ない名前に、余計に不快が増す。
「…それこそ、ねぇだろ?俺らがハーフェン居た頃なんて、アイツらガキだぞ?」
「二個下はガキとは言わねぇよ。…二人とも、お前に惚れてただろ?街、出る時に告られてたよな?お前、バッサリ切り捨ててたけどさ。」
「あれは…」
確かにそんなこともあった。それこそ、子どもの頃から男も女も関係なく、毎日のように一緒に遊びまわっていた仲間。街を出る頃には、流石に男女の違いくらいは意識するようになってはいたが、「好きだ」と向けられた想いには、ひたすら困惑するしかなくて─
「…あいつらは妹みたいなもんで、何か、違うだろ?そういうのとは…」
「だから、それが、無意識に対象外にしてるってことだろ?」
「…」
「…お前さ、こっち来てミランダに再会した時、どう思った?」
「…ミランダ?」
話題の飛んだカッシュの会話についていけず、一拍、間が開いた。
(再会した時のミランダって…)
その姿を思い出してみるも、気づいたことと言えば─
「…化粧するようになったんだな、とか?」
「それで?」
「あ?」
「化粧するようになったミランダ見て、どう思ったかって聞いてんだよ。」
「…アイツも、王都に出て色気づいたな?」
「それだけか?」
「…他に何があんだよ?」
「…」
沈黙してしまったカッシュに、何となく居心地の悪い思いがする。ため息をついたカッシュが、「まぁいいや」と呟いて、
「とにかく、だ。お前、自分が囲い込んだ人間には、変な思い込みするところがあるからな、ってことを言っときたかったんだよ、俺は。」
「…つってもなー。」
「そのセリって奴にしても。本当にただの弟分か?お前、自分でそう思い込んでるだけじゃねぇの?」
「止めろって、マジで。…アイツで下種な勘ぐりすんな。」
他の人間の名前を出された時の比ではない、怒りに近いザラつく思いに、自然、言葉に険がのる。カッシュにも、そのイラつきは伝わっているはずなのに─
「けど、お前さ、女と遊びはしても、今まで特定の相手って作らなかっただろ?だから、そのセリって奴のこと聞いた時、そういうことかって、」
「カッシュ…」
押し殺せなかった怒りが、溢れ出す。
「…悪かった、んな怒んなって。」
「…」
「…揶揄ってるつもりはねぇんだよ。…ただ、お前がそういうことで何か悩んだり、困ったりしてんだったら、まぁ、相談相手くらいにはなれるんじゃねぇかって…」
「…」
「…分かった。もう、何も言わねぇ…」
カッシュの言葉に、大きく息をつく。どうやら、カッシュはカッシュなりに、本気でこちらを案じてくれていたらしい。ムカつくが、それが分かってしまったから、全部、飲み込んで─
「…安心しろ。」
「…」
「もし、なんか悩むことがあったとしても、お前だけには絶対相談しねぇから。」
「は?」
「いや、だって、普通にねぇだろ?自分の世話もまともに見れない奴相手に相談とか?ぜってぇ、しねぇ…」
「…てめぇ。」
横から、肩に一つ拳が飛んできた。それを、笑って受けて、酒の杯に手を伸ばす。温くなってしまったアルコールを流し込みながら、何だか、今、無性にセリに会いたいと思った。
17
お気に入りに追加
1,489
あなたにおすすめの小説
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。
孤独な腐女子が異世界転生したので家族と幸せに暮らしたいです。
水都(みなと)
ファンタジー
★完結しました!
死んだら私も異世界転生できるかな。
転生してもやっぱり腐女子でいたい。
それからできれば今度は、家族に囲まれて暮らしてみたい……
天涯孤独で腐女子の桜野結理(20)は、元勇者の父親に溺愛されるアリシア(6)に異世界転生!
最期の願いが叶ったのか、転生してもやっぱり腐女子。
父の同僚サディアス×父アルバートで勝手に妄想していたら、実は本当に2人は両想いで…!?
※BL要素ありますが、全年齢対象です。
刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。繁栄も滅亡も、私の導き次第で決まるようです。
木山楽斗
ファンタジー
宿屋で働くフェリナは、ある日森で卵を見つけた。
その卵からかえったのは、彼女が見たことがない生物だった。その生物は、生まれて初めて見たフェリナのことを母親だと思ったらしく、彼女にとても懐いていた。
本物の母親も見当たらず、見捨てることも忍びないことから、フェリナは謎の生物を育てることにした。
リルフと名付けられた生物と、フェリナはしばらく平和な日常を過ごしていた。
しかし、ある日彼女達の元に国王から通達があった。
なんでも、リルフは竜という生物であり、国を繁栄にも破滅にも導く特別な存在であるようだ。
竜がどちらの道を辿るかは、その母親にかかっているらしい。知らない内に、フェリナは国の運命を握っていたのだ。
※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「アルファポリス」にも掲載しています。
※2021/09/03 改題しました。(旧題:刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。)
捨てられ妻ですが、ひねくれ伯爵と愛され家族を作ります
リコピン
恋愛
旧題:三原色の世界で
魔力が色として現れる異世界に転生したイリーゼ。前世の知識はあるものの、転生チートはなく、そもそも魔力はあっても魔法が存在しない。ならばと、前世の鬱屈した思いを糧に努力を続け、望んだ人生を手にしたはずのイリーゼだった。しかし、その人生は一夜にしてひっくり返ってしまう。夫に離縁され復讐を誓ったイリーゼは、夫の従兄弟である伯爵を巻き込んで賭けにでた。
シリアス―★★★★☆
コメディ―★☆☆☆☆
ラブ♡♡―★★★☆☆
ざまぁ∀―★★★☆☆
※離婚、妊娠、出産の表現があります。
【完結】ちびっこ錬金術師は愛される
あろえ
ファンタジー
「もう大丈夫だから。もう、大丈夫だから……」
生死を彷徨い続けた子供のジルは、献身的に看病してくれた姉エリスと、エリクサーを譲ってくれた錬金術師アーニャのおかげで、苦しめられた呪いから解放される。
三年にわたって寝込み続けたジルは、その間に蘇った前世の記憶を夢だと勘違いした。朧げな記憶には、不器用な父親と料理を作った思い出しかないものの、料理と錬金術の作業が似ていることから、恩を返すために錬金術師を目指す。
しかし、錬金術ギルドで試験を受けていると、エリクサーにまつわる不思議な疑問が浮かび上がってきて……。
これは、『ありがとう』を形にしようと思うジルが、錬金術師アーニャにリードされ、無邪気な心でアイテムを作り始めるハートフルストーリー!
駄女神に拉致られて異世界転生!!どうしてこうなった……
猫缶@睦月
ファンタジー
大学入試試験中の僕、「黒江 一(くろえ はじめ)」は、試験最後の一問を解き、過去最高の出来になるであろう試験結果に満足して、タイムアップの時を待ち軽く目をつぶった……はずだった。
真っ黒な空間で、三年前に死んだ幼馴染『斎藤 一葉(さいとう かずは)』の姿をしたそいつは、遅刻するからと、そのまま僕を引き連れてどこかへと移動していく。
そいつは女神候補生の『アリアンロッド』と名乗り、『アイオライト』という世界に僕を連れて行く。『アイオライト』は、女神への昇級試験なのだそうだ。『アリアンロッド』が管理し、うまく発展させられれば、試験は合格らしい。
そして、僕は遅刻しそうになって近道を通ろうとした『アリアンロッド』に引っ掛けられ、地球から消滅してしまったようだが、こいつ僕のことを蟻とかと一緒だと言い切り、『試験会場への移動中のトラブルマニュアル』に従って、僕を異世界『アイオライト』に転生させやがった。こちらの要望を何一つ聞かず、あいつ自身の都合によって。
大学に合格し、ノンビリするはずの僕は、この世界でどうなるんだろう……
※ 表紙画像は『プリ画像 yami』さん掲載の画像を使用させていただいております。
* エロはありません。グロもほとんど無いはず……
異世界で婚活を ~頑張った結果、狼獣人の旦那様を手に入れたけど、なかなか安寧には程遠い~
リコピン
恋愛
前世、会社勤務のかたわら婚活に情熱を燃やしていたクロエ。生まれ変わった異世界では幼馴染の婚約者がいたものの、婚約を破棄されてしまい、またもや婚活をすることに。一風変わった集団お見合いで出会ったのは、その場に似合わぬ一匹狼風の男性。(…って本当に狼獣人!?)うっかり惚れた相手が生きる世界の違う男性だったため、番(つがい)やら発情期やらに怯え、翻弄されながらも、クロエは幸せな結婚生活を目指す。
シリアス―★☆☆☆☆
コメディ―★★★★☆
ラブ♡♡―★★★★☆
ざまぁ∀―★★☆☆☆
※匂わす程度ですが、性的表現があるのでR15にしています。TLやラブエッチ的な表現はありません。
※このお話に出てくる集団お見合いの風習はフィクションです。
※四章+後日談+番外編になります。
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる