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安宿の同じ部屋に宿泊している湯原と水野と言う二人のダンジョンマスター。
湯原は水野に惚れているからと言う事も有るのだが、武の心を持つ者らしく、心頭滅却して邪な心を抑え込んでいる。
だが、恐怖からか同じ布団で寝てくれと言われている湯原としては、今迄の人生の中で最大の敵である煩悩と毎晩戦っており、少々精神的に疲労していたりする。
未だダンジョン生成すらしていないレベル1の二人ではあるが、他のマスターや召喚者の冒険者達に命を狙われている立場である事は重々承知しているので常に慎重に行動しているのだが、湯原としては、毎晩の煩悩の方が余程強敵だと考えられる余裕が生まれていたのも事実だ。
情報収取は、召喚者達の状況やこの国の状況、更には他のダンジョンの情報、そして最も重要なのは、どこに自らのダンジョンを生成するのが良いかと言う情報だ。
一般の冒険者、召喚者である冒険者や他のダンジョンマスターから見れば至宝とも言えるコアがある意味丸出しに近い状態で一月過ごさなくてはならいのだが、余りにも人里から遠い場合には侵入者が継続的に得られない可能性が高いので、ある程度育った後に侵入者を呼び寄せる事が出来る場所を必死で探していた。
情報収集の際に以前の混沌の時代についての情報もある程度得てはいるが、混沌の時代だけにあまり正確な情報は残っていないらしく、当時最強のダンジョン二つが立て続けに攻略された際に世界が不安定になったとだけ知る事が出来ている。
その情報だけでも、二つのダンジョンを管理するマスター達が何らかの理由、恐らく相棒を始末された事によって際限なく暴れて最終的に始末された事程度は、真実を知る立場からすれば容易に想像できる。
既にこの世界に来てから二週間は経過しており、徐々にダンジョン生成の期限が迫っているのだが、未だに良い場所が見つからず悶々としつつも、慎重に身分を隠しながら王都で生活している湯原と水野。
「おっ、今日も仲良くて羨ましいぜ」
二週間も同じ場所に宿泊していれば、宿の主人ともある程度気さくに話せるようになっている。
「ご主人、俺達明日は少し遠くを観光してみようと思っているのだけど、お勧めの場所って無いかな?あまり人里から離れていないけど、静かな所が良いのだが……」
自分達が王都で安全に得られる情報は全て得たと判断した湯原は、立場的に広範囲の情報を持っている可能性が高い宿の主人からも情報を得る事にした。
ただし本当の事を直接言う訳には行かないので、あくまで観光目的としているのだが、ダンジョン設置場所に相応しい条件は含めて伝えている。
宿の主人としては目の前の二人は新婚ホヤホヤの夫婦に見えているので、指定された場所を観光したいだけだと理解して必死で考える。
「……そういや~、混沌の時代に攻略されたダンジョン。あまりに強大なダンジョンだったから、枯れた後もボロボロの状態で維持されているらしいぜ?伝承によれば、仲睦まじい番が管理していた場所らしく、夫婦や恋人の隠れスポットになっているみたいだが……すまねーな。あくまで噂だぜ?」
「いえいえ、ありがとうございます。縁結びのご利益がありそうですね。その情報、もう少し調べて向かってみます」
こんな会話の後に部屋に戻る二人だが、二人でいる時も慣れる為に互いに現地向けの名前を呼んでいる。
更に、自分達の安全を確保するための話になるので、周囲に虫一匹すらいない事を入念に確認した上で、小声で話している。
「カーリ、確かに混沌の時代のダンジョンが二つ消えたのは確実だ。そこが縁結びの場所になっているとは知らなかったけど、恐らく完全に朽ちてはいないのだろう。おかげで、一先ず場所は決定できそうだ。元がダンジョンであれば生成初期のボロボロの状態に変化したとしても、腐敗が進んだとか、劣化が促進されたとか、ダンジョンが枯れる現象の一つとして注目されないだろう」
「縁結びであれば危険な人も来なさそうですし、まさか枯れているとはいえダンジョンにダンジョンを生成するとは誰も想像できないかもしれないですね」
漸く最初の段階のダンジョン生成地の最有力候補の情報を得る事が出来てホッとしているのだが、あくまで宿の主人が恐らく他の旅人から聞いた情報であるので、場所の詳細は今の所分かっていない。
「セーギ君。明日はその情報を集めて、場所が分かれば旅の準備ですか?」
「そうなるな。近ければ主人も正確な情報を得ているだろうから、結構な距離があるのは間違いなさそうだ。心配なのは、残り二週間で到着できるかどうか……だな」
この宿の主人は既に熟年夫婦の域に達しているので、そう言った惚れたの何なのと言う話に興味がないだけだったりするのだが……
再び夜の煩悩との闘いを繰り広げている湯原をよそに、安心しきった表情で眠っている水野を見て、もう少しの我慢だと自分に強く言い聞かせながら翌日も早朝から早速活動する。
「ご主人。場合によっては、今日から宿泊しないかもしれない。今まで、ありがとう」
「お、そうかい。残念だが新婚さんの旅の邪魔をするわけにはいかねーからな。よろしくやってくれ!またこの町に来たら、御贔屓に頼むぜ?」
「ありがとうございました」
こうして再びフードを被り、町に繰り出す。
慎重に向かった先は冒険者ギルド。
ここであれば、ギルドは支部も有る事から相当な情報を持っているのだ。
「ちょっと聞きたいのだが、混沌の時代のダンジョンが縁結び的な……」
この場に冒険者組の吉川達がいない事を確認し、さっさと情報を得て立ち去る為に用件だけを聞く湯原。
湯原は水野に惚れているからと言う事も有るのだが、武の心を持つ者らしく、心頭滅却して邪な心を抑え込んでいる。
だが、恐怖からか同じ布団で寝てくれと言われている湯原としては、今迄の人生の中で最大の敵である煩悩と毎晩戦っており、少々精神的に疲労していたりする。
未だダンジョン生成すらしていないレベル1の二人ではあるが、他のマスターや召喚者の冒険者達に命を狙われている立場である事は重々承知しているので常に慎重に行動しているのだが、湯原としては、毎晩の煩悩の方が余程強敵だと考えられる余裕が生まれていたのも事実だ。
情報収取は、召喚者達の状況やこの国の状況、更には他のダンジョンの情報、そして最も重要なのは、どこに自らのダンジョンを生成するのが良いかと言う情報だ。
一般の冒険者、召喚者である冒険者や他のダンジョンマスターから見れば至宝とも言えるコアがある意味丸出しに近い状態で一月過ごさなくてはならいのだが、余りにも人里から遠い場合には侵入者が継続的に得られない可能性が高いので、ある程度育った後に侵入者を呼び寄せる事が出来る場所を必死で探していた。
情報収集の際に以前の混沌の時代についての情報もある程度得てはいるが、混沌の時代だけにあまり正確な情報は残っていないらしく、当時最強のダンジョン二つが立て続けに攻略された際に世界が不安定になったとだけ知る事が出来ている。
その情報だけでも、二つのダンジョンを管理するマスター達が何らかの理由、恐らく相棒を始末された事によって際限なく暴れて最終的に始末された事程度は、真実を知る立場からすれば容易に想像できる。
既にこの世界に来てから二週間は経過しており、徐々にダンジョン生成の期限が迫っているのだが、未だに良い場所が見つからず悶々としつつも、慎重に身分を隠しながら王都で生活している湯原と水野。
「おっ、今日も仲良くて羨ましいぜ」
二週間も同じ場所に宿泊していれば、宿の主人ともある程度気さくに話せるようになっている。
「ご主人、俺達明日は少し遠くを観光してみようと思っているのだけど、お勧めの場所って無いかな?あまり人里から離れていないけど、静かな所が良いのだが……」
自分達が王都で安全に得られる情報は全て得たと判断した湯原は、立場的に広範囲の情報を持っている可能性が高い宿の主人からも情報を得る事にした。
ただし本当の事を直接言う訳には行かないので、あくまで観光目的としているのだが、ダンジョン設置場所に相応しい条件は含めて伝えている。
宿の主人としては目の前の二人は新婚ホヤホヤの夫婦に見えているので、指定された場所を観光したいだけだと理解して必死で考える。
「……そういや~、混沌の時代に攻略されたダンジョン。あまりに強大なダンジョンだったから、枯れた後もボロボロの状態で維持されているらしいぜ?伝承によれば、仲睦まじい番が管理していた場所らしく、夫婦や恋人の隠れスポットになっているみたいだが……すまねーな。あくまで噂だぜ?」
「いえいえ、ありがとうございます。縁結びのご利益がありそうですね。その情報、もう少し調べて向かってみます」
こんな会話の後に部屋に戻る二人だが、二人でいる時も慣れる為に互いに現地向けの名前を呼んでいる。
更に、自分達の安全を確保するための話になるので、周囲に虫一匹すらいない事を入念に確認した上で、小声で話している。
「カーリ、確かに混沌の時代のダンジョンが二つ消えたのは確実だ。そこが縁結びの場所になっているとは知らなかったけど、恐らく完全に朽ちてはいないのだろう。おかげで、一先ず場所は決定できそうだ。元がダンジョンであれば生成初期のボロボロの状態に変化したとしても、腐敗が進んだとか、劣化が促進されたとか、ダンジョンが枯れる現象の一つとして注目されないだろう」
「縁結びであれば危険な人も来なさそうですし、まさか枯れているとはいえダンジョンにダンジョンを生成するとは誰も想像できないかもしれないですね」
漸く最初の段階のダンジョン生成地の最有力候補の情報を得る事が出来てホッとしているのだが、あくまで宿の主人が恐らく他の旅人から聞いた情報であるので、場所の詳細は今の所分かっていない。
「セーギ君。明日はその情報を集めて、場所が分かれば旅の準備ですか?」
「そうなるな。近ければ主人も正確な情報を得ているだろうから、結構な距離があるのは間違いなさそうだ。心配なのは、残り二週間で到着できるかどうか……だな」
この宿の主人は既に熟年夫婦の域に達しているので、そう言った惚れたの何なのと言う話に興味がないだけだったりするのだが……
再び夜の煩悩との闘いを繰り広げている湯原をよそに、安心しきった表情で眠っている水野を見て、もう少しの我慢だと自分に強く言い聞かせながら翌日も早朝から早速活動する。
「ご主人。場合によっては、今日から宿泊しないかもしれない。今まで、ありがとう」
「お、そうかい。残念だが新婚さんの旅の邪魔をするわけにはいかねーからな。よろしくやってくれ!またこの町に来たら、御贔屓に頼むぜ?」
「ありがとうございました」
こうして再びフードを被り、町に繰り出す。
慎重に向かった先は冒険者ギルド。
ここであれば、ギルドは支部も有る事から相当な情報を持っているのだ。
「ちょっと聞きたいのだが、混沌の時代のダンジョンが縁結び的な……」
この場に冒険者組の吉川達がいない事を確認し、さっさと情報を得て立ち去る為に用件だけを聞く湯原。
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