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最終章 望まぬ再会と望んだ未来
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討伐隊の負傷者は騎士団も傭兵団も関係なく、騎士団の詰所へと運び込まれていた。
次々と担ぎ込まれるその人数に、「通常の魔物討伐でこれほどの怪我人が出ることは考えられず、何か不足の事態が発生している」ということまでは伝わって来たものの、では、何が起きたのか、正確な情報がつかめぬまま、詰所の中は混乱が続いていた。
広い空間にいくつも並べられた簡易ベッド。急造の治療室には、人手も足りていないらしい。治療が終わった後も意識の戻らないホルスを「知り合いなら看ていてくれ」と頼まれ、私が付きそうことが許された。
痛み止めも容易には手に入らない世界、痛みに呻く声があちこちから聞こえてくる中、閉じられていたホルスの瞳がユックリと開かれ、こちらを視界に入れる。
「…目、覚めた?」
「クロエ…?ここ…、俺は…?」
「騎士団の詰所。魔の森で怪我して、担ぎ込まれたの。…覚えてる?」
「ああ…、いや、…森で、ウインドラプターの群れに襲われて、その後は…」
「そう…」
記憶が曖昧らしいホルスが、自身の身体を確かめて、大きな怪我が残っていないことにホッとした様子を見せる。
「…クロエが、ついててくれたのか?」
「うん。…まぁ、意識が戻るまではと思って。」
「そうか。…ありがとな。」
言って、大きく息を吐いたホルス。ベッドに身を沈めてから、両腕で顔を覆ってしまった。
「…ホルス?」
「…クロエ、…俺、騎士に向いてないんだ。」
「え…、なに?急に、どうしたの?」
「俺さ、本当は、もうずっと、剣を持つのも魔物を倒すのも嫌で堪らないんだよ。騎士なんて、さっさと辞めたくて仕方ない。今回の討伐任務だって、俺は…」
怪我のせいか弱音を吐くホルスを、励ますような言葉は浮かんでこない。代わりに、当たり障りの無い言葉を探す。
「そんなに嫌なら、騎士を辞めるか、別の部隊、王都の警備とかに回してもらえばいいんじゃないの?」
「…王都の警備は花形の第一の仕事。俺みたいな平民が第一になるためには、こういうとこで泥臭く実績を上げるしか無いんだよ。」
「じゃあ、もう、騎士を辞めるしか無いんじゃない?」
騎士に憧れて故郷まで捨てたホルスに、怪我をして弱っている時に言う台詞ではないかもしれないけれど、何も、そこまで無理して続ける意味も無いだろうと、そう口にすれば、
「…俺の嫁、いいとこのお嬢さんなんだ。」
「…」
「俺が嫁と結婚できたのは俺が騎士だからで、その騎士にだって、嫁の実家の後ろ楯があったから成れたようなもんでさ。…もし、騎士を辞めたいなんて言ったら…」
「…でも、奥さんは?ホルスの味方になってくれるんじゃない?」
「あいつも、…あいつが好きなのも、『騎士の夫』だからな。騎士じゃなくなった俺に用なんてないだろ。実際、こんな辺境は嫌だって、ここについてくるのも拒否されたんだ。」
「…」
苦しげに吐かれたホルスの言葉に、それ以上、言葉が続かずに黙った。
「…お前は…?」
「え?」
「お前は、どこで旦那と知り合ったんだ?」
「ああ。」
言われて、ユーグと出会ったのなんて遠い昔のような気がしていたけれど、実際はつい最近のことなのだと気づく。
「ハルハテの、『妻乞い』で出会ったのよ。」
「妻乞い…。お前、アレに行ったのか?何で…」
「何でって、どういう意味よ?結婚する予定だった相手が、急に約束を反古にしたのよ?次の相手を探すために参加して何が悪いの?」
理不尽なホルスの言葉に、腹立ちのまま、かなりきつめに言葉を返せば、
「…ごめん、本当にごめん。勝手をして悪かった。考え足らずで、ほんと、俺、最低だな…」
「…」
項垂れて、萎れるホルス。懸命に頭を下げる姿に、今までの口先だけの謝罪とは違う、彼なりの本気の謝罪が伝わった。
「…いいよ。もう、そのことは許す。私ももう、気にしてないし。」
「…ありがとう、クロエ。」
少しだけ、元気を取り戻したのか、ホルスが口の端だけで弱く笑った。
「俺、素直にお前と結婚しとけば良かったんだよな。そしたら、今、こんなとこでベッドに転がってることも無かっただろうし…」
自嘲混じりのホルスの独白は、聞かない振りで流す。
「…あのさ、お前も、本当はこんなとこ、嫌なんじゃないのか?お前も、無理してるんだろう?」
「…」
「俺と、逃げないか?別に、俺と結婚しろとか、そういうんじゃないんだ。ただ、二人で村に帰ってさ、親父やキアラ、村の皆と、また、昔みたいに暮らせたらって思うんだ…」
「お前はどうだ?」と聞いてくるホルスの言葉を、どこか遠くに聞いていた。ホルスが語る、もしかしたら、あったかもしれない私達の未来。
(…でも、私はもう…)
郷愁を口にするホルスに感じたのは、僅かな同情と後ろめたさー
三年前、ホルスに婚約を破棄された時、私は少しだけホッとした。ホルスのことは年上の友人、幼馴染みとして好きだったし、家族を早くに亡くして、兄のように慕ってはいた。ホルスに結婚しようと言われた時も、決して嫌ではなかった。ただそこに、燃えるような想いがなかっただけで。
(それでも、あの時、確かに一度、私はホルスを選んだ…)
前世、私はいくつものお見合い、出会いの場へと参加し続けていた。繰り返される否定と失望にいくら心が疲弊しようと、どうしても諦めることが出来なかった。ずっと、探していたから、たった一人、「この人だ」と思える人をー
けれど、結局、何を根拠にそのたった一人を選ぶのかもわからないままに、私はその誰かを見つけられずに死んでしまった。
(…それが、きっと、後悔だった。)
今世で、「彼でいい」とホルスの手をとったのは、言葉は悪いが妥協もあったからだ。私は、家族が欲しかった。
それでも、多分、心の底の底。魂にこびりついた妄執のどこかで、諦めきれないでいたのだと思う。
たった一人の誰かと結ばれることをー
(…だから、婚約がなくなって、ちょっとだけ、ホッとした。)
ホルスへの怒りが持続しなかったのも、今、こうして彼を許してしまえるのも、それはきっと、私にとってのたった一人がホルスではなかったから。
(…それが、今なら…、ユーグに出会った今なら、わかってしまう。)
だって、ユーグに裏切られたら、彼がいなくなってしまったら、私はきっと、生きてはいられないー
「…ホルス。」
だから、別れを告げる。
「私は、村には帰らない。…ホルスが帰りたいのなら、一人で帰って。誰かを頼りたいのなら、あなたの家族を頼って。…私はもう、あなたに何もしてあげられない。」
これ以上、私達の未来は、重なり合いようがないから。
次々と担ぎ込まれるその人数に、「通常の魔物討伐でこれほどの怪我人が出ることは考えられず、何か不足の事態が発生している」ということまでは伝わって来たものの、では、何が起きたのか、正確な情報がつかめぬまま、詰所の中は混乱が続いていた。
広い空間にいくつも並べられた簡易ベッド。急造の治療室には、人手も足りていないらしい。治療が終わった後も意識の戻らないホルスを「知り合いなら看ていてくれ」と頼まれ、私が付きそうことが許された。
痛み止めも容易には手に入らない世界、痛みに呻く声があちこちから聞こえてくる中、閉じられていたホルスの瞳がユックリと開かれ、こちらを視界に入れる。
「…目、覚めた?」
「クロエ…?ここ…、俺は…?」
「騎士団の詰所。魔の森で怪我して、担ぎ込まれたの。…覚えてる?」
「ああ…、いや、…森で、ウインドラプターの群れに襲われて、その後は…」
「そう…」
記憶が曖昧らしいホルスが、自身の身体を確かめて、大きな怪我が残っていないことにホッとした様子を見せる。
「…クロエが、ついててくれたのか?」
「うん。…まぁ、意識が戻るまではと思って。」
「そうか。…ありがとな。」
言って、大きく息を吐いたホルス。ベッドに身を沈めてから、両腕で顔を覆ってしまった。
「…ホルス?」
「…クロエ、…俺、騎士に向いてないんだ。」
「え…、なに?急に、どうしたの?」
「俺さ、本当は、もうずっと、剣を持つのも魔物を倒すのも嫌で堪らないんだよ。騎士なんて、さっさと辞めたくて仕方ない。今回の討伐任務だって、俺は…」
怪我のせいか弱音を吐くホルスを、励ますような言葉は浮かんでこない。代わりに、当たり障りの無い言葉を探す。
「そんなに嫌なら、騎士を辞めるか、別の部隊、王都の警備とかに回してもらえばいいんじゃないの?」
「…王都の警備は花形の第一の仕事。俺みたいな平民が第一になるためには、こういうとこで泥臭く実績を上げるしか無いんだよ。」
「じゃあ、もう、騎士を辞めるしか無いんじゃない?」
騎士に憧れて故郷まで捨てたホルスに、怪我をして弱っている時に言う台詞ではないかもしれないけれど、何も、そこまで無理して続ける意味も無いだろうと、そう口にすれば、
「…俺の嫁、いいとこのお嬢さんなんだ。」
「…」
「俺が嫁と結婚できたのは俺が騎士だからで、その騎士にだって、嫁の実家の後ろ楯があったから成れたようなもんでさ。…もし、騎士を辞めたいなんて言ったら…」
「…でも、奥さんは?ホルスの味方になってくれるんじゃない?」
「あいつも、…あいつが好きなのも、『騎士の夫』だからな。騎士じゃなくなった俺に用なんてないだろ。実際、こんな辺境は嫌だって、ここについてくるのも拒否されたんだ。」
「…」
苦しげに吐かれたホルスの言葉に、それ以上、言葉が続かずに黙った。
「…お前は…?」
「え?」
「お前は、どこで旦那と知り合ったんだ?」
「ああ。」
言われて、ユーグと出会ったのなんて遠い昔のような気がしていたけれど、実際はつい最近のことなのだと気づく。
「ハルハテの、『妻乞い』で出会ったのよ。」
「妻乞い…。お前、アレに行ったのか?何で…」
「何でって、どういう意味よ?結婚する予定だった相手が、急に約束を反古にしたのよ?次の相手を探すために参加して何が悪いの?」
理不尽なホルスの言葉に、腹立ちのまま、かなりきつめに言葉を返せば、
「…ごめん、本当にごめん。勝手をして悪かった。考え足らずで、ほんと、俺、最低だな…」
「…」
項垂れて、萎れるホルス。懸命に頭を下げる姿に、今までの口先だけの謝罪とは違う、彼なりの本気の謝罪が伝わった。
「…いいよ。もう、そのことは許す。私ももう、気にしてないし。」
「…ありがとう、クロエ。」
少しだけ、元気を取り戻したのか、ホルスが口の端だけで弱く笑った。
「俺、素直にお前と結婚しとけば良かったんだよな。そしたら、今、こんなとこでベッドに転がってることも無かっただろうし…」
自嘲混じりのホルスの独白は、聞かない振りで流す。
「…あのさ、お前も、本当はこんなとこ、嫌なんじゃないのか?お前も、無理してるんだろう?」
「…」
「俺と、逃げないか?別に、俺と結婚しろとか、そういうんじゃないんだ。ただ、二人で村に帰ってさ、親父やキアラ、村の皆と、また、昔みたいに暮らせたらって思うんだ…」
「お前はどうだ?」と聞いてくるホルスの言葉を、どこか遠くに聞いていた。ホルスが語る、もしかしたら、あったかもしれない私達の未来。
(…でも、私はもう…)
郷愁を口にするホルスに感じたのは、僅かな同情と後ろめたさー
三年前、ホルスに婚約を破棄された時、私は少しだけホッとした。ホルスのことは年上の友人、幼馴染みとして好きだったし、家族を早くに亡くして、兄のように慕ってはいた。ホルスに結婚しようと言われた時も、決して嫌ではなかった。ただそこに、燃えるような想いがなかっただけで。
(それでも、あの時、確かに一度、私はホルスを選んだ…)
前世、私はいくつものお見合い、出会いの場へと参加し続けていた。繰り返される否定と失望にいくら心が疲弊しようと、どうしても諦めることが出来なかった。ずっと、探していたから、たった一人、「この人だ」と思える人をー
けれど、結局、何を根拠にそのたった一人を選ぶのかもわからないままに、私はその誰かを見つけられずに死んでしまった。
(…それが、きっと、後悔だった。)
今世で、「彼でいい」とホルスの手をとったのは、言葉は悪いが妥協もあったからだ。私は、家族が欲しかった。
それでも、多分、心の底の底。魂にこびりついた妄執のどこかで、諦めきれないでいたのだと思う。
たった一人の誰かと結ばれることをー
(…だから、婚約がなくなって、ちょっとだけ、ホッとした。)
ホルスへの怒りが持続しなかったのも、今、こうして彼を許してしまえるのも、それはきっと、私にとってのたった一人がホルスではなかったから。
(…それが、今なら…、ユーグに出会った今なら、わかってしまう。)
だって、ユーグに裏切られたら、彼がいなくなってしまったら、私はきっと、生きてはいられないー
「…ホルス。」
だから、別れを告げる。
「私は、村には帰らない。…ホルスが帰りたいのなら、一人で帰って。誰かを頼りたいのなら、あなたの家族を頼って。…私はもう、あなたに何もしてあげられない。」
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