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2章~新都市へ~
第8話 続く動乱と再会
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本日三度目の投稿となります。
閑話2,3をご覧の上でお読みいただいた方が良いかと思います。
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レミセントブルク国 王城
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レミセントブルク王国
商業都市エルミント、海上都市シーライズ、迷宮都市ヴルテンなどをようする大陸有数の大国である。
____________________
「陛下!冒険者ギルド総マスター『ヴィクトル』様より緊急通信です!」
一人の臣下が王室へと駆け込んできた。
「陛下の御前で無礼だぞ!」
大臣であろうか室内にいた一人の男が臣下へと叱咤を飛ばす。
「よい、それより魔石を」
奥の椅子に深々と座ったまま初老の男が先ほどの叱咤を飛ばした男に言う。
魔石の準備が整い、王室には国王『リーゼル』、王子『ハイム』、宰相『カクストリア』その他数人の大臣たちが控えていた。
「それで何があったんだ?ヴィクトル殿?」
一人の大臣が通信相手のヴィクトルに質問する。
「数時間前、ヴルテンの迷宮にて階層超えが二回起きました。国内の各ギルドマスターには通達済みです。」
その言葉を聞き、王室は一気に喧騒の渦に飲み込まれた。
「あの悪夢がまた起きるのか!?」
「即刻対応せねば!」
「陛下どう致しますか?」
「ヴィクトル、お前はどう思う?」
おそらくこの時の王室において一番冷静だったであろう国王は、ヴィクトルに対して解決策の提案を聞くことにした。
「ひとまずは、他国の王族や皇族に知らせた方が良いかと」
この時ヴィクトルは、まだ他国の各ギルドへ報告はしていなかった。
大陸における殆どの国には、レミセントブルク国同様に各ギルドがある。
そして各国の王都にそれぞれのギルド本部と総マスターがいる。
ヴィクトルは、まずは王の決断を仰ごうと他国の総マスターへの報告を保留していた。
「そうだな・・・ 他国の総マスターへは?」
まだです。というヴィクトルの返事に王は頷き、次いで至急連絡をするように言った。
「かしこまりました。それでは」
「困ったことになったな・・・」
まさか自分の代でも、この厄介事が出てくるとはそう感じられずにはいられなかった。
「至急、通信魔石を用意!他国にもこの情報を知らせねばならん!」
王の一言にざわついていた臣下たちが静まり返り魔石が用意される
「レミセントブルク国 リーゼルだ。実は・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
迷宮都市ヴルテン
ユウ
朝、ギルドに行くと既に何人かの冒険者がいて昨日の噂話や受付の職員に対して「階層超え」の質問をしていた。
「みんな思う事は同じか・・・」
もともとギルドに来た理由は情報を仕入れるためだった。
こりゃダメだな、と思い外に出ると
「あれ?ユウさん?」
「あっほんとだ!」
そこには、エルミントのセミナーで出会ったホーメル、レミ冒険者兄妹がいた。
それから三人で料理店【セイレール亭】へと移動した。
「ユウさん聞きました?階層超えが二回出たってはなし!」
注文を済ませるなりホーメルが耳元に近づき小さな声で囁く
「ああ、知ってるよ。一回目は俺が遭遇したんだよ。それにミノタウロスの時もギルドにいたし」
そう言うとホーメルとレミは興奮したような顔つきで階層超えについて、またその時のギルドについて聞いてきた。
数十分後、話にも料理にも満足しました。といった顔の兄妹がそこにはいた。
「二人も話が早いんだね。もう知ってるなんて」
とユウが何でもないようなことを言うと
「実は僕たちこの街の生まれなんですよ」
言ってませんでしたっけと言うホーメルに、言ってないよ・・・と冷静に言うレミ
どうやら彼らはこの街の鍛冶師の子供らしい。
わざわざエルミントの冒険者セミナーを受けたのにも理由があったとのことだ。
冒険者セミナーは、そのギルドごとにやる日が違うらしく、彼らが冒険者になった時ヴルテンのセミナーは終わっていたとのことだった。
その後の話で、約六十年前に起きた『階層超え』に始まる動乱とギルドからの通達で鍛冶屋に対して武器防具の大量受注があったことを知った。
「それでなんですけど、ユウさんよかったら今日三人で迷宮に行ってみませんか?」
今後の協力練習にもなりますし仮パーティって事で、
この申し出はユウにとっても有難いものだった。
同じランク帯の友人は、この二人くらいしか居なかったしパーティも組んで見たいとは思っていた。
「ぜひ、よろしく頼むよ」
ユウから返ってきた言葉はホーメルだけでなくレミにとっても、嬉しいものだった。
それから数分後
「一応聞くけど、目標は何階層にする?」
昨日は想定外の事が起きたとはいえ一階層は楽なものだった
「二階層までにしておきません?また何かあるといけないし・・・」
レミがユウの質問に答えてくれた。
(たしかに・・・ ミノタウロスなんかに会いたくないし・・・)
こうして三人の新人冒険者パーティが迷宮へと挑む
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