44 / 56
最終章 望まぬ再会と望んだ未来
4-10
しおりを挟む
一時の恥ってものは無いと思う。本当に恥ずかしい思いをしたら、それはもう、夜中に思い出して「あ“ー!」って言いたくなる類いの黒歴史、もう、自分の中だけでは一生の恥だから。
だけど、それでも、それがわかっていても、避けては通れないものっていうのは人生の中に確実に存在していて、つまり、だから―
(みんなにどんな顔して会えばいいのっ!?)
一週間の(強制)お篭り生活で爛れた毎日を過ごした後、起きたらユーグが居なかったという状況。身支度を済ませて階下に降りようとして、はたと気づいた。
(え?これ、みんなに会って何て言うの?挨拶…、第一声は?)
時間は深夜、まではいかない一歩手前、お店はもう閉めてるはずだけど、トキさんはまだ確実にいるだろう時間。ガット達は―
(…どうだろう。ご飯食べに来てたとしても、もう帰ってる?)
紳士なトキさんだけならまだ何とかなると、一縷の望みをかけて階段を下りた。
「…」
「…」
「…」
「…」
(っ!居たたまれないから!何か言って!)
向けられた四者四様の視線。生温いものから、呆れやらドン引きやら、その中でも、
(ボルドの!ボルドの、労りの視線が一番居たたまれない!)
「…クロエは、ご飯ちゃんと食べれた?何か、お腹に入れる?」
「いえ、あの。お腹は。…飲み物だけください。」
「うん。ちょっと持っててね?」
優しいトキさんの、「疲労回復にいいもの作るから」と続いた言葉は聞こえかったことにする。
「…ここ、座んなよ。」
「…ありがとう。」
ルナールが、席を譲ってくれた。ユーグの隣。嬉しいんだけど、その親切は有難いんだけど、今は、ちょっと、並んで座らされるのは。
再びの居たたまれなさに、絶賛もじもじタイムに入ろうとしたところで、
「…そう言えば、気になってたんですけど。」
沈黙を破るようにして、ルナールが話題を提供してくれた。これは合コンでモテるタイプだと、ルナールの評価を上方修正しておく。
「さっきトキさんの言ってた、『ダグさんのため』ってどういう意味だったんですか?」
「ああ。」
途中参加者の宿命、話題についていけない私は話の聞き役に徹するつもりでいたけれど、
「うーん、でも、それは俺が勝手に思い込んでただけだから。」
「?」
トキさんの視線がこちらを確認してくる。
「君とユーグの馴れ初めの話だよ。ハルハテで会ったっていう。」
「ああ!」
思い出した。そう言えば、マリーヌに思いっきり毒を注がれて、かなり凹まされていたんだった。マリーヌが言っていた「ダグの夢だった」という話に繋がる話かと、トキさんに前のめりで迫る。
「私も聞きたいです!その話!」
「え。でも…本当に俺の思い込みだったんだよ?」
「はい。でも、その、ダグさんのことも知りたいですし。」
私はもう、一週間前の私とは違う。一週間かけて、それはもう何というか、ちょっと無理かもってくらいにはユーグに惜しみない愛情を注がれ、認識を改めざるを得なかった、まさに、Newクロエ。恐れるものなど―皆への第一声を済ました今は―何も無いと言える。
そんなこちらの意志を汲み取ってくれたらしいトキさんが、それでも、ちょっとだけ躊躇ってから口を開いた。
「…ダグは、クロエと同じ、ハルバナル地方出身で、ハルハテの『妻乞い』を知っていて、…それに、俺やユーグを行かせたがってたんだ。」
「え?トキさんもだったんですか?」
「うん。俺が番を見つけてからは、標的はユーグだけになったけどね。…ユーグのために、あの、ガランテ?だっけ?あれも用意してたくらいで。」
「え!あのガランテ、ダグさんが用意されたものだったんですか!?」
「うん。骨組み、土台部分だけね。」
横から、「ガランテって何?」と聞いてくるルナール達にその説明をしながら、ユーグのガランテが伝統に則り、彼の「家族」が用意したものだったということに小さな感動を覚えていた。ユーグの幸福を願って用意されたガランテ、それを―
隣に座るユーグの横顔を見つめる。
「…わざわざ、運んだの?ハルハテまで?」
「…バラしてな。」
それでも、あんなかさばるものを遥々運んで、それをまた一人組み立てて、飾りつけたのだと思うと、心の奥、込み上げてくるものがある。
「…」
「…餞だ。」
そう言って弛んだ眼差しに、心臓がきゅんとした。ユーグがどれだけダグさんを大切に思っていたのかを知れば、私たちの結婚の理由がダグさんの遺志によるものだとしても、もう、それでいいと思えてきた。
それに、そもそも、ユーグがハルハテに来たこと自体がダグさんの遺志によるものなのだから、私は彼に感謝をするべきなのだ。
(ユーグに出会わせてくれて、ありがとうございます!)
心からのお礼を言って、トキさんの作ってくれたグラスに口をつける。そうして、今、ユーグの隣に居られる幸運を嚙み締めていれば、
「…なぁ。ちょっと、すげぇ気になる、ってか、いや、想像つかねぇんだけどさ。」
ガットが言いにくそうに、だけど、我慢できない感じで聞いてきた。
「そのさ、飾りって、花飾んだろ?…団長が?花?」
「ああ。」
確かに、それはちょっと、私の想像力でもかなり難しい範囲だと思って笑った。
「違うよ。ユーグのはね、何か、もっとこう、うん、渋かった。」
「…渋かったってなに?」
ルナールの問いに、言葉を選んで回答する。
「えっと、もっと大人っぽい色使い?暗色が多かったっていうか。」
「…花じゃないよね、それ。具体的に何。何の色なわけ?」
これ以上の誤魔化しは無理かと、ユーグのガランテに飾られていた斬新な装飾の数々を思い出してみる。脳裏に焼き付いて、今でもはっきりと思い出せる彼のガランテ。
「…確か、これくらいの灰色の石で、白の模様?こんな感じのが書かれていたのと、」
「え…?」
空中に模様を描きながら説明する。
「あとは、茶色の毛皮で、内側が銀に近い灰色ものとか。」
「え…?」
「まあ、ちょっと、独特ではありましたけど、って、トキさん?」
ガランテの装飾には似つかわしくない石やら毛皮やらの説明に驚いているのだろうかと、先ほどから珍しく驚きの声を上げているトキさんに視線を向けて、こっちが驚いた。
「え?あの?トキさん?」
「…」
完全に顔色を失っているトキさんに焦る。
「トキさん、どうしたんですか?私、何か、」
「星状石に、氷結熊の毛皮…」
「はっ!?」
「え…?」
トキさんの呟きに、今度は青少年三人が絶句した。その意味がわからずにユーグを見るが、こちらは全くの平常運転。つまり、我関せずの無表情で―
「クロエ!その石と毛皮!どうしたの!?今どこにある!?」
「え?え?」
トキさんの叫びに慌ててみんなを見回せば、こちらは引き気味な反応を見せている。
「え?なに?どういうこと?これ、どういう反応なの?」
「…あんたも、相当、抜けてるってか、無知だよね。」
ヤレヤレみたいな態度で怖いことを言うルナール。ガットまでが、怒りというより呆れを見せて―
「今、お前が言ったそれ、かなりのレア素材だぞ?」
「家一軒、…二軒は建つね。」
「!?」
信じられない言葉に、今度こそ、思いっきりユーグを振り向いて凝視する。
(だって、だって、あれって確か…)
ユーグはあれを―
「…あの、使用済みのガランテは、焚き上げ、…一か所にまとめて焼いちゃう、んです、けど…」
「!?」
絶句したトキさんの顔をまともに見れない。もう、本当にどうしたら良いのか。
責める視線で、ユーグの横顔を見つめ続ければ―
「…餞だ。」
そう言ったユーグの口元が緩く、笑みを刻んで見えた。
だけど、それでも、それがわかっていても、避けては通れないものっていうのは人生の中に確実に存在していて、つまり、だから―
(みんなにどんな顔して会えばいいのっ!?)
一週間の(強制)お篭り生活で爛れた毎日を過ごした後、起きたらユーグが居なかったという状況。身支度を済ませて階下に降りようとして、はたと気づいた。
(え?これ、みんなに会って何て言うの?挨拶…、第一声は?)
時間は深夜、まではいかない一歩手前、お店はもう閉めてるはずだけど、トキさんはまだ確実にいるだろう時間。ガット達は―
(…どうだろう。ご飯食べに来てたとしても、もう帰ってる?)
紳士なトキさんだけならまだ何とかなると、一縷の望みをかけて階段を下りた。
「…」
「…」
「…」
「…」
(っ!居たたまれないから!何か言って!)
向けられた四者四様の視線。生温いものから、呆れやらドン引きやら、その中でも、
(ボルドの!ボルドの、労りの視線が一番居たたまれない!)
「…クロエは、ご飯ちゃんと食べれた?何か、お腹に入れる?」
「いえ、あの。お腹は。…飲み物だけください。」
「うん。ちょっと持っててね?」
優しいトキさんの、「疲労回復にいいもの作るから」と続いた言葉は聞こえかったことにする。
「…ここ、座んなよ。」
「…ありがとう。」
ルナールが、席を譲ってくれた。ユーグの隣。嬉しいんだけど、その親切は有難いんだけど、今は、ちょっと、並んで座らされるのは。
再びの居たたまれなさに、絶賛もじもじタイムに入ろうとしたところで、
「…そう言えば、気になってたんですけど。」
沈黙を破るようにして、ルナールが話題を提供してくれた。これは合コンでモテるタイプだと、ルナールの評価を上方修正しておく。
「さっきトキさんの言ってた、『ダグさんのため』ってどういう意味だったんですか?」
「ああ。」
途中参加者の宿命、話題についていけない私は話の聞き役に徹するつもりでいたけれど、
「うーん、でも、それは俺が勝手に思い込んでただけだから。」
「?」
トキさんの視線がこちらを確認してくる。
「君とユーグの馴れ初めの話だよ。ハルハテで会ったっていう。」
「ああ!」
思い出した。そう言えば、マリーヌに思いっきり毒を注がれて、かなり凹まされていたんだった。マリーヌが言っていた「ダグの夢だった」という話に繋がる話かと、トキさんに前のめりで迫る。
「私も聞きたいです!その話!」
「え。でも…本当に俺の思い込みだったんだよ?」
「はい。でも、その、ダグさんのことも知りたいですし。」
私はもう、一週間前の私とは違う。一週間かけて、それはもう何というか、ちょっと無理かもってくらいにはユーグに惜しみない愛情を注がれ、認識を改めざるを得なかった、まさに、Newクロエ。恐れるものなど―皆への第一声を済ました今は―何も無いと言える。
そんなこちらの意志を汲み取ってくれたらしいトキさんが、それでも、ちょっとだけ躊躇ってから口を開いた。
「…ダグは、クロエと同じ、ハルバナル地方出身で、ハルハテの『妻乞い』を知っていて、…それに、俺やユーグを行かせたがってたんだ。」
「え?トキさんもだったんですか?」
「うん。俺が番を見つけてからは、標的はユーグだけになったけどね。…ユーグのために、あの、ガランテ?だっけ?あれも用意してたくらいで。」
「え!あのガランテ、ダグさんが用意されたものだったんですか!?」
「うん。骨組み、土台部分だけね。」
横から、「ガランテって何?」と聞いてくるルナール達にその説明をしながら、ユーグのガランテが伝統に則り、彼の「家族」が用意したものだったということに小さな感動を覚えていた。ユーグの幸福を願って用意されたガランテ、それを―
隣に座るユーグの横顔を見つめる。
「…わざわざ、運んだの?ハルハテまで?」
「…バラしてな。」
それでも、あんなかさばるものを遥々運んで、それをまた一人組み立てて、飾りつけたのだと思うと、心の奥、込み上げてくるものがある。
「…」
「…餞だ。」
そう言って弛んだ眼差しに、心臓がきゅんとした。ユーグがどれだけダグさんを大切に思っていたのかを知れば、私たちの結婚の理由がダグさんの遺志によるものだとしても、もう、それでいいと思えてきた。
それに、そもそも、ユーグがハルハテに来たこと自体がダグさんの遺志によるものなのだから、私は彼に感謝をするべきなのだ。
(ユーグに出会わせてくれて、ありがとうございます!)
心からのお礼を言って、トキさんの作ってくれたグラスに口をつける。そうして、今、ユーグの隣に居られる幸運を嚙み締めていれば、
「…なぁ。ちょっと、すげぇ気になる、ってか、いや、想像つかねぇんだけどさ。」
ガットが言いにくそうに、だけど、我慢できない感じで聞いてきた。
「そのさ、飾りって、花飾んだろ?…団長が?花?」
「ああ。」
確かに、それはちょっと、私の想像力でもかなり難しい範囲だと思って笑った。
「違うよ。ユーグのはね、何か、もっとこう、うん、渋かった。」
「…渋かったってなに?」
ルナールの問いに、言葉を選んで回答する。
「えっと、もっと大人っぽい色使い?暗色が多かったっていうか。」
「…花じゃないよね、それ。具体的に何。何の色なわけ?」
これ以上の誤魔化しは無理かと、ユーグのガランテに飾られていた斬新な装飾の数々を思い出してみる。脳裏に焼き付いて、今でもはっきりと思い出せる彼のガランテ。
「…確か、これくらいの灰色の石で、白の模様?こんな感じのが書かれていたのと、」
「え…?」
空中に模様を描きながら説明する。
「あとは、茶色の毛皮で、内側が銀に近い灰色ものとか。」
「え…?」
「まあ、ちょっと、独特ではありましたけど、って、トキさん?」
ガランテの装飾には似つかわしくない石やら毛皮やらの説明に驚いているのだろうかと、先ほどから珍しく驚きの声を上げているトキさんに視線を向けて、こっちが驚いた。
「え?あの?トキさん?」
「…」
完全に顔色を失っているトキさんに焦る。
「トキさん、どうしたんですか?私、何か、」
「星状石に、氷結熊の毛皮…」
「はっ!?」
「え…?」
トキさんの呟きに、今度は青少年三人が絶句した。その意味がわからずにユーグを見るが、こちらは全くの平常運転。つまり、我関せずの無表情で―
「クロエ!その石と毛皮!どうしたの!?今どこにある!?」
「え?え?」
トキさんの叫びに慌ててみんなを見回せば、こちらは引き気味な反応を見せている。
「え?なに?どういうこと?これ、どういう反応なの?」
「…あんたも、相当、抜けてるってか、無知だよね。」
ヤレヤレみたいな態度で怖いことを言うルナール。ガットまでが、怒りというより呆れを見せて―
「今、お前が言ったそれ、かなりのレア素材だぞ?」
「家一軒、…二軒は建つね。」
「!?」
信じられない言葉に、今度こそ、思いっきりユーグを振り向いて凝視する。
(だって、だって、あれって確か…)
ユーグはあれを―
「…あの、使用済みのガランテは、焚き上げ、…一か所にまとめて焼いちゃう、んです、けど…」
「!?」
絶句したトキさんの顔をまともに見れない。もう、本当にどうしたら良いのか。
責める視線で、ユーグの横顔を見つめ続ければ―
「…餞だ。」
そう言ったユーグの口元が緩く、笑みを刻んで見えた。
32
お気に入りに追加
1,581
あなたにおすすめの小説

【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
変態婚約者を無事妹に奪わせて婚約破棄されたので気ままな城下町ライフを送っていたらなぜだか王太子に溺愛されることになってしまいました?!
utsugi
恋愛
私、こんなにも婚約者として貴方に尽くしてまいりましたのにひどすぎますわ!(笑)
妹に婚約者を奪われ婚約破棄された令嬢マリアベルは悲しみのあまり(?)生家を抜け出し城下町で庶民として気ままな生活を送ることになった。身分を隠して自由に生きようと思っていたのにひょんなことから光魔法の能力が開花し半強制的に魔法学校に入学させられることに。そのうちなぜか王太子から溺愛されるようになったけれど王太子にはなにやら秘密がありそうで……?!
※適宜内容を修正する場合があります

取り巻き令嬢Aは覚醒いたしましたので
モンドール
恋愛
揶揄うような微笑みで少女を見つめる貴公子。それに向き合うのは、可憐さの中に少々気の強さを秘めた美少女。
貴公子の周りに集う取り巻きの令嬢たち。
──まるでロマンス小説のワンシーンのようだわ。
……え、もしかして、わたくしはかませ犬にもなれない取り巻き!?
公爵令嬢アリシアは、初恋の人の取り巻きA卒業を決意した。
(『小説家になろう』にも同一名義で投稿しています。)

家族に裏切られて辺境で幸せを掴む?
しゃーりん
恋愛
婚約者を妹に取られる。
そんな小説みたいなことが本当に起こった。
婚約者が姉から妹に代わるだけ?しかし私はそれを許さず、慰謝料を請求した。
婚約破棄と共に跡継ぎでもなくなったから。
仕事だけをさせようと思っていた父に失望し、伯父のいる辺境に行くことにする。
これからは辺境で仕事に生きよう。そう決めて王都を旅立った。
辺境で新たな出会いがあり、付き合い始めたけど?というお話です。

婚約破棄されたショックで前世の記憶を取り戻して料理人になったら、王太子殿下に溺愛されました。
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
シンクレア伯爵家の令嬢ナウシカは両親を失い、伯爵家の相続人となっていた。伯爵家は莫大な資産となる聖銀鉱山を所有していたが、それを狙ってグレイ男爵父娘が罠を仕掛けた。ナウシカの婚約者ソルトーン侯爵家令息エーミールを籠絡して婚約破棄させ、そのショックで死んだように見せかけて領地と鉱山を奪おうとしたのだ。死にかけたナウシカだが奇跡的に助かったうえに、転生前の記憶まで取り戻したのだった。

絶望?いえいえ、余裕です! 10年にも及ぶ婚約を解消されても化物令嬢はモフモフに夢中ですので
ハートリオ
恋愛
伯爵令嬢ステラは6才の時に隣国の公爵令息ディングに見初められて婚約し、10才から婚約者ディングの公爵邸の別邸で暮らしていた。
しかし、ステラを呼び寄せてすぐにディングは婚約を後悔し、ステラを放置する事となる。
異様な姿で異臭を放つ『化物令嬢』となったステラを嫌った為だ。
異国の公爵邸の別邸で一人放置される事となった10才の少女ステラだが。
公爵邸別邸は森の中にあり、その森には白いモフモフがいたので。
『ツン』だけど優しい白クマさんがいたので耐えられた。
更にある事件をきっかけに自分を取り戻した後は、ディングの執事カロンと共に公爵家の仕事をこなすなどして暮らして来た。
だがステラが16才、王立高等学校卒業一ヶ月前にとうとう婚約解消され、ステラは公爵邸を出て行く。
ステラを厄介払い出来たはずの公爵令息ディングはなぜかモヤモヤする。
モヤモヤの理由が分からないまま、ステラが出て行った後の公爵邸では次々と不具合が起こり始めて――
奇跡的に出会い、優しい時を過ごして愛を育んだ一人と一頭(?)の愛の物語です。
異世界、魔法のある世界です。
色々ゆるゆるです。

【完】夫から冷遇される伯爵夫人でしたが、身分を隠して踊り子として夜働いていたら、その夫に見初められました。
112
恋愛
伯爵家同士の結婚、申し分ない筈だった。
エッジワーズ家の娘、エリシアは踊り子の娘だったが為に嫁ぎ先の夫に冷遇され、虐げられ、屋敷を追い出される。
庭の片隅、掘っ立て小屋で生活していたエリシアは、街で祝祭が開かれることを耳にする。どうせ誰からも顧みられないからと、こっそり抜け出して街へ向かう。すると街の中心部で民衆が音楽に合わせて踊っていた。その輪の中にエリシアも入り一緒になって踊っていると──
完結 貴族生活を棄てたら王子が追って来てメンドクサイ。
音爽(ネソウ)
恋愛
王子の婚約者になってから様々な嫌がらせを受けるようになった侯爵令嬢。
王子は助けてくれないし、母親と妹まで嫉妬を向ける始末。
貴族社会が嫌になった彼女は家出を決行した。
だが、有能がゆえに王子妃に選ばれた彼女は追われることに……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる