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アルフォナとテスラム(2)
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特攻して話したい事を話しているアルフォナを、ある意味軽く受け流しているテスラム。
散々テスラムを褒めちぎって相当な時間が経過すると、アルフォナは満足そうな顔をして四階の窓・から去って行くのだが、こう言った場合には、既に朝日が昇り始めている事が殆どだ。
今日も同じくアルフォナが去った窓からは既に朝日が見えている。
「さて、今日も軽く体を解して……フフ、トマトの育成に精を出しますか」
人族と異なりそれほど睡眠を必要としない悪魔のテスラムは、既に朝日が昇っているので睡眠はとらずに、最近嵌っている植物の育成を行う事にした。
毎日異なる植物を育成・観察し、育てるのがテスラムの趣味になっている。
そして今日はトマトの育成を行う様だ。
早速アルフォナとは異なり、しっかりと階段を使って一階に降りて広大な庭に向かうと、既にそこには多数の使用人が畑で作業をしていた。
「おはようございます、皆さん。無理のない様にお願いしますよ」
「おはようございます、ご主人様。ありがとうございます。私達も楽しく作業させて頂いておりますので、ご心配なく」
ヘイロンとスミカと同じく、広大な敷地に建つ屋敷に住んでいるテスラム。
そんな所に真夜中に平気で侵入してくるアルフォナはどうかと思うのだが、これが彼らの日常だ。
とは言え、流石にスミカのお腹が大きくなり始めた頃からは、二人の家に対して夜間の訪問は自主的に一切行っていないアルフォナ。
一応最低限の配慮は出来るらしい。
そんなアルフォナも、<六剣>配下であり騎士隊長でもあるダンカと言う男性と良い感じになっており、最近はアルフォナの屋敷で共に生活し始めていたりする。
「フフフ、ヘイロン殿に逆襲されなければ良いのですが……どうなる事やら」
そして使用人に交じって畑仕事をしていると、睡眠不足であるはずのアルフォナが、ダンカと共にやってくる。
「テスラム様。またアルフォナ・・・・・が真夜中に押しかけていたようで、大変申し訳ございません。ホラ、アルフォナ。騎士道精神を持って謝罪しなければ。どうして君は<六剣>達の事になると、途端にポンコツになるんだ?」
「うっ……そんな事は無いつもりなのだが。テスラム殿、申し訳ない。次からはきちんと入り口から訪問する事に……」
「アルフォナ……違うよ。まず真夜中の特攻の様な訪問がダメ。そして当然窓からの侵入もダメ。全く君は!朝起きていないと思えば、大体テスラム様の所に突撃しているのだから……」
優しくアルフォナを叱っている騎士隊長ダンカ。
公的な立場は圧倒的にアルフォナが上であり、ダンカは他の騎士と同様にアルフォナを尊敬し、崇拝している。
と同時に、間もなく夫婦になる程の関係になっているので、私的には呼び方も変わって接する態度にも大きな変化が現れている。
もちろん仕事中はそのような事は無いのだが……
テスラムは、目の前の二人を見て再び柔らかい笑顔を浮かべる。
実はこのやり取り、もう何度も行われており、テスラムはもちろんダンカですらアルフォナのこの特攻の様な訪問は治らないだろうとは思っているのだ。
「フフ、ダンカ殿。私は特に睡眠を多くとる必要もありませんし、むしろ楽しく過ごさせて頂いておりますよ」
一応本心からの言葉を告げるのも一連の流れ。
そしてその言葉を聞いて、アルフォナが我が意を得たり!とばかりに笑顔を見せるのもお約束だ。
仲間のドタバタも本当に楽しく感じる事が出来、かつてない程に充実した日々を送る事が出来ているテスラムだ。
散々テスラムを褒めちぎって相当な時間が経過すると、アルフォナは満足そうな顔をして四階の窓・から去って行くのだが、こう言った場合には、既に朝日が昇り始めている事が殆どだ。
今日も同じくアルフォナが去った窓からは既に朝日が見えている。
「さて、今日も軽く体を解して……フフ、トマトの育成に精を出しますか」
人族と異なりそれほど睡眠を必要としない悪魔のテスラムは、既に朝日が昇っているので睡眠はとらずに、最近嵌っている植物の育成を行う事にした。
毎日異なる植物を育成・観察し、育てるのがテスラムの趣味になっている。
そして今日はトマトの育成を行う様だ。
早速アルフォナとは異なり、しっかりと階段を使って一階に降りて広大な庭に向かうと、既にそこには多数の使用人が畑で作業をしていた。
「おはようございます、皆さん。無理のない様にお願いしますよ」
「おはようございます、ご主人様。ありがとうございます。私達も楽しく作業させて頂いておりますので、ご心配なく」
ヘイロンとスミカと同じく、広大な敷地に建つ屋敷に住んでいるテスラム。
そんな所に真夜中に平気で侵入してくるアルフォナはどうかと思うのだが、これが彼らの日常だ。
とは言え、流石にスミカのお腹が大きくなり始めた頃からは、二人の家に対して夜間の訪問は自主的に一切行っていないアルフォナ。
一応最低限の配慮は出来るらしい。
そんなアルフォナも、<六剣>配下であり騎士隊長でもあるダンカと言う男性と良い感じになっており、最近はアルフォナの屋敷で共に生活し始めていたりする。
「フフフ、ヘイロン殿に逆襲されなければ良いのですが……どうなる事やら」
そして使用人に交じって畑仕事をしていると、睡眠不足であるはずのアルフォナが、ダンカと共にやってくる。
「テスラム様。またアルフォナ・・・・・が真夜中に押しかけていたようで、大変申し訳ございません。ホラ、アルフォナ。騎士道精神を持って謝罪しなければ。どうして君は<六剣>達の事になると、途端にポンコツになるんだ?」
「うっ……そんな事は無いつもりなのだが。テスラム殿、申し訳ない。次からはきちんと入り口から訪問する事に……」
「アルフォナ……違うよ。まず真夜中の特攻の様な訪問がダメ。そして当然窓からの侵入もダメ。全く君は!朝起きていないと思えば、大体テスラム様の所に突撃しているのだから……」
優しくアルフォナを叱っている騎士隊長ダンカ。
公的な立場は圧倒的にアルフォナが上であり、ダンカは他の騎士と同様にアルフォナを尊敬し、崇拝している。
と同時に、間もなく夫婦になる程の関係になっているので、私的には呼び方も変わって接する態度にも大きな変化が現れている。
もちろん仕事中はそのような事は無いのだが……
テスラムは、目の前の二人を見て再び柔らかい笑顔を浮かべる。
実はこのやり取り、もう何度も行われており、テスラムはもちろんダンカですらアルフォナのこの特攻の様な訪問は治らないだろうとは思っているのだ。
「フフ、ダンカ殿。私は特に睡眠を多くとる必要もありませんし、むしろ楽しく過ごさせて頂いておりますよ」
一応本心からの言葉を告げるのも一連の流れ。
そしてその言葉を聞いて、アルフォナが我が意を得たり!とばかりに笑顔を見せるのもお約束だ。
仲間のドタバタも本当に楽しく感じる事が出来、かつてない程に充実した日々を送る事が出来ているテスラムだ。
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