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最終章 狼の贄
第二回 奥寺崩れ①
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吉田を葬ると、代官所を兼ねた屋敷に戻った。
死体の処理は、林を抜けた先にある非人小屋に顔を出して命じていた。非人達は何も言わず、頭を下げただけだった。
「お帰りなさいませ」
手をついて出迎えたのは志月だった。以前の若衆髷をする事はなく、落ち着いた着物に鉄漿である。また、最近になって多少ふくよかになったような気がする。
「そう言えば、佐々木が探しておられましたわ」
「そうか」
「隠居所の方へ来て欲しいと。恐らく、義父上様の命なのでしょう」
「わかった。今から行って来よう」
「では代官所の方へは、わたくしが」
清記は頷いた。村廻りが遅くなると、下役達が心配して探しに来る事もあるのだ。
清記は中庭を横切って、悌蔵の隠居所へ向かった。声を掛け障子に手を掛けた。
囲炉裏を囲んで座していた悌蔵と三郎助の顔が、一斉に清記へと向いた。眉間に皺を寄せた、真剣な面持ちである。三郎助は兎も角、父にしては珍しい。それだけの事態が起きたのか。
「血が臭うのう」
悌蔵が言うと、清記は軽く頷いた。
「腕試しの武芸者が現れました。村はずれの杉林です」
主税介については、敢えて言わなかった。父の雰囲気から、緊迫したものを感じる。主税介の事は後回しでいいし、心配を掛けてたくない。
「骸は?」
「非人に命じております」
すると、三郎助がすっと立ち上がった。処理の確認をするつもりだろう。
「頼む」
悌蔵がそう言うと、三郎助が頭を下げて隠居所を出て行った。
「さて、清記よ」
囲炉裏の傍へ座ると、悌蔵が口を開いた。流石にこの陽気だ。囲炉裏に火は入れられていない。
「心して聞け。尋常ならざる事態が起きての。お前にも関わる問題じゃ」
「それは、どのような?」
「ふむ」
悌蔵は一度、喉を鳴らした。
「大和様が捕縛されおった」
「まさか、そんな」
「登城したところを取り押さえられ、今は城内の座敷牢に押し止められておる」
思わず身を乗り出していた。大和の捕縛。今思えば予想出来る事態ではあるが、何故か考えもしなかった事態だった。
「何故にでございますか」
「遠野実経。その名は覚えておろう?」
「ええ、勿論」
山人を襲った賊の名前だ。東馬に斬られたはずである。それが大和とどう関係しているのか?
「その実経の手下が、数名捕縛されてのう。奉行所で取り調べをしていたのじゃが、意外な名前が黒幕として出てきたという事よ」
「それが、まさか」
悌蔵が、ご名答と言わんばかりに頷いた。
「大和様が実経とやらに、指図をしていたそうだ。何でも銭を渡し、世直しの為に山人を襲えと」
「待ってください。実経とその手下は皆殺しにしたはず。一人も逃しておりませぬ」
「参加しなかった者がいるのだろうよ」
「それに、山人を襲う事が世直しとどう関係があるというのです」
「山人が梅岳様の密偵として働いていた。彼らの眼によって、一揆の兆候や在野の不平分子を報告していたそうでのう」
「そんなはずはありません。大和様は斯様な手を使う男ではございませぬ。それに、山人は里の者と関わ」
「真実など、この際どうでもいいのだ」
言い募る清記を、悌蔵が一喝するように遮った。
「清記、これが政争というものよ。山人が梅岳の密偵だったかどうかなど、些末な事。藩庁は宝暦六年の一揆騒動も、山人による報告が発端と言っているが詳しくはわからん」
宝暦六年の一揆騒動。仁保郡の義民である加助が煽動していたというものだ。清記の調べでは、加助は無罪だった。しかし、それでも加助を斬った。この手で。
「斯様な横暴が通じるのでしょうか?」
「通じる。通じさせるのが権力だ。大和様は、梅岳様に負けた。いや、勝負にもなってなかったのかもしれん。だが、敗れたのじゃ」
清記は拳を固く握りしめ、俯いていた。
「衣非とか言う男も捕縛されおった。どうやら、この男が実経との間を行き来していたらしい。他の奥寺派の面々も次々と捕縛されておるようじゃ」
衣非の馬面が脳裏に浮かんだ。あの男が、大和を陥れた。何の為かまではわからないが、直感的にそう思えた。やはり、あの男は無理をしてでも斬るべきだった。
「志月には、私が伝えます」
「当然じゃ」
清記は無言で立ち上がった。陰鬱な気分が胸を支配している。気持ちも重いが、身体も重く感じる。
志月の事だ。取り乱しはしないだろうが、どうなるか清記にもわからない。
「清記よ」
悌蔵から呼び止められ、清記は振り向いた。
「ここは考え所じゃぞ。志月の父御とは言え、大和様に肩入れをしてはならん」
「では、私はどうしたら?」
「無視をする事だの。御手先役は、政争に一切関わらぬ。孤高であるべきじゃ」
頭では理解出来る。しかし、自分は物を考える人間なのだ。そうは思っても、言葉に出さずに隠居所を後にした。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
それから十日後。
その日、一日の役目を終えた清記は、代官所棟から屋敷へ戻る渡り廊下で、待っていた三郎助から耳打ちをされた。
「本当なのか?」
三郎助の饅頭顔が、小さくも力強く頷く。清記は思わず額に手をやっていた。
「何という事だ」
三郎助の報告は、江戸家老である菊原相模の暗殺だった。
菊原は奥寺派から収賄の容疑で追及されていて、その意趣返しとばかりに、江戸で奥寺派を次々に捕縛し、厳しい取り調べを行っていたらしい。しかし、その菊原が夜道を襲われて殺された。下手人はわからないが、菊原は頭蓋から二つに両断されていたという。
「やはり……」
三郎助はそこまでしか言わなかったが、清記には言わんとする所はわかる。下手人は主税介。そうに違いなかった。
「如何いたしますか?」
清記は庭の方へ眼をやった。枝木は微かに色づき始め、まだ残暑を感じる日はあれど、秋の足音は確かに近付いている。
「主税介と当家は一切関わりない。無視しろ」
「それでよろしいので?」
「心配なら、父上に報告するといい。もし異なる意見であれば、そちらを優先しろ」
三郎助が困惑の表情を浮かべた。家督を継いだとは言え、家人の中には自分よりも父を重んじる雰囲気がある。それは仕方の無い事で、清記自身も自分の意見より父の意見を優先する気持ちもある。しかし、時としてそれが無性に腹立たしく感じる事もあった。しかし、その全てを清記は飲み込んでいる。口に出したのも、これが初めてだった。
「冗談だ」
三郎助を置いて、清記は屋敷へと向かった。
下手人が主税介ならば、指図したのは帯刀か。すると、梅岳は帯刀まで手を伸ばす事が出来る。果たして、藩主の弟まで裁くのか。
志月の手伝いで、着物を改めた。
「旦那様、おかえりなさいませ」
着物を受け取った志月が、静かに言った。かつての志月を思い出させる、冷たい口調だった。それ故か、狐のような目がいつもより鋭く感じる。
(無理もないとは思うのだが……)
大和の捕縛以降、流石に志月は口数か減っている。塞ぎ込む事もなく、奥向きの事はいつものように淡々とこなしているが、それ故に心配にもなる。
一度だけ、志月とは大和の事について話をした。
「気をしっかり持て。いつか疑いも晴れようし、私も出来る限りの事はする」
そう言って慰めようとしたが、
「奥寺家の事に関われば、旦那様すら疑われてしまいます。ただでさえ、奥寺家と縁続きになっております故。それにわたくしは、もう平山家の人間ですよ」
と、志月は首を振っただけだった。
「どうした?」
「弟より、文が届きました」
「宮太郎殿が? なんと書いてあった?」
「父の疑いを晴らす為に、旦那様にご助力を得たいと」
志月の声色は、どこまでも沈んでいた。家中の誰にも聞かれまいとしているのだろう。
「そうか。宮太郎殿も心細かろう。こんな時に東馬殿がいてくれたらいいのだが」
「兄上からの便りもございません。斯様な事態になったからには戻って来て欲しいのですが、何処にいるのやら」
東馬は奥州へ廻国修行中だった。ただでさえ、風来坊のような男なのだ。この事態を伝えるのは難しいかもしれない。
「何と返事をいたしましょうか?」
「心を強く持て、と。いずれ、風向きも変わろう」
「かしこまりました」
それ以上、志月はこの件について何も言おうとはしなかった。
翌日、梅岳から登城命令を受けた。使者は梅岳の家人で、執政府直属の使番ではなかった。つまり、御手先役としての命ではない。
おそらく、主税介の話だろうか。父にも話を通したが、「任せる」と言っただけだった。
死体の処理は、林を抜けた先にある非人小屋に顔を出して命じていた。非人達は何も言わず、頭を下げただけだった。
「お帰りなさいませ」
手をついて出迎えたのは志月だった。以前の若衆髷をする事はなく、落ち着いた着物に鉄漿である。また、最近になって多少ふくよかになったような気がする。
「そう言えば、佐々木が探しておられましたわ」
「そうか」
「隠居所の方へ来て欲しいと。恐らく、義父上様の命なのでしょう」
「わかった。今から行って来よう」
「では代官所の方へは、わたくしが」
清記は頷いた。村廻りが遅くなると、下役達が心配して探しに来る事もあるのだ。
清記は中庭を横切って、悌蔵の隠居所へ向かった。声を掛け障子に手を掛けた。
囲炉裏を囲んで座していた悌蔵と三郎助の顔が、一斉に清記へと向いた。眉間に皺を寄せた、真剣な面持ちである。三郎助は兎も角、父にしては珍しい。それだけの事態が起きたのか。
「血が臭うのう」
悌蔵が言うと、清記は軽く頷いた。
「腕試しの武芸者が現れました。村はずれの杉林です」
主税介については、敢えて言わなかった。父の雰囲気から、緊迫したものを感じる。主税介の事は後回しでいいし、心配を掛けてたくない。
「骸は?」
「非人に命じております」
すると、三郎助がすっと立ち上がった。処理の確認をするつもりだろう。
「頼む」
悌蔵がそう言うと、三郎助が頭を下げて隠居所を出て行った。
「さて、清記よ」
囲炉裏の傍へ座ると、悌蔵が口を開いた。流石にこの陽気だ。囲炉裏に火は入れられていない。
「心して聞け。尋常ならざる事態が起きての。お前にも関わる問題じゃ」
「それは、どのような?」
「ふむ」
悌蔵は一度、喉を鳴らした。
「大和様が捕縛されおった」
「まさか、そんな」
「登城したところを取り押さえられ、今は城内の座敷牢に押し止められておる」
思わず身を乗り出していた。大和の捕縛。今思えば予想出来る事態ではあるが、何故か考えもしなかった事態だった。
「何故にでございますか」
「遠野実経。その名は覚えておろう?」
「ええ、勿論」
山人を襲った賊の名前だ。東馬に斬られたはずである。それが大和とどう関係しているのか?
「その実経の手下が、数名捕縛されてのう。奉行所で取り調べをしていたのじゃが、意外な名前が黒幕として出てきたという事よ」
「それが、まさか」
悌蔵が、ご名答と言わんばかりに頷いた。
「大和様が実経とやらに、指図をしていたそうだ。何でも銭を渡し、世直しの為に山人を襲えと」
「待ってください。実経とその手下は皆殺しにしたはず。一人も逃しておりませぬ」
「参加しなかった者がいるのだろうよ」
「それに、山人を襲う事が世直しとどう関係があるというのです」
「山人が梅岳様の密偵として働いていた。彼らの眼によって、一揆の兆候や在野の不平分子を報告していたそうでのう」
「そんなはずはありません。大和様は斯様な手を使う男ではございませぬ。それに、山人は里の者と関わ」
「真実など、この際どうでもいいのだ」
言い募る清記を、悌蔵が一喝するように遮った。
「清記、これが政争というものよ。山人が梅岳の密偵だったかどうかなど、些末な事。藩庁は宝暦六年の一揆騒動も、山人による報告が発端と言っているが詳しくはわからん」
宝暦六年の一揆騒動。仁保郡の義民である加助が煽動していたというものだ。清記の調べでは、加助は無罪だった。しかし、それでも加助を斬った。この手で。
「斯様な横暴が通じるのでしょうか?」
「通じる。通じさせるのが権力だ。大和様は、梅岳様に負けた。いや、勝負にもなってなかったのかもしれん。だが、敗れたのじゃ」
清記は拳を固く握りしめ、俯いていた。
「衣非とか言う男も捕縛されおった。どうやら、この男が実経との間を行き来していたらしい。他の奥寺派の面々も次々と捕縛されておるようじゃ」
衣非の馬面が脳裏に浮かんだ。あの男が、大和を陥れた。何の為かまではわからないが、直感的にそう思えた。やはり、あの男は無理をしてでも斬るべきだった。
「志月には、私が伝えます」
「当然じゃ」
清記は無言で立ち上がった。陰鬱な気分が胸を支配している。気持ちも重いが、身体も重く感じる。
志月の事だ。取り乱しはしないだろうが、どうなるか清記にもわからない。
「清記よ」
悌蔵から呼び止められ、清記は振り向いた。
「ここは考え所じゃぞ。志月の父御とは言え、大和様に肩入れをしてはならん」
「では、私はどうしたら?」
「無視をする事だの。御手先役は、政争に一切関わらぬ。孤高であるべきじゃ」
頭では理解出来る。しかし、自分は物を考える人間なのだ。そうは思っても、言葉に出さずに隠居所を後にした。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
それから十日後。
その日、一日の役目を終えた清記は、代官所棟から屋敷へ戻る渡り廊下で、待っていた三郎助から耳打ちをされた。
「本当なのか?」
三郎助の饅頭顔が、小さくも力強く頷く。清記は思わず額に手をやっていた。
「何という事だ」
三郎助の報告は、江戸家老である菊原相模の暗殺だった。
菊原は奥寺派から収賄の容疑で追及されていて、その意趣返しとばかりに、江戸で奥寺派を次々に捕縛し、厳しい取り調べを行っていたらしい。しかし、その菊原が夜道を襲われて殺された。下手人はわからないが、菊原は頭蓋から二つに両断されていたという。
「やはり……」
三郎助はそこまでしか言わなかったが、清記には言わんとする所はわかる。下手人は主税介。そうに違いなかった。
「如何いたしますか?」
清記は庭の方へ眼をやった。枝木は微かに色づき始め、まだ残暑を感じる日はあれど、秋の足音は確かに近付いている。
「主税介と当家は一切関わりない。無視しろ」
「それでよろしいので?」
「心配なら、父上に報告するといい。もし異なる意見であれば、そちらを優先しろ」
三郎助が困惑の表情を浮かべた。家督を継いだとは言え、家人の中には自分よりも父を重んじる雰囲気がある。それは仕方の無い事で、清記自身も自分の意見より父の意見を優先する気持ちもある。しかし、時としてそれが無性に腹立たしく感じる事もあった。しかし、その全てを清記は飲み込んでいる。口に出したのも、これが初めてだった。
「冗談だ」
三郎助を置いて、清記は屋敷へと向かった。
下手人が主税介ならば、指図したのは帯刀か。すると、梅岳は帯刀まで手を伸ばす事が出来る。果たして、藩主の弟まで裁くのか。
志月の手伝いで、着物を改めた。
「旦那様、おかえりなさいませ」
着物を受け取った志月が、静かに言った。かつての志月を思い出させる、冷たい口調だった。それ故か、狐のような目がいつもより鋭く感じる。
(無理もないとは思うのだが……)
大和の捕縛以降、流石に志月は口数か減っている。塞ぎ込む事もなく、奥向きの事はいつものように淡々とこなしているが、それ故に心配にもなる。
一度だけ、志月とは大和の事について話をした。
「気をしっかり持て。いつか疑いも晴れようし、私も出来る限りの事はする」
そう言って慰めようとしたが、
「奥寺家の事に関われば、旦那様すら疑われてしまいます。ただでさえ、奥寺家と縁続きになっております故。それにわたくしは、もう平山家の人間ですよ」
と、志月は首を振っただけだった。
「どうした?」
「弟より、文が届きました」
「宮太郎殿が? なんと書いてあった?」
「父の疑いを晴らす為に、旦那様にご助力を得たいと」
志月の声色は、どこまでも沈んでいた。家中の誰にも聞かれまいとしているのだろう。
「そうか。宮太郎殿も心細かろう。こんな時に東馬殿がいてくれたらいいのだが」
「兄上からの便りもございません。斯様な事態になったからには戻って来て欲しいのですが、何処にいるのやら」
東馬は奥州へ廻国修行中だった。ただでさえ、風来坊のような男なのだ。この事態を伝えるのは難しいかもしれない。
「何と返事をいたしましょうか?」
「心を強く持て、と。いずれ、風向きも変わろう」
「かしこまりました」
それ以上、志月はこの件について何も言おうとはしなかった。
翌日、梅岳から登城命令を受けた。使者は梅岳の家人で、執政府直属の使番ではなかった。つまり、御手先役としての命ではない。
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