129 / 159
(128)
しおりを挟む
最弱と言われるスライムにすら対応できない程に怯えて震えている四人の召喚冒険者達の目の前に、最下層である22階層から一気にここまで登ってきたゴーストとマンティスが現れる。
マンティスはその鎌のような手を無駄に舐めて恐怖を煽っているが、ゴーストは冷たい視線を四人に投げつつもこう告げる。
「また会ったな。お前達の浅はかな行動にはあきれるばかりだ。何だったか?ダンジョンマスターを始末して力をつけた後に、我らが主のダンジョンを再度侵略する?随分と面白い事を言っていたな。あの時の我らが主の言葉を忘れたか?」
まさか目の前のゴーストが湯原と水野の配下であり、谷底で醜態を晒した時にいた同一個体だとは思いもよらなかった四人は、更に震えが増すばかり。
「主の温情に感謝をする事もせずに、寝首をかこうとするその姿勢。決して容認する事は出来ない。二度目はない。そう伝えた事を思い出しているな?」
空中に浮かんではいるのだが、ゆっくりと腰を抜かしてガクガク震えている四人に近づくゴーストと、鎌を舐めながら視線を四人から外さずに同じく近づくマンティス。
「先ずはお前だ」
そう言って、最も近くにいた吉川の頭を掴んで空中に持ち上げたゴーストは、そのままマンティスの方に放り投げる。
なす術なく地面に転がる吉川……
「ま、タス・・ま」
もう口も震えて何を言っているのかわからないが、助けを求めているのは間違いなさそうで、その視線は残りの三人に向けられている。
しかし三人も更に恐怖を煽られており、もうふざけて踊っているのかと言う程に全身が震えているので助けられるわけがない。
そのままマンティスは吉川を持ち上げて、その右腕を少々口にする。
「あ“~!!」
叫び声だけはしっかりと発声できるので、その様子を見てより一層三人の心をへし折りに行く。
マンティスはそのまま吉川を抱えてどこかに消え去るのだが、時折右腕の傷を弄るので大きな叫び声だけは絶え間なく聞こえている残りの三人。
「次はお前だな」
次に近くにいた藤代も同じようにマンティスの前に放り投げられ、同じように腕を齧られて悲鳴を上げた後、この場から抱えられて消えて行く。
そこに戻ってきたのは、口周辺を血で真っ赤にしたマンティス。
実は一回目に腕の一部をかんだ後には、その傷に口を突っ込んで痛みを与えていただけで何もしていないのだが、そのせいで口の周りは血だらけだ。
残った二人、笹岡と椎名から見れば間違いなく吉川は捕食されたと思い、もう気絶寸前までの状態になっている。
吉川はこの場から見えない位置で気絶しているだけで命に別状はなく、腕も放っておけば召喚冒険者のレベルを考慮すればその内自然治癒するレベルではある。
こうして四人全員に同じような行動をして最大限の恐怖を与える事に成功したゴーストとマンティス。
魔法を行使してダンジョンの外にまで四人を運ぶと、各自が持っている装備も完全に破壊した上で雑に放り投げて22階層のコアルームにまで戻る。
「美智様、全て滞りなく終了しました。ないとは思いますが万が一にでも次に侵入した場合は、今回のように優しい対応はせずに少々厳しく行こうかと思っております。では我らはこれにて失礼します」
「ありがとうございました。セーギさん、カーリさんにもよろしくお伝えください」
こうして派遣されたゴーストとマンティスは20階層に戻り、転移魔方陣を使って湯原と水野のダンジョン40階層に帰還後、即ミズイチとハライチに状況の報告をする。
その報告を受けて、所々厳しい描写はぼかしつつも四人の冒険者の命を取る事なくきっちりと対処できたと主である二人に報告するミズイチとハライチ。
「それは良かった。でもそうなると、もう一方の岩本と三原の方も何か企んでいるのか気になるね」
「実は私も同じ事を思っていました、セーギ君」
二人の主が正確に状況を予想した事で、止む無く岩本と三原が王城で話していた事を告げる。
「主様、カーリ様。あの二人も四人の召喚冒険者と同じような事をラスリ王国の王城で国王と話しておりました。狙いは、水元のダンジョンのようです。実はこのダンジョン、少し前に淀島と弦間のダンジョンと合わせて戦闘していたダンジョンで、戦闘終了後に珍しく一つも枯れていないダンジョンの内の一つです」
「良くわからないけど、でもハライチ達の事だから調査しているんでしょ?」
「はい。仰る通りです、主様。結論から申し上げますと、かなり高い確率でコッタ帝国にある神保のダンジョンの支配下にあるようです。ですが神保のダンジョンそのものは今回の戦闘には直接的に参加していないためダメージは無いはずなのですが、その後も特に大きな動きを見せておりません。その事も含めて継続して調査を実施しております」
ハライチの後にミズイチも続くが、神保のダンジョン調査はあまり進捗が良くなさそうだ。
「ですが、神保のダンジョンからゴーストが出現している事は確認済みですので、相当なレベルにあると判断しております。ですから慎重に調査を進めている所なので、今の時点でご報告できる事はありません」
マンティスはその鎌のような手を無駄に舐めて恐怖を煽っているが、ゴーストは冷たい視線を四人に投げつつもこう告げる。
「また会ったな。お前達の浅はかな行動にはあきれるばかりだ。何だったか?ダンジョンマスターを始末して力をつけた後に、我らが主のダンジョンを再度侵略する?随分と面白い事を言っていたな。あの時の我らが主の言葉を忘れたか?」
まさか目の前のゴーストが湯原と水野の配下であり、谷底で醜態を晒した時にいた同一個体だとは思いもよらなかった四人は、更に震えが増すばかり。
「主の温情に感謝をする事もせずに、寝首をかこうとするその姿勢。決して容認する事は出来ない。二度目はない。そう伝えた事を思い出しているな?」
空中に浮かんではいるのだが、ゆっくりと腰を抜かしてガクガク震えている四人に近づくゴーストと、鎌を舐めながら視線を四人から外さずに同じく近づくマンティス。
「先ずはお前だ」
そう言って、最も近くにいた吉川の頭を掴んで空中に持ち上げたゴーストは、そのままマンティスの方に放り投げる。
なす術なく地面に転がる吉川……
「ま、タス・・ま」
もう口も震えて何を言っているのかわからないが、助けを求めているのは間違いなさそうで、その視線は残りの三人に向けられている。
しかし三人も更に恐怖を煽られており、もうふざけて踊っているのかと言う程に全身が震えているので助けられるわけがない。
そのままマンティスは吉川を持ち上げて、その右腕を少々口にする。
「あ“~!!」
叫び声だけはしっかりと発声できるので、その様子を見てより一層三人の心をへし折りに行く。
マンティスはそのまま吉川を抱えてどこかに消え去るのだが、時折右腕の傷を弄るので大きな叫び声だけは絶え間なく聞こえている残りの三人。
「次はお前だな」
次に近くにいた藤代も同じようにマンティスの前に放り投げられ、同じように腕を齧られて悲鳴を上げた後、この場から抱えられて消えて行く。
そこに戻ってきたのは、口周辺を血で真っ赤にしたマンティス。
実は一回目に腕の一部をかんだ後には、その傷に口を突っ込んで痛みを与えていただけで何もしていないのだが、そのせいで口の周りは血だらけだ。
残った二人、笹岡と椎名から見れば間違いなく吉川は捕食されたと思い、もう気絶寸前までの状態になっている。
吉川はこの場から見えない位置で気絶しているだけで命に別状はなく、腕も放っておけば召喚冒険者のレベルを考慮すればその内自然治癒するレベルではある。
こうして四人全員に同じような行動をして最大限の恐怖を与える事に成功したゴーストとマンティス。
魔法を行使してダンジョンの外にまで四人を運ぶと、各自が持っている装備も完全に破壊した上で雑に放り投げて22階層のコアルームにまで戻る。
「美智様、全て滞りなく終了しました。ないとは思いますが万が一にでも次に侵入した場合は、今回のように優しい対応はせずに少々厳しく行こうかと思っております。では我らはこれにて失礼します」
「ありがとうございました。セーギさん、カーリさんにもよろしくお伝えください」
こうして派遣されたゴーストとマンティスは20階層に戻り、転移魔方陣を使って湯原と水野のダンジョン40階層に帰還後、即ミズイチとハライチに状況の報告をする。
その報告を受けて、所々厳しい描写はぼかしつつも四人の冒険者の命を取る事なくきっちりと対処できたと主である二人に報告するミズイチとハライチ。
「それは良かった。でもそうなると、もう一方の岩本と三原の方も何か企んでいるのか気になるね」
「実は私も同じ事を思っていました、セーギ君」
二人の主が正確に状況を予想した事で、止む無く岩本と三原が王城で話していた事を告げる。
「主様、カーリ様。あの二人も四人の召喚冒険者と同じような事をラスリ王国の王城で国王と話しておりました。狙いは、水元のダンジョンのようです。実はこのダンジョン、少し前に淀島と弦間のダンジョンと合わせて戦闘していたダンジョンで、戦闘終了後に珍しく一つも枯れていないダンジョンの内の一つです」
「良くわからないけど、でもハライチ達の事だから調査しているんでしょ?」
「はい。仰る通りです、主様。結論から申し上げますと、かなり高い確率でコッタ帝国にある神保のダンジョンの支配下にあるようです。ですが神保のダンジョンそのものは今回の戦闘には直接的に参加していないためダメージは無いはずなのですが、その後も特に大きな動きを見せておりません。その事も含めて継続して調査を実施しております」
ハライチの後にミズイチも続くが、神保のダンジョン調査はあまり進捗が良くなさそうだ。
「ですが、神保のダンジョンからゴーストが出現している事は確認済みですので、相当なレベルにあると判断しております。ですから慎重に調査を進めている所なので、今の時点でご報告できる事はありません」
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる