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ダンジョン内部(1)
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ギルド本部の騒動など知る訳もないフレナブルは、笑顔のまま足取り軽く目的のダンジョンに到着していた。
「あら、確かにちょっとだけ強めの魔獣の気配がしますね。これが今回対象のランドルでしょうか?フフ、新生【癒しの雫】としてしっかりと結果を残さなくてはいけませんね。腕がなります」
人族が恐れをなし、十全な対策の元に討伐対象となるAランクの魔獣でも、フレナブルにとってみれば、他と比べてちょっとだけ強めの魔獣なのだ。
可愛らしく両こぶしを握り、通常であれば命の危険があるダンジョンに微笑みを携えたままテクテクと歩いていくフレナブル。
「この武具の性能評価をミハイルさん達にしなくてはなりませんからね。しっかりと使いこなすように気を引き締めなければなりません」
気を引き締めた表情に変わったのだが、それは周囲の警戒の為ではなく、【癒しの雫】に新たに加入した鍛冶士達の作品である武具の性能評価に対してだ。
「それにしても……四体ですか。ゴクドは少しだけダンジョンの制御が出来るようになったのかもしれませんね」
ギルド本部としては、冒険者達の目撃情報を基にAランク魔獣であるランドルの存在の可能性を認識していたのだが、各人からバラバラに報告が上がっているので、一体を複数の冒険者が視認していたと思い込んでいた。
ほぼ【勇者の館】の冒険者からの報告だが、緊急情報であるが故に口頭での報告後、ギルドとして本部に正式な書類で詳細を報告する。
クオウが去った【勇者の館】ではそのような処理が出来る人材が一人もいない為、口頭報告のみになっていたのだ。
この書類提出によって情報の祖語を無くしていくと共に、報告側のギルドの評価にもつながるシステムではあったのだが、【勇者の館】の受付を統括しているルーニーですら報告書が書けるほどの力量は持ち合わせていない。
そもそも、目撃者に対しての聴取も行わなくてはならないので、そんな面倒な事をせずともギルドの評価は最高を維持できる上、Aランク一体が存在する事は確実に報告済みなのだから問題ないと思っていたのだ。
「ルーカス様、今日のノルマは達成いたしました」
「そうか。では終了とするか。おい、聞いたな?今日は終わりだ。警戒しつつダンジョンから出るぞ」
このダンジョン内部で魔獣討伐依頼を行っている【勇者の館】一行。
ギルドマスターであるルーカスもこの場に存在しているのだが、今日の分の討伐ノルマは終了したようで、全員で撤退の準備を始めていた。
もちろんこのダンジョンには、他の依頼で来ている【勇者の館】以外のギルドメンバーも存在しているが、少し大きい空間であるこの場にいるのは、【勇者の館】の冒険者だけだ。
「今日も大量だったな」
「おう。それに、ルーカス様がいるおかげで仕事も早く終わったし、さっさと戻って一杯行こうぜ?」
多少緩みつつも、一応周囲の警戒は怠らずに出口に向かっている一行。
……キィーン……
そこに、明らかに戦闘音が聞こえて来た。
通常は、冒険者の獲物を横取りするような行為はご法度であり、ダンジョン内部で戦闘音が聞こえてくるのは普通の事なので、そのまま出口に向かおうとしていた一行。
「……誰か!助けてくれ!!」
このような声が聞こえては、そのまま出口に向かうわけには行かない。
冒険者は自己責任であり、命を代償に行動する程に高額の報酬を得る事ができるのだから、願い叶わず命が散る事も珍しくない。
そんな中、一応仲間である冒険者の助け、そして自分達には最強冒険者Sランクのルーカスがいる、更には既に自分達のノルマは達成している事から、一行は助けを求めている方向に迷わず足を向けた。
悲鳴が聞こえて来る先にいるのは、今噂になっているAランクの魔獣であるランドルである可能性もあり、その魔獣を始末すれば更なる報酬が得られる事からも、慎重に進む【勇者の館】の冒険者達。
ルーカスがこの場にいなければ、助けに向かった先にランドルがいた場合には自分達の安全が第一である為に、即撤退しているだろう。
特段この行動は咎められる謂れはなく、一般的な冒険者であれば誰しもがそうするのだ。
「ルーカス様、ひょっとしたら目撃情報の上がっているAランクのランドルかもしれませんね」
「かえって丁度良いかもしれないな。あのふざけた態度のギルド本部の連中に俺達【勇者の館】がどれ程優秀かを知らしめる良い機会になるだろう」
こうして向かうルーカス達の視界に入ったのは、一人が倒れ伏し、一人が必死でランドルの攻撃を防御している状態だった。
このランドル、Aランクに分類されているだけあってかなりの強さを誇っている。
見た目は熊の様な重厚な体つきだが、その見た目に反して動きは早く、手足を鋭利な刃物のように変形する事で物理的に攻撃してくる魔獣だ。
一般的には魔術による攻撃はしてこないと知られているのだが、稀に複合的に攻撃する個体も存在するので、油断はできない。
ランドルの物理攻撃を必死で防御をしている冒険者は、最早満身創痍で助けを求める声すら上げられなくなっている。
そこに到着したルーカスは、【勇者の館】の冒険者にこう告げる。
「やはりランドルか。見た感じ魔術を使うような個体ではなさそうだ。お前達、俺が補助してやるから、仕留めて見ろ。良い経験になるぞ!」
【勇者の館】所属の冒険者は高レベルが多数存在している。
もちろんAランクも多数おり、この場にも同行してきている。
ランク的には同じAであり、危険は伴うが対応可能なので、ルーカスとしても無理難題を吹っかけている訳ではない。
人族も魔獣も同じだが、同じランクでも幅は当然存在する。
その範囲によって冒険者側が不利になる場合にはSランクのルーカスが補助をすると言っているので、【勇者の館】所属冒険者達は我先にとランドルに仕掛ける。
「初撃はいただきだ」
【勇者の館】所属Aランク冒険者であり剣術を最も得意とするドリアスが、必死で防御している冒険者とランドルの間に流れるように近接し、一撃を加える。
【勇者の館】所属のこの場にいる残りの冒険者は、攻撃に特化したAランクでは無く、回復魔術を得意とする者や、ランドル相手では少々厳しいBランクの集団だった為、Bランクの冒険者は危険を冒さずに少々離れた位置から攻撃魔術を行使している。
「グォー!!」
ドリアスとしては初撃で仕留められるほどに深く切り込んだつもりだが、体毛による防御力が高いランドルに浅い傷をつけるだけだった。
今までは冒険者に対して遊びながら一方的に攻撃していたところ、突然現れた他の冒険者から反撃を受けたので暴れ始めるランドル。
「チッ。この攻撃で、あの程度の傷か?」
ドリアスは斬撃では致命傷を与えられないと思い、刺突による攻撃、一点集中による突きで仕留めようと体勢を立て直す。
その隙に、倒れている冒険者と満身創痍の冒険者二人を救出し、Aランク冒険者で回復術を最も得意としているハンナが二人を癒す。この辺りは流石Sランクギルドだ。
その間も、暴れるランドルには魔術による攻撃がひっきりなしに行われ、ドリアスは確実に仕留めるべく刺突の体制で隙を伺っている。
ルーカスは、このままいけば問題なくランドルを始末でき、ついでに冒険者二人も救えるだろうと思い、一切手を出さずに戦況を見ていた。
「あら、確かにちょっとだけ強めの魔獣の気配がしますね。これが今回対象のランドルでしょうか?フフ、新生【癒しの雫】としてしっかりと結果を残さなくてはいけませんね。腕がなります」
人族が恐れをなし、十全な対策の元に討伐対象となるAランクの魔獣でも、フレナブルにとってみれば、他と比べてちょっとだけ強めの魔獣なのだ。
可愛らしく両こぶしを握り、通常であれば命の危険があるダンジョンに微笑みを携えたままテクテクと歩いていくフレナブル。
「この武具の性能評価をミハイルさん達にしなくてはなりませんからね。しっかりと使いこなすように気を引き締めなければなりません」
気を引き締めた表情に変わったのだが、それは周囲の警戒の為ではなく、【癒しの雫】に新たに加入した鍛冶士達の作品である武具の性能評価に対してだ。
「それにしても……四体ですか。ゴクドは少しだけダンジョンの制御が出来るようになったのかもしれませんね」
ギルド本部としては、冒険者達の目撃情報を基にAランク魔獣であるランドルの存在の可能性を認識していたのだが、各人からバラバラに報告が上がっているので、一体を複数の冒険者が視認していたと思い込んでいた。
ほぼ【勇者の館】の冒険者からの報告だが、緊急情報であるが故に口頭での報告後、ギルドとして本部に正式な書類で詳細を報告する。
クオウが去った【勇者の館】ではそのような処理が出来る人材が一人もいない為、口頭報告のみになっていたのだ。
この書類提出によって情報の祖語を無くしていくと共に、報告側のギルドの評価にもつながるシステムではあったのだが、【勇者の館】の受付を統括しているルーニーですら報告書が書けるほどの力量は持ち合わせていない。
そもそも、目撃者に対しての聴取も行わなくてはならないので、そんな面倒な事をせずともギルドの評価は最高を維持できる上、Aランク一体が存在する事は確実に報告済みなのだから問題ないと思っていたのだ。
「ルーカス様、今日のノルマは達成いたしました」
「そうか。では終了とするか。おい、聞いたな?今日は終わりだ。警戒しつつダンジョンから出るぞ」
このダンジョン内部で魔獣討伐依頼を行っている【勇者の館】一行。
ギルドマスターであるルーカスもこの場に存在しているのだが、今日の分の討伐ノルマは終了したようで、全員で撤退の準備を始めていた。
もちろんこのダンジョンには、他の依頼で来ている【勇者の館】以外のギルドメンバーも存在しているが、少し大きい空間であるこの場にいるのは、【勇者の館】の冒険者だけだ。
「今日も大量だったな」
「おう。それに、ルーカス様がいるおかげで仕事も早く終わったし、さっさと戻って一杯行こうぜ?」
多少緩みつつも、一応周囲の警戒は怠らずに出口に向かっている一行。
……キィーン……
そこに、明らかに戦闘音が聞こえて来た。
通常は、冒険者の獲物を横取りするような行為はご法度であり、ダンジョン内部で戦闘音が聞こえてくるのは普通の事なので、そのまま出口に向かおうとしていた一行。
「……誰か!助けてくれ!!」
このような声が聞こえては、そのまま出口に向かうわけには行かない。
冒険者は自己責任であり、命を代償に行動する程に高額の報酬を得る事ができるのだから、願い叶わず命が散る事も珍しくない。
そんな中、一応仲間である冒険者の助け、そして自分達には最強冒険者Sランクのルーカスがいる、更には既に自分達のノルマは達成している事から、一行は助けを求めている方向に迷わず足を向けた。
悲鳴が聞こえて来る先にいるのは、今噂になっているAランクの魔獣であるランドルである可能性もあり、その魔獣を始末すれば更なる報酬が得られる事からも、慎重に進む【勇者の館】の冒険者達。
ルーカスがこの場にいなければ、助けに向かった先にランドルがいた場合には自分達の安全が第一である為に、即撤退しているだろう。
特段この行動は咎められる謂れはなく、一般的な冒険者であれば誰しもがそうするのだ。
「ルーカス様、ひょっとしたら目撃情報の上がっているAランクのランドルかもしれませんね」
「かえって丁度良いかもしれないな。あのふざけた態度のギルド本部の連中に俺達【勇者の館】がどれ程優秀かを知らしめる良い機会になるだろう」
こうして向かうルーカス達の視界に入ったのは、一人が倒れ伏し、一人が必死でランドルの攻撃を防御している状態だった。
このランドル、Aランクに分類されているだけあってかなりの強さを誇っている。
見た目は熊の様な重厚な体つきだが、その見た目に反して動きは早く、手足を鋭利な刃物のように変形する事で物理的に攻撃してくる魔獣だ。
一般的には魔術による攻撃はしてこないと知られているのだが、稀に複合的に攻撃する個体も存在するので、油断はできない。
ランドルの物理攻撃を必死で防御をしている冒険者は、最早満身創痍で助けを求める声すら上げられなくなっている。
そこに到着したルーカスは、【勇者の館】の冒険者にこう告げる。
「やはりランドルか。見た感じ魔術を使うような個体ではなさそうだ。お前達、俺が補助してやるから、仕留めて見ろ。良い経験になるぞ!」
【勇者の館】所属の冒険者は高レベルが多数存在している。
もちろんAランクも多数おり、この場にも同行してきている。
ランク的には同じAであり、危険は伴うが対応可能なので、ルーカスとしても無理難題を吹っかけている訳ではない。
人族も魔獣も同じだが、同じランクでも幅は当然存在する。
その範囲によって冒険者側が不利になる場合にはSランクのルーカスが補助をすると言っているので、【勇者の館】所属冒険者達は我先にとランドルに仕掛ける。
「初撃はいただきだ」
【勇者の館】所属Aランク冒険者であり剣術を最も得意とするドリアスが、必死で防御している冒険者とランドルの間に流れるように近接し、一撃を加える。
【勇者の館】所属のこの場にいる残りの冒険者は、攻撃に特化したAランクでは無く、回復魔術を得意とする者や、ランドル相手では少々厳しいBランクの集団だった為、Bランクの冒険者は危険を冒さずに少々離れた位置から攻撃魔術を行使している。
「グォー!!」
ドリアスとしては初撃で仕留められるほどに深く切り込んだつもりだが、体毛による防御力が高いランドルに浅い傷をつけるだけだった。
今までは冒険者に対して遊びながら一方的に攻撃していたところ、突然現れた他の冒険者から反撃を受けたので暴れ始めるランドル。
「チッ。この攻撃で、あの程度の傷か?」
ドリアスは斬撃では致命傷を与えられないと思い、刺突による攻撃、一点集中による突きで仕留めようと体勢を立て直す。
その隙に、倒れている冒険者と満身創痍の冒険者二人を救出し、Aランク冒険者で回復術を最も得意としているハンナが二人を癒す。この辺りは流石Sランクギルドだ。
その間も、暴れるランドルには魔術による攻撃がひっきりなしに行われ、ドリアスは確実に仕留めるべく刺突の体制で隙を伺っている。
ルーカスは、このままいけば問題なくランドルを始末でき、ついでに冒険者二人も救えるだろうと思い、一切手を出さずに戦況を見ていた。
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