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「クック。ま、まさかあの二人がここまでやるとは……い、いや、岩本とか言う召喚冒険者のせい……神保様、ぼ、僕の眷属の蟻族と鳥族は、し、死んだみたい。ちょっと手を貸して欲しい……です」
ここは弦間のダンジョンのコアルーム。
そこに転移魔法陣Cで神保が眷属と多数の魔物を引き連れて存在している。
淀嶋と水元の二人を支配下に置くために攻め込んではいるものの、やや劣勢になりつつある状況に焦りを覚え、自らの絶対の主である神保に助力を願い出ている弦間。
「貴方は本当にバカよね~。せっかくゴーストを貸してあげたのに有効活用できないばかりか、死なせるなんて。劣勢なのも、二つのダンジョンを相手にするのだから、眷属を各一体しか出さないのであれば負けるに決まっているでしょう?レベル60だからって油断しすぎじゃないの?そんな事も分からないのかしら」
「そ……それは」
「本当に困っちゃうわね。今残っているあなたの眷属、蜘蛛族と馬族か……今潜ってきている向こうの眷属の蜘蛛族と自然族はそれで相手しなさい。本当は召喚冒険者の岩本には、同じ召喚冒険者の三原とか言う女を引き込みたかったけれど、ちょっと接触が間に合わなかったのよね。一時期どこにいるか分からなくなっていたから……もう。本当に面倒くさいわね。岩本とか言うのは、私が相手にしてあげるわよ。ゴースト二体。これ以上は出さないわ。じゃあ、頑張ってね!」
一気に言いたい事だけ伝えて消えて行く神保だが、約束は守るようで、レベル80のゴースト二体がその場に佇んでいる。
「クック。この二体であれば、か、勝てる」
弦間としては、岩本にはゴースト二体。
侵攻している自然族には鳥族を、蜘蛛族には蟻族を対処させる事で排除できると見ていた。
残っている眷属の馬族と蜘蛛族もレベル60であり、そこに負ける要素は何一つないと安堵する。
「クック。こ、こうなれば、散々痛めつけて、は、配下にする」
二度と呼び出す事の出来ない眷属と言うダンジョンマスターにとっては特別な存在を、二体も始末された鬱憤を晴らそうとしている。
27階層のコアルームにいながらも自らのダンジョンの情報を集め……敵は23階層を進んでいる為に、24階層である大草原エリアに眷属とゴーストを差し向ける。
この弦間はダンジョンレベル60であり、神保を除けば自分が最強であると自負しているので、そこに大きな油断が生まれる。
淀嶋と水元は、自分達よりもどう見ても格上、二人で共闘しても不利であると分かっているので、この戦いで何かを温存する事はない。
今回の侵入者である弦間の眷属二体も全力で屠り、その戦闘によって召喚魔物達が大ダメージを受けたが、それでも手を緩める事はない。
ダンジョンの護衛には召喚魔物を残し、残り全ての眷属を弦間のダンジョンに向かわせたのだ。
例えレベルの低い隠魔族であろうが、少しでも敵を不利にするためにその全てを放出したので、隠魔族二体、光族二体、蜘蛛族、自然族が弦間のダンジョンに侵入する事になった。
この作戦は水元の眷属である自然族には事前に伝えられており、スキートの感情を信号として淀嶋と水元のダンジョンを出たと互いに連絡を受ける。
「おい、どうした?何故突然侵攻速度を下げる?俺が思うに、一気に行くべきだ」
後から追ってくる眷属と合流する事を目的に侵攻速度を露骨に下げた自然族に対し、事情を知らない岩本は、今のところは何とか敵を捌けているので、この勢いのまま体力が無くなる前に一気に攻めるべきだと主張する。
「岩本様、ここでは申せませんが……事情があります。レベル60を公言しているダンジョン、眷属も残っているはずですので万全を期す必要があります」
自然族のこの一言である程度の事は理解できた岩本は、黙って速度を合わせ、慎重に進んで行く。
「ちぃ、おい!俺が思うに、ゴーストだ。ゴーストが来たぞ!!」
岩本の最も得意とする攻撃は槍による物理攻撃であり、物理攻撃が効かない魔物を発見して思わず舌打ちして魔法が得意な他の者に対処を任せようとするのだが、二体のゴーストはどう見ても自分を狙ってきているので、止む無く対応する。
そこにゴーストよりも弱そうだが、ダンジョン下層から蜘蛛族と馬族が現れ、岩本の味方である自然族と蜘蛛族に向かって行く。
「どうやら、そいつらが残りの眷属らしいな!俺が思うに、こいつらを始末すれば、レベル1のダンジョンマスターだけだ!」
何故か眷属よりも格上のゴースト二体がいる事は考えずに、安易に結論づける岩本。
弦間の蜘蛛族は水元の自然族に向かい、馬族は淀嶋の蜘蛛族に向かっている。
明らかに大きくレベルが違うので、相性云々は全く関係が無いのだが……そこに、淀嶋と水元の残りの眷属が全て現れて大混戦になる。
「俺が思うに、良い作戦だぜ!」
収納袋から魔法のスクロールを出し、一気に近接してきたゴーストに対して連続して魔法を行使する岩本。
今までの情報から槍使いと認識していたので、ゴーストの一体はある意味不意打ちを食らって魔法を真面に受けてしまう。
そこからは、敵も味方もない大混戦に陥る。
周囲は荒れ果て、自分の攻撃が味方に当たろうが関係ない程に岩本を含むこの場の存在が攻撃を乱発したのだ。
ここは弦間のダンジョンのコアルーム。
そこに転移魔法陣Cで神保が眷属と多数の魔物を引き連れて存在している。
淀嶋と水元の二人を支配下に置くために攻め込んではいるものの、やや劣勢になりつつある状況に焦りを覚え、自らの絶対の主である神保に助力を願い出ている弦間。
「貴方は本当にバカよね~。せっかくゴーストを貸してあげたのに有効活用できないばかりか、死なせるなんて。劣勢なのも、二つのダンジョンを相手にするのだから、眷属を各一体しか出さないのであれば負けるに決まっているでしょう?レベル60だからって油断しすぎじゃないの?そんな事も分からないのかしら」
「そ……それは」
「本当に困っちゃうわね。今残っているあなたの眷属、蜘蛛族と馬族か……今潜ってきている向こうの眷属の蜘蛛族と自然族はそれで相手しなさい。本当は召喚冒険者の岩本には、同じ召喚冒険者の三原とか言う女を引き込みたかったけれど、ちょっと接触が間に合わなかったのよね。一時期どこにいるか分からなくなっていたから……もう。本当に面倒くさいわね。岩本とか言うのは、私が相手にしてあげるわよ。ゴースト二体。これ以上は出さないわ。じゃあ、頑張ってね!」
一気に言いたい事だけ伝えて消えて行く神保だが、約束は守るようで、レベル80のゴースト二体がその場に佇んでいる。
「クック。この二体であれば、か、勝てる」
弦間としては、岩本にはゴースト二体。
侵攻している自然族には鳥族を、蜘蛛族には蟻族を対処させる事で排除できると見ていた。
残っている眷属の馬族と蜘蛛族もレベル60であり、そこに負ける要素は何一つないと安堵する。
「クック。こ、こうなれば、散々痛めつけて、は、配下にする」
二度と呼び出す事の出来ない眷属と言うダンジョンマスターにとっては特別な存在を、二体も始末された鬱憤を晴らそうとしている。
27階層のコアルームにいながらも自らのダンジョンの情報を集め……敵は23階層を進んでいる為に、24階層である大草原エリアに眷属とゴーストを差し向ける。
この弦間はダンジョンレベル60であり、神保を除けば自分が最強であると自負しているので、そこに大きな油断が生まれる。
淀嶋と水元は、自分達よりもどう見ても格上、二人で共闘しても不利であると分かっているので、この戦いで何かを温存する事はない。
今回の侵入者である弦間の眷属二体も全力で屠り、その戦闘によって召喚魔物達が大ダメージを受けたが、それでも手を緩める事はない。
ダンジョンの護衛には召喚魔物を残し、残り全ての眷属を弦間のダンジョンに向かわせたのだ。
例えレベルの低い隠魔族であろうが、少しでも敵を不利にするためにその全てを放出したので、隠魔族二体、光族二体、蜘蛛族、自然族が弦間のダンジョンに侵入する事になった。
この作戦は水元の眷属である自然族には事前に伝えられており、スキートの感情を信号として淀嶋と水元のダンジョンを出たと互いに連絡を受ける。
「おい、どうした?何故突然侵攻速度を下げる?俺が思うに、一気に行くべきだ」
後から追ってくる眷属と合流する事を目的に侵攻速度を露骨に下げた自然族に対し、事情を知らない岩本は、今のところは何とか敵を捌けているので、この勢いのまま体力が無くなる前に一気に攻めるべきだと主張する。
「岩本様、ここでは申せませんが……事情があります。レベル60を公言しているダンジョン、眷属も残っているはずですので万全を期す必要があります」
自然族のこの一言である程度の事は理解できた岩本は、黙って速度を合わせ、慎重に進んで行く。
「ちぃ、おい!俺が思うに、ゴーストだ。ゴーストが来たぞ!!」
岩本の最も得意とする攻撃は槍による物理攻撃であり、物理攻撃が効かない魔物を発見して思わず舌打ちして魔法が得意な他の者に対処を任せようとするのだが、二体のゴーストはどう見ても自分を狙ってきているので、止む無く対応する。
そこにゴーストよりも弱そうだが、ダンジョン下層から蜘蛛族と馬族が現れ、岩本の味方である自然族と蜘蛛族に向かって行く。
「どうやら、そいつらが残りの眷属らしいな!俺が思うに、こいつらを始末すれば、レベル1のダンジョンマスターだけだ!」
何故か眷属よりも格上のゴースト二体がいる事は考えずに、安易に結論づける岩本。
弦間の蜘蛛族は水元の自然族に向かい、馬族は淀嶋の蜘蛛族に向かっている。
明らかに大きくレベルが違うので、相性云々は全く関係が無いのだが……そこに、淀嶋と水元の残りの眷属が全て現れて大混戦になる。
「俺が思うに、良い作戦だぜ!」
収納袋から魔法のスクロールを出し、一気に近接してきたゴーストに対して連続して魔法を行使する岩本。
今までの情報から槍使いと認識していたので、ゴーストの一体はある意味不意打ちを食らって魔法を真面に受けてしまう。
そこからは、敵も味方もない大混戦に陥る。
周囲は荒れ果て、自分の攻撃が味方に当たろうが関係ない程に岩本を含むこの場の存在が攻撃を乱発したのだ。
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