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かなわない恋
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コレットは翌日の早朝、傍らでまだ深い眠りについているライナスを残し、寝台を降りた。身支度を整えてそのまま一人、王城へと戻った。
休暇は一週間の約束だったが、ディア王女は王城に戻っている。もう猶予は無いと覚悟していたし、早々にディア王女に呼び出されても、大きく動揺はしなかった。
やはりというべきか、ディア王女は完全に浮かれていた。彼女の道中で起こった事を一方的にまくしたててきたが、やがて王都で出会った『彼』の事になると、頬が薄っすらと赤く染まった。
彼は名乗らずに去ったと言うが、後から来た騎士団員達から、ディアは彼が何者かを知っていた。
「リオン団長って……素敵な方だったわ」
「そう……ですか」
分かっている事ではあったが、胸の奥が苦しくなる。ただ、同時に戸惑う事もあった。
そういえば、聖隷騎士団長の本当の名はリオンだった。
侍女の名を騙ったと思わせたコレットに合わせて、適当に言ったのかもしれない。だが、その名を知っているのは自分だけだと思うと、僅かでも救われた気がする。
「私……もう一度彼に会って、お礼がしたくて」
「それだけですか?」
「コレットって本当に鋭いわね! えぇ……私、彼に惹かれているわ」
微笑む王女に、コレットはぎこちないながらも笑顔を向けてこたえた。
「そうですか」
「でも……彼は貴女と一夜を過ごしたわよね……」
「お気になさらないでください。あちらはあくまで聖隷騎士団員としての奉仕精神ですし、私は嫁入り前の作法があったから受け入れただけです。お互いに何の感情も抱いていませんわ」
問われると分かっていた事だけに、コレットの返答は流暢だ。
たとえ心が泣いていても、顔には出さない。
コレットに断言されたものの、男女の事だけにディアは納得できない様子であったので、更に告げた。
「あの方が私に好きだと言う事は、絶対にありえません」
彼は『大聖女』であるディア王女の想い人になる男だ。自分に恋心を抱くことは、許されない。
「本当ね?」
「えぇ」
念を押してきたディアに、コレットは頷いた。
その日の昼過ぎに、ライナスはディアに呼び出されて王城へとやって来た。彼の来訪を聞いて、ディアは美しく着飾り、コレットはそれを手伝った後、自室に下がる事はなく隣室に控えた。
程無くして数名の足音が聞こえてきて、コレットの心臓は早鐘を打つ。
話は終盤、ディア王女と騎士団長の再会だ。
騎士団長は美しい王女に魅せられて――――。
「離せ、貴様ら。斬り殺されたいのか!」
激怒した彼の声に、コレットは飛び上がる。おかしい。こんな場面はなかったはずだ。
慌てて、扉をわずかにそっと開けてみて、目を丸くする。
ライナスは平服のままだったが、相当暴れたのか、髪も服も乱れていた。だが、目を疑うのは、彼の周囲にいる若者達だ。全員が聖隷騎士団員の隊服を着ていたが、見る影もないほどズタボロである。顔面蒼白な上、半泣きになって、未だに大暴れする事を止めない団長を、総がかりで抑え込んでいる。
「落ち着いてください。何をそんなに怒っているんですか!」
「貴様らが私の話を聞かないからだ!」
「訳の分からない事を言わないでください!」
激しく言い争う両者だが、ライナスの覇気が明らかに兵士達を圧倒している。
百年の恋も醒めそうな、獰猛さだ。
やはり怒らせると、とんでもなく怖い男だ。
思わずディアを見てみれば、やはりと言うべきか硬直している。
いや、恐らく彼女の時が止まっている。彼女がライナスに失望して恋情が冷めてしまうと、話が崩れるからだ。
一先ず胸を撫で下ろすが、このまま黙って見ていても、彼が到底引き下がらない事は目に見えている。今にも謁見の間を飛び出していってしまいそうだ。
いきなり自分が姿を消して、驚いてもいるのだろう。
どこまで事実を伝えたら納得して貰えるのか分からなかったが、何とか誘導するしかない。
覚悟を決めて、そっと部屋に入ると、すぐにライナスはコレットに気付いて、表情を和らげた。
「コレット! 良かった、無事だったんだな」
「…………っ」
「目が覚めたら貴女がいなくて……本当に驚いた。どうも私は誤解をさせていたようだったから仕方がないかもしれないが、頼むから逃げないで、私の話を聞いてくれないか」
ライナスは自分を押さえつけていた部下達の手を振りほどいた。先程まで総がかりで手を出してきた彼らだったが、あっさりと拘束が解かれた。
全員がその場に固まって、動かなくなっていたからだ。
「……なんだ?」
ライナスは眉をひそめ、戸惑いつつも、まず優先したのはコレットの元に駆けつける事だった。無事を確かめたい一心で、彼の視線はまっすぐに彼女へと向いた。
コレットの目から大粒の涙が溢れ出る。
やめて。
大声で叫んだが、届かない。ならばと駆けつけようとしても、身体が動かなかった。
ライナスだけが動くことを、姉に許されたのだ。隠れ潜んでいた《盾》の者達が、彼に襲い掛かる位置まで辿り着かせるために。
「やめて!」
室内に響き渡ったのは、ディア王女の声だった。隣室の扉が開け放たれ、なだれこんで来た者達が、ライナスに殺到したのを見て絶叫したが、全ては無駄だった。
王家を守るためと妄信した彼らは、本来守るべき王女の声を無視した。自分に向かってくる無数の刃に気づいたライナスは、すぐさま剣を抜いて応戦したが、その中の一人の刃は――――容赦なく彼の胸を貫いた。
全てが終わるまでの光景を、コレットは黙って見つめていた。それしか、許されなかった。
床に倒れたライナスは、全身を朱に染めてぴくりとも動かない。ディアは彼に止めを刺そうとした《盾》を押しのけ、彼の前に膝を折ると泣きじゃくった。
王女がライナスの傍にいる以上、《盾》の者達も手は出せず、包囲を解くしかない。室内にはディアのすすり泣く声だけが響く中、コレットはようやく動き出す事ができた。
盾の者達の間を通り、一際大量の返り血を浴びた――――ライナスを討った男を一瞥だけして、すり抜けて、ディアの隣に座った。
ライナスはまだ息があったが、呼吸は弱かった。その眼はもう光を捉えておらず、焦点も定まっていない。
コレットは零れ落ちそうになる涙を堪え、嗚咽の声をあげるディアに声を掛けた。突然の凶行に混乱し、ディアは呼びかけられても答えなかったが、辛抱強くコレットが名を呼ぶと、ようやく視線を向けた。
「……姫様、今こそ貴女様の力を使う時ですわ」
「私の……ちから?」
「旅先での事を、私に話してくださいましたね。大勢の苦しむ方々を見て、手を差し伸べられたそうではありませんか」
ディアは同行しなかったコレットに仔細を話していたが、コレットは聞かずとも何が起こっていたか知っていた。病や怪我に苦しむ人々を看過できず、ディアは彼らの手をとって祈った。
ディアが立ち去った後で人々は次第に治癒したため、彼女自身はまだその自覚が無い。
だからディアは戸惑った顔しかしなかったが、コレットはかまわず続けた。
「貴女様は《予知》と《治癒》の力を持つ、大聖女であらせられます」
「何を……言っているの?」
「私に予知の力があると思っていらっしゃったようですが、違います。私の力など大聖女に及ぶものではありませんし、多用し過ぎて力は尽きようとしています」
役立たずになった自分と、これから大聖女として崇められるディアは、違う。
「私だって治癒なんて使った事ないわ……」
「お教えいたします。私の次姉は、外傷を治癒する力の持ち主ですから、何度か術を使っているところを私は見ております」
「でも……」
ディアは不安げな顔でライナスに視線を落としたが、その横顔を見つめていたコレットは、彼女の想いも透けて見えた。
もとはと言えば、ディアは自分こそが大聖女だと偽っていた。その所為で聖隷騎士団員まで送り込まれ、散々気をもんでいたはずだ。挙句に自国の《盾》が暴走したせいで、騎士団長を瀕死の重傷にさせてしまった。
このままでは、皇国からの非難は避けられない。
だが、本当に大聖女の力を手にすれば、もう怖いものなどないのだ。自国の威はますます強まり、何よりも自分は初恋に落ちた男の命を救える――――。
そんな打算を滲ませたディアを、コレットは静かに見返した。責める気は起きない。この事態を招いたのは、自分であるからだ。
ただ、哀しくもあった。
自分がこの世界で誰に恋をしても、想いが届かないように。
ディア王女の初恋がかなわないという事も、知っていたからだ。
休暇は一週間の約束だったが、ディア王女は王城に戻っている。もう猶予は無いと覚悟していたし、早々にディア王女に呼び出されても、大きく動揺はしなかった。
やはりというべきか、ディア王女は完全に浮かれていた。彼女の道中で起こった事を一方的にまくしたててきたが、やがて王都で出会った『彼』の事になると、頬が薄っすらと赤く染まった。
彼は名乗らずに去ったと言うが、後から来た騎士団員達から、ディアは彼が何者かを知っていた。
「リオン団長って……素敵な方だったわ」
「そう……ですか」
分かっている事ではあったが、胸の奥が苦しくなる。ただ、同時に戸惑う事もあった。
そういえば、聖隷騎士団長の本当の名はリオンだった。
侍女の名を騙ったと思わせたコレットに合わせて、適当に言ったのかもしれない。だが、その名を知っているのは自分だけだと思うと、僅かでも救われた気がする。
「私……もう一度彼に会って、お礼がしたくて」
「それだけですか?」
「コレットって本当に鋭いわね! えぇ……私、彼に惹かれているわ」
微笑む王女に、コレットはぎこちないながらも笑顔を向けてこたえた。
「そうですか」
「でも……彼は貴女と一夜を過ごしたわよね……」
「お気になさらないでください。あちらはあくまで聖隷騎士団員としての奉仕精神ですし、私は嫁入り前の作法があったから受け入れただけです。お互いに何の感情も抱いていませんわ」
問われると分かっていた事だけに、コレットの返答は流暢だ。
たとえ心が泣いていても、顔には出さない。
コレットに断言されたものの、男女の事だけにディアは納得できない様子であったので、更に告げた。
「あの方が私に好きだと言う事は、絶対にありえません」
彼は『大聖女』であるディア王女の想い人になる男だ。自分に恋心を抱くことは、許されない。
「本当ね?」
「えぇ」
念を押してきたディアに、コレットは頷いた。
その日の昼過ぎに、ライナスはディアに呼び出されて王城へとやって来た。彼の来訪を聞いて、ディアは美しく着飾り、コレットはそれを手伝った後、自室に下がる事はなく隣室に控えた。
程無くして数名の足音が聞こえてきて、コレットの心臓は早鐘を打つ。
話は終盤、ディア王女と騎士団長の再会だ。
騎士団長は美しい王女に魅せられて――――。
「離せ、貴様ら。斬り殺されたいのか!」
激怒した彼の声に、コレットは飛び上がる。おかしい。こんな場面はなかったはずだ。
慌てて、扉をわずかにそっと開けてみて、目を丸くする。
ライナスは平服のままだったが、相当暴れたのか、髪も服も乱れていた。だが、目を疑うのは、彼の周囲にいる若者達だ。全員が聖隷騎士団員の隊服を着ていたが、見る影もないほどズタボロである。顔面蒼白な上、半泣きになって、未だに大暴れする事を止めない団長を、総がかりで抑え込んでいる。
「落ち着いてください。何をそんなに怒っているんですか!」
「貴様らが私の話を聞かないからだ!」
「訳の分からない事を言わないでください!」
激しく言い争う両者だが、ライナスの覇気が明らかに兵士達を圧倒している。
百年の恋も醒めそうな、獰猛さだ。
やはり怒らせると、とんでもなく怖い男だ。
思わずディアを見てみれば、やはりと言うべきか硬直している。
いや、恐らく彼女の時が止まっている。彼女がライナスに失望して恋情が冷めてしまうと、話が崩れるからだ。
一先ず胸を撫で下ろすが、このまま黙って見ていても、彼が到底引き下がらない事は目に見えている。今にも謁見の間を飛び出していってしまいそうだ。
いきなり自分が姿を消して、驚いてもいるのだろう。
どこまで事実を伝えたら納得して貰えるのか分からなかったが、何とか誘導するしかない。
覚悟を決めて、そっと部屋に入ると、すぐにライナスはコレットに気付いて、表情を和らげた。
「コレット! 良かった、無事だったんだな」
「…………っ」
「目が覚めたら貴女がいなくて……本当に驚いた。どうも私は誤解をさせていたようだったから仕方がないかもしれないが、頼むから逃げないで、私の話を聞いてくれないか」
ライナスは自分を押さえつけていた部下達の手を振りほどいた。先程まで総がかりで手を出してきた彼らだったが、あっさりと拘束が解かれた。
全員がその場に固まって、動かなくなっていたからだ。
「……なんだ?」
ライナスは眉をひそめ、戸惑いつつも、まず優先したのはコレットの元に駆けつける事だった。無事を確かめたい一心で、彼の視線はまっすぐに彼女へと向いた。
コレットの目から大粒の涙が溢れ出る。
やめて。
大声で叫んだが、届かない。ならばと駆けつけようとしても、身体が動かなかった。
ライナスだけが動くことを、姉に許されたのだ。隠れ潜んでいた《盾》の者達が、彼に襲い掛かる位置まで辿り着かせるために。
「やめて!」
室内に響き渡ったのは、ディア王女の声だった。隣室の扉が開け放たれ、なだれこんで来た者達が、ライナスに殺到したのを見て絶叫したが、全ては無駄だった。
王家を守るためと妄信した彼らは、本来守るべき王女の声を無視した。自分に向かってくる無数の刃に気づいたライナスは、すぐさま剣を抜いて応戦したが、その中の一人の刃は――――容赦なく彼の胸を貫いた。
全てが終わるまでの光景を、コレットは黙って見つめていた。それしか、許されなかった。
床に倒れたライナスは、全身を朱に染めてぴくりとも動かない。ディアは彼に止めを刺そうとした《盾》を押しのけ、彼の前に膝を折ると泣きじゃくった。
王女がライナスの傍にいる以上、《盾》の者達も手は出せず、包囲を解くしかない。室内にはディアのすすり泣く声だけが響く中、コレットはようやく動き出す事ができた。
盾の者達の間を通り、一際大量の返り血を浴びた――――ライナスを討った男を一瞥だけして、すり抜けて、ディアの隣に座った。
ライナスはまだ息があったが、呼吸は弱かった。その眼はもう光を捉えておらず、焦点も定まっていない。
コレットは零れ落ちそうになる涙を堪え、嗚咽の声をあげるディアに声を掛けた。突然の凶行に混乱し、ディアは呼びかけられても答えなかったが、辛抱強くコレットが名を呼ぶと、ようやく視線を向けた。
「……姫様、今こそ貴女様の力を使う時ですわ」
「私の……ちから?」
「旅先での事を、私に話してくださいましたね。大勢の苦しむ方々を見て、手を差し伸べられたそうではありませんか」
ディアは同行しなかったコレットに仔細を話していたが、コレットは聞かずとも何が起こっていたか知っていた。病や怪我に苦しむ人々を看過できず、ディアは彼らの手をとって祈った。
ディアが立ち去った後で人々は次第に治癒したため、彼女自身はまだその自覚が無い。
だからディアは戸惑った顔しかしなかったが、コレットはかまわず続けた。
「貴女様は《予知》と《治癒》の力を持つ、大聖女であらせられます」
「何を……言っているの?」
「私に予知の力があると思っていらっしゃったようですが、違います。私の力など大聖女に及ぶものではありませんし、多用し過ぎて力は尽きようとしています」
役立たずになった自分と、これから大聖女として崇められるディアは、違う。
「私だって治癒なんて使った事ないわ……」
「お教えいたします。私の次姉は、外傷を治癒する力の持ち主ですから、何度か術を使っているところを私は見ております」
「でも……」
ディアは不安げな顔でライナスに視線を落としたが、その横顔を見つめていたコレットは、彼女の想いも透けて見えた。
もとはと言えば、ディアは自分こそが大聖女だと偽っていた。その所為で聖隷騎士団員まで送り込まれ、散々気をもんでいたはずだ。挙句に自国の《盾》が暴走したせいで、騎士団長を瀕死の重傷にさせてしまった。
このままでは、皇国からの非難は避けられない。
だが、本当に大聖女の力を手にすれば、もう怖いものなどないのだ。自国の威はますます強まり、何よりも自分は初恋に落ちた男の命を救える――――。
そんな打算を滲ませたディアを、コレットは静かに見返した。責める気は起きない。この事態を招いたのは、自分であるからだ。
ただ、哀しくもあった。
自分がこの世界で誰に恋をしても、想いが届かないように。
ディア王女の初恋がかなわないという事も、知っていたからだ。
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