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第四章 二人の距離
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ルーカスの笑顔は反則だ。
なぜ反則なのか理由を聞かれても困るが、あんなに心臓に悪いものを向けられたら、こちらは反則だと訴えるしかない。ルーカスの目元が柔らかく緩む瞬間を目撃してしまった翌朝、寝不足の頭でウダウダと考えながら、彼の工房の扉をノックするかどうかを迷っていた。
(部屋に居なかったから、多分、ここだと思うんだけど……)
朝食の用意が終わった時点で、同居初日以外は自主的に起床していたルーカスが現れなかった。部屋に呼びに行ってみるも人の気配が全くせず、家の中を探し回った結果、工房から物音がした。昨日の夜、食後に工房に籠ってしまったルーカスだが、まさかそのままここで朝を迎えたのだろうか。覗いてみたいが、ここは彼の仕事場。仕事の邪魔をしてはマズイかと悩んだ結果、大人しく食卓で彼を待つことにする。
扉に背を向け、二、三歩歩いたところで、背後でギィッと扉の開く音がした。慌てて振り向けば、開いた扉、ドアノブに手をかけた状態で動きを止めたルーカスと目が合う。
「お、おはようございます、ルーカス。朝食ができています」
「ああ。もうそんな時間か……」
そう呟いて窓の外を確かめたルーカスが、こちらに視線を戻して笑った。
(え?わら……、笑った?)
「おはよう、アリシア。いい朝だな」
「っ!?」
(だ、だ、誰ー!)
爽やかな笑顔、爽やかな挨拶。今日まで、こんなルーカスを見たことがなかった。常に冷静、ともすれば機嫌が悪いのかと思ってしまうほどに表情の変わらない彼に、一体何があったのか。笑顔の大盤振る舞いをするルーカスに気圧されて固まっていると、彼が二歩の距離を詰めて来た。
「アリシア、これを」
そう言って左手に握っていた何かを差し出すルーカスにつられて、何も考えないまま右手を差し出した。広げた掌の上にそっと置かれたもの。それが何かを認識した途端に、今度は別の混乱が生まれた。
「ルーカス、これって、昨日のルビーですよね?」
「ああ。指輪にしてみた。どうだろうか?」
そう言って、口元に笑みを浮かべたルーカスにますます混乱する。
「どう?……あの、素敵だと思います」
銀のリングに銀の台座、かぎ爪の左右には極小の魔晶石が並び、中央にあるルビーの輝きを一層引き立てている。
「そうか。アリシア、着けてみてくれ」
「え!?」
「昨日、協力を頼んだだろう?着けてみての感想が欲しい」
なるほど、昨夜、彼が言っていた「試し」というのはこの指輪のことだったのかと納得するが、それでも、直ぐには動けない。「指輪をつける」という行為に躊躇いを感じていた。
(意識し過ぎだとは思うけど……)
装飾品の中でも特別な意味を持つ指輪。前世、今世併せても、男の人から指輪を贈られたことも、「着けて欲しい」と頼まれたこともない。ルーカスにそういう意図が全くないと分かっていても、恥ずかしいものは恥ずかしい。
指輪を凝視したまま固まっていると、伸びて来た大きな手、硬い指先が、私の手から指輪を持っていってしまった。着ける勇気もないくせに、未練がましく指輪を目で追えば、不意に左手を取られる。薬指にスルリと指輪が嵌められた。
「え?」
「……ああ、やはり、アリシアの指には紅が映えるな」
(え、え、え……?)
自身の左手、薬指に燦然と輝く紅い宝石。嬉しそうに目を細めるルーカスの姿に、全身の血が沸騰する。
(ち、違う!これはお試し!何かの実験だから!)
左手薬指に意味なんてない。分かっているのに、自身の指にピタリと嵌った指輪が嬉しくて仕方ない。まるで、自分のために誂えられたようで――
「アリシア、この指輪は渡しておく」
「えっ!?」
「『腕力強化』の魔術を付与してある。鉱山での採掘に役立ててくれ。ああ、たまに感想を聞かせてくれると助かる」
そう事も無げに告げるルーカスに、必死で首を横に振る。
「も、もらえません!こんな高価なもの!」
昨日の夜、結局、ルーカスはルビーを三百万ギールで買取ってくれた。その額に唖然となったが、「適正価格だ」というルーカスの言葉を信じて買取ってもらったのだ。なのに何故、自分が売りつけたものを無償で受け取れるというのか。
首を振る内に涙目になるのを自覚しながら、ルーカスに必死で訴える。もらう訳にはいかないと再三繰り返す内に、ルーカスの表情が目に見えて不機嫌になっていった。
「……アリシアは、アダンからツルハシを受け取っただろう?」
「ツルハシは普通に購入しました!ちゃんと対価を支払ってます!」
「だが、あの男に、ツルハシを加工させたと言っていた」
「加工?」
加工とは何だろうか。まさか、柄の長さを調節してもらったことを指すのだろうかと考えて、調整にも対価を支払うべきだったのかと混乱する。
(で、でも、だとしても、指輪をもらう理由にはならないよね?)
「とにかく、これはお返しします!」
そう言って指輪を抜き取ろうとするが、何故か指輪が抜けない。
「え?あれ??」
嵌める時にはスルリと入ったし、今も指に引っかかっているわけではない。なのに何故か抜けない指輪に焦っていると、ルーカスの楽しそうな声が聞こえて来た。
「無駄だ」
「……ルーカス?」
「『落下防止』を付与してある。指輪を装着した者、この場合、俺が外さない限り、指輪は外れない」
そう悪びれもせずに告げるルーカスの言葉に焦り、彼に左手を差し出す。
「は、外してください!」
「……断る」
「ルーカス!」
フイと視線を逸らしたルーカスは、こちらの訴えを無視するかのように歩き出した。食堂に向かう彼の後を追うが、彼が振り返ることはない。そのまま、何事もなかったかのように食卓についたルーカスに恨めし気な視線を向ければ、ルーカスが小さくため息をついた。
「流石に、そこまで拒絶されると、俺も細工師としての自信を失う」
「あ!ご、ごめんなさい!」
そんなつもりはないのだと首を振れば、満足そうにうなずいた彼が口角を上げる。
「それに、昨夜、約束しただろう?アリシアは俺に協力する、『何でもする』と言ったな?」
「あ、あれは……」
確かに、彼の笑顔に混乱してそんなことを口走った気はする。反論できずに黙り込むと、ルーカスは至極真面目な顔をしてこちらを見つめた。
「だったら、協力してくれ。俺も、指輪の加工は初めてなんだ。その指輪の性能実験がしたい。……アリシア、協力してくれるな?」
ルーカスの頼み、有無を言わさぬ眼差しに、結局、最後は頷いてしまった。
なぜ反則なのか理由を聞かれても困るが、あんなに心臓に悪いものを向けられたら、こちらは反則だと訴えるしかない。ルーカスの目元が柔らかく緩む瞬間を目撃してしまった翌朝、寝不足の頭でウダウダと考えながら、彼の工房の扉をノックするかどうかを迷っていた。
(部屋に居なかったから、多分、ここだと思うんだけど……)
朝食の用意が終わった時点で、同居初日以外は自主的に起床していたルーカスが現れなかった。部屋に呼びに行ってみるも人の気配が全くせず、家の中を探し回った結果、工房から物音がした。昨日の夜、食後に工房に籠ってしまったルーカスだが、まさかそのままここで朝を迎えたのだろうか。覗いてみたいが、ここは彼の仕事場。仕事の邪魔をしてはマズイかと悩んだ結果、大人しく食卓で彼を待つことにする。
扉に背を向け、二、三歩歩いたところで、背後でギィッと扉の開く音がした。慌てて振り向けば、開いた扉、ドアノブに手をかけた状態で動きを止めたルーカスと目が合う。
「お、おはようございます、ルーカス。朝食ができています」
「ああ。もうそんな時間か……」
そう呟いて窓の外を確かめたルーカスが、こちらに視線を戻して笑った。
(え?わら……、笑った?)
「おはよう、アリシア。いい朝だな」
「っ!?」
(だ、だ、誰ー!)
爽やかな笑顔、爽やかな挨拶。今日まで、こんなルーカスを見たことがなかった。常に冷静、ともすれば機嫌が悪いのかと思ってしまうほどに表情の変わらない彼に、一体何があったのか。笑顔の大盤振る舞いをするルーカスに気圧されて固まっていると、彼が二歩の距離を詰めて来た。
「アリシア、これを」
そう言って左手に握っていた何かを差し出すルーカスにつられて、何も考えないまま右手を差し出した。広げた掌の上にそっと置かれたもの。それが何かを認識した途端に、今度は別の混乱が生まれた。
「ルーカス、これって、昨日のルビーですよね?」
「ああ。指輪にしてみた。どうだろうか?」
そう言って、口元に笑みを浮かべたルーカスにますます混乱する。
「どう?……あの、素敵だと思います」
銀のリングに銀の台座、かぎ爪の左右には極小の魔晶石が並び、中央にあるルビーの輝きを一層引き立てている。
「そうか。アリシア、着けてみてくれ」
「え!?」
「昨日、協力を頼んだだろう?着けてみての感想が欲しい」
なるほど、昨夜、彼が言っていた「試し」というのはこの指輪のことだったのかと納得するが、それでも、直ぐには動けない。「指輪をつける」という行為に躊躇いを感じていた。
(意識し過ぎだとは思うけど……)
装飾品の中でも特別な意味を持つ指輪。前世、今世併せても、男の人から指輪を贈られたことも、「着けて欲しい」と頼まれたこともない。ルーカスにそういう意図が全くないと分かっていても、恥ずかしいものは恥ずかしい。
指輪を凝視したまま固まっていると、伸びて来た大きな手、硬い指先が、私の手から指輪を持っていってしまった。着ける勇気もないくせに、未練がましく指輪を目で追えば、不意に左手を取られる。薬指にスルリと指輪が嵌められた。
「え?」
「……ああ、やはり、アリシアの指には紅が映えるな」
(え、え、え……?)
自身の左手、薬指に燦然と輝く紅い宝石。嬉しそうに目を細めるルーカスの姿に、全身の血が沸騰する。
(ち、違う!これはお試し!何かの実験だから!)
左手薬指に意味なんてない。分かっているのに、自身の指にピタリと嵌った指輪が嬉しくて仕方ない。まるで、自分のために誂えられたようで――
「アリシア、この指輪は渡しておく」
「えっ!?」
「『腕力強化』の魔術を付与してある。鉱山での採掘に役立ててくれ。ああ、たまに感想を聞かせてくれると助かる」
そう事も無げに告げるルーカスに、必死で首を横に振る。
「も、もらえません!こんな高価なもの!」
昨日の夜、結局、ルーカスはルビーを三百万ギールで買取ってくれた。その額に唖然となったが、「適正価格だ」というルーカスの言葉を信じて買取ってもらったのだ。なのに何故、自分が売りつけたものを無償で受け取れるというのか。
首を振る内に涙目になるのを自覚しながら、ルーカスに必死で訴える。もらう訳にはいかないと再三繰り返す内に、ルーカスの表情が目に見えて不機嫌になっていった。
「……アリシアは、アダンからツルハシを受け取っただろう?」
「ツルハシは普通に購入しました!ちゃんと対価を支払ってます!」
「だが、あの男に、ツルハシを加工させたと言っていた」
「加工?」
加工とは何だろうか。まさか、柄の長さを調節してもらったことを指すのだろうかと考えて、調整にも対価を支払うべきだったのかと混乱する。
(で、でも、だとしても、指輪をもらう理由にはならないよね?)
「とにかく、これはお返しします!」
そう言って指輪を抜き取ろうとするが、何故か指輪が抜けない。
「え?あれ??」
嵌める時にはスルリと入ったし、今も指に引っかかっているわけではない。なのに何故か抜けない指輪に焦っていると、ルーカスの楽しそうな声が聞こえて来た。
「無駄だ」
「……ルーカス?」
「『落下防止』を付与してある。指輪を装着した者、この場合、俺が外さない限り、指輪は外れない」
そう悪びれもせずに告げるルーカスの言葉に焦り、彼に左手を差し出す。
「は、外してください!」
「……断る」
「ルーカス!」
フイと視線を逸らしたルーカスは、こちらの訴えを無視するかのように歩き出した。食堂に向かう彼の後を追うが、彼が振り返ることはない。そのまま、何事もなかったかのように食卓についたルーカスに恨めし気な視線を向ければ、ルーカスが小さくため息をついた。
「流石に、そこまで拒絶されると、俺も細工師としての自信を失う」
「あ!ご、ごめんなさい!」
そんなつもりはないのだと首を振れば、満足そうにうなずいた彼が口角を上げる。
「それに、昨夜、約束しただろう?アリシアは俺に協力する、『何でもする』と言ったな?」
「あ、あれは……」
確かに、彼の笑顔に混乱してそんなことを口走った気はする。反論できずに黙り込むと、ルーカスは至極真面目な顔をしてこちらを見つめた。
「だったら、協力してくれ。俺も、指輪の加工は初めてなんだ。その指輪の性能実験がしたい。……アリシア、協力してくれるな?」
ルーカスの頼み、有無を言わさぬ眼差しに、結局、最後は頷いてしまった。
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