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S級試験 ▶34話
#16 呪いにも似た何か
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「…ルキは、大丈夫でしょうか?」
「あー、大丈夫大丈夫。あんなのほっとけば、自己解決するって☆」
初めて歩く王都の街並み、王都出身のエルの案内で、街の中心部にある市場を目指していた。
「だいぶ、辛そうでしたけど…?」
エルが部屋に入ってきた時点で力尽きたのか、最終的にベッドに突っ伏してしまったルキの姿が脳裏に浮かぶ。
「もー!セリちゃんは気にしすぎ☆若さゆえの暴走なんて、放っておきなよ!」
「暴走…?…二日酔い、ですよね?」
「うんうん!そうそう!」
「…」
「ルキだって、子どもじゃないんだから、しんどかったら自分で何とかするでしょ?それよりもお買い物。なに買うか決まってる?」
「…はい、それは。…行きに消費した分をリストアップしてあるので、それを補充するだけです。」
「うん、オッケー☆じゃあ、サクサクっと済ませちゃお!」
「はい。」
前世以来の人込みを何とかぶつからないように抜けながら、エルの隣を歩く。
「セリちゃんは、王都でどこか行きたいところって無いの?」
「?特にはないです。」
「そうなの?まぁ、今回はあんまり時間無いから、行ける場所、限られちゃうけどねー。」
「…イグナーツさんが心配してますよね。」
「それもだけどね?明日、ルキがギルド本部に呼ばれてるでしょ?S級のギルドタグ受け取って帰って来ると思うけど、そうすると、一気にバレちゃうから。」
「バレる…?」
「そ。今年のS級合格者が誰なのかって。そしたらもう、凄いよ?引き抜きやら争奪戦やら。ルキも引っ張りだこ間違い無し☆」
「…」
「そういう面倒避けるためにも、明後日の朝一で出発するんだからね?遊ぶなら、明日の内。本当に、どこか行きたいところない?」
「…お土産を。」
「お土産?」
「ギルドの皆さんと、あと、ザーラさんにも。何かお土産を買って帰りたいです。」
「ああ、なるほど☆オッケー!じゃあ、明日はエルちゃんお勧めのお店に連れてってあげよう!」
「…楽しみです。」
「任せといて☆」
ロカールでは出来ないような「お買い物」。いいものがあれば自分用にも何か買おうかと考えて、気持ちが弾む。
(…ルキにも、聞いてみようかな?)
明日、時間が取れないだろうルキの代わりに、欲しいものがあれば買ってこようと決めて、更に気持ちが弾んだ。
弾んだまま、買い物を済ませて帰った宿。ルキを訪ねた部屋の中で─
「っ!?」
ルキが、呪われていた─
「え?何、それ。ルキ、何してんの?」
「…」
ベッドの端に腰かけて項垂れているルキ、その全身が黒い靄に覆われている。その隣には、漸く起きたらしい兄が困惑顔で立っていて、
「お帰りー。」
「ただいま…、あの、これは…?」
「いやー、俺も全然分かんない。部屋入った時点で、既にこの状態だったから。」
「…ルキ、呪われて…?」
「いやいや、違う違う。」
「でも…」
「よく見て、セリちゃん。」
「…」
エルに言われて、目を凝らして見てみる。顔部分は辛うじて見えているものの、それ以外のルキの全身を覆っている黒い靄は─
「伝達蝶…?」
「だね。」
靄に見えたそれは、黒い蝶。それが何百匹も、ルキの周囲を飛び回っている。
「っ!」
(怖い。呪いじゃなくても、怖い…)
さっきは綺麗だと思った伝達蝶も、これだけの集合体になってしまうと恐怖でしかない。全身が総毛だった。
「…それで?ルキは、何でそんなことになってんのさ?」
エルの問いかけに、ルキが重いため息をついて、両手で顔を覆う。
「…昔の、パーティ仲間。」
「…なに?暁星の連中からなの?戻って来いって?」
「違う…」
「じゃあ、何?」
「…俺も、わかんねぇ…」
「はぁ?」
イラついたようなエルの声に、ルキが顔を上げてこちらを向いた。途方に暮れた目と視線が合う。
「…最初、一匹だけ、リリーって奴から飛んできたんだよ。何か用でもあんのかと思って開いたけど、大した用じゃなかったから無視した。」
「…で?」
「無視してんのにさ、そっからどんどん飛んできて、気づいたらコレ…」
「それは、何て言うか…」
(うん。それもそれで怖い…)
別の意味での恐怖、エルも閉口してしまっている。
(鬼電…、鬼メール?かな?)
スゴい執念。これも、一種の呪いなのかもと思ってしまうくらいの。
「…その、無視した最初のメッセージっていうのは、何の用だったの?」
「あー、なんつーか、愚痴?みたいな。」
「愚痴?どういうこと?」
「今のパーティに関する不安みたいなことが書いてあってさ、けど、んなもん、俺に言われてもどうしようもねぇだろ?」
「ふーん?」
「わざわざ返事するような内容でも無いから、放置したのに…」
「…」
一瞬、皆で沈黙してしまった。最初に口を開いたのは兄で、
「…それさ、どれかもう一通、読んでみたらいいんじゃない?」
「これを…?」
「うん。…何か他に大事な用があるのかもしんないし?」
「…」
兄の提案に、渋々といった感じで、ルキが手近な蝶を一匹掴んだ。手を開いてメッセージを確認し、直ぐにまた別の蝶を掴んで開く。それを、何回か繰り返した後で─
「…意味、分かんねぇ。」
不快そうに溢したルキに、兄がその手元をのぞきこむ。
「何て書いてあったの?」
「…ゴチャゴチャ書いてあっから、よく分かんねぇけど、要するに、相談あるから、二人で会おうってことらしい。」
「へぇ?相談相手になるくらい仲良かったんだ?」
「そりゃまぁ、話聞くくらいはな?すんだろ?同じパーティだったんだし。けど、仕事以外で二人になったことなんてねぇよ。てか、そもそも…」
「…ルキ?」
不快そうに眉根に皺を刻んでいたルキの視線が、何かに思い当たったように泳ぎ出した。
「あー、てか、あれだ。前、チラッと話しただろ?俺が暁星抜ける時にさ、女のことで揉めたって。…この手紙送ってきてんのが、その女。ダチの、カッシュってやつと付き合ってる…」
「…なるほど?」
「そーゆう…?」
「…」
気まずげなルキ、彼の周りをヒラヒラ飛び回る黒蝶。今、─多分、ルキ以外の─私達三人の中で共通認識、共通理解が得られたと思う。
「あー、大丈夫大丈夫。あんなのほっとけば、自己解決するって☆」
初めて歩く王都の街並み、王都出身のエルの案内で、街の中心部にある市場を目指していた。
「だいぶ、辛そうでしたけど…?」
エルが部屋に入ってきた時点で力尽きたのか、最終的にベッドに突っ伏してしまったルキの姿が脳裏に浮かぶ。
「もー!セリちゃんは気にしすぎ☆若さゆえの暴走なんて、放っておきなよ!」
「暴走…?…二日酔い、ですよね?」
「うんうん!そうそう!」
「…」
「ルキだって、子どもじゃないんだから、しんどかったら自分で何とかするでしょ?それよりもお買い物。なに買うか決まってる?」
「…はい、それは。…行きに消費した分をリストアップしてあるので、それを補充するだけです。」
「うん、オッケー☆じゃあ、サクサクっと済ませちゃお!」
「はい。」
前世以来の人込みを何とかぶつからないように抜けながら、エルの隣を歩く。
「セリちゃんは、王都でどこか行きたいところって無いの?」
「?特にはないです。」
「そうなの?まぁ、今回はあんまり時間無いから、行ける場所、限られちゃうけどねー。」
「…イグナーツさんが心配してますよね。」
「それもだけどね?明日、ルキがギルド本部に呼ばれてるでしょ?S級のギルドタグ受け取って帰って来ると思うけど、そうすると、一気にバレちゃうから。」
「バレる…?」
「そ。今年のS級合格者が誰なのかって。そしたらもう、凄いよ?引き抜きやら争奪戦やら。ルキも引っ張りだこ間違い無し☆」
「…」
「そういう面倒避けるためにも、明後日の朝一で出発するんだからね?遊ぶなら、明日の内。本当に、どこか行きたいところない?」
「…お土産を。」
「お土産?」
「ギルドの皆さんと、あと、ザーラさんにも。何かお土産を買って帰りたいです。」
「ああ、なるほど☆オッケー!じゃあ、明日はエルちゃんお勧めのお店に連れてってあげよう!」
「…楽しみです。」
「任せといて☆」
ロカールでは出来ないような「お買い物」。いいものがあれば自分用にも何か買おうかと考えて、気持ちが弾む。
(…ルキにも、聞いてみようかな?)
明日、時間が取れないだろうルキの代わりに、欲しいものがあれば買ってこようと決めて、更に気持ちが弾んだ。
弾んだまま、買い物を済ませて帰った宿。ルキを訪ねた部屋の中で─
「っ!?」
ルキが、呪われていた─
「え?何、それ。ルキ、何してんの?」
「…」
ベッドの端に腰かけて項垂れているルキ、その全身が黒い靄に覆われている。その隣には、漸く起きたらしい兄が困惑顔で立っていて、
「お帰りー。」
「ただいま…、あの、これは…?」
「いやー、俺も全然分かんない。部屋入った時点で、既にこの状態だったから。」
「…ルキ、呪われて…?」
「いやいや、違う違う。」
「でも…」
「よく見て、セリちゃん。」
「…」
エルに言われて、目を凝らして見てみる。顔部分は辛うじて見えているものの、それ以外のルキの全身を覆っている黒い靄は─
「伝達蝶…?」
「だね。」
靄に見えたそれは、黒い蝶。それが何百匹も、ルキの周囲を飛び回っている。
「っ!」
(怖い。呪いじゃなくても、怖い…)
さっきは綺麗だと思った伝達蝶も、これだけの集合体になってしまうと恐怖でしかない。全身が総毛だった。
「…それで?ルキは、何でそんなことになってんのさ?」
エルの問いかけに、ルキが重いため息をついて、両手で顔を覆う。
「…昔の、パーティ仲間。」
「…なに?暁星の連中からなの?戻って来いって?」
「違う…」
「じゃあ、何?」
「…俺も、わかんねぇ…」
「はぁ?」
イラついたようなエルの声に、ルキが顔を上げてこちらを向いた。途方に暮れた目と視線が合う。
「…最初、一匹だけ、リリーって奴から飛んできたんだよ。何か用でもあんのかと思って開いたけど、大した用じゃなかったから無視した。」
「…で?」
「無視してんのにさ、そっからどんどん飛んできて、気づいたらコレ…」
「それは、何て言うか…」
(うん。それもそれで怖い…)
別の意味での恐怖、エルも閉口してしまっている。
(鬼電…、鬼メール?かな?)
スゴい執念。これも、一種の呪いなのかもと思ってしまうくらいの。
「…その、無視した最初のメッセージっていうのは、何の用だったの?」
「あー、なんつーか、愚痴?みたいな。」
「愚痴?どういうこと?」
「今のパーティに関する不安みたいなことが書いてあってさ、けど、んなもん、俺に言われてもどうしようもねぇだろ?」
「ふーん?」
「わざわざ返事するような内容でも無いから、放置したのに…」
「…」
一瞬、皆で沈黙してしまった。最初に口を開いたのは兄で、
「…それさ、どれかもう一通、読んでみたらいいんじゃない?」
「これを…?」
「うん。…何か他に大事な用があるのかもしんないし?」
「…」
兄の提案に、渋々といった感じで、ルキが手近な蝶を一匹掴んだ。手を開いてメッセージを確認し、直ぐにまた別の蝶を掴んで開く。それを、何回か繰り返した後で─
「…意味、分かんねぇ。」
不快そうに溢したルキに、兄がその手元をのぞきこむ。
「何て書いてあったの?」
「…ゴチャゴチャ書いてあっから、よく分かんねぇけど、要するに、相談あるから、二人で会おうってことらしい。」
「へぇ?相談相手になるくらい仲良かったんだ?」
「そりゃまぁ、話聞くくらいはな?すんだろ?同じパーティだったんだし。けど、仕事以外で二人になったことなんてねぇよ。てか、そもそも…」
「…ルキ?」
不快そうに眉根に皺を刻んでいたルキの視線が、何かに思い当たったように泳ぎ出した。
「あー、てか、あれだ。前、チラッと話しただろ?俺が暁星抜ける時にさ、女のことで揉めたって。…この手紙送ってきてんのが、その女。ダチの、カッシュってやつと付き合ってる…」
「…なるほど?」
「そーゆう…?」
「…」
気まずげなルキ、彼の周りをヒラヒラ飛び回る黒蝶。今、─多分、ルキ以外の─私達三人の中で共通認識、共通理解が得られたと思う。
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