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(18)ジンタ町
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「次!」
冒険者一行と別れたロイは、単独で町に入る検問の列に並んでいる。
「次!」
「はい」
漸く呼ばれたので、門番らしき人に事前に準備していた少々の荷物が入ったバッグと職員のカードを提示する。
「良し、問題ないな。この町は装飾品、宝飾品が有名な町だ。ぜひ楽しんでいってくれ」
「ありがとうございます」
親切な門番と別れて町に入ると、確かに大通りの両脇には宝飾品や装飾品、魔道具を販売している露店が並んでいる。
どの店にも客がおり、結構繁盛しているように見えているロイ。
「でも、先ずは宿……だよね」
主にダイヤ部隊に収納してもらっている荷物の中には、リーンや実家から渡されている大量のお金、食料、衣服、消耗品が多数あり、更にはカードの力を認識してからその実力を確認するために狩りをさせていた時の獲物も多数保管されている。
そのおかげでお金に困るような事は無く、野営時にも高級食材を惜しげもなく使う事が出来ている。
初めて来た町であってもスペード部隊の力を使えば瞬時に希望する情報を得る事ができるロイだが、折角の旅なのでそのような無粋な事はしない。
「そう言えば、冒険者の人が言っていたな。宿の良し悪しで翌日の気力が全く違うから、絶対にそこはケチるな……か。凄く納得できる言葉だよな~」
ギルド職員時代に、旅をするための情報を冒険者達から色々と聞いていた時の情報を思い出すロイ。
その呟きは……しっかりと陰に潜っているスペードキングに聞かれており、そこからダイヤキングに情報が回るのにそれほど時間はかからなかった。
「我が主、ダイヤキング殿より進言がございます」
ロイの能力である収納魔法に唯一収納できているトランプは、それぞれのカードを人として召喚する事が出来、マークによって特異な能力を持っている。
実際に召喚されている状態であれば、その者はカードとして保管されている者達との通信は相互に可能なのだが、召喚者同士が意思疎通を行うには口頭やら手紙やらになるので、遠距離の場合には誰かしらがカードに保管されて中継を行う必要がある。
逆にカードに保管されている状態の者達は外界の情報を直接自ら得る事は出来ないので、どうやら顕現されている者から常に情報を仕入れているようだ。
今回はロイの陰に潜っているスペードキングがロイの呟きをカード状態の者達に展開し、即ダイヤキングが反応した。
「……わかった。ダイヤキング」
シンロイ商会や万屋の件で若干信頼度が落ちているダイヤキングを召喚するのに少々抵抗があったのだが、善意での行動であった事から怒るに怒れず人気のない場所に移動してダイヤキングを召喚するロイ。
「我が主、お話聞かせていただきました。その冒険者の言う事は至極当然!我が主が宿泊する場所はお立場に見合う然るべき場所であるべき!と言う事で、宿探しは何卒このダイヤキングにお命じ頂きたく……」
深く頭を下げるダイヤキングを前に、どうするか非常に悩んでいるロイ。
このまま任せてしまうと今迄の二の舞になり何が起きるか想像したくもなかったのだが、ここまでの忠誠を見せられては無下に断るのも申し訳ないと言う甘い考えのロイは、三度目の正直だと考えて任せる事にした。
「わかった。任せるよ、ダイヤキング。でも!あまり豪華すぎる所は逆に疲れるからやめてもらえるとありがたいな」
一応釘をさすのは忘れないのだが、ダイヤキングはその言葉を聞き終えるかどうかと言ったタイミングで目の前から消える。
頭脳を使う仕事や錬金が得意な部隊のトップではあるが、それでも瞬時に消える程の勢いで動く事程度は容易くできるのだ。
「我が主、どうやら決まったようです」
ダイヤキングからカードに保管されている者を中継して、ロイの陰に潜っているスペードキングに情報が伝わる。
「そ、そっか。随分と早いね」
これも普通の人であるロイでは理解できないのだが、ダイヤキングの実力を発揮すればこの町中の宿泊場所を調べ上げて予約をするのには数分で事足りる。
「お待たせいたしました。ささっ、こちらです」
即座にダイヤキングが現れてロイを先導するのだが、ロイの表情にはやはり少々の不安が見て取れる。
「あちらでございます。一泊夕食朝食付きの支払いまで済ませておりますので、ごゆっくりお寛ぎください。では、私はカードに戻らせて頂きます」
ダイヤキングの自信満々な様子にロイの不安は増すばかりなのだが、今度こそ大丈夫と自分に言い聞かせてダイヤキングがカードに戻ると、指定された場所……一応見かけは品のある雰囲気を醸し出している宿に向かう。
中に入ると広い空間には適度な調度品が少々飾られており、無駄に豪華なわけでもなく、雰囲気は悪くないので安堵するロイだ。
冒険者一行と別れたロイは、単独で町に入る検問の列に並んでいる。
「次!」
「はい」
漸く呼ばれたので、門番らしき人に事前に準備していた少々の荷物が入ったバッグと職員のカードを提示する。
「良し、問題ないな。この町は装飾品、宝飾品が有名な町だ。ぜひ楽しんでいってくれ」
「ありがとうございます」
親切な門番と別れて町に入ると、確かに大通りの両脇には宝飾品や装飾品、魔道具を販売している露店が並んでいる。
どの店にも客がおり、結構繁盛しているように見えているロイ。
「でも、先ずは宿……だよね」
主にダイヤ部隊に収納してもらっている荷物の中には、リーンや実家から渡されている大量のお金、食料、衣服、消耗品が多数あり、更にはカードの力を認識してからその実力を確認するために狩りをさせていた時の獲物も多数保管されている。
そのおかげでお金に困るような事は無く、野営時にも高級食材を惜しげもなく使う事が出来ている。
初めて来た町であってもスペード部隊の力を使えば瞬時に希望する情報を得る事ができるロイだが、折角の旅なのでそのような無粋な事はしない。
「そう言えば、冒険者の人が言っていたな。宿の良し悪しで翌日の気力が全く違うから、絶対にそこはケチるな……か。凄く納得できる言葉だよな~」
ギルド職員時代に、旅をするための情報を冒険者達から色々と聞いていた時の情報を思い出すロイ。
その呟きは……しっかりと陰に潜っているスペードキングに聞かれており、そこからダイヤキングに情報が回るのにそれほど時間はかからなかった。
「我が主、ダイヤキング殿より進言がございます」
ロイの能力である収納魔法に唯一収納できているトランプは、それぞれのカードを人として召喚する事が出来、マークによって特異な能力を持っている。
実際に召喚されている状態であれば、その者はカードとして保管されている者達との通信は相互に可能なのだが、召喚者同士が意思疎通を行うには口頭やら手紙やらになるので、遠距離の場合には誰かしらがカードに保管されて中継を行う必要がある。
逆にカードに保管されている状態の者達は外界の情報を直接自ら得る事は出来ないので、どうやら顕現されている者から常に情報を仕入れているようだ。
今回はロイの陰に潜っているスペードキングがロイの呟きをカード状態の者達に展開し、即ダイヤキングが反応した。
「……わかった。ダイヤキング」
シンロイ商会や万屋の件で若干信頼度が落ちているダイヤキングを召喚するのに少々抵抗があったのだが、善意での行動であった事から怒るに怒れず人気のない場所に移動してダイヤキングを召喚するロイ。
「我が主、お話聞かせていただきました。その冒険者の言う事は至極当然!我が主が宿泊する場所はお立場に見合う然るべき場所であるべき!と言う事で、宿探しは何卒このダイヤキングにお命じ頂きたく……」
深く頭を下げるダイヤキングを前に、どうするか非常に悩んでいるロイ。
このまま任せてしまうと今迄の二の舞になり何が起きるか想像したくもなかったのだが、ここまでの忠誠を見せられては無下に断るのも申し訳ないと言う甘い考えのロイは、三度目の正直だと考えて任せる事にした。
「わかった。任せるよ、ダイヤキング。でも!あまり豪華すぎる所は逆に疲れるからやめてもらえるとありがたいな」
一応釘をさすのは忘れないのだが、ダイヤキングはその言葉を聞き終えるかどうかと言ったタイミングで目の前から消える。
頭脳を使う仕事や錬金が得意な部隊のトップではあるが、それでも瞬時に消える程の勢いで動く事程度は容易くできるのだ。
「我が主、どうやら決まったようです」
ダイヤキングからカードに保管されている者を中継して、ロイの陰に潜っているスペードキングに情報が伝わる。
「そ、そっか。随分と早いね」
これも普通の人であるロイでは理解できないのだが、ダイヤキングの実力を発揮すればこの町中の宿泊場所を調べ上げて予約をするのには数分で事足りる。
「お待たせいたしました。ささっ、こちらです」
即座にダイヤキングが現れてロイを先導するのだが、ロイの表情にはやはり少々の不安が見て取れる。
「あちらでございます。一泊夕食朝食付きの支払いまで済ませておりますので、ごゆっくりお寛ぎください。では、私はカードに戻らせて頂きます」
ダイヤキングの自信満々な様子にロイの不安は増すばかりなのだが、今度こそ大丈夫と自分に言い聞かせてダイヤキングがカードに戻ると、指定された場所……一応見かけは品のある雰囲気を醸し出している宿に向かう。
中に入ると広い空間には適度な調度品が少々飾られており、無駄に豪華なわけでもなく、雰囲気は悪くないので安堵するロイだ。
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