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第二章
7-4.
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7-4.
「行っちゃったね。感想は?」
男二人の影が陣に消え、愉快そうに問うて来る男の声に、横の女が陣を睨んだまま答える。
「ゴートの侵略戦を思い出しました」
「ぶふっ!それはまた!」
再び笑いの発作に襲われた男の向こうから、ずっと黙っていたもう一人の女の声がする。
「あの?ヴィアンカ様、ゴートの侵略戦と言うのは?」
「…七年前に、ダーマンドル領の隣にゴートと言う小さい自治領があったんだが、まあ、色々あってうちがそこに侵略戦を仕掛けた」
尋ねられた女が、渋い顔のまま答える。
「侵略、珍しいですね」
「ああ。市街戦を覚悟して、恨みのいくつかは買うつもりだったんだが…」
「?」
笑いのおさまった男が楽しそうに話に入ってくる。
「開けてびっくり!市民には大歓迎されるし、戦闘なんて全く起きなかったんだよね」
「魔物の多い場所で、小さな自治領では既に立ちいかなくなっていたようだ」
「うちは対人戦の経験者なんて、ほとんどいないからね。一応、みんな悲壮な覚悟ってのを決めてたんだよ。それが、凄い肩透かし!あれ?みたいな」
今、面白おかしく語れるということが、それが最高の結末であったことを示す。
「…それは。その、人死にが出なかったのは何よりだったのではと思いますが」
「そうそう。で?ヴィーはその時のこと思い出しちゃったんだ?やる気満々だったのに、速攻で白旗あげられちゃってどうしようって?」
「…」
「ふふ。いいんじゃない?彼はああ言ってたけど、覚えてるだけじゃなくていっぱい考えなよ。ヴィー、君にはそれが必要だよ」
言われた女は、誰も居ない転移陣を見つめる。男の使った魔術。行使された後の燐光が、緩やかに消えていく。
「行っちゃったね。感想は?」
男二人の影が陣に消え、愉快そうに問うて来る男の声に、横の女が陣を睨んだまま答える。
「ゴートの侵略戦を思い出しました」
「ぶふっ!それはまた!」
再び笑いの発作に襲われた男の向こうから、ずっと黙っていたもう一人の女の声がする。
「あの?ヴィアンカ様、ゴートの侵略戦と言うのは?」
「…七年前に、ダーマンドル領の隣にゴートと言う小さい自治領があったんだが、まあ、色々あってうちがそこに侵略戦を仕掛けた」
尋ねられた女が、渋い顔のまま答える。
「侵略、珍しいですね」
「ああ。市街戦を覚悟して、恨みのいくつかは買うつもりだったんだが…」
「?」
笑いのおさまった男が楽しそうに話に入ってくる。
「開けてびっくり!市民には大歓迎されるし、戦闘なんて全く起きなかったんだよね」
「魔物の多い場所で、小さな自治領では既に立ちいかなくなっていたようだ」
「うちは対人戦の経験者なんて、ほとんどいないからね。一応、みんな悲壮な覚悟ってのを決めてたんだよ。それが、凄い肩透かし!あれ?みたいな」
今、面白おかしく語れるということが、それが最高の結末であったことを示す。
「…それは。その、人死にが出なかったのは何よりだったのではと思いますが」
「そうそう。で?ヴィーはその時のこと思い出しちゃったんだ?やる気満々だったのに、速攻で白旗あげられちゃってどうしようって?」
「…」
「ふふ。いいんじゃない?彼はああ言ってたけど、覚えてるだけじゃなくていっぱい考えなよ。ヴィー、君にはそれが必要だよ」
言われた女は、誰も居ない転移陣を見つめる。男の使った魔術。行使された後の燐光が、緩やかに消えていく。
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