5 / 7
5・ひめかくす
しおりを挟む
室内から物音が途絶えると、ホルスはようやく扉を開いた。
転がり出てきた者は見るも無残な姿だった。髪は乱れ、顔中が傷だらけになり、服は至る場所が破れて肌が露出している。
そんな悲惨な姿を晒したディクトルを見つめ―――――ホルスは冷然と笑った。
「いかがされましたか」
「見れば分かるだろう、助けてくれ!」
ごめんなさい、助けてくれ、許してくれ。
必死で何度も訴えたのに、この女はちっとも言う事を聞いてくれなかった。
それなりに腕に自信があったディクトルだったが、彼女を侮っていたせいもあって、容赦なく繰り出された拳に反応が遅れ、剣を抜く暇もなく殴り飛ばされたのだ。
いかに乱暴な振る舞いをされたか熱弁を振るったディクトルに、ホルスは眉一つ動かさずに淡々と告げた。
「自分のした事を、よく思い出して下さい」
「大人しくさせる為に、引っ叩いてやろうとしただけだぞ⁉」
そうしたら、十倍どころか百倍返しだ。
街で男に囲まれ委縮して、震えていた小娘はどこにいった。
必死で訴えたディクトルは、急に背筋が寒くなった。思わずサキを見て見れば、いきり立っている彼女の鋭い目が返ってきた。
あちらは殺気立っているが、身体中の穴から汗が吹き出すような恐怖にまでは至らない。何だかもっと身の毛もよだつような、恐ろしい生き物が隠れているような気がした。
思わず周囲を探して睨みつけてみたが、ホルスと一緒にやって来た兵達は全員顔面蒼白になっていた。唯一、ホルスだけが相変わらず無表情だが、相変わらずどこをどう見ても優男である。
あの乱暴女だけ何とかすれば良いようだ。
気を取り直したディクトルが改めてサキを見返すと、彼女は軽く眉を吊り上げて、心底呆れた顔をした。
「お前、まだ分かっていないの? ホルスがご丁寧に思い出せと言ったでしょう」
優雅さとはかけ離れた、くだけた口調になった呆気に取られるディクトルに、彼女は容赦なく畳みかける。
「一週間前、お前達は店へ強盗に入って沢山の宝石を盗み出した挙句、居合わせた客まで脅して、強引に金目の物を残らず奪い取ったわよね。全員覆面をしていたけど、客の子が抵抗した時に一人剥ぎ取られたそうね? お前達の宿から一歩も出られずにいる男の事よ。食料を買いこんでいたのもその為でしょ」
見る見るうちに顔色を変えるディクトルに、サキは淡々と告げる。
「逃げ足が速い窃盗団だと言うし、国境を越えて他族の地に入られてしまうと厄介だから、ホルスがすぐに門を封鎖させたの。客の子がはっきりと顔を見ていたからお前達の所在も突き止められたけど、店の被害も甚大だったし、盗んだ物を確実に早く取り返したかったのよ。だから、一芝居打ったの」
「まさか……裏路地で泣いて怯えていたのは……」
「私を取り囲んでいた男たちは、ホルスの部下よ」
「てめえ、卑怯だぞ!」
ディクトルは怒号をあげる。名の知れた窃盗団の長というだけあって、その声は凄まじい威圧感だったが、ホルスが冷静に告げた。
「我々が卑怯なら、そちらは下種ですね。貴方、助けたフリをして姫様の宝石を奪おうとしていましたよね? 顔を隠したのを見て察しがつきましたので、声をかけさせていただきました」
「そもそも若い女が初対面の見知らぬ男を、易々と招く訳ないでしょ。どれだけ世間知らずだと思ったのよ。しかも、ここに来てからも私が身に着けた宝石をジロジロ見て!」
「まさか……あの目利きもわざとか⁉」
「そうよ。こちらが高価な宝石を身に着けて、しかも見る目が無い女となれば貴方達は油断するでしょ。いい獲物になるとでも思ったかしら?」
サキは宴の間、ものすごく我慢していた。
ディクトルのバカげた甘言に、苛立ちやら怒りやら、それはもう様々な感情が入り混じり、頭にきすぎて顔が赤くなったものだ。
この野郎、と何度思ったか。
危うく手を出しそうになって、両手を組んで抑えた事は数知れずだ。
でも、もう我慢しなくて良い。サキは思う存分、腹の中にためこんでいた事を言ってやった。
「なにが勇者よ! 姫を助けるのが責務よ! だいたい、勇者の助けを大人しく待つだけの姫なんてどこにいるのよ、暇じゃない! 泣いて震えている時間があったら、自力で逃げる手段くらい考えるわ!」
幼い頃、サキは両親から買い与えられた絵本を見て愕然とした。
なんで囚われのお姫様は皆、大人しく王子様の助けを待つのだ。怯えて泣いてばかりなのだ。
それどころか王子様に縋りついたり、余計な事をして足を引っ張ったりするのだ。
邪魔だろう。
そんな事をするよりも、悪者を一発引っ叩いてやっても罰は当たらない。
そう心から思い、サキは自らを鍛え始めたものである。サキの両親がおしとやかになって欲しいと願うあまり、更に可哀想なお姫様の本ばかり買い与えたが、完全に逆効果だった。
「だいたいお前の生業は冒険者じゃなくて泥棒でしょ、ずうずうしい! お前なんか食いちぎってやるわ!」
絶句するディクトルに、すかさずホルスがたしなめた。
「姫様、お慎みください。何という物言いですか。皆様の前では上品に」
「ぶっとばしてやる……?」
「それで丁寧にしたつもりですか。やりなおし」
「……懲らしめてあげるわ?」
「結構です。さあ、どうぞ」
にっこりと笑ったホルスに、「ええ!」とサキは嬉しそうだったが、ディクトルはどうぞじゃねえと絶叫した。このまま、いいようにやられてたまるかと、ディクトルは腰の剣に手をかけたが。
「……抜けねえ⁉」
「ああ、宴の際に接着剤を流し込んでおきました」
ディクトルは戦慄く。そういえば、この男は自分とサキが話をしている時、黙って傍で控えていた。彼女に手を出さないよう監視もしていたのだろうが、話に己の注意が逸れている隙を見て剣に細工をしたに違いなかった。
「この……っない⁉」
更に上着の懐に手を入れて、護身用の短剣を探ったが、その手は空を切った。
「先程、貴方が私を突き飛ばした時に、そちらは頂いておきました」
これもまたホルスが澄ました顔で答える。泥棒を上回る、手癖の悪さである。それなりに自負のあったディクトルが愕然とした顔で見返すと、ホルスは平然と告げた。
「姫様に近付く輩に、武器など持たせるはずがないでしょう」
「な、な……」
蒼褪めるディクトルに、拳を鳴らしたサキが歩み寄って来る。まだ足りないらしい。
「た、助けてくれ!」
思わず泣きつくと、ホルスの冷然とした瞳が降ってきた。
「おかしなことを聞きました。私に黙って見ていろと、引っ込んでいろと言ったのは、貴方ですよ」
そう告げて、彼は平然と数歩下がって、泥棒を見捨てた。
それからはもう、サキの独壇場である。
「ああああ、姫様……そんなに手を振り上げて、はしたない!」
「あの、どうか……どうか、その辺で……っ」
兵士達は、ある者は顔を覆い、ある者は天を仰いで、やがて全員が室内で起こった惨事に見て見ぬふりをした。
どうしてこう育ったのかと、族長が密かに嘆くわけだと誰もが思う。
サキは物凄くお転婆で、我も強い。子供の頃から武芸にも興味津々で、極めて勇ましかった。
獣人族の族長家の姫ともなれば、優雅でおしとやかな姫君達ばかりだというのに、彼女は極めて異質だ。
この姫はなんとしても隠さなければならない。
酉の一族の、最大限の秘め事である。
転がり出てきた者は見るも無残な姿だった。髪は乱れ、顔中が傷だらけになり、服は至る場所が破れて肌が露出している。
そんな悲惨な姿を晒したディクトルを見つめ―――――ホルスは冷然と笑った。
「いかがされましたか」
「見れば分かるだろう、助けてくれ!」
ごめんなさい、助けてくれ、許してくれ。
必死で何度も訴えたのに、この女はちっとも言う事を聞いてくれなかった。
それなりに腕に自信があったディクトルだったが、彼女を侮っていたせいもあって、容赦なく繰り出された拳に反応が遅れ、剣を抜く暇もなく殴り飛ばされたのだ。
いかに乱暴な振る舞いをされたか熱弁を振るったディクトルに、ホルスは眉一つ動かさずに淡々と告げた。
「自分のした事を、よく思い出して下さい」
「大人しくさせる為に、引っ叩いてやろうとしただけだぞ⁉」
そうしたら、十倍どころか百倍返しだ。
街で男に囲まれ委縮して、震えていた小娘はどこにいった。
必死で訴えたディクトルは、急に背筋が寒くなった。思わずサキを見て見れば、いきり立っている彼女の鋭い目が返ってきた。
あちらは殺気立っているが、身体中の穴から汗が吹き出すような恐怖にまでは至らない。何だかもっと身の毛もよだつような、恐ろしい生き物が隠れているような気がした。
思わず周囲を探して睨みつけてみたが、ホルスと一緒にやって来た兵達は全員顔面蒼白になっていた。唯一、ホルスだけが相変わらず無表情だが、相変わらずどこをどう見ても優男である。
あの乱暴女だけ何とかすれば良いようだ。
気を取り直したディクトルが改めてサキを見返すと、彼女は軽く眉を吊り上げて、心底呆れた顔をした。
「お前、まだ分かっていないの? ホルスがご丁寧に思い出せと言ったでしょう」
優雅さとはかけ離れた、くだけた口調になった呆気に取られるディクトルに、彼女は容赦なく畳みかける。
「一週間前、お前達は店へ強盗に入って沢山の宝石を盗み出した挙句、居合わせた客まで脅して、強引に金目の物を残らず奪い取ったわよね。全員覆面をしていたけど、客の子が抵抗した時に一人剥ぎ取られたそうね? お前達の宿から一歩も出られずにいる男の事よ。食料を買いこんでいたのもその為でしょ」
見る見るうちに顔色を変えるディクトルに、サキは淡々と告げる。
「逃げ足が速い窃盗団だと言うし、国境を越えて他族の地に入られてしまうと厄介だから、ホルスがすぐに門を封鎖させたの。客の子がはっきりと顔を見ていたからお前達の所在も突き止められたけど、店の被害も甚大だったし、盗んだ物を確実に早く取り返したかったのよ。だから、一芝居打ったの」
「まさか……裏路地で泣いて怯えていたのは……」
「私を取り囲んでいた男たちは、ホルスの部下よ」
「てめえ、卑怯だぞ!」
ディクトルは怒号をあげる。名の知れた窃盗団の長というだけあって、その声は凄まじい威圧感だったが、ホルスが冷静に告げた。
「我々が卑怯なら、そちらは下種ですね。貴方、助けたフリをして姫様の宝石を奪おうとしていましたよね? 顔を隠したのを見て察しがつきましたので、声をかけさせていただきました」
「そもそも若い女が初対面の見知らぬ男を、易々と招く訳ないでしょ。どれだけ世間知らずだと思ったのよ。しかも、ここに来てからも私が身に着けた宝石をジロジロ見て!」
「まさか……あの目利きもわざとか⁉」
「そうよ。こちらが高価な宝石を身に着けて、しかも見る目が無い女となれば貴方達は油断するでしょ。いい獲物になるとでも思ったかしら?」
サキは宴の間、ものすごく我慢していた。
ディクトルのバカげた甘言に、苛立ちやら怒りやら、それはもう様々な感情が入り混じり、頭にきすぎて顔が赤くなったものだ。
この野郎、と何度思ったか。
危うく手を出しそうになって、両手を組んで抑えた事は数知れずだ。
でも、もう我慢しなくて良い。サキは思う存分、腹の中にためこんでいた事を言ってやった。
「なにが勇者よ! 姫を助けるのが責務よ! だいたい、勇者の助けを大人しく待つだけの姫なんてどこにいるのよ、暇じゃない! 泣いて震えている時間があったら、自力で逃げる手段くらい考えるわ!」
幼い頃、サキは両親から買い与えられた絵本を見て愕然とした。
なんで囚われのお姫様は皆、大人しく王子様の助けを待つのだ。怯えて泣いてばかりなのだ。
それどころか王子様に縋りついたり、余計な事をして足を引っ張ったりするのだ。
邪魔だろう。
そんな事をするよりも、悪者を一発引っ叩いてやっても罰は当たらない。
そう心から思い、サキは自らを鍛え始めたものである。サキの両親がおしとやかになって欲しいと願うあまり、更に可哀想なお姫様の本ばかり買い与えたが、完全に逆効果だった。
「だいたいお前の生業は冒険者じゃなくて泥棒でしょ、ずうずうしい! お前なんか食いちぎってやるわ!」
絶句するディクトルに、すかさずホルスがたしなめた。
「姫様、お慎みください。何という物言いですか。皆様の前では上品に」
「ぶっとばしてやる……?」
「それで丁寧にしたつもりですか。やりなおし」
「……懲らしめてあげるわ?」
「結構です。さあ、どうぞ」
にっこりと笑ったホルスに、「ええ!」とサキは嬉しそうだったが、ディクトルはどうぞじゃねえと絶叫した。このまま、いいようにやられてたまるかと、ディクトルは腰の剣に手をかけたが。
「……抜けねえ⁉」
「ああ、宴の際に接着剤を流し込んでおきました」
ディクトルは戦慄く。そういえば、この男は自分とサキが話をしている時、黙って傍で控えていた。彼女に手を出さないよう監視もしていたのだろうが、話に己の注意が逸れている隙を見て剣に細工をしたに違いなかった。
「この……っない⁉」
更に上着の懐に手を入れて、護身用の短剣を探ったが、その手は空を切った。
「先程、貴方が私を突き飛ばした時に、そちらは頂いておきました」
これもまたホルスが澄ました顔で答える。泥棒を上回る、手癖の悪さである。それなりに自負のあったディクトルが愕然とした顔で見返すと、ホルスは平然と告げた。
「姫様に近付く輩に、武器など持たせるはずがないでしょう」
「な、な……」
蒼褪めるディクトルに、拳を鳴らしたサキが歩み寄って来る。まだ足りないらしい。
「た、助けてくれ!」
思わず泣きつくと、ホルスの冷然とした瞳が降ってきた。
「おかしなことを聞きました。私に黙って見ていろと、引っ込んでいろと言ったのは、貴方ですよ」
そう告げて、彼は平然と数歩下がって、泥棒を見捨てた。
それからはもう、サキの独壇場である。
「ああああ、姫様……そんなに手を振り上げて、はしたない!」
「あの、どうか……どうか、その辺で……っ」
兵士達は、ある者は顔を覆い、ある者は天を仰いで、やがて全員が室内で起こった惨事に見て見ぬふりをした。
どうしてこう育ったのかと、族長が密かに嘆くわけだと誰もが思う。
サキは物凄くお転婆で、我も強い。子供の頃から武芸にも興味津々で、極めて勇ましかった。
獣人族の族長家の姫ともなれば、優雅でおしとやかな姫君達ばかりだというのに、彼女は極めて異質だ。
この姫はなんとしても隠さなければならない。
酉の一族の、最大限の秘め事である。
33
お気に入りに追加
30
あなたにおすすめの小説
傲慢令嬢は、猫かぶりをやめてみた。お好きなように呼んでくださいませ。愛しいひとが私のことをわかってくださるなら、それで十分ですもの。
石河 翠
恋愛
高飛車で傲慢な令嬢として有名だった侯爵令嬢のダイアナは、婚約者から婚約を破棄される直前、階段から落ちて頭を打ち、記憶喪失になった上、体が不自由になってしまう。
そのまま修道院に身を寄せることになったダイアナだが、彼女はその暮らしを嬉々として受け入れる。妾の子であり、貴族暮らしに馴染めなかったダイアナには、修道院での暮らしこそ理想だったのだ。
新しい婚約者とうまくいかない元婚約者がダイアナに接触してくるが、彼女は突き放す。身勝手な言い分の元婚約者に対し、彼女は怒りを露にし……。
初恋のひとのために貴族教育を頑張っていたヒロインと、健気なヒロインを見守ってきたヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、別サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

皇太女の暇つぶし
Ruhuna
恋愛
ウスタリ王国の学園に留学しているルミリア・ターセンは1年間の留学が終わる卒園パーティーの場で見に覚えのない罪でウスタリ王国第2王子のマルク・ウスタリに婚約破棄を言いつけられた。
「貴方とは婚約した覚えはありませんが?」
*よくある婚約破棄ものです
*初投稿なので寛容な気持ちで見ていただけると嬉しいです
【完結】「王太子だった俺がドキドキする理由」
まほりろ
恋愛
眉目秀麗で文武両道の王太子は美しい平民の少女と恋に落ち、身分の差を乗り越えて結婚し幸せに暮らしました…………では終わらない物語。
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿してます。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。

美人の偽聖女に真実の愛を見た王太子は、超デブス聖女と婚約破棄、今さら戻ってこいと言えずに国は滅ぶ
青の雀
恋愛
メープル国には二人の聖女候補がいるが、一人は超デブスな醜女、もう一人は見た目だけの超絶美人
世界旅行を続けていく中で、痩せて見違えるほどの美女に変身します。
デブスは本当の聖女で、美人は偽聖女
小国は栄え、大国は滅びる。

麗しのラシェール
真弓りの
恋愛
「僕の麗しのラシェール、君は今日も綺麗だ」
わたくしの旦那様は今日も愛の言葉を投げかける。でも、その言葉は美しい姉に捧げられるものだと知っているの。
ねえ、わたくし、貴方の子供を授かったの。……喜んで、くれる?
これは、誤解が元ですれ違った夫婦のお話です。
…………………………………………………………………………………………
短いお話ですが、珍しく冒頭鬱展開ですので、読む方はお気をつけて。
おかえりなさい。どうぞ、お幸せに。さようなら。
石河 翠
恋愛
主人公は神託により災厄と呼ばれ、蔑まれてきた。家族もなく、神殿で罪人のように暮らしている。
ある時彼女のもとに、見目麗しい騎士がやってくる。警戒する彼女だったが、彼は傷つき怯えた彼女に救いの手を差し伸べた。
騎士のもとで、子ども時代をやり直すように穏やかに過ごす彼女。やがて彼女は騎士に恋心を抱くようになる。騎士に想いが伝わらなくても、彼女はこの生活に満足していた。
ところが神殿から疎まれた騎士は、戦場の最前線に送られることになる。無事を祈る彼女だったが、騎士の訃報が届いたことにより彼女は絶望する。
力を手に入れた彼女は世界を滅ぼすことを望むが……。
騎士の幸せを願ったヒロインと、ヒロインを心から愛していたヒーローの恋物語。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
表紙絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真のID:25824590)をお借りしています。
婚約破棄の慰謝料を払ってもらいましょうか。その身体で!
石河 翠
恋愛
ある日突然、前世の記憶を思い出した公爵令嬢ミリア。自分はラストでざまぁされる悪役令嬢ではないかと推測する彼女。なぜなら彼女には、黒豚令嬢というとんでもないあだ名がつけられていたからだ。
実際、婚約者の王太子は周囲の令嬢たちと仲睦まじい。
どうせ断罪されるなら、美しく散りたい。そのためにはダイエットと断捨離が必要だ! 息巻いた彼女は仲良しの侍女と結託して自分磨きにいそしむが婚約者の塩対応は変わらない。
王太子の誕生日を祝う夜会で、彼女は婚約破棄を求めるが……。
思い切りが良すぎて明後日の方向に突っ走るヒロインと、そんな彼女の暴走に振り回される苦労性のヒーローの恋物語。ハッピーエンドです。
この作品は他サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真のID:29284163)をお借りしています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる