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第13話 それは同情?
しおりを挟む姫の寝室の前。
ケイトが姫を襲撃してるという女暗殺者の言葉を聞いて心配して、駆け付けてみたが、ちょっと躊躇する。
・・・女の子の部屋に入るのはぁ~ちょっとお~という迷いが生じている場合ではないので、それは平気だ。だが、ケイトの襲撃には、二パターン考えられる。
一つ目は、姫暗殺が目的だった場合。その場合なら、この扉の向こうは、かなりの臨戦態勢。一刻も早く加勢して姫の味方に付かなければならない。
もう一つ。それだった場合は問題なのだが、ケイトの目的が、姫を懐柔して結婚しちゃえば丸く収まるんじゃない?だった場合だ。それなら、この扉の向こうは、かなりヤバイ別の意味での臨戦態勢。え、そんなの覗いたら、駄目でしょ///的な光景が広がっている可能性がある。
ま・・・覗くか。この場合、仕方ないだろう。
扉に手をかけようとすると、目の前で扉が粉々になって吹き飛ぶ。
残念。前者の暗殺パターンだったようだ。
「姫!!大丈夫か!!」
俺が、部屋に向かって叫べば、
「大変!!逃げられちゃったの!!」
と姫が叫び返す。
部屋に飛び込んで、姫の部屋の窓から外を見れば、魔法で出した馬に乗って国境に向かって走るケイトが見える。
後から、ケイトの三人の従者たちがついていっているのが見えるから、失敗したら合流して逃走することは、事前に打ち合わせていたのだろう。
「英司君も、暗殺だったの?」
いや、そんな、今からバイト?みたいな軽い聞き方。そうだけれども。
姫の話によると、扉の前に気配を感じて警戒していたら、ケイトが侵入してきたらしい。
イケメンのケイトは、爽やかな笑顔で姫を口説きにかかったのだが、姫は、気持ちは嬉しいけれども私には想う人がいるから///と、断わったのだそうだ。
そこでケイトが豹変した。
懐柔できなければ、暗殺すると最初から決めていたのだろう。
毒のついたナイフで襲い掛かってきたから、聖魔法で応戦したら、思ったよりも強い姫の魔法に怯んで、窓から逃走したのだそうだ。
とにかく、無事でよかった。
英司君は?と、姫に聞かれて、俺は、モヘット・エキスのことも含めて、部屋で起こったことを姫に説明する。
「ケイト総受・・・『マリアーヌ・金剛山』ね。ちょっと手に入れてみたいわ。」
俺の話を聞いて、考え込んでいた姫がポソリと言う。
そこ?気になるのそこ?
よかったね、暗殺者のお姉さん。三倍とはいかないけれども、読者は一人増えたようだ。
「と、とにかく、まだニセ達が帰って来ていないのだから、早く止めないと。」
「そ、そうね。追いかけましょう!!」
姫が、右手を大きく振ると、翼の生えたユニコーンが一体現れた。
「さあ、早く乗って!!」
姫に促されて、姫の後ろに俺は乗る。
ユニコーンは、一声いななくと、夜空を風のように走り出した。
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