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ロカール日常シリーズ ▶️50話
【商人さんの護衛】#1 護衛依頼で、ボッツに日帰り出張
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「好きな肉料理は焼肉!呪術師のシオンです!」
「…好きなサラダは温玉シーザーサラダ、魔導師のセリです。」
「好きな人には手作り料理派!心も癒せるヒーラー☆エルちゃんです!」
「好きな丼ものは海鮮丼!寿司でもイケるシーフ、ルキです!」
「「「「四人合わせて、『深淵をのぞく四翼の風』です!」」」」
(…海鮮丼、お魚も好きなんだ。)
ルキの好きなものを、また一つ覚えた。目の前では、今回の依頼主が固まっている。
「ってかさ、要らなくね?流石に、好きな食べ物情報は要らなくね?」
「えー、でもさ、俺らの間でも知らないことっていっぱいあるでしょ?そういうの、お互い知ってこーよ!」
兄がたまには良いことを言う。だけど、依頼主の方にはいい迷惑。
「あ!えーっと、すみません!カガトさん。あ、で、俺達への依頼って、ボッツの街までの護衛、で合ってますよね?」
「…はぁ。」
四十代くらいのふくよかな男性。私の勝手なイメージ通り、ザ・商人のカガトさんは、アホな発案ばかりする爽やかイケメンの笑顔に押され気味だ。
「おっけーです!了解しました!じゃあ、早速、出発しましょうか?」
「ボッツまで行くなら、エルちゃん、温泉お泊りしたいなー☆」
「温泉ねー、最近、全然、行ってないなー。」
「…すみません、こんなで。…行きましょうか?」
「え?あ、…はい。」
立ち上がるカガトさんについて食堂を出る。ボッツまで運ぶ荷馬車は一台。手綱を握るカガトさんと荷物を乗せた荷馬車に張り付くようにして出発した。
「セリ。」
ルキに呼ばれて振り返る。
「?なんですか?」
「お前さ、疲れたら、馬車、乗っけてもらえ。」
「え?…いえ、護衛なので。」
「いいって、んなもん。俺が頼んでやっから。ボッツまで結構あるから、キツくなったら言えよ?」
「…はい。」
疲れてもキツくても、私はルキと並んで歩きたい。
「…好きなサラダは温玉シーザーサラダ、魔導師のセリです。」
「好きな人には手作り料理派!心も癒せるヒーラー☆エルちゃんです!」
「好きな丼ものは海鮮丼!寿司でもイケるシーフ、ルキです!」
「「「「四人合わせて、『深淵をのぞく四翼の風』です!」」」」
(…海鮮丼、お魚も好きなんだ。)
ルキの好きなものを、また一つ覚えた。目の前では、今回の依頼主が固まっている。
「ってかさ、要らなくね?流石に、好きな食べ物情報は要らなくね?」
「えー、でもさ、俺らの間でも知らないことっていっぱいあるでしょ?そういうの、お互い知ってこーよ!」
兄がたまには良いことを言う。だけど、依頼主の方にはいい迷惑。
「あ!えーっと、すみません!カガトさん。あ、で、俺達への依頼って、ボッツの街までの護衛、で合ってますよね?」
「…はぁ。」
四十代くらいのふくよかな男性。私の勝手なイメージ通り、ザ・商人のカガトさんは、アホな発案ばかりする爽やかイケメンの笑顔に押され気味だ。
「おっけーです!了解しました!じゃあ、早速、出発しましょうか?」
「ボッツまで行くなら、エルちゃん、温泉お泊りしたいなー☆」
「温泉ねー、最近、全然、行ってないなー。」
「…すみません、こんなで。…行きましょうか?」
「え?あ、…はい。」
立ち上がるカガトさんについて食堂を出る。ボッツまで運ぶ荷馬車は一台。手綱を握るカガトさんと荷物を乗せた荷馬車に張り付くようにして出発した。
「セリ。」
ルキに呼ばれて振り返る。
「?なんですか?」
「お前さ、疲れたら、馬車、乗っけてもらえ。」
「え?…いえ、護衛なので。」
「いいって、んなもん。俺が頼んでやっから。ボッツまで結構あるから、キツくなったら言えよ?」
「…はい。」
疲れてもキツくても、私はルキと並んで歩きたい。
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