リコピン@出荷前

リコピン

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完結作品について

悪役令嬢の矜持~婚約破棄、かまいません~について

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※ネタバレ満載です

頂いた質問に関するQAを作ってみました。元からあった設定だけでなく、「うっ、考えてなかった」という部分まで、何とか考えて答えを出しました。ひょっとしたら皆様のイメージとは違う可能性がありますし、後付け部分に関しては設定に矛盾があるかもしれません。どうやっても答えが捻りだせない質問もありました。ごめんなさい!

おまけ程度に楽しんでもらえたら嬉しいです♪


【Q】クリスティーナは前世、何者?
【A】
普通の社会人設定でした。色々、全体や先を見通せたのは、元のクリスティーナが妃教育で頑張って身につけた素養、下地があったから。

【Q】ソフィアは前世、小学生?
【A】
前世として思い出せたのは『蒼穹の輪舞』をプレイしていた高校生の時まで。前世の享年が実際に何歳だったのかは不明。

【Q】ソフィアは、ゲームの強制力によって、或いはヒロインだから攻略キャラに好かれるのでは?と疑問に思わなかったのか?ヒロイン補正で愛されることは虚しくなかったのか?
【A】
何もしなくて好かれるというわけではなく、自分から話しかけたり、勉強頑張った結果として仲が深まるので、あまり疑問に思わなかったのではないでしょうか?好まれる言動の正解が分かっているからこそ、簡単に仲が深まるんですが、それをズルとか、虚しいとは思わないタイプなので。容姿に関しては、「生まれ変わったら美人になりたい」が叶ってラッキーくらいの気持ちだと思います。

【Q】登場人物紹介のアレクシス達ゲームの重要人物の説明は詐称じゃないか?
【A】
ゲーム開始前までの人物評でした。ソフィアとの出会いで、良くも悪くも影響を受け、本来ゲームでは綺麗に昇華されたはずの彼らの欠点?抱えてるもの?(攻略途中で問題になってゴチャゴチャもめて、解決してハッピーエンドになるための布石)が、中途半端にむき出しになってしまっていました。アレクシスは、ソフィア虐められてちょっと感情的になり過ぎてます。順風な時は、あれでも評価高かったんです。

【Q】ゲームの強制力(攻略対象者達の意思に反する魔法的な何か)はあったのか?
【A】
ありませんでした。なので、ソフィアが頑張ってヒロインをやった結果です。正解の分かっている恋愛の駆け引き?的なことは頑張れる子です。ただ、恋愛関係になるまでヒロインにきついキャラ(ユリウス、イェルク)は苦手でした。
【アレクシス】
本命。積極的に会いに行き、友人としての好感度上げつつ、ハプニング的恋愛イベントをこなす。アレクシスからの告白、「私も!」の両想いと共に、ハブリスタントの花が開く。
【ギレス】
おまけ。アレクシスに会いに行くと居る。好感度は上がるが、イベントは起こさない。ギレスの淡い片想い(初恋)。
【イェルク】
断罪お手伝い要員。良い成績を取り、魔術の素養が高いことを見せつけた後は比較的当たりが柔らかくなるので、周囲に認められ始めてから声をかける。友人どまりだが、イェルクは内心で学業成績の良いソフィアとカトリナを比較するようになる。
【ユリウス】
情報源。クリスティーナの情報を得るために苦手だが積極的に声をかける。デレが見え始めたところで、クリスティーナのことを教えてもらえたので用なしに。ユリウスの片想い(最初で最後の恋)。
【パウル】
友達。毎日会うのでめっちゃ仲良し。パウルの場合、幼さもあって恋愛イベントを起こさないと恋愛感情は生まれないので、友人どまり。
【ボルツ先生】
育成用。魔術の成績を上げるのに重要。一生懸命くらいついていった。ボルツ先生は、教え子として可愛がっていたはずが、いつしか女性として好きに。ただ、ソフィアから迫らない限り恋愛イベントも発生しないので、究極の安全牌。ボルツ先生の片想い(秘めた恋)。

【Q】浮気をしたソフィアとアレクシスが悪いのでは?
【A】
悪いです。ただ、学園内で会っている(後は街で偶然の出会いイベント)だけで、恋愛的な接触(キスしたり、夜会に伴ったり)はなかったので、学園内でヒソヒソはされても、不貞と糾弾されるまではいかなかった。
原作では、「心の通わない婚約者を持つアレクシスと友人になり、一見傲慢にも見える彼の優しさに触れる内、いつしか心惹かれていく。だけど、彼には婚約者が居るからこの想いを口にすることは許されない…」みたいな切ない?系のストーリーです、多分。CEROはCでした。

【Q】婚約者がいながら、他の人へ目移りする人物を好きになるのってなぜなんでしょうか?
【A】
本当、謎ですよね。私にも分かりません…
なので、多分、原作のゲームがめちゃくちゃ上手いストーリーだったんだと思います。
少し大人向けの、「好きになった人にたまたま婚約者が居ただけ、だけど婚約者との間には愛がない」ことを前面に押し出した、純愛を免罪符に、好きだけど片想いだから不貞じゃないよという感じのストーリーで、勉強頑張れば褒めてくれて、辛い時には慰めてくれて、本当にピンチの時は颯爽とかけつけてくれて、最終的にアレクシスの方から「お前が好きだ。この想いだけはどうしても諦めきれなかった」という、「彼が目移りしたのは相手が私だから。私だけが特別」、だから、私以外に目移りすることはない一途な人、…なんだと思います、多分。あと、顔がいい。

【Q】浮気をしたアレクシスが、クリスティーナを嵌めるために罪を捏造し、陛下や公爵まで認めたのおかしくない?
【A】
倫理的にはおかしいですが、陛下や公爵はそれを通したという感じです。
アレクシスがソフィアを好きになったのは事実ですが、不貞と言えるほどのことはしていない。あくまで友人として仲良くしていたと言われれば、眉を顰める行為で叱責があったとしても、それを理由に何らかの罪に問うまでは出来ない。対して、クリスティーナの罪とされたものには偽証を含むとは言え、証拠が揃っていた。
【陛下】
ソフィアよりクリスティーナの方が有能だと見ている。それでも、学園でのソフィア虐めに対しては減点(上手く処理できなかったし、偽証されてしまった)。加えて、アレクシスとの仲も最悪に。ソフィアは花の王家の血筋。アレクシスが守る気でいる。
⇒じゃあ、ソフィアで
【公爵】
ソフィアの血筋は知らないが、それ以外に関しては陛下と同じ。加えて、王家との対立はなるべく避けたい&ユリウスが殿下側について証拠集めに参加しちゃってた。
⇒婚約破棄は受け入れる
クリスティーナから、ソフィアの血筋について知る
⇒じゃあ、ソフィアで

【Q】アレクシスは婚約破棄ではなく、婚約解消にすべきだったのでは?
【A】
冷静に考えたらそうですよね。でも、愛するものを傷つけられて怒りマックスでクリスティーナを憎んでたため、ソフィアを虐めた責任をクリスティーナに取らせたかった。後は、ソフィアを自分の妃に迎えるために主に民衆向けにドラマティックなストーリー(意地悪な公爵令嬢が悪事を暴かれ、花の王家の血を引く平民出身の娘が王太子妃になる)を作りたかった。解消では、クリスティーナに非がないと思われる可能性も。ソフィアが略奪した(実際、してますが)と思われないよう、クリスティーナが「悪」でないといけなかった。クリスティーナが前世を思い出さなければこの筋書きでいけました。

【Q】婚約破棄の件は他の貴族達にどう思われているのでしょうか?
【A】
婚約解消ではなく婚約破棄、しかも、それを公爵が受け入れているということは、クリスティーナが何か失態をやらかしたんだなと見られているかと。あと、アレクシスの新しい婚約者が花の王家の末裔ということで、何かしらの政治的判断もあるのでは?と思われているはずです。その内、子どもの居る家からソフィアの虐め問題が出て来て、現王太子の婚約者であるソフィアに阿るため、クリスティーナが悪かったんやーってなります。それが社交界の不文律になるはずが、クリスティーナがめきめき頭角を現してきたので、逆にアレクシス達が追い詰められることに。

【Q】そもそも、ソフィアの虐めに関して、クリスティーナに罪はあるのか?
【A】
【陛下】
罪というよりも失態。アレクシスがソフィアを選んだのも、クリスティーナが男爵令嬢(ソフィア)虐めたのも別にいいとして、クリスティーナがとりまき統制できない、アレクシスと対立する、証拠を抑えらえてしまうというのは減点。
【公爵】
陛下と同じ。やるんだったら、証拠を残すな、とりまきに裏切らせるな。陥れられるような隙を見せるな。全部、把握しておけ。
【攻略者達】
アレクシスとソフィアは友達だって言ってるじゃん!なのに、ソフィアを虐めた(止めなかった)クリスティーナが悪い。万が一命じてなくても、自分のとりまきが動いてんだから、自分のためだって分かるはず。よって主犯。
【クリスティーナ】
周囲が自分のために動いてるって分かってて動かなかった、知らない振りしたから、自分の罪。
【フリード】
え?殿下が浮気したのが悪いのでは?(常識人)

【Q】なんで、攻略対象者達はクリスティーナをそこまで憎むの?
【A】
ソフィアへの虐め自体は陰湿でした。クリスティーナやカトリナがやられたようなことをやられました。ソフィアを愛する人間からすると、絶対に許せない。彼らはクリスティーナがやらせてる(止めない)と思っているので、クリスティーナを憎んでます。

【Q】アレクシスはクリスティーナが嫌いだったの?
【A】
ソフィアと出会うまでは、仕事上のパートナーとしてやっていくつもりはありました。ただ、クリスティーナはユリウスと同系統の「氷の美女」、感情表現が薄かったため、アレクシスの好みではなかった。ソフィア虐めが発生してからは憎むように。クリスティーナが前世を思い出してからは、してやられることが多くて腹立ちまくり。

【Q】ボルツ先生は結局、ロリコンなのですか?
【A】
一応、擁護しますと、婚期は現代よりも若干早く、「女子高生と教師」よりも「女子大生と講師」くらいの年齢差なイメージです。ソフィアの中味が子ども過ぎるので、そういう意味ではロリコンかもですがwあと、トリシャのことは純粋に教え子として見てます。

【Q】ソフィアの花の王家の印をアレクシスは、どうやって知ったのでしょう?ソフィアの自己申告?胸元にあるのに…
【A】
メッチャ光ります。スチルになるくらい、昼間でも目視できるくらい神々しい光を放ちます。目をつむり、両手を広げたソフィア、服の上からでも分かるくらいの光が花の紋様を浮かび上がらせ…って感じです。平素は胸元に同じ模様があるだけ。多分、お披露目のイベントとかで光らせられたら凄い受けるやつです。でも、光るのは最初に花開いた瞬間だけなので、もう光りません。

【Q】最後の卒業祝賀会で「答辞(エサ)」にかかったお嬢様方について、「答辞(エサ)」とは?
【A】
(これを書くと、答辞を褒めて下さった方々に怒られるかも…)
答辞の最後は、勿論、聞いている人に向けての本音のメッセージですが、「自分は既に許された身(だから、もう、ソフィア虐めの件でゴチャゴチャ言わないでねの牽制)、この国に感謝してるから国と(フリードが忠誠誓ってる)陛下にも忠義を尽くすよ(国を割るつもりはないよ)」という主張もしてます。加えて、「反省してるなら許されるよ。私(クリスティーナ)も許すよ」というメッセージ(餌)を撒くことで、元のとりまき、派閥だった人達からの再接近を狙ってます。今後の自分の味方を増やすため、一度、クリスティーナを見捨てていった人達のことを(自分の感情は置いておいて)受け入れるつもりでした。お嬢様方は祝賀会でそれに見事に引っかかりました。

【Q】アレクシス、浮気したことの反省がないのはなぜ?
【A】
身分制度があって、家や血が尊ばれる世界観なので、浮気は現代ほど厳しくないんだと思います。結婚は家のため、恋愛は他でが許される。
それでも、正妃になるクリスティーナを軽視するのは論外だと思うのですが、アレクシスもそこまで馬鹿じゃなかったので、ソフィアを夜会に伴ったり、(イベントという名の事故で不可抗力だった場合を除き)触れ合ったりしていないので、ギリセーフとか思ってます。
普通なら、婚約者がいるのに好きな人が出来たのだから、まずは婚約者と話し合って婚約解消、相応の償い(慰謝料など)をして、新たな婚約を結ぶ、だと思います。アレクシスの場合は、ソフィアを好き(告白はしていない)になっても、そもそも新たな婚約者にすることが難しかった。だから、「お友達」という関係でいたわけですが、ここでソフィア虐めが始まった。それにブチ切れて、ついでにソフィアが花の王家というラッキーもあって、相手有責での婚約破棄を叩きつけた。反省するとしたら、破棄としたこと。もっと、禍根を残さない方法で婚約を解消すべきだった。とは反省してます。でも、「ごめんなさい」は言いません。

【Q】アレクシスは、クリスティーナだけはどんなに無碍に扱ってもいいと無意識に考えてるのが不思議です。長年婚約してたからという甘えがあるのでしょうか?
【A】
自分が王太子である内は、クリスティーナが決定的に自分と袂を別つつもりはないだろうという甘えはあります。クリスティーナも国と事を構えるつもりはないので、アレクシスと全面戦争するつもりはありません。
アレクシスは祝賀会くらいまでは、クリスティーナのことをまだライバル、今は膝を折っても、いずれ巻き返せる相手だと思ってました。ソフィア虐めに関する怒りもある。実際、その時点でクリスティーナにあった実績はパウルの暴走止めて首席とれたことと答辞で拍手されたくらい。アレクシスの方は既に王太子としての仕事を始めていて、多分、そこそこ優秀です。大失敗は嫁選びくらい。なので、自分から声を掛けます(和解申し込んで、流れを引き戻す!)。つもりが、ソフィアが暴走したため、上手い落としどころも見つけられずにクリスティーナが辺境へ。と思ったら、何か、半年で転移陣構築とかいうビッグプロジェクト引っ提げて王都に乗り込んで来た。ソフィアはソフィアで未だウジウジ。側近候補達もなんかボロボロで、相談も出来ない。陛下からは放置という名の監視を受けてる。詰んだ。
なので、自分の周囲で一番の成功者、負けを認めてしまったクリスティーナに相談してしまう。自尊心とか投げうって。それでも尊大に見えるのは、「ごめんなさい」が言えないから。王族なので、自分がしでかしたことでも簡単にごめんなさいは言えないという設定です。逆に言っちゃうとクリスティーナは許してあげないといけなくなるので、言えないのも罰。言えない代わりにお金出したり、辺境に融通きかせたりの態度で謝罪積み重ねるしかない。頑張れ。

【Q】攻略対象者達はソフィアの姿に目が覚めないの?
【A】
一部は覚めません。強制力ではなく、作者の「乙女ゲームのキャラは、ヒロインがどんなに変容しようと、一度愛したら死ぬまで愛し抜く!」という謎の理想により、アレクシスとユリウスと先生は覚めません。アレクシスは「攻略済み」なので勿論ですが、ユリウスは「…生涯、お前以外を愛することはないのだろうな」系のキャラなので、唯一の恋です。先生は「…今更、こんなにも誰かを愛おしいと思うなんて」系のキャラなので、最後の恋です。

【Q】花の王家意味なくない?
【A】
「愛する者に幸福をもたらす」という曖昧さと、時代的に、詳細な「分析」や「記録」があるわけでなく、あくまで「伝承」なので、ソフィアが存命の内に何か伝説を作れるかは不明。後世の研究で「あの時代は~」などの評価は得られるかも。それでも「絵本」などになっているくらいには人気です。陛下的には「今、絶対に必要なわけではない(必ずしも次代の王妃にする必要はない)」けど、「国民大歓喜」なのは間違いないので血は繋ぐ必要があると思われてます。
(私の脳内設定では、花の王家の恩恵はあります。)

【Q】何故、誰も、ソフィアに真実(リンガール事件やボルツ先生の不正の真相など)を伝えないのか?
【A】
ソフィアの周囲の男どもは守り方を間違ってますよね。リンガール事件に関しては、公にされるとクリスティーナの立場的にマズい(未遂でも傷物とか言われちゃう)ので、「そんなの酷い!」と大騒ぎしそうなソフィアには黙っててもらいたいですけど、ボルツ先生不正問題はアレクシスは敢えて隠してます。優しいソフィアにそんなこと話したら、傷ついてしまう。それだけならいいけど、「自分のために先生がそこまでしてくれたの?」とソフィアがボルツ先生に同情や好意を持つのは嫌。一応、恋敵なので、ソフィアには「証拠はなくても、やっぱり、先生はクリスティーナさんに協力したんじゃ?」くらいの疑心で嫌ってて欲しい。ボルツ先生自体は、「かっこ悪すぎて」自分からは言いません。

【Q】そもそも、淑女科の点数配分不利すぎない?
【A】
不利です。淑女は前に出なくていいという若干の男尊女卑はある設定でした。なので、他の科も含めての総合成績でトップに立つことは求められていません。クリスティーナは頑張りました。その後、辺境伯夫人となってからもガンガン前面に出てきます。フリードが魔物との死闘で忙しいとはいえ、かなり進歩的なことをやっていると思います。

【Q】クリスティーナとソフィアで王太子妃として求められるものが違う。ダブルスタンダードではないか?
【A】
ダブスタです。クリスティーナはアレクシスのお仕事のパートナー(アレクシスに並び立つ)であることを公爵に求められていました。一方、ソフィアの役目は王家にハブリスタントの血を入れることなので、最悪、仕事は全く出来なくても臣下が支えます。ただ、その場合、下手に力(実家やとりまきなど、自分の手足になる存在)があると困るので、そういう意味ではソフィアは都合が良かった(実家は男爵、とりまきもいない)。
その後、プルーク侯爵家がソフィアの後見に名乗りを上げたので若干、面倒にはなります。
更に、ユリウスが婚約破棄の手助けをしたことから、攻略対象者がソフィアの手駒になりそうな気配はありましたが、ボルツ先生の不正やパウルの暴走の陰にソフィアの存在があったことは明るみに出ていないので、危険視されませんでした(この辺は、「異常」過ぎて陛下や公爵も気づいていない)。
公爵がソフィアを養女にしなかったのは、国のためとは言え、ソフィアをウィンクラー(クリスティーナレベル)とは認められなかったから。

【Q】リンガールやらボルツ先生やらの暴走を止められなかったのはソフィアのせいでは?クリスティーナの破棄理由が周りの統率が出来なかったことなのにソフィアは出来てなくても良いのか?
【A】
ソフィアには下の者を統率することは求められていませんでした。そもそも、ソフィアのために悪事を働く人間が居るとも思われていなかった(この辺は陛下たちの認識の甘さかと)。リンガールも先生もソフィアの下(統率する相手)ではないことと、ソフィアはクリスティーナを「許す」と言っているので、外から見て「ソフィアのため」とするには弱く、露見しても責められることはなかったと思います。
クリスティーナは目の前で行われていた虐めが自分のためだと分かっていたし、周囲からもそう見なされていた。「止めろ」と命じることが出来る立場にありました(クリスティーナが上)。把握出来ていなかった部分に関しても、外から「クリスティーナのとりまきがやった」と見られるのがまずかった。無関係を貫くために、誰一人偽証をさせない、証拠の捏造も出来ないようにするくらいの防御が必要でした。

【Q】ソフィア、側室にしておけば良かったのに。
【A】
側室制度がありません。クリスティーナを王妃とするなら、ソフィアはよくて公妾。子どもに王位継承権がなく、クリスティーナの子が王位を継ぐことになる。ソフィアは、アレクシスがクリスティーナとの間に子を設けることに耐えられない。アレクシスもそれを分かっていたので、余計にソフィアの存在を中途半端(お友達)にしてしまいました。

【Q】ソフィア、結婚がゴールだって思ってない?
【A】
思ってます。アレクシスとの結婚式、パレードで民衆からの祝福を受け、他の攻略対象者達をバックに、ウェディングドレス姿でのアレクシスとのキスシーン(エンディングスチル)がゴールだと思ってます。

【Q】陛下が卒業式で「見誤った」のはなに?
【A】
陛下自身が、「クリスティーナの素質を見誤ったなぁ」の自嘲です。ただ、前世を思い出さないままのクリスティーナでは父公爵に歯向かってまで頑張らなかったはずなので、婚約破棄の段階では見誤ってはなかったのかな?と思います。正に生まれ変わったようなもので、そこはクリスティーナの転生チートだと思います。

【Q】アレクシスが卒業式でクリスティーナの照れ笑顔にトゥンクしたのは何?
【A】
萌えです。殿下は、「一見、力の無い可愛い系の子が、挫折しそうになりながらも歯を食いしばって健気にひたむきに頑張ってる」のが好きです。クリスティーナが(フリードのおかげで)一瞬、可愛く見えた。クリスティーナと結婚していたら見られたかもしれない未来が一瞬、垣間見えました。

【Q】クリスティーナの卒業式笑顔は会場全体を打ち抜いたか?
【A】
残念ながら、「うぉおお!」したのは一年生のみです。二、三年生は、前年までの「ゲーム期間」に、ソフィアへの虐めに加担していたり、クリスティーナの婚約破棄を目の当たりにしているので、単純に盛り上がれない。でも、「クリスティーナ様、変わった(柔らかくなった)?」とザワつきました。クリスティーナは意図していませんでしたが、結果として(フリードのおかげで)、卒業生は祝賀会でクリスティーナに声を掛けやすくなりました。

【Q】ユリウスも、そろそろ見切りをつけ領地経営に専念しては?公爵領はあるんですよね?
【A】
公爵領はあります。ユリウスは自分がやらかしたこと(婚約破棄のお手伝い)の後始末のつもりでアレクシスとソフィアに仕えることを覚悟してるので、見切りはつけずに全力で最後まで付き合います。諦めてはいません。それでも力及ばず沈むときは一緒に。

【Q】陛下は王太子カップルになぜ見切りをつけないの?次代を育てるなら早い方がいいのでは?
【A】
次代(弟王子8歳)を育てつつ、アレクシスが化ける可能性も捨てずにいます。前回、クリスティーナを早々に切り捨ててしまったことを反省して、クリスティーナに虐められてる内に成長するかも?と「人の成長」というものに期待してます。

【Q】アレクシスとソフィアは、共にいる事で負の連鎖を呼んでいるのでは?相性が悪いのでは?
【A】
私もそう思います。皆さんご指摘の通りに、なんでソフィアはアレクシスを選んだのか。王太子という立場的にも、「頑張ってる女の子」が好きという性癖的にも、アレクシスとは壊滅的に合わないです。でも、ソフィアの好みはアレクシスだったのでアレクシスルート一択。ソフィアは、ゲーム後のことまで考えられないタイプです。

【Q】『階 2』 でクリスティーナが考えていた「求めるものが同じ」とは?
【A】
アレクシスは、一応、あれでも国のことを考えてます。自分の王太子、王としての立場も守りたいですが、国をちゃんと治めたいという気持ちもあります。自尊心も高いので愚王には成りたくない。なので、アレクシスとクリスティーナが求めるものは「国を割らずに強く豊かにすること」です。クリスティーナは「国はタールベルクの兵舎兼食糧庫」だと思っています。クリスティーナの最重要課題は「フリードを死なせないこと」、怪我や老いで戦えなくなった時のことも考えて、最終的にはフリードが戦いに身を投じなくても魔物に勝てる状況を作り上げたい。魔境に面したタールベルクだけでは限界があるので、国を巻き込むつもりです。

【Q】花の王家の血筋を入れたいのなら、ソフィアにさっさと子どもを産ませればいいのでは?
【A】
アレクシスとソフィア以外はそれでいいと思ってるはずです。でも、ソフィアは他者評価を気にするタイプなので、認められたい褒められたいということで「子どもだけ産んどいて」と言われるとウジウジします。アレクシスは頑張るソフィアが好きなので、「それでいいや」と諦めることを許してくれません。

【Q】もしかして「忖度、ダメ、絶対!」と言う様なスローガンが裏の標語だったりするのでしょうか?(笑)
【A】
報連相大事!はずっと思って書いてましたw

【Q】シュミット父子の年の差の秘密
【A】
ウェスリーには十以上歳の離れた姉が三人ばかりいます。フリード様とつり合いがとれるお年頃の。…そして、その後、前辺境伯夫妻の間に次の子が生まれそうな気配が。それを察したシュミット男爵夫妻も頑張りました。

【Q】リンガールの刑は何だったのか。フリード様自ら処さなくても良かったのでは?
【A】
思いっきりぼかしましたが、ある部分を切断されております。次の日歩けていたのは治癒魔法のおかげです。便利。フリード様は、リンガールを処すのに私怨が混じってる自覚があります。なので、他の人に手を汚させたくないのと、純粋に自分がクリスティーナの仇を取りたい。本当はヤッちゃいたかったが、ハーマン辺りに「相手は仮にも子爵家の人間、(過剰な)私刑は駄目」と止められてます。

【Q】ソフィアが転生者ではなかった場合、完全に断罪されて巻き返しの機会をクリスティーナは得られなかったと思うのですが、その場合はソフィアとアレクシスは幸せな結婚生活を送ることができたのでしょうか?
【A】
出来たと思います。目の前に分かりやすく比較される存在(元婚約者であるクリスティーナ)がいないので、愛され王妃になれたと思います。後は、元のソフィアは自身が花の王家の血を引くとは思わなかったから、アレクシスの隣に立つことはもの凄く大変だと認識していて、不利な状況でも努力を続ける前提だったと思います。ハブリスタントの花は本来なら『蒼穹の輪舞』製作チームが茨の道を行くヒロインに送ったお守り。「大変だと思うから、おまけでつけとくね」という餞だったと思うんですが、転生ソフィアはお花ゲットできれば誰にも文句言われずハッピーエンド!アレクシスのお嫁さんになれる!という甘えもあったんでしょうね…

【Q】ソフィアは何故あの言葉遣いのままなのか?
【A】
ゲームでずっとそうだったからです。社会人経験(記憶)のない彼女の成功体験はゲーム期間にみんなに好かれた時しかない。なので、そこにしがみついてます。後日談くらいではマズいと分かり始めてますが、今更キャラ変更できない。だって、どう変更したらいいのか分からない。勉強もできます、言葉遣いも、攻略対象者達以外には比較的丁寧な言葉も使えるようになってます。だけど、攻略対象者達に好かれる話し方はゲーム中のアレ以外、分からない。

【Q】アレクシスがいれば良いはずなのに、何で他のメンズが離れるのが嫌なのか?結局は逆ハーしたかったのか?
【A】
お友達だから(キリッ!)という感じでしょうか?苦労を乗り越えた先に、みんなに認められ、好かれる自分。イケメンの友人達、素敵な婚約者もゲット。トップアイドルになれた!なのに、気づけば、下から這い上がって来たクリスティーナにトップの座を取られたという意識なんだと思います。一度、栄光の心地よさを味わってしまったので、アレクシスだけでいいとは思えなくなっちゃったんでしょうね。

【Q】陛下がクリスティーナくれくれって話はウェスリーやクリスティーナはフリードから話聞いたんでしょうか?
【A】
聞いてます。でも、どちらも陛下の発言を本気だとは思っていません。ただ、「開戦」発言したフリードに、ウェスリーは呆れ、クリスティーナは惚れ直しました。

【Q】ユリウスとソフィアの薔薇の色、ゲーム攻略に関係あったりしたんですか?
【A】
ありました。聖夜祭でのユリウスの胸元を見てやって下さい。ユリウスにとってはあの薔薇は二人の思い出の薔薇で、一年前のゲーム期間の聖夜祭、ユリウスルートに入っていたら、あの薔薇をソフィアに渡して踊るというイベントがあったんです。…ユリウス…

【Q】物語の中で何を大事に書いたのか?
【A】
書けたか、伝わったかは置いておいて、あくまで自分の中では!と予防線を張った上で、「クリスティーナ以外の人物もちゃんと書く」ことを大事にしました(したつもりなんです)!物語の構成上、クリスティーナの敵になる彼らにも、(問題は色々ありますが)彼らなりの考え、主張があったはずと思って書いてました。理性では「こいつら何言ってんの」状態でも頑張りました。
それでいくと、ソフィアもクリスティーナも「自分が生きやすい場所」を作ろうとしたのは同じなんですよね。クリスティーナが自分を変えることで周囲の評価を変え、生きやすい場所を作ったのに対し、ソフィアは一度作り上げた生きやすい場所の変化を受け入れず、自分は変わらぬままに周囲の変化も認めようとしなかった。
ソフィアのやり方は稚拙だったし、人の恋心という大事な部分を利用するという(作者的に)嫌いな方法だったので破滅しましたが、「いるかもしれない」「(自分でも)やってしまうかもしれない」イメージの「現代感覚の女の子」を書いたつもりです(伝わったでしょうか?伝わってるといいんですが…)。
逆に、クリスティーナは、あまりチート臭くならずに頑張れる子にしたつもりです(伝わったてたらいいな…)

(※恋愛脳の作者なので、ここから先はクリスティーナのイメージを損なう恐れがあります。何でも来いの方のみ、読んでやって下さい。)

作者は「愛ゆえに強くなる女の子」が大好きでして、「色んな形の愛し方も愛され方もあるよね」という前提のもと、信仰レベルで滅私の気持ちで恋をする女の子が好きです。
クリスティーナも常に頑張れるわけではなく、普通に嫌だったり、落ち込んだり、辛かったり、ウィンクラーとして生きるのしんどい時もあるはず。それでも、「好きな人(フリード)のために」で何度でも「やれる」と立ち上がる。目的のためなら、「悪」にもなれる。
クリスティーナが「ぶれない」「強い」「矜持を貫けた」と思ってもらえたとしたら、それは、「フリードへの愛ゆえ」というある意味、恋愛脳極まれりの部分があります。
付け加えるなら、書きたかったのはあくまでクリスティーナの頑張りで、フリードには脇役wに徹してもらいました。クリスティーナに自分で決めた目標を捨てさせ、辺境に攫っていって護ることも出来たけれど、フリードはしませんでした。







※設定などを載せています。ネタバレ満載です。


【書こうと思ったきっかけ】

久しぶりに、いえ、もしかしたら初めて、悪役令嬢を王道で書いてみたいなと思い立ち、どうせなら丁寧に、設定も考えて、と始めてみました。
いや~、悪役令嬢って、本当にいいものですね~



【タイトルについて】

某ネズミさんを中心とする映画作品群の悪役から「ヴィラン」という言葉は知っていましたが、女性形の「ヴィラネス」もあるということを最近知りました。女性でもヴィランが使われることが多く、ヴィラネスはあまり浸透してない?っぽいということも。
悪役令嬢は令嬢だからこそおいしいと思っているので、どうせなら、女性形ごり押しでいってみようということで「ヴィラネス」に落ち着きました。
仮タイトルは『地道にざまぁ』でした。



【本編で活かせなかったり、伝わったか微妙だったりの設定】
※ネタバレどころか、本編で伝わったか微妙なため、本編の印象を損なう恐れがあります。ご注意下さい。

・そもそもの婚約破棄について
婚約破棄の前は殿下とソフィアは「お友達」⇒「想い合うだけw」なので、厳密には「不貞」には入らない扱い。浮気だけど、法的にも、貴族社会的にもセーフ。それでも、婚約解消して円満に婚約者交代することも出来た(相談大事!)のに、ソフィアが虐げられたことで殿下が暴走。断罪したら、婚約破棄正当化出来るし、ドラマチックで民衆受けいい、ってやっちゃった…

・アレクシスはあれでも出来る子だった。今も、執務には問題なし。ただ嫁選びが壊滅的に…。卒業式後の祝賀会では現実を目の当たりにして漸くヤバいと気づく。「ごめんなさい」するのが一番上手くいく(クリスティーナも許さざるをえない)状況だったが、王族ゆえに簡単に頭を下げられない。ソフィアが自分の婚約者ゆえに苦しんでいることも分かっている。頭で分かってても、取れない選択肢ばかり。『鼻っ柱折られて身動き取れないエンド』。

・ギレスは脳筋気味。クリスティーナに剣を向けたこともすっかり忘れてる。その時点で、振り向いてもらえる可能性はゼロ。自分を鍛え直すためフリードのところに武者修行に行くけど、クリスティーナが嫁いできた時点で追い返される。『先に出会っていたのに』エンド。

・イェルクは頭はいいけど、視野が狭いタイプ。自分の頭の良さには自信があるから、人から出し抜かれたり、嘲笑されたりするのは大嫌い。だけど、どう考えても、聖夜祭から暫くは社交界の笑いのたね。それでも、カトリナと仲睦まじい姿を見せるために、積極的に社交の場に出なくてはいけない。『屈辱ブルブルエンド』。ただ、ベッドの上で生まれたままの姿、局部丸出しベローンだったことは、クリスティーナもカトリナも黙っててくれた。優しさ。けど結局、仕事中に目撃者の騎士とかに揶揄われて、顔真っ赤。

・ユリウスはクーからデレへの移行期間で攻略をストップされたため、きついことしか言えず、ソフィアに避けられてるのにも薄々気づいて、でも、優しいことが言えない自分に悶々とし、クリスティーナに八つ当たりしたところ、見事なしっぺ返しをくらうという思春期男子。
聖夜祭でユリウスが胸に差していた薔薇は、王宮の中庭に植えられているものと同じ。ソフィアがよく見てた(?)から好きなんだろうと、胸に差してアピール。隙あらば手渡すつもりだったが、そもそも、ユリウスルートは好きじゃなかったソフィアは薔薇なんて背景の一部としか見てなかったから、気づきもせず。『あれ?いたの?どっか行っちゃたのかと思ってたエンド』

・パウルは魔力が多く魔術の造詣は深いけれど、魔術バカ集団の中で育てられたため、一般常識に欠ける。精神的に幼い。なので、その辺を学ぶためにも学園に入学。有名人だから魔術科でもビビられてたところ、ソフィアだけは最初から好意全開だったため、お友達に。嬉しかった。クリスティーナ様をやっちゃった時はマジビビり。自分の心の平穏のためにもクリスティーナに償いたかったのに拒否られ、逆に焦る。縋る。『置いてかないでエンド』

・ボルツ先生は、前期試験で不正までしたのにバレちゃって失敗。後期試験もソフィアのために問題簡単にしちゃったもんだから、そこでソフィアとクリスティーナに大差がつかなかったのも裏目に。大敗していたら、流石のソフィアも「首席だ」と勘違いすることもなかったのに。挙句、ソフィアには裏切り者と誤解されて、本当のこと(不正して失敗)を話したら嫌われちゃうかもと思ったら話せない面倒くさい大人なために誤解されたまま終わる。『悪役令嬢も流石に同情しちゃったエンド』

・国王陛下は、嫌な絡みしてくる面倒くさい上司のイメージ。クリスティーナを嫁にしたかったわけではない(本気なら、まずウィンクラー公爵に話を通す)。やりたかったのは、クリスティーナの頭にティアラを載せること。アレクシスで想像するより、クリスティーナに載せる方がワクワク。クリスティーナの隣は自分でも次男でも良かった。けど、フリードに断固拒否されて諦めます。が、辺境はやはり魔物の危険があり、大侵攻で前辺境伯夫妻が亡くなっているのもあって、あまり行かせたくはない。なので「大事にしろよ(殺すな)」と一言。
クリスティーナが転移網構築案持ち込んで来た時はテンション爆上がり。退路が確保されてクリスティーナの死の危険も下がり、今は、フリードの横に立つクリスティーナも悪くないなぁとニヤニヤ。

・ウィンクラー公爵は、お手本のような政略結婚。愛は無いけど、互いに夫婦の役割を果たす、みたいな。ママンが早くになくなったのと、自分が仕事人間のため、子ども達のこと放置気味。教育は施すけど、情緒面の成長がちょっと…だった。人の親には向かないタイプ。子ども達を自分の庇護下にあるものとして守るけど、血のつながりがある分、他より厳しいし、「子どもは親のもの」感覚もある。特にユリウスのことは自分のコピーくらいに思ってる。なので、クリスティーナの騒動止めさせる時にも、
パパン 「クリスティーナを何とかしろ(止めるか隠せ)」
ユリウス「何とかした(婚約破棄)」
パパン 「…」
明らかなコミュニケーション不足(報連相大事)。

・カトリナは、虐められて二進も三進もいかなかったので、聖夜祭でイェルクに危機を伝えて見直してもらう、自分を救ってもらいたかった。それも上手くいかず無下にされたことで闇落ち。そこに、元から慕っていたクリスティーナに目を向けてもらって覚醒。もう、クリスティーナさえ居ればいい。例え、イェルクとの婚約が破棄されて修道院行きになったとしても、クリスティーナを思って生きて行ける。でも、その前に、クリスティーナの役に立って消えたい、みたいな…

・トリシャはちょっと妄想力がたくましいタイプ。クリスティーナにも、当初、一目ぼれに近い勝手な憧れを抱いていた。ウェスリーが居なかったら、顔がいいだけの悪い男に優しくされて騙されてる。兄妹揃って、チョロ、…素直。

・ウェスリーは、勿論、トリシャ誕生に合わせて生まれた。ハーマンさんの臣下としての長年の勘から、そろそろかなー?って。十以上歳の離れた年子のお姉ちゃんが三人居る。

・サブタイトル「答辞」について。答辞は祝辞に対するお返事。でも、悪役令嬢業界では、卒業式といえば祝辞ではなく断罪じゃないですか(偏見)。なので、ソフィアのせいで幻と終わった「断罪」に対する一年越しでの「答辞殴り返し」の意味も持たせときました。



【後日談について】
これは完全に本編完結後に考えたもので、元のお話の段階ではあまり考えずにいた部分です。頂いた感想の疑問やリクエストにお応えするつもりで書きましたが、正直、書ききれなかったなと…。精進します!!
ということで、ここで盛大な補足を!!

・『積み重ねる悔恨の先に』
攻略対象者達に、「本編終わって急成長」はさせたくなかったのでwまだ、頑張らんとね、というところを書きました。まだまだ、思い悩み苦しめばいいという親心です!

・『正道を行く』
ユリウス的「正道」を行かせておりますが、彼もまだ成長途中ということで、自分の行く道を「正道」だと思い込める視野の狭さも含めてのこのタイトルです。
ユリウスはクリスティーナを認めたことで、クリスティーナの婚約破棄に手を貸した自分のことをウィンクラー失格と見るようになっています。ですので、アレクシスとソフィアを全力で支えるという責任をとりながら、駄目だった場合は自分ごと切る予定です。なので、自分が早くに消える可能性も考えて、自分の子は持ちません。そうなった時に、信頼していないテレーゼの血を引く、テレーゼに育てられた子を次期ウィンクラーには出来ないと考えています(この理由(アレクシスが沈む可能性を考えている)は流石にユリウスも口にしません。なので、ソフィアへの想い(こちらも理由の一つ)を口にしています)。
ユリウスの理想は、クリスティーナの子(タールベルクの人間ですが)を養子にすること。ウィンクラーを乗っ取らせてもいいと思ってます。それが彼の「最善」。ただ、無理な場合もあると分かっているので、ウィンクラーの血を引く親戚の子でもいいと考えています(こっちは本家を継げる!ってことで希望者殺到のはず)。
テレーゼも、婚約時に「子どもを作るつもりはない」ということを承知した上で嫁いできておりますが、それでは自分の立場が弱いので、今後色々努力はすると思います。
ユリウスを許せる方にも、そうでない方にも「ユリウスの正道、せっま!?」と突っ込んで頂ければ…

・『雪の下で』
イチャイチャ…
すみません、クリスティーナ達に、冬の寒い日、暖炉の前でイチャイチャさせるイメージから書き始めたので、タイトルが他に浮かばず。それまでのカトリナの不遇とも掛けてありますが…
イェルクは「イヤミ眼鏡」キャラに、「ツン」も担当していました。良い所のお坊ちゃまで、学業成績も良く、家族に可愛がられた末っ子で、調子乗ってたんでしょうね。「あいつ、鼻持ちならない、嫌な奴」という評価も、ゲームではソフィアとの出会いが変えてくれたんだと思います。本作では「一歩間違えればモラハラだよね?」のモラハラの方に行ってしまいました。
カトリナは本作中、一番ウェットで、クリスティーナと作者の罪悪感をチクチク刺激しておりました。クリスティーナが感情薄い氷の女王系悪役令嬢だったため、実行犯になったカトリナ。自己保身に走る、という「私でもやるな」という弱さと、家にも婚約者にも顧みられない、粗雑に扱われるという境遇。最後は、信仰(クリスティーナへの妄信)を得て強くなれたのが、彼女の救いになってたらいいなと思います。

・『階』
これは、もう、前話の『雪の下』のサブタイトルの意味まで考えて下さる方が居ると知り、タイトルから真剣に考えました。アレクシスとソフィアには行くも地獄戻るも地獄であって欲しいと願って書いた後日談で、ただ、上がる方がしんどいよ?下がる方がまだ楽よ?という誘惑を込めて段差つけときましたw上り始めたはいいけど、その頂きの遠さにしんどくなって動けなくなっているソフィア。「ソフィアを背負って階段上るって決めたんだ!」の殿下に、ソフィアが「お荷物だけなんてやだ!」と言う日が来るかな?来ないだろうな(作者の希望)と思っておりますが、今のところ、階段の途中です。
ちなみに、パウル君は、しんどい階段(魔術研究)を嬉々として先に上って行きました。下からはルドウィッグ(弟王子)が「兄上~!」と無邪気に迫ってきております(兄弟仲は悪くない設定です)。
クリスティーナとしてはソフィアの花の王家の力で辺境の魔物退けるくらいの恩恵あるといいなぁと思っているので、アレクシスに溺愛監禁エンド(その代わり、治世は文句言わせないくらいやれ)をさりげなく推奨しております。

・『芽ぐみ』
めちゃくちゃ悩みました。頂いた感想に対するアンサーとして始めた後日談の締めくくりなので、感想、何度も読んで、「クリスティーナが皆にいい刺激を与えた、導いた」というご意見から、「クリスティーナは所謂、種まく人だと思ってもらえたんだなぁ」というのが一点。それと、皆様がソフィアに向けて下さった言葉を「ソフィア!これ一回読んで!目が覚めるから!」と何度も思ったことから、読んで下さった皆さんが撒いた種を芽にしたいなという思いからお話を考えました。
本当に、読んで下さった皆様の一人でもソフィアの側に居て下さったら、ソフィアも違う人生だったんでしょうね。…側に居ないといけない方はしんどいでしょうがw
そして!折角撒いて頂いた種ですが、ソフィアの中で芽を出させるのが(個人的感情から)嫌だったものでw同じく愛されヒロインキャラとして被る部分の多いトリシャの中で芽を出すことにしました!トリシャもまだまだこれから、「結実」まではいかないでしょうから、甘さも、弱さも残したままで、「芽が出たかな?」と感じて頂けていたら嬉しいです♪



【ボヤキのようなもの】

・最初の主要八人?キャラの名前決めるだけで一時間くらいかかりました。今までの作品の、せめて主要キャラとは被らないようにしたい。けど、「自動生成」にお世話になることも多いため、被っていないか確認して、ゴロを気にして、似たような名前になっていないか確認してー…、一時間くらい。ぴえん。

・クリスティーナが学園で襲われた時、助けに来たのがフリードではなくボルツ先生だったというあるまじき事態。書きながら、「お前かい」とセルフで突っ込んだのはいい思い出です。ただ、あの時点で義務とはいえ、クリスティーナを助けてくれるのは彼しかいないかなと。フリードと出会った後のクリスティーナは自分が強くなっちゃうし。



【あとがき】

正直、書いてて、一番、幸せでした。
こんなに感想頂けるなんて( ノД`)
人生で一番、ひと様の感情を揺り動かせたよー!と半泣きですよ。
最後の方、感想読みながら半泣きしてました。
もう、これで筆を折ろう(PC水没させよう)かと思うくらいの感無量。
労いの言葉もお礼の言葉もたくさん頂いてしまいましたが、こちらこそ、「ありがとうございますー!!嬉しい―!!ここ二か月を延々タイムリープできないかなー!?」
でございます!!

今作以上に皆様に楽しんでもらえる作品なんて「もう無理だよ!」と私の内なるソフィアがウジウジしておりますが、みっともなくてもあがきますので!読んで下さる皆様に、また少しでも「楽しい!」と思って頂けるよう精進してまいります!最後までお付き合い頂きありがとうございました!






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みんなの感想(80件)

ナナ
2023.05.01 ナナ

ようやく書籍が届きました。
毎日、更新の時間にワクワクしながら読んでいたことがありありと思い出せました。
書籍の形で手元に残せて本当に嬉しいです。
次巻も楽しみです。

解除
yuily
2023.04.30 yuily

初めまして。
本屋さんにて「悪役令嬢の矜持」を見つけ一息に読ませていただきました。
まだ続きそうなENDだったので、こちらで後日談を見つけてこれまた一息に読ませていただきました。
とても面白かったです!
格好いい悪役令嬢の真っ直ぐなざまあが心地よく、辺境伯の溺愛も微笑ましくて。
原作ヒロインが最後まで改心しないというか、成長せずいるのも逆に良かったなあと。
王太子苦労してくださいという気持ち。

大好きなお話です。素敵なお話をありがとうございました。

リコピン
2023.05.01 リコピン

yuily様、感想ありがとうございます!

本から遊びに来てくださったとのこと、大感謝でございます!
いらっしゃいませ~♪どうぞ、楽しんでいかれてください(*´艸`)‪

クリスティーナとフリードを褒めて頂けて嬉しいです。
ソフィア達はジワジワといつまでも苦しむパターンのざまぁを書いたつもりなのですが、お楽しみ頂けたようで良かったですw(ノ∀`)

こちらこそ、感想まで頂いて本当にありがとうございました!

解除
チーたぬき
2023.04.26 チーたぬき

書籍化おめでとうございます!
完結してからも、時々読み返していた、超お気に入り作品でして、
書籍として手元に置けるのは嬉しい限りです。
再び、クリスがもがきながら這い上がり、最愛の人と出会い、心通わせる物語を堪能してきます。
明日買いに行こう、と意気込みましたが、発売は5日ですか。
予約してきます!
後半も書籍化待ってます🎵

リコピン
2023.04.27 リコピン

チーたぬき様、応援ありがとうございます!

「お気に入り」の前に「超」がついてる……
ありがとうございますー!!。 ・゚・(ノ∀`)・゚・。

ちょこーっとだけ改稿と加筆もしておりますので、web版との違いもお楽しみ頂けたらな~と思います♪

解除
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