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神保のダンジョンのレベル、そして以前は召喚直後の弱いダンジョンマスターを積極的に保護していた事、その保護していた対象、今この場所に元々ダンジョンを作っていた二人も庇護下にあったのだが、人族に滅ぼされてしまった事……等を含めて全て湯原と水野に説明したミズイチとハライチ。
「悲しいですね。人族はダンジョンから糧を得ると共に糧を与えます。ですから、ダンジョンマスターが人族に討たれてしまうのは……やむを得ないのかもしれませんが、そこに召喚冒険者と国家が絡んでくるとなると、思う所はあります。セーギ君はどうですか?」
「確かにカーリの言う通りだね。俺達がこの場所に安定してダンジョンを作る事が出来たのも、ダンジョン跡地があったから。そこを考えると、神保と言う人には感謝する必要があるのかもしれない。力を貸すと言っても無駄に人族を襲うような事には手を貸したくないし、どうするか」
「主様、カーリ様。今の所は水元の死亡によって警戒態勢を上げているので、ダンジョン外への侵攻等は考えていないようです。今後神保がどのように動くのかを見極めてからでも対応は遅くないと思います」
スラエの分裂体が神保のダンジョンに潜って常に情報を収集できる状態になっている為に言える言葉ではあるが、一先ずはこの場の全員が同意して様子を見る事にした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「水元が死ぬなんて……あの三原と岩本と言う召喚冒険者、相当力をつけたに違いないわね。改めてゴーストをつけたから弦間と淀島は安全でしょうけど、私の安全が少々脅かされるかもしれないわ。最近は内包魔力の溜まりも凄く悪いし……あの戦闘の影響もあるけれど、湯原と水野のダンジョンに人が流れたのが痛いわね。まさかダンジョン内部に人族の居住空間を作るなんて、どんな発想かしら。信じられないわね」
近くにレベル99に至っている<淫魔族>、<光族>、<狼族>の眷属三体がいるにはいるのだが、それでも神保は攻撃に打って出た場合には眷属も出撃させることになると思っているので、戦力に不安があった。
「神保様。私の知識によれば、今まで得た情報から湯原と水野のダンジョンは我らダンジョンに匹敵するほどの力を持っていると思われます。ここは慎重に行動されるのが良いでしょう」
<淫魔族>であるインキュバスの男が自ら進言している。
眷属召喚当初にはやはり信頼関係を得る事が出来ない関係だったが、他のダンジョンマスターを保護する辺りから性格も穏やかになり、徐々に信頼関係が構築されて今に至っている。
「じゃあ、どうするのかしら?時間が経過するにつれて向こうの戦力は増すばかりよ?」
「仰る通りです。ですが、あのダンジョンマスターは極めて冷静であると判断していますので、同じ立場である神保様の事情を話せば敵対する事は無いかと思います」
「それが出来れば苦労はしないわよ。ダンジョンマスターなんて配下にでもしない限り、そうそう会話なんてできないでしょう?」
一般的には、同じダンジョンマスターと言う立場と言っても敵対する可能性が高く、神保の言っている事は正論だ。
ここで力のなくなった淀島や弦間を送るような事はしない。
やはり根っこは庇護下にある者達を守ると言う心が消え去っていないのだ。
「ですので、私が直接侵入してみようと思います。<淫魔族>で弱点はあるとは言えレベル99ですから、向こうのマスター側には私が侵入したとの情報はすぐに流れるはずです」
「危ないわよ!向こうも相当力があるんでしょ?最悪は消されるのよ?二度と召喚出来ないのよ?理解しているのかしら」
「それも承知の上です。ですが私の考えでは突然襲い掛かられる事は無いでしょう。今迄仕入れた5階層までの情報のなかで、3階層までは攻撃もなければ罠もありませんし、1階層にはダンジョンの関係者が受付をしているほどですから。恐らくそこで事情を話せば即向こうのマスターには伝わるでしょう。そこからは……運任せの所は否めませんが、きっと大丈夫です」
その全てをスラエの分裂体に聞かれているとは知らない<淫魔族>のインキュバスは、何とか主である神保を説得して一人湯原と水野のダンジョンを目指して移動する。
夜に移動すれば力は全て出し切れるので、レベル99の力を使って一気に隣国のコッタ帝国まで移動してダンジョンに入って行く。
「アレが受付ですか。ここが勝負の分かれ道ですね。何とか神保様の為にこの身を犠牲にしても敵対を避けて頂かなければなりません」
一階層侵入直後の大きな建屋に向かってできている長い列に律儀に並びながら一人呟くインキュバス。
「少しお話させていただきますので、こちらへどうぞ。神保様の代理人様」
列に並んでいるインキュバスに対して突然話しかけたのは、受付の一人である<光族>のヒカリ。
スラエからの情報の他に、侵入者に対して完全な鑑定を行っているアイズの情報もあるので声をかけたのだ。
インキュバスは表情には出さずに、やはり相当力があるとだけ認識した上で黙ってヒカリについて行く。
いつもの通りに裏手に回って一つの部屋に入ると、まるで空気が自分を襲って来るかのような錯覚に見舞われるインキュバス。
部屋の一番奥の席には湯原と水野がおり、護衛の為にデル、レイン、チェー本体、スラビ本体が来ている。
特に殺気を出している様子がない状態であるのは間違いなく、逆に言うとその存在だけでレベル99の自分がこれほど圧倒されてしまった事で、覆しようのない戦力差があると理解できてしまう、頭の回転が早い<淫魔族>であるインキュバス。
ここが踏ん張りどころだと思い、優雅に一礼する。
「悲しいですね。人族はダンジョンから糧を得ると共に糧を与えます。ですから、ダンジョンマスターが人族に討たれてしまうのは……やむを得ないのかもしれませんが、そこに召喚冒険者と国家が絡んでくるとなると、思う所はあります。セーギ君はどうですか?」
「確かにカーリの言う通りだね。俺達がこの場所に安定してダンジョンを作る事が出来たのも、ダンジョン跡地があったから。そこを考えると、神保と言う人には感謝する必要があるのかもしれない。力を貸すと言っても無駄に人族を襲うような事には手を貸したくないし、どうするか」
「主様、カーリ様。今の所は水元の死亡によって警戒態勢を上げているので、ダンジョン外への侵攻等は考えていないようです。今後神保がどのように動くのかを見極めてからでも対応は遅くないと思います」
スラエの分裂体が神保のダンジョンに潜って常に情報を収集できる状態になっている為に言える言葉ではあるが、一先ずはこの場の全員が同意して様子を見る事にした。
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「水元が死ぬなんて……あの三原と岩本と言う召喚冒険者、相当力をつけたに違いないわね。改めてゴーストをつけたから弦間と淀島は安全でしょうけど、私の安全が少々脅かされるかもしれないわ。最近は内包魔力の溜まりも凄く悪いし……あの戦闘の影響もあるけれど、湯原と水野のダンジョンに人が流れたのが痛いわね。まさかダンジョン内部に人族の居住空間を作るなんて、どんな発想かしら。信じられないわね」
近くにレベル99に至っている<淫魔族>、<光族>、<狼族>の眷属三体がいるにはいるのだが、それでも神保は攻撃に打って出た場合には眷属も出撃させることになると思っているので、戦力に不安があった。
「神保様。私の知識によれば、今まで得た情報から湯原と水野のダンジョンは我らダンジョンに匹敵するほどの力を持っていると思われます。ここは慎重に行動されるのが良いでしょう」
<淫魔族>であるインキュバスの男が自ら進言している。
眷属召喚当初にはやはり信頼関係を得る事が出来ない関係だったが、他のダンジョンマスターを保護する辺りから性格も穏やかになり、徐々に信頼関係が構築されて今に至っている。
「じゃあ、どうするのかしら?時間が経過するにつれて向こうの戦力は増すばかりよ?」
「仰る通りです。ですが、あのダンジョンマスターは極めて冷静であると判断していますので、同じ立場である神保様の事情を話せば敵対する事は無いかと思います」
「それが出来れば苦労はしないわよ。ダンジョンマスターなんて配下にでもしない限り、そうそう会話なんてできないでしょう?」
一般的には、同じダンジョンマスターと言う立場と言っても敵対する可能性が高く、神保の言っている事は正論だ。
ここで力のなくなった淀島や弦間を送るような事はしない。
やはり根っこは庇護下にある者達を守ると言う心が消え去っていないのだ。
「ですので、私が直接侵入してみようと思います。<淫魔族>で弱点はあるとは言えレベル99ですから、向こうのマスター側には私が侵入したとの情報はすぐに流れるはずです」
「危ないわよ!向こうも相当力があるんでしょ?最悪は消されるのよ?二度と召喚出来ないのよ?理解しているのかしら」
「それも承知の上です。ですが私の考えでは突然襲い掛かられる事は無いでしょう。今迄仕入れた5階層までの情報のなかで、3階層までは攻撃もなければ罠もありませんし、1階層にはダンジョンの関係者が受付をしているほどですから。恐らくそこで事情を話せば即向こうのマスターには伝わるでしょう。そこからは……運任せの所は否めませんが、きっと大丈夫です」
その全てをスラエの分裂体に聞かれているとは知らない<淫魔族>のインキュバスは、何とか主である神保を説得して一人湯原と水野のダンジョンを目指して移動する。
夜に移動すれば力は全て出し切れるので、レベル99の力を使って一気に隣国のコッタ帝国まで移動してダンジョンに入って行く。
「アレが受付ですか。ここが勝負の分かれ道ですね。何とか神保様の為にこの身を犠牲にしても敵対を避けて頂かなければなりません」
一階層侵入直後の大きな建屋に向かってできている長い列に律儀に並びながら一人呟くインキュバス。
「少しお話させていただきますので、こちらへどうぞ。神保様の代理人様」
列に並んでいるインキュバスに対して突然話しかけたのは、受付の一人である<光族>のヒカリ。
スラエからの情報の他に、侵入者に対して完全な鑑定を行っているアイズの情報もあるので声をかけたのだ。
インキュバスは表情には出さずに、やはり相当力があるとだけ認識した上で黙ってヒカリについて行く。
いつもの通りに裏手に回って一つの部屋に入ると、まるで空気が自分を襲って来るかのような錯覚に見舞われるインキュバス。
部屋の一番奥の席には湯原と水野がおり、護衛の為にデル、レイン、チェー本体、スラビ本体が来ている。
特に殺気を出している様子がない状態であるのは間違いなく、逆に言うとその存在だけでレベル99の自分がこれほど圧倒されてしまった事で、覆しようのない戦力差があると理解できてしまう、頭の回転が早い<淫魔族>であるインキュバス。
ここが踏ん張りどころだと思い、優雅に一礼する。
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