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王と王女
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恥だと告げながらも、コレットは見るからに落ち着きがない。照れ隠しだと明らかに分かって、ライナスの目尻は下がる一方だ。
「大勢の前での接見の前に、貴女と二人だけで過ごせる時間が持てて良かった」
「え……?」
「この縁談に対する熱意は私の方が上だからな。接見の時に出会った時のように真顔で沈着冷静に返されたら、私はその場できっと泣いたぞ」
「あら、貴方は大勢の前で泣いたりするのね」
およそ想像がつかず、コレットはつい吹き出してしまったが、ライナスは大きく頷いた。
「もちろんだ。大泣きするぞ。ここでは流石に迷惑になるだろうからやらないが、国に帰ったら見せてやる」
「結構よ。嫁いで早々に夫を泣かせる妻なんて、私はどんな悪女よ」
「大丈夫だ。振られる前に何とかしろと、みんなで私の尻を叩いてくるだろう。待て待て、私はどれだけ情けない男になるんだ?」
わざとらしく眉間に皺を寄せると、コレットは喉を鳴らした。まだ目は泣き腫れていたが、その表情は柔らかい。本の中で垣間見えた姿が戻って来て、ライナスは密かに胸を撫で下ろした。
コレットの一族が統べる宗主国に対しての属国の心象は、必ずしも良いものではない。何をするにしても格下と見られるのが常だからだ。
彼女の夫を属国の王達の中から選ぶと告げにきた使者も、傲慢なものだった。
宗主国の王家の姫を娶れるのだ、感謝しろ。
そう告げる態度がありありと分かるもので、妹姫の件が無ければ、婚姻に反対する者も多かっただろう。使者がそんな態度をしたせいで、少なからず嫁いでくる姫がどんな女なのか、不安を訴えてきた者もいた。
実際、理由をつけて断っていた王もいた。
属国の王達の中で最も乗り気だったのはライナスで、選ばれた時にはすぐに会いに行って迎え入れたいと返事をしたが、コレットと周囲の者との温度差が生じる事への懸念は少なからずあった。
ただ、コレットは毅然とした宗主国の王女という一面以外にも、沢山の感情を見せてくれた。
王家に利用されながら生きるしかなかった哀しみを抱えながらも、『王族の義務』を全うしようとする責任感も持ち、そして僅かに許された自由の時には、何とも優しく可愛らしい姿を見せた。
辛い事も口にしない姿は意地っ張りで、頑ななようにも思える。
一番は――――我慢強い所だろうか。
「コレット、傷をみせろ」
そう告げられた彼女は、軽く目を見張り、
「……無いわよと言っても、信じない顔よね」
と苦笑いをしながら、少し屈んで、ドレスの裾を膝程まで捲り上げた。
ライナスは彼女の靴を取ると、床についていた片膝の上に足を乗せて、そっと膝裏を手で触れる。
本の中で感じた感触と、まったく同じ大きな傷跡だ。
「……本当に、よく耐えてきた」
繰り返された労わりの言葉に、コレットは微笑んで、小さく頷いた。
「先日、父様の風邪を治したからよ。軽症ならまだ力が及ぶから」
「それにしては、貴女が受ける代償が大きすぎる」
「枯渇してきているからでしょうね。無理矢理使った反動かもしれないわ」
「……それを分かっていて、使わせたのか?」
静かな怒りを滲ませる彼に、コレットは彼が『少なくとも、貴女に対しては絶対に敵意は無い』と告げた意図を悟った。
彼もまた宗主国に信奉しているわけではない。
ただ、それも当然だとも思った。自分の父は目的のためには手段を選ばず、犠牲を伴うのも致し方なしと切り捨てる男だ。ディア王女の父であった国王を見て、嫌な所が似ていると思ったものだが、父は遥かに冷徹だ。
反感を抱くライナスの心中を察しながらも、コレットは釘を刺す。
「敵う相手では無いわ」
宗主国の力は圧倒的であり、属国は睨まれれば潰されかねない。自国の威を知る者であるからこそ、ライナスの身を案じ、告げざるをえなかった。
静かに諭すコレットを、ライナスはじっと見つめ、自分を落ち着かせるように大きく息を吐くと、頷いた。そして垣間見せた獰猛さが嘘のような、今にも泣きだしそうな声で呟いた。
「……もっと早く会いに行くべきだった」
「貴方が大泣きするっていう話、本当のようね」
優しく傷跡に触れる彼の手の温もりに、コレットは微笑みながら、
「でも、どうして力に《代償》がある事を知っていたの?」
と問いかけた。
「ロベリア王女に会った時に、教えられたんだ。姉君達の力について言及はしていなかったが、コレットは傷を癒す治癒の力を酷使したせいで枯渇寸前で、傷を負う代償があるから、今も醜い傷跡がある、とな」
「……それでも娶るのか、と聞かれた?」
「ああ、無論だと即答した。よく分かったな」
「ロベリア姉様の言いそうな事だわ。誰に対しても手厳しいの」
ライナスにも容赦が無かったであろうことは想像に容易く、実際に散々な言われ様だったらしい。ライナスは苦々し気な顔である。
コレットが苦笑していると、窓の方から小さな音が聞こえた。ライナスに頼んで靴を履かせてもらうと、不思議そうな彼を伴って、窓辺へと歩み寄る。コレットが窓を開けてやると、二羽の鳩が窓枠に止まった。一羽の脚にくくりつけてあった筒を外し、慣れた手つきで中から小さな紙片を取り出す。
「伝書鳩か?」
「ええ、姉さまの所に飛んでいってくれるの。『お帰りなさい』って言ってくれたわ」
「直接会えば良いだろう」
「これは、もう一人の姉さまからよ。別の塔で暮しているけれど、滅多に会わせて貰えないの。ロベリア姉様とも、一カ月の間でも顔を合わせるのは数える程よ。私たちは大事な駒だから、三人揃って結託されたら困るんでしょうね」
「……あぁ、くそ。ちくしょうめ」
天を睨み、ライナスは口の汚い事をブツブツと呟く。
「王ともあろう者が、下品よ」
とコレットは窘めつつ、近くの机へと向かい、手早く『ただいま。会えたわ』とだけ返事を書いた。
そして鳩にくくりつけて、再び空へと返した。
仲良く飛び去って行く二羽の番をライナスは見つめ、傍らで微笑むコレットに視線を向けた。
「……本の中で、私はよく空を見た」
「空?」
「ああ。私が騎士団長の役割から外れた言動をすると周りの時が止まったが、それに気付いたのが、ふと空を見た時だったからだ。王城の門でも、『コレット王女』と呼んでいた時も、周りの動きが止まっていたな。でも、貴女だけは動いていたから、すぐに見つけられた」
全て止まってしまう人々とは異なり、動くことは許されていたのだろうとライナスは思う。ただ、その声はかき消され続けた。
「あの時も、二羽の鳥が飛んでいたな」
「……私も見たわ。一羽が一生懸命歌っていたわね、微笑ましかったわ」
コレットは柔らかく微笑んだが、ライナスは違った。彼女に視線を落として、頬に触れた。
「私は求愛の歌が届いて、羨ましかった」
「…………」
「王としての立場から回りくどく話を始めていたら、貴女に届くのはずっと先だったかもしれない。その間に、貴女はもっと目に見えない傷を負っていたかもしれない。考えるだけで、恐ろしい話だ」
「そうね……。私も、貴方以外の人は考えられないわ」
本の中でも、現実世界でも、コレットはライナスの色々な側面を見ることができた。王女として自分の事をとりつくろうとしていたら、きっと知りえなかった事も沢山あるだろう。
でも、今は彼がどういう男なのか、理解しつつある。それが途方もない安心感を覚えた。
だから、今一度勇気を振り絞ってつま先立ちになると、そっと彼の唇に重ねた。軽く触れるだけのものだったが、すぐにライナスが抱き締めてきた。
離れても、足りないとばかりに頬や額にまでキスをされて、コレットは表情を緩めた。
「ちょっと……やめて、ライナス。窓の傍よ」
「……コレット」
「なに?」
「一緒に帰ろう」
強く抱き締めてきた腕に、コレットは微笑んで、一筋の涙を落としながら頷いた。
「大勢の前での接見の前に、貴女と二人だけで過ごせる時間が持てて良かった」
「え……?」
「この縁談に対する熱意は私の方が上だからな。接見の時に出会った時のように真顔で沈着冷静に返されたら、私はその場できっと泣いたぞ」
「あら、貴方は大勢の前で泣いたりするのね」
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彼女の夫を属国の王達の中から選ぶと告げにきた使者も、傲慢なものだった。
宗主国の王家の姫を娶れるのだ、感謝しろ。
そう告げる態度がありありと分かるもので、妹姫の件が無ければ、婚姻に反対する者も多かっただろう。使者がそんな態度をしたせいで、少なからず嫁いでくる姫がどんな女なのか、不安を訴えてきた者もいた。
実際、理由をつけて断っていた王もいた。
属国の王達の中で最も乗り気だったのはライナスで、選ばれた時にはすぐに会いに行って迎え入れたいと返事をしたが、コレットと周囲の者との温度差が生じる事への懸念は少なからずあった。
ただ、コレットは毅然とした宗主国の王女という一面以外にも、沢山の感情を見せてくれた。
王家に利用されながら生きるしかなかった哀しみを抱えながらも、『王族の義務』を全うしようとする責任感も持ち、そして僅かに許された自由の時には、何とも優しく可愛らしい姿を見せた。
辛い事も口にしない姿は意地っ張りで、頑ななようにも思える。
一番は――――我慢強い所だろうか。
「コレット、傷をみせろ」
そう告げられた彼女は、軽く目を見張り、
「……無いわよと言っても、信じない顔よね」
と苦笑いをしながら、少し屈んで、ドレスの裾を膝程まで捲り上げた。
ライナスは彼女の靴を取ると、床についていた片膝の上に足を乗せて、そっと膝裏を手で触れる。
本の中で感じた感触と、まったく同じ大きな傷跡だ。
「……本当に、よく耐えてきた」
繰り返された労わりの言葉に、コレットは微笑んで、小さく頷いた。
「先日、父様の風邪を治したからよ。軽症ならまだ力が及ぶから」
「それにしては、貴女が受ける代償が大きすぎる」
「枯渇してきているからでしょうね。無理矢理使った反動かもしれないわ」
「……それを分かっていて、使わせたのか?」
静かな怒りを滲ませる彼に、コレットは彼が『少なくとも、貴女に対しては絶対に敵意は無い』と告げた意図を悟った。
彼もまた宗主国に信奉しているわけではない。
ただ、それも当然だとも思った。自分の父は目的のためには手段を選ばず、犠牲を伴うのも致し方なしと切り捨てる男だ。ディア王女の父であった国王を見て、嫌な所が似ていると思ったものだが、父は遥かに冷徹だ。
反感を抱くライナスの心中を察しながらも、コレットは釘を刺す。
「敵う相手では無いわ」
宗主国の力は圧倒的であり、属国は睨まれれば潰されかねない。自国の威を知る者であるからこそ、ライナスの身を案じ、告げざるをえなかった。
静かに諭すコレットを、ライナスはじっと見つめ、自分を落ち着かせるように大きく息を吐くと、頷いた。そして垣間見せた獰猛さが嘘のような、今にも泣きだしそうな声で呟いた。
「……もっと早く会いに行くべきだった」
「貴方が大泣きするっていう話、本当のようね」
優しく傷跡に触れる彼の手の温もりに、コレットは微笑みながら、
「でも、どうして力に《代償》がある事を知っていたの?」
と問いかけた。
「ロベリア王女に会った時に、教えられたんだ。姉君達の力について言及はしていなかったが、コレットは傷を癒す治癒の力を酷使したせいで枯渇寸前で、傷を負う代償があるから、今も醜い傷跡がある、とな」
「……それでも娶るのか、と聞かれた?」
「ああ、無論だと即答した。よく分かったな」
「ロベリア姉様の言いそうな事だわ。誰に対しても手厳しいの」
ライナスにも容赦が無かったであろうことは想像に容易く、実際に散々な言われ様だったらしい。ライナスは苦々し気な顔である。
コレットが苦笑していると、窓の方から小さな音が聞こえた。ライナスに頼んで靴を履かせてもらうと、不思議そうな彼を伴って、窓辺へと歩み寄る。コレットが窓を開けてやると、二羽の鳩が窓枠に止まった。一羽の脚にくくりつけてあった筒を外し、慣れた手つきで中から小さな紙片を取り出す。
「伝書鳩か?」
「ええ、姉さまの所に飛んでいってくれるの。『お帰りなさい』って言ってくれたわ」
「直接会えば良いだろう」
「これは、もう一人の姉さまからよ。別の塔で暮しているけれど、滅多に会わせて貰えないの。ロベリア姉様とも、一カ月の間でも顔を合わせるのは数える程よ。私たちは大事な駒だから、三人揃って結託されたら困るんでしょうね」
「……あぁ、くそ。ちくしょうめ」
天を睨み、ライナスは口の汚い事をブツブツと呟く。
「王ともあろう者が、下品よ」
とコレットは窘めつつ、近くの机へと向かい、手早く『ただいま。会えたわ』とだけ返事を書いた。
そして鳩にくくりつけて、再び空へと返した。
仲良く飛び去って行く二羽の番をライナスは見つめ、傍らで微笑むコレットに視線を向けた。
「……本の中で、私はよく空を見た」
「空?」
「ああ。私が騎士団長の役割から外れた言動をすると周りの時が止まったが、それに気付いたのが、ふと空を見た時だったからだ。王城の門でも、『コレット王女』と呼んでいた時も、周りの動きが止まっていたな。でも、貴女だけは動いていたから、すぐに見つけられた」
全て止まってしまう人々とは異なり、動くことは許されていたのだろうとライナスは思う。ただ、その声はかき消され続けた。
「あの時も、二羽の鳥が飛んでいたな」
「……私も見たわ。一羽が一生懸命歌っていたわね、微笑ましかったわ」
コレットは柔らかく微笑んだが、ライナスは違った。彼女に視線を落として、頬に触れた。
「私は求愛の歌が届いて、羨ましかった」
「…………」
「王としての立場から回りくどく話を始めていたら、貴女に届くのはずっと先だったかもしれない。その間に、貴女はもっと目に見えない傷を負っていたかもしれない。考えるだけで、恐ろしい話だ」
「そうね……。私も、貴方以外の人は考えられないわ」
本の中でも、現実世界でも、コレットはライナスの色々な側面を見ることができた。王女として自分の事をとりつくろうとしていたら、きっと知りえなかった事も沢山あるだろう。
でも、今は彼がどういう男なのか、理解しつつある。それが途方もない安心感を覚えた。
だから、今一度勇気を振り絞ってつま先立ちになると、そっと彼の唇に重ねた。軽く触れるだけのものだったが、すぐにライナスが抱き締めてきた。
離れても、足りないとばかりに頬や額にまでキスをされて、コレットは表情を緩めた。
「ちょっと……やめて、ライナス。窓の傍よ」
「……コレット」
「なに?」
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