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8.一緒に帰ろう
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【傑視点】
「ユウさーん、いつまでそうしてるんですか~?」
本庁の目と鼻の先にある、小ぶりな池。その畔で仁王立ちになり、水面を睨む性悪店主。
本日幾度目かの問いかけも、これまで同様黙殺されてしまった。
突如ユウさんに呼び出されてから一時間弱。俺は池を睨む成人男性を見守るという苦行を強いられている。
いい加減昼休みも終わってしまう。何とかしなければ。
困り果てた俺が彼の腕を引こうとした時、
「ユウ」
中性的な声が店主を呼んだ。
いつ、何処から来たのか。ユウさんの背中にぽすりと顔を埋めたアヤさんが、もう一度彼の名を呼ぶ。
「その人はもう助からないよ。だから、一緒に帰ろう?」
——ユウまでそっちに行っちゃ、駄目。
釘を刺すような囁きを受けたユウさんは、一つ瞬きをすると、短い応えと共に踵を返した。
「傑」
「は、はいっ」
「池の底。探ってやってくれ」
身体だけでも返してやりてぇから——。
漸く聞けた声は、ほんの少しだけ淋しそうなものだった。
Twitterお題「一緒に帰ろう」より
弟子ズ(悠真、環、アヤ)の中で一番割り切れないのは悠真。
「ユウさーん、いつまでそうしてるんですか~?」
本庁の目と鼻の先にある、小ぶりな池。その畔で仁王立ちになり、水面を睨む性悪店主。
本日幾度目かの問いかけも、これまで同様黙殺されてしまった。
突如ユウさんに呼び出されてから一時間弱。俺は池を睨む成人男性を見守るという苦行を強いられている。
いい加減昼休みも終わってしまう。何とかしなければ。
困り果てた俺が彼の腕を引こうとした時、
「ユウ」
中性的な声が店主を呼んだ。
いつ、何処から来たのか。ユウさんの背中にぽすりと顔を埋めたアヤさんが、もう一度彼の名を呼ぶ。
「その人はもう助からないよ。だから、一緒に帰ろう?」
——ユウまでそっちに行っちゃ、駄目。
釘を刺すような囁きを受けたユウさんは、一つ瞬きをすると、短い応えと共に踵を返した。
「傑」
「は、はいっ」
「池の底。探ってやってくれ」
身体だけでも返してやりてぇから——。
漸く聞けた声は、ほんの少しだけ淋しそうなものだった。
Twitterお題「一緒に帰ろう」より
弟子ズ(悠真、環、アヤ)の中で一番割り切れないのは悠真。
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