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最終章 狼の贄
第三回 蠢動①
しおりを挟む 利永が憂鬱な表情を浮かべていた。
脇息にもたれ、先程から溜息ばかり吐いている。四半刻前から、梅岳は利永と二人きりで話し合いを行っているが、ずっとこの調子だった。
夜須城天守閣の横に造営された、本丸御殿。十畳敷きの一間で、主に利永の私的な面会の場として使われる部屋である。
利永に突然呼び出された。その理由は考えなくても察しがついていて、そして当たっていた。
(殿がこうなるのも無理もない)
諸大名や文化人ひいては江戸の豪商から、大和の助命嘆願が届いているのだ。当初こそ、
「惜しい男ではあるが、謀叛を企てておったのなら、切腹は仕方あるまいのう」
と言っていた利永も、相次ぐ助命嘆願を受けて明らかに決意が揺らいでいる。
大和は、幕府を巻き込んだ深江藩との舎利蔵山の領有権争いを勝利に導いた手腕から、幕閣の間では評判が高い。その上、奥寺竹円という雅号を持つ画家としてのも、江戸の風流界では知る人ぞ知る存在でもあるのだ。
梅岳にとって、相次ぐ助命嘆願は想定外だった。これほど大和に名声があったとは、思いもしなかったのだ。いや、自分にとって助命嘆願など何の痛痒もない。犬山梅岳の名は、既に黒光りするほど穢れているので批判を受けようとも動じる事はない。だが問題は、目の前にいる男だった。
利永は風流狂いのどうしようもない暗君であるが、人並み以上の自尊心と羞恥心、そして見栄を有している。諸侯や文化人からの助命嘆願を無視して大和を処刑してしまえば、自分の名に泥を塗ってしまうと恐れているのだ。
しかも、助命を願いながらも
「大和を家臣に持っている事こそ、名君たる所以」
「大和を助ける事は、風流を守護する者の誉れになる」
と、口々に利永を褒めている。明らかに、利永の名誉欲を刺激しているのだ。
(我ながら、脇が甘かったものだ)
ここ数日、梅岳は奥寺派残党の対処で忙殺されていた。
身辺警護をする護衛の選定と、市中に幾つかある屋敷の防備を点検。そして残党を追う目尾組の差配。藩内の番所には似せ絵を張り出し、追捕の命を出している。勿論、執政としての役目もあるので、やる事はそれだけではないのだ。そうこうしている内に、清記と会ってから十日余りが経っていた。
その最中の呼び出しである。そして顔を合わせるなり、助命嘆願書を突き付けられたのだ。
梅岳は、全ての嘆願書に目を通し終えた時、何となく帯刀の顔が浮かんだ。
江戸であの男が方々に手を回して、嘆願書を書かせたのだろう。実兄の弱点を突き、処刑を止めさせる為に。菊原にその辺の監視をさせていたつもりだが、主税介に斬られている。そして、主税介の主君が帯刀だった。
「梅岳」
おもむろに、利永が口を開いた。
この男に長年仕えているが、甲高い上に少し嗄れている声に慣れない。そして、これからも慣れるという事はないだろう。利永の声は、まるで山奥に住む怪しげな老婆のようで不快でしかなかった。
「はっ」
「どうしても、大和を助けるわけにはいかんのか?」
「そう申しますと?」
「儂を押し込めて、直衛丸を擁立するなど奴が考えそうな事ではないと思うのだ」
「私もそう思います。しかしながら、大和の側近が既に自供しております。恐れ多くもお殿様に逆心を抱いただけでも万死に値いたしますが、それだけでなく賊を使嗾し無辜の民たる山人を襲い、お殿様の臣たる江戸家老をも暗殺しておりますれば、生かす理由はございませぬ」
「だが、大和が自白したわけではないのだろ?」
ああ、そうだ。大和が認めるはずもない。全ての容疑は梅岳が立案し、衣非に言わせたものなのだ。衣非家の再興を引き換えにして。
「左様にございます。大和の口は、融通が利かぬ性格同様に固く、獄吏も難渋しているようで」
「それは本当に知らぬからではないのか?」
利永は脇息にもたれた左腕の指先で、こめかみを数度叩いてみせた。それはこの男が、苛ついているという印である。長く仕えていると、この男の癖が手に取るようにわかってきた。そして、利永の仕草を見ながら御前会議を誘導するのだ。
「それは今後の吟味によってわかる事かと思います」
「吟味を続けても、おぬしに都合の良い証拠ばかり出るのではないかと、儂は心配でのう?」
「……」
「それに証言は衣非とやらが一人で言ったものだけと聞いたぞ? 他の者から証言を取る前に、謹慎していた一党は姿を消したそうではないか」
「面目次第もございませぬ。見張らせてはいたのですが」
「おぬしほどの男が、取り逃がしてしまうとは不思議な事よ」
ほう、と思った。利永にしては、至極まともな指摘だった。
そもそも利永は暗君であるが、言うほど馬鹿な男ではない。藩主になってからは、八代将軍・吉宗公に倣って親政をしようともしたのだ。しかし当時の藩財政は今以上に厳しく、何をするにも困難の連続だとすると、すぐに投げ出してしまった。少なくとも、親政をしようという意思はあったのだ。
「衣非が言うには、儂を廃して直衛丸を藩主に据えると申しておるのだな?」
「左様にございます。恐れ多くも、お殿様を隠居させ、世子様を廃嫡させるとの事にございます」
「それよ、梅岳。どうせ右京は廃嫡せねばならん」
「何故にございましょうか?」
「右京めは、血の病ぞ。斯様な男に夜須藩を継がせるわけにはいかんだろう。そうすると、直衛丸の芽が無いわけではない」
「しかしながら、右京様は藤堂家の姫君との縁談が進んでいる真っ最中にございます」
「決まってはおらぬのだろう?」
「左様にございます」
「ならばよかろう。父御の藤堂和泉守殿とは旧知の仲じゃ。何とでも言える」
珍しく強気に来る利永に、梅岳の腹立たしさが増大していた。
利永は、どうしても大和を殺したくないのだろう。しかし、それは受け入れてはならない事だ。ここで大和を始末しなければ、今度は自分が獄に入る番である。手負いの獣こそ、怖いものはないのだ。
「江戸では帯刀めが煩かろう」
「は?」
思いがけない言葉に梅岳の表情が真顔になると、利永はおちょぼ口を緩ませ冷笑を浮かべていた。
「奴は大和と親しいからのう。だが、帯刀はもう動かんよ。おぬしを邪魔する事もなかろうて」
「それは、如何なる取引を?」
「取引? ふふ、我らは兄弟ぞ。話し合えば、な。故にだ、穏便に済ませと言うておる。諸侯の手前もあるしのう」
梅岳の知らない所で、利永が動いていたのだろうか。利永の身辺は、手の者が抑えているはずだった。特に側用人の寺田久蔵は切れ者で、かつ妹婿である。その男の眼を欺いたのか、裏切られたのか。兎も角、何処かで綻びがあったという事は事実だ。
(全く、忌々しいものだ)
助命嘆願といい利永の動きといい、杜撰な仕事をしたものだ。これが老いというものか? 或いは慢心か? どうも、執政の座が居心地が良過ぎて勘というものが鈍ったのかもしれない。
「では、引き続き吟味いたします」
利永が軽く頷くと、立ち上がろうとした。しかし、何か思い立ったのか再び腰を下ろした。
「梅岳、大和を儂の許可なく死なす事は許さんぞ」
「……」
梅岳は明確な返答をせずに、ただ平伏した。
ここで引くわけにはいけない。入念な計画を重ねて、奥寺派を一掃したのだ。その締めくくりが、大和の処刑。それをしない限りは、成功したとは言い難い。
「大和が儂の前で罪を認めぬ限りは認めんよ。大和とて、儂の大事な家臣じゃ。それに、おぬしがくたばった時に執政を任せられる者がいなくなるしのう」
糞ったれ。どこまで手を煩わせるのだ、この馬鹿は。
脇息にもたれ、先程から溜息ばかり吐いている。四半刻前から、梅岳は利永と二人きりで話し合いを行っているが、ずっとこの調子だった。
夜須城天守閣の横に造営された、本丸御殿。十畳敷きの一間で、主に利永の私的な面会の場として使われる部屋である。
利永に突然呼び出された。その理由は考えなくても察しがついていて、そして当たっていた。
(殿がこうなるのも無理もない)
諸大名や文化人ひいては江戸の豪商から、大和の助命嘆願が届いているのだ。当初こそ、
「惜しい男ではあるが、謀叛を企てておったのなら、切腹は仕方あるまいのう」
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梅岳にとって、相次ぐ助命嘆願は想定外だった。これほど大和に名声があったとは、思いもしなかったのだ。いや、自分にとって助命嘆願など何の痛痒もない。犬山梅岳の名は、既に黒光りするほど穢れているので批判を受けようとも動じる事はない。だが問題は、目の前にいる男だった。
利永は風流狂いのどうしようもない暗君であるが、人並み以上の自尊心と羞恥心、そして見栄を有している。諸侯や文化人からの助命嘆願を無視して大和を処刑してしまえば、自分の名に泥を塗ってしまうと恐れているのだ。
しかも、助命を願いながらも
「大和を家臣に持っている事こそ、名君たる所以」
「大和を助ける事は、風流を守護する者の誉れになる」
と、口々に利永を褒めている。明らかに、利永の名誉欲を刺激しているのだ。
(我ながら、脇が甘かったものだ)
ここ数日、梅岳は奥寺派残党の対処で忙殺されていた。
身辺警護をする護衛の選定と、市中に幾つかある屋敷の防備を点検。そして残党を追う目尾組の差配。藩内の番所には似せ絵を張り出し、追捕の命を出している。勿論、執政としての役目もあるので、やる事はそれだけではないのだ。そうこうしている内に、清記と会ってから十日余りが経っていた。
その最中の呼び出しである。そして顔を合わせるなり、助命嘆願書を突き付けられたのだ。
梅岳は、全ての嘆願書に目を通し終えた時、何となく帯刀の顔が浮かんだ。
江戸であの男が方々に手を回して、嘆願書を書かせたのだろう。実兄の弱点を突き、処刑を止めさせる為に。菊原にその辺の監視をさせていたつもりだが、主税介に斬られている。そして、主税介の主君が帯刀だった。
「梅岳」
おもむろに、利永が口を開いた。
この男に長年仕えているが、甲高い上に少し嗄れている声に慣れない。そして、これからも慣れるという事はないだろう。利永の声は、まるで山奥に住む怪しげな老婆のようで不快でしかなかった。
「はっ」
「どうしても、大和を助けるわけにはいかんのか?」
「そう申しますと?」
「儂を押し込めて、直衛丸を擁立するなど奴が考えそうな事ではないと思うのだ」
「私もそう思います。しかしながら、大和の側近が既に自供しております。恐れ多くもお殿様に逆心を抱いただけでも万死に値いたしますが、それだけでなく賊を使嗾し無辜の民たる山人を襲い、お殿様の臣たる江戸家老をも暗殺しておりますれば、生かす理由はございませぬ」
「だが、大和が自白したわけではないのだろ?」
ああ、そうだ。大和が認めるはずもない。全ての容疑は梅岳が立案し、衣非に言わせたものなのだ。衣非家の再興を引き換えにして。
「左様にございます。大和の口は、融通が利かぬ性格同様に固く、獄吏も難渋しているようで」
「それは本当に知らぬからではないのか?」
利永は脇息にもたれた左腕の指先で、こめかみを数度叩いてみせた。それはこの男が、苛ついているという印である。長く仕えていると、この男の癖が手に取るようにわかってきた。そして、利永の仕草を見ながら御前会議を誘導するのだ。
「それは今後の吟味によってわかる事かと思います」
「吟味を続けても、おぬしに都合の良い証拠ばかり出るのではないかと、儂は心配でのう?」
「……」
「それに証言は衣非とやらが一人で言ったものだけと聞いたぞ? 他の者から証言を取る前に、謹慎していた一党は姿を消したそうではないか」
「面目次第もございませぬ。見張らせてはいたのですが」
「おぬしほどの男が、取り逃がしてしまうとは不思議な事よ」
ほう、と思った。利永にしては、至極まともな指摘だった。
そもそも利永は暗君であるが、言うほど馬鹿な男ではない。藩主になってからは、八代将軍・吉宗公に倣って親政をしようともしたのだ。しかし当時の藩財政は今以上に厳しく、何をするにも困難の連続だとすると、すぐに投げ出してしまった。少なくとも、親政をしようという意思はあったのだ。
「衣非が言うには、儂を廃して直衛丸を藩主に据えると申しておるのだな?」
「左様にございます。恐れ多くも、お殿様を隠居させ、世子様を廃嫡させるとの事にございます」
「それよ、梅岳。どうせ右京は廃嫡せねばならん」
「何故にございましょうか?」
「右京めは、血の病ぞ。斯様な男に夜須藩を継がせるわけにはいかんだろう。そうすると、直衛丸の芽が無いわけではない」
「しかしながら、右京様は藤堂家の姫君との縁談が進んでいる真っ最中にございます」
「決まってはおらぬのだろう?」
「左様にございます」
「ならばよかろう。父御の藤堂和泉守殿とは旧知の仲じゃ。何とでも言える」
珍しく強気に来る利永に、梅岳の腹立たしさが増大していた。
利永は、どうしても大和を殺したくないのだろう。しかし、それは受け入れてはならない事だ。ここで大和を始末しなければ、今度は自分が獄に入る番である。手負いの獣こそ、怖いものはないのだ。
「江戸では帯刀めが煩かろう」
「は?」
思いがけない言葉に梅岳の表情が真顔になると、利永はおちょぼ口を緩ませ冷笑を浮かべていた。
「奴は大和と親しいからのう。だが、帯刀はもう動かんよ。おぬしを邪魔する事もなかろうて」
「それは、如何なる取引を?」
「取引? ふふ、我らは兄弟ぞ。話し合えば、な。故にだ、穏便に済ませと言うておる。諸侯の手前もあるしのう」
梅岳の知らない所で、利永が動いていたのだろうか。利永の身辺は、手の者が抑えているはずだった。特に側用人の寺田久蔵は切れ者で、かつ妹婿である。その男の眼を欺いたのか、裏切られたのか。兎も角、何処かで綻びがあったという事は事実だ。
(全く、忌々しいものだ)
助命嘆願といい利永の動きといい、杜撰な仕事をしたものだ。これが老いというものか? 或いは慢心か? どうも、執政の座が居心地が良過ぎて勘というものが鈍ったのかもしれない。
「では、引き続き吟味いたします」
利永が軽く頷くと、立ち上がろうとした。しかし、何か思い立ったのか再び腰を下ろした。
「梅岳、大和を儂の許可なく死なす事は許さんぞ」
「……」
梅岳は明確な返答をせずに、ただ平伏した。
ここで引くわけにはいけない。入念な計画を重ねて、奥寺派を一掃したのだ。その締めくくりが、大和の処刑。それをしない限りは、成功したとは言い難い。
「大和が儂の前で罪を認めぬ限りは認めんよ。大和とて、儂の大事な家臣じゃ。それに、おぬしがくたばった時に執政を任せられる者がいなくなるしのう」
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