外法・魔導維新~渡世血風篇~

全ては、天明八年六月二十四日に始まった。
壇ノ浦に生じた、大きな渦から〔あのお方〕が現世に復活した。

〔魔導維新〕
人間も、魔人も、妖鬼も、その日の出来事をそう呼ぶ。
魔によって、維を新たに導く――。

〔あのお方〕の力によって生まれた、この世ならざる妖鬼が、九州・中国・四国と次々に侵攻。
その圧倒的な力を前に幕府は会津へと後退し、人間世界の命運は風前の灯であった。
〔あのお方〕に支配された地域は、魔人と呼ばれる〔かつて生きていた者〕によって統治され、人間は奴隷であり、家畜であり、財産であり、食料と化していた。
しかし、人間も諦めたわけではなかった。
身分を越えて激しく抵抗を見せる者。幕府支配地域へ脱出する者。そして、魔人や妖鬼を専門に退治する〔狩り師〕も誕生した。


魔導維新は、多くの人の運命を、この国の未来も一変させた。
桶屋の市松。
江戸の片隅で桶を拵えていた男もまた、魔導維新によって狩り師となった。
(全4回)
24h.ポイント 0pt
0
小説 194,514 位 / 194,514件 ファンタジー 44,950 位 / 44,950件

あなたにおすすめの小説

アラフォーおじさんの半分は良心回路で出来ています ~取れちゃったものは魔法と科学で補います~

rina103
ファンタジー
士丈新、サラリーマン。命だけは取り留めた男。左側頭部を失う。だが、謎の人物によって近似世界への存在移管、異世界転移となる。その費用、プライスレス。 左目は鑑定眼。転移時に得た相棒による不思議パワー! そして、異世界を気ままに突っ走る! 超能力の男、転生人!

魔法のフェノメノンとブツリガク ~20年ぶりに異世界に帰ってきた中年サラリーマンはそこで再び日常を過ごす事を決意しました~

ネコのカリカリ
ファンタジー
『物理学はこの世の理を構成する全てである。それを突き詰めてしまえばこの世の理はどうなるであろうか』 理論物理学を大学時代に学んだ中年サラリーマン斎藤元は学者になる夢をあきらめ社会人として働いていた。 会社と家との往復の毎日。そして彼に降りかかる社会の理不尽。しかし彼はその全てを受け入れて日常を過ごしていた。 彼にはある秘密があった。かつて異世界に転移していた事。 理論物理学を基礎とした魔法の開発により異世界に多大なる影響を与える存在だった事。 そして彼は異世界や今いる世界さえ消失さえてしまうところまで自らが到達してしまったと言う事。 彼はその事に脅え、絶望し異世界から脱出した。 彼は元居た世界に戻り普通の社会人として今日も生きている。その事から逃げる様に。 そんな時、異世界での知り合いが彼を迎えに来た。 あれからほんの20年後の事だ。 彼は知っていた。彼女が自分の思考を読める事もわかっていたし彼女が『本当』の事を知らないと言う事も。 だから演じた。 知らないふりをした。 彼は思う。もう生きよう。好きな様に。 大好きな異世界で生活しよう。 例え、世界の終わりが見えていたとしてもだ――。 はじめまして。 丘乃内玄です。 これは日常ものです。 おじさんの能力がチートすぎてほぼ戦闘にもなりません。 おじさんは急速に発達していく異世界で輸入業をさせられます。 もちろんこの世界からものを輸出します。 そしておじさんはモテます。 ただ、寄ってくるのは頭のイカれた上級国民の娘? ばかりです。 ではよろしくお願いします。 一話分の長さが少々長かったので読みやすいように小分けにしました。 ご迷惑をおかけしています。

原初の魔女と雇われ閣下

野中
ファンタジー
五年前交通事故で家族を亡くし、淡々と日々を過ごしていた主人公は、事故から半年後、墓場で弱り切った狼と出会う。 異界の公爵という彼の、異界に残った身体に、成り行きから時折宿ることになった主人公。 サラリーマンの仕事の傍ら、悪くなっていく異界の状況を少しでも良くしようと奮闘する。 最終的に公爵が魂だけで異界へ渡る原因となった災厄を取り除いたが、そのために異界の閣下として生きることになった。 友人であった身体の本来の持ち主の代わりに、彼を追い詰めた出来事の真相を探るため、動き始めるが。

盲目剣士と鍛冶見習い

陸亜
ファンタジー
怨霊や怪物といった異形のものがはびこる世界を旅する青年たちを描いた、伝奇ファンタジー長編。「祭刀」と呼ばれる特殊な刀を持つ盲目の青年「晄」と、刀鍛冶の弟子である少年「八雲」の二人が主人公。探し物をして旅する晄に、成り行きでついていくこととなった八雲。旅の中で絆を深めながら、晄が探す物の正体、八雲に負わされた役目が明らかになってゆく。

夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。

Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。 そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。 だが夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。 これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。 (1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

致死量の愛と泡沫に+

藤香いつき
キャラ文芸
近未来の終末世界。 世間から隔離された森の城館で、ひっそりと暮らす8人の青年たち。 記憶のない“あなた”は彼らに拾われ、共に暮らしていたが——外の世界に攫われたり、囚われたりしながらも、再び城で平穏な日々を取り戻したところ。 泡沫(うたかた)の物語を終えたあとの、日常のお話を中心に。 ※致死量シリーズ 【致死量の愛と泡沫に】その後のエピソード。 表紙はJohn William Waterhous【The Siren】より。

第一機動部隊

桑名 裕輝
歴史・時代
突如アメリカ軍陸上攻撃機によって帝都が壊滅的損害を受けた後に宣戦布告を受けた大日本帝国。 祖国のため、そして愛する者のため大日本帝国の精鋭である第一機動部隊が米国太平洋艦隊重要拠点グアムを叩く。

処理中です...