119 / 159
(118)
しおりを挟む
藤代と椎名は湯原と水野に対して、もとより助けも手加減も、見逃す事すらするつもりが無いのだが、この脅しを聞かされても光族の男の表情が変わる事は無かったばかりか、さっさと話しを進めてしまう。
「では、二階層に進まれると言う事ですね。こちらの転移魔法陣Bにお進みください」
転移魔法陣Bによって、二階層入り口に瞬時に移動する藤代と椎名。
「なにコレ?聞くのと見るのとでは全然違うじゃん!」
「そうね。本当、キャンプ場が作りたかったのかな?」
三階層までは相当緩いダンジョンと聞いていたのだが、想像を超えた緩さである事から毒気が一気に抜かれ、いつの間にかレベル33になっているその力を全力で駆使して広大な階層を突っ走る。
その背後をアイズとチェーが追っている事等知る由もないまま、行く手を阻む魔物や罠は一切存在しない為に悠々と三階層まで到着する。
「って、ここも?だけど……二週間の連続滞在は不可って?」
「不思議なダンジョンよね。あの二人ならば、有りえなくもないわね」
情報通りに相当緩い三階層までの道のりと、三階層で疲れを完全に癒せる仕様になっている事から、半端な性格の湯原と水野がマスターであればこうなるだろうと思っている。
「で、彩ぴょん。全然疲れていないし、このまま進む?」
「そうね。そうしましょうか?情報によれば少し前にあの男も5階層まで進んだようなので、最低でもそこまでは早めに進んでおいた方が良いと思うの。あの男がその後に一旦ダンジョンから無傷で出たと言う事は攻略が目前と判断したのでしょうから、精々8か9階層と判断できるわ」
この二人は今この時点でダンジョンに侵入しているために、敵の立場のダンジョンに大いなる糧を与えている事はすっぽり頭から抜けている。
湯原と水野のダンジョンは既に外部からの糧がなくともビーによって内包魔力は潤沢に蓄える事が出来るので、結果的にはあまり関係ないのだが、残念ながら配下のレベルを上昇させる事が出来る<保有レベル>は上昇しないので、その部分に関しては良い糧となっている。
敵に戦力を与えていると言う意識がなく呑気な二人だが、やはり表情は真剣でそのまま一気に下階層に向かって進む。
二人共に魔法を得意とする冒険者であり、藤代は炎・水魔法を駆使し、椎名は光魔法による防御や癒し、更にはレベルに応じた身体能力で召喚魔物に対処している。
チュートしかいない四階層を難なく抜け、5階層の迷路上のスケルトンも難なく排除して、結構な数の魔法のスクロールまで手に入れている。
「彩ぴょん、次の階層でコレ使ってみようか?」
「鑑定では……罠ではなく本物みたいだから、丁度良いわね。あまり連続で魔法を使うと疲れるし、って、そうならないようにスクロールを出しているのかしら?そう言う仕様?本当に甘々ね」
今迄あまりにも全てが上手く行っているので、効率的に進めば冒険者達の疲労を回復させるような形で侵攻できるように設定されているダンジョンなのかと思っている。
相手にしている魔物のレベルは低いが、相当数を排除した事によってレベルが一つ上がって34にまでなっている二人。
「フフ、こんなに楽でレベルも上がる。最終階層の8か9階層に着く頃には、レベル40も夢じゃないわね」
「本当だよね!急ごう彩ぴょん」
長寿と言う名の存在が一段階上がるレベル40が視界に入ってきたので、更に階層を進む二人だが……レベル99のダンジョンのマスターである二人のブレーンであるハライチとミズイチがそのような行動を許す設定にしている訳がない。
一階層の建屋の部屋から最終階層の城のとある部屋で待っているミズイチの所に転移しているハライチは、ミズイチと共に全ての情報を集めているので、今の二人の会話も全て筒抜けになっている。
「ハライチ。この二人は少々お気楽すぎませんか?」
「えぇ。一階層の星出さんと岡島さんからは表情が有りえないと聞きましたが、それだけだったようですね」
このダンジョン、当然対極の存在に対して糧を与えないように、6階層以下では召喚者に対してレベル上昇が行われない設定を施している。例えどれ程レベル差がある魔物を倒そうが……だ。
これもダンジョンレベル70で手に入れた環境変化(極)によるものだ。
残念な事に、ダンジョン階層が4階層以下の状態時に使用するだけで内包魔力を3000使用するので、例えばこの世界に存在するレベル99のダンジョンである神保のダンジョンは全85階層なので、同じ設定を一つの階層に施すには……内包魔力は5階層追加ごとに倍になるので、393,216,000と言うとてつもない数字になる。
結局初期の段階から<淫魔族>との深い絆が無ければ、例えダンジョンのレベルを上げて有りえない力を行使する能力を手に入れても、実行する事は出来ないのだ。
寧ろ能力の詳細が分かっても実行できない歯がゆさに、悶絶する事になる。
湯原と水野のダンジョンは朋美の滞在による短期間でのレベル上昇と言う恩恵もあったのだが、4階層の段階で各階層を広大にしており、各エリアに対して全ての設定を完了した状態で分割の上階層追加しており、効率的に戦力を上げる事が出来ていた。
ビーの様な特殊な眷属がいない限りは天文学的な数字の内包魔力を集める事は不可能なのが現実であり、どこを探してもそのような設定になっているダンジョンの記録はないので、冒険者側にも、ダンジョンマスター側にも何も知識は無い。
その二人を追うように、嫌々王命を受けた岩本がダンジョンに侵入する。
「では、二階層に進まれると言う事ですね。こちらの転移魔法陣Bにお進みください」
転移魔法陣Bによって、二階層入り口に瞬時に移動する藤代と椎名。
「なにコレ?聞くのと見るのとでは全然違うじゃん!」
「そうね。本当、キャンプ場が作りたかったのかな?」
三階層までは相当緩いダンジョンと聞いていたのだが、想像を超えた緩さである事から毒気が一気に抜かれ、いつの間にかレベル33になっているその力を全力で駆使して広大な階層を突っ走る。
その背後をアイズとチェーが追っている事等知る由もないまま、行く手を阻む魔物や罠は一切存在しない為に悠々と三階層まで到着する。
「って、ここも?だけど……二週間の連続滞在は不可って?」
「不思議なダンジョンよね。あの二人ならば、有りえなくもないわね」
情報通りに相当緩い三階層までの道のりと、三階層で疲れを完全に癒せる仕様になっている事から、半端な性格の湯原と水野がマスターであればこうなるだろうと思っている。
「で、彩ぴょん。全然疲れていないし、このまま進む?」
「そうね。そうしましょうか?情報によれば少し前にあの男も5階層まで進んだようなので、最低でもそこまでは早めに進んでおいた方が良いと思うの。あの男がその後に一旦ダンジョンから無傷で出たと言う事は攻略が目前と判断したのでしょうから、精々8か9階層と判断できるわ」
この二人は今この時点でダンジョンに侵入しているために、敵の立場のダンジョンに大いなる糧を与えている事はすっぽり頭から抜けている。
湯原と水野のダンジョンは既に外部からの糧がなくともビーによって内包魔力は潤沢に蓄える事が出来るので、結果的にはあまり関係ないのだが、残念ながら配下のレベルを上昇させる事が出来る<保有レベル>は上昇しないので、その部分に関しては良い糧となっている。
敵に戦力を与えていると言う意識がなく呑気な二人だが、やはり表情は真剣でそのまま一気に下階層に向かって進む。
二人共に魔法を得意とする冒険者であり、藤代は炎・水魔法を駆使し、椎名は光魔法による防御や癒し、更にはレベルに応じた身体能力で召喚魔物に対処している。
チュートしかいない四階層を難なく抜け、5階層の迷路上のスケルトンも難なく排除して、結構な数の魔法のスクロールまで手に入れている。
「彩ぴょん、次の階層でコレ使ってみようか?」
「鑑定では……罠ではなく本物みたいだから、丁度良いわね。あまり連続で魔法を使うと疲れるし、って、そうならないようにスクロールを出しているのかしら?そう言う仕様?本当に甘々ね」
今迄あまりにも全てが上手く行っているので、効率的に進めば冒険者達の疲労を回復させるような形で侵攻できるように設定されているダンジョンなのかと思っている。
相手にしている魔物のレベルは低いが、相当数を排除した事によってレベルが一つ上がって34にまでなっている二人。
「フフ、こんなに楽でレベルも上がる。最終階層の8か9階層に着く頃には、レベル40も夢じゃないわね」
「本当だよね!急ごう彩ぴょん」
長寿と言う名の存在が一段階上がるレベル40が視界に入ってきたので、更に階層を進む二人だが……レベル99のダンジョンのマスターである二人のブレーンであるハライチとミズイチがそのような行動を許す設定にしている訳がない。
一階層の建屋の部屋から最終階層の城のとある部屋で待っているミズイチの所に転移しているハライチは、ミズイチと共に全ての情報を集めているので、今の二人の会話も全て筒抜けになっている。
「ハライチ。この二人は少々お気楽すぎませんか?」
「えぇ。一階層の星出さんと岡島さんからは表情が有りえないと聞きましたが、それだけだったようですね」
このダンジョン、当然対極の存在に対して糧を与えないように、6階層以下では召喚者に対してレベル上昇が行われない設定を施している。例えどれ程レベル差がある魔物を倒そうが……だ。
これもダンジョンレベル70で手に入れた環境変化(極)によるものだ。
残念な事に、ダンジョン階層が4階層以下の状態時に使用するだけで内包魔力を3000使用するので、例えばこの世界に存在するレベル99のダンジョンである神保のダンジョンは全85階層なので、同じ設定を一つの階層に施すには……内包魔力は5階層追加ごとに倍になるので、393,216,000と言うとてつもない数字になる。
結局初期の段階から<淫魔族>との深い絆が無ければ、例えダンジョンのレベルを上げて有りえない力を行使する能力を手に入れても、実行する事は出来ないのだ。
寧ろ能力の詳細が分かっても実行できない歯がゆさに、悶絶する事になる。
湯原と水野のダンジョンは朋美の滞在による短期間でのレベル上昇と言う恩恵もあったのだが、4階層の段階で各階層を広大にしており、各エリアに対して全ての設定を完了した状態で分割の上階層追加しており、効率的に戦力を上げる事が出来ていた。
ビーの様な特殊な眷属がいない限りは天文学的な数字の内包魔力を集める事は不可能なのが現実であり、どこを探してもそのような設定になっているダンジョンの記録はないので、冒険者側にも、ダンジョンマスター側にも何も知識は無い。
その二人を追うように、嫌々王命を受けた岩本がダンジョンに侵入する。
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる