38 / 145
第三章 蒼い月
第十六回 涅槃の光
しおりを挟む
目の前には、数日前とはまるで人が変わったような小弥太が立っていた。
(別人ではないか)
そう思えるほどの豹変である。
小弥太からは、怯えを全く感じない。真剣を前にしても、落ち着き払って佇立しいる。冷たく沈んだ氣は、齢十五の子どものものとは到底思えない。この歳にして、既に何人か斬っている。そう思えるような、落ち着きぶりがあった。清記が〔臆病者の剣〕と評していたが、どうやらそれは敵を欺く為の嘘だったらしい。
小弥太は、一礼をすると刀を抜いた。
下段。端正な構えだ。求馬は、
(これは油断ならぬ)
と、一度納刀し、居合の体勢を取った。
居合は管亥流の、そして自分の必殺の構えだ。
二人の間には、四歩の距離がある。遠巻きにして、捕吏が四囲を囲んでいる。堤防の上である事も気にしなければならない。足運びを誤れば、海に真っ逆さまもありえる。
(それにしても、小弥太の奴)
求馬は、内心で苦虫を噛んだ。
隙が無い。隙だらけのようで、打ち込んでも返されるように思えてしまう。ここ数日で、こうも上達出来るものではない。自分の力量を、隠していたのだ。この日の為に。
(小弥太にも騙されていたのだな)
小癪な小僧。不気味で、可愛げが無い。真剣を持っても、平然としている。抜き身の刀を持つ事が、小弥太にとって当たり前の行為なのだろうか。
(面白い……)
求馬は、自らの闘争心が湧き立つのをしたたかに感じた。
負けてたまるか。こんな小僧に。剣だけなら、宇美津随一の自信はある。
求馬は、地摺りで距離を詰めた。少しずつ近付くが、小弥太は瞑目しているかのように、不動だった。その落ち着きも、求馬には気に食わない。
三歩。その距離に達した時、求馬の全身が粟立った。
小弥太の放つ氣が、覆い被さって来たのだ。
強烈な黒。人の生き血を吸った者だけが放つ氣である。並の腕ならば、向かい合っただけで圧倒され、潰れてしまうだろう。
ふん。
鼻を鳴らした。やはり、そうか。その歳で、人斬りなのか。小弥太。
求馬は気勢を上げ、更に前に出ようとした。
が、足が前に出なかった。
視線を足元に移す。
手。影から黒い手が伸び、両足を掴んでいた。
掴んでいるように見えた。
「なに」
その刹那。下段に構え、沈んでいた小弥太の切っ先が動いた。
光。刃が放つ、鈍い白だった。
突きである。いきなり来た。何とか躱す。更に、小弥太が斬り下げる。身を翻し躱した。
また突きが来た。これは、抜刀で払う。そして距離を取るように、後方に跳び退いた。
何という連撃か。反撃の暇さえ与えない、流れるような刀の捌き。
(小僧の分際で、この域とはな)
一方、小弥太は切れ長の目を大きく見開いていた。一つも身体に届かなかった事を、驚いているのだろうか。
(これで決めきれなかった事を後悔させてやる)
求馬は納刀し、再び居合の構えを取った。
勝負は鞘の内にある。次に抜く時は、小弥太を斬る為だ。
今度は、求馬が前に出た。
間合いに入る。それを待っていたかのように、小弥太の刀が迫ってきた。
下段からの斬り上げ。峻烈とした攻撃だが、刃が鼻先を通過していく。
踏み込みが甘く、距離が足りなかったのだ。
小弥太の動きを目で追いながら、求馬は清記の言葉を思い出した。
(ほう、これが……)
これこそが、清記が言っていた臆病者の剣たる由縁。どうやら、嘘ではなかったようだ。そして、それが小弥太の命取りになる。
(もらった)
そう思った。小弥太の胴が伸びきり、がら空きになっているのだ。
背を低くし、両足の裏に氣を込め、地面を蹴り上げる。
瞬剣、飛燕。
がら空きの胴を、水平に薙いだ。
斬った。
と、思った。
確かに、そう見えた。だが、求馬は我が目を疑った。
胴を薙いだはずの小弥太の身体が、霧散していくのだ。
これは、夢か? 幻術の類か?
いや、違う。謀られた。小弥太は、これを待っていたのだ。
頭上。跳躍していた小弥太が、刀を振り下ろしながら降ってくる。
それを、求馬は刀身で受けた。想像以上の圧力に、思わず膝を付く。
求馬は咆吼した。立ち上がり、小弥太を押し返す。そのまま、鍔迫り合いになった。力比べならこちらに分がある。
刀越しの小弥太の顔。あからさまに焦っていた。動揺しているのだ。秘奥が通じなかったからか。
いいぞ。驚け。慌てろ。そして、心を乱すがいい。
その先に、俺の勝機がある。それが今。いや、今でなければ勝てない。
更に押した。二人の身体が、後方に流れていく。このまま押し倒し、止めを刺す。それで、殺してやる。
不意に、襟を掴まれた。小弥太の身体が沈む。真剣を持ったまま、何をするつもりだ。
疾い。と、感じた時には、得体の知れない力に、身体を引っこ抜かれていた。
「どういう事だ」
求馬は、口に出していた。
身体が、宙に浮いている。そうか。投げられたのだな。小弥太の奴め、柔の技も使えるとは。
そう思ったのは一瞬で、足元が黒く暗い水面である事に気付いた。
海だ。海に、俺は落ちるのか。
求馬は、咄嗟に手を伸ばした。何かを掴んだ。それが小弥太の襟であると判った時、無性に嬉しくなった。
「お前も来い」
そして、視界は一転した。
冷たい水。目を見開いても、そこは闇だけだった。息が出来ない。それは当たり前だ。ここは海中なのだから。
細い腕が、首に巻きついている。小弥太か。この小僧は、まだ戦うつもりなのだろう。
足掻いてみた。小弥太が離れない。糞。離せ。このままでは、二人とも死ぬぞ。
息が苦しくなった。意識が緩慢になる。もう無理だ。息が続かない。俺は、死ぬのか。こんな所で。
身体が沈んでいく。その感覚に、不思議と心地良さすら覚えた。
芳野に会いたい。他には何もいらない。ただ、あと一目。あの女は、いつまでも待つと言っていた。健気な女なのだ。もう待たなくていい。そう言ってやりたい。
ふと、目の前に光が差した。そして暖かい。白い世界がそこにあった。
(別人ではないか)
そう思えるほどの豹変である。
小弥太からは、怯えを全く感じない。真剣を前にしても、落ち着き払って佇立しいる。冷たく沈んだ氣は、齢十五の子どものものとは到底思えない。この歳にして、既に何人か斬っている。そう思えるような、落ち着きぶりがあった。清記が〔臆病者の剣〕と評していたが、どうやらそれは敵を欺く為の嘘だったらしい。
小弥太は、一礼をすると刀を抜いた。
下段。端正な構えだ。求馬は、
(これは油断ならぬ)
と、一度納刀し、居合の体勢を取った。
居合は管亥流の、そして自分の必殺の構えだ。
二人の間には、四歩の距離がある。遠巻きにして、捕吏が四囲を囲んでいる。堤防の上である事も気にしなければならない。足運びを誤れば、海に真っ逆さまもありえる。
(それにしても、小弥太の奴)
求馬は、内心で苦虫を噛んだ。
隙が無い。隙だらけのようで、打ち込んでも返されるように思えてしまう。ここ数日で、こうも上達出来るものではない。自分の力量を、隠していたのだ。この日の為に。
(小弥太にも騙されていたのだな)
小癪な小僧。不気味で、可愛げが無い。真剣を持っても、平然としている。抜き身の刀を持つ事が、小弥太にとって当たり前の行為なのだろうか。
(面白い……)
求馬は、自らの闘争心が湧き立つのをしたたかに感じた。
負けてたまるか。こんな小僧に。剣だけなら、宇美津随一の自信はある。
求馬は、地摺りで距離を詰めた。少しずつ近付くが、小弥太は瞑目しているかのように、不動だった。その落ち着きも、求馬には気に食わない。
三歩。その距離に達した時、求馬の全身が粟立った。
小弥太の放つ氣が、覆い被さって来たのだ。
強烈な黒。人の生き血を吸った者だけが放つ氣である。並の腕ならば、向かい合っただけで圧倒され、潰れてしまうだろう。
ふん。
鼻を鳴らした。やはり、そうか。その歳で、人斬りなのか。小弥太。
求馬は気勢を上げ、更に前に出ようとした。
が、足が前に出なかった。
視線を足元に移す。
手。影から黒い手が伸び、両足を掴んでいた。
掴んでいるように見えた。
「なに」
その刹那。下段に構え、沈んでいた小弥太の切っ先が動いた。
光。刃が放つ、鈍い白だった。
突きである。いきなり来た。何とか躱す。更に、小弥太が斬り下げる。身を翻し躱した。
また突きが来た。これは、抜刀で払う。そして距離を取るように、後方に跳び退いた。
何という連撃か。反撃の暇さえ与えない、流れるような刀の捌き。
(小僧の分際で、この域とはな)
一方、小弥太は切れ長の目を大きく見開いていた。一つも身体に届かなかった事を、驚いているのだろうか。
(これで決めきれなかった事を後悔させてやる)
求馬は納刀し、再び居合の構えを取った。
勝負は鞘の内にある。次に抜く時は、小弥太を斬る為だ。
今度は、求馬が前に出た。
間合いに入る。それを待っていたかのように、小弥太の刀が迫ってきた。
下段からの斬り上げ。峻烈とした攻撃だが、刃が鼻先を通過していく。
踏み込みが甘く、距離が足りなかったのだ。
小弥太の動きを目で追いながら、求馬は清記の言葉を思い出した。
(ほう、これが……)
これこそが、清記が言っていた臆病者の剣たる由縁。どうやら、嘘ではなかったようだ。そして、それが小弥太の命取りになる。
(もらった)
そう思った。小弥太の胴が伸びきり、がら空きになっているのだ。
背を低くし、両足の裏に氣を込め、地面を蹴り上げる。
瞬剣、飛燕。
がら空きの胴を、水平に薙いだ。
斬った。
と、思った。
確かに、そう見えた。だが、求馬は我が目を疑った。
胴を薙いだはずの小弥太の身体が、霧散していくのだ。
これは、夢か? 幻術の類か?
いや、違う。謀られた。小弥太は、これを待っていたのだ。
頭上。跳躍していた小弥太が、刀を振り下ろしながら降ってくる。
それを、求馬は刀身で受けた。想像以上の圧力に、思わず膝を付く。
求馬は咆吼した。立ち上がり、小弥太を押し返す。そのまま、鍔迫り合いになった。力比べならこちらに分がある。
刀越しの小弥太の顔。あからさまに焦っていた。動揺しているのだ。秘奥が通じなかったからか。
いいぞ。驚け。慌てろ。そして、心を乱すがいい。
その先に、俺の勝機がある。それが今。いや、今でなければ勝てない。
更に押した。二人の身体が、後方に流れていく。このまま押し倒し、止めを刺す。それで、殺してやる。
不意に、襟を掴まれた。小弥太の身体が沈む。真剣を持ったまま、何をするつもりだ。
疾い。と、感じた時には、得体の知れない力に、身体を引っこ抜かれていた。
「どういう事だ」
求馬は、口に出していた。
身体が、宙に浮いている。そうか。投げられたのだな。小弥太の奴め、柔の技も使えるとは。
そう思ったのは一瞬で、足元が黒く暗い水面である事に気付いた。
海だ。海に、俺は落ちるのか。
求馬は、咄嗟に手を伸ばした。何かを掴んだ。それが小弥太の襟であると判った時、無性に嬉しくなった。
「お前も来い」
そして、視界は一転した。
冷たい水。目を見開いても、そこは闇だけだった。息が出来ない。それは当たり前だ。ここは海中なのだから。
細い腕が、首に巻きついている。小弥太か。この小僧は、まだ戦うつもりなのだろう。
足掻いてみた。小弥太が離れない。糞。離せ。このままでは、二人とも死ぬぞ。
息が苦しくなった。意識が緩慢になる。もう無理だ。息が続かない。俺は、死ぬのか。こんな所で。
身体が沈んでいく。その感覚に、不思議と心地良さすら覚えた。
芳野に会いたい。他には何もいらない。ただ、あと一目。あの女は、いつまでも待つと言っていた。健気な女なのだ。もう待たなくていい。そう言ってやりたい。
ふと、目の前に光が差した。そして暖かい。白い世界がそこにあった。
0
お気に入りに追加
34
あなたにおすすめの小説
【受賞作】狼の贄~念真流寂滅抄~
筑前助広
歴史・時代
「人を斬らねば、私は生きられぬのか……」
江戸の泰平も豊熟の極みに達し、組織からも人の心からも腐敗臭を放ちだした頃。
魔剣・念真流の次期宗家である平山清記は、夜須藩を守る刺客として、鬱々とした日々を過ごしていた。
念真流の奥義〔落鳳〕を武器に、無明の闇を遍歴する清記であったが、門閥・奥寺家の剣術指南役を命じられた事によって、執政・犬山梅岳と中老・奥寺大和との政争に容赦なく巻き込まれていく。
己の心のままに、狼として生きるか?
権力に媚びる、走狗として生きるか?
悲しき剣の宿命という、筑前筑後オリジンと呼べる主旨を真正面から描いたハードボイルド時代小説にして、アルファポリス第一回歴史時代小説大賞特別賞「狼の裔」に繋がる、念真流サーガのエピソード1。
――受け継がれるのは、愛か憎しみか――
※この作品は「天暗の星」を底本に、9万文字を25万文字へと一から作り直した作品です。現行の「狼の裔」とは設定が違う箇所がありますので注意。
【受賞作】小売り酒屋鬼八 人情お品書き帖
筑前助広
歴史・時代
幸せとちょっぴりの切なさを感じるお品書き帖です――
野州夜須藩の城下・蔵前町に、昼は小売り酒屋、夜は居酒屋を営む鬼八という店がある。父娘二人で切り盛りするその店に、六蔵という料理人が現れ――。
アルファポリス歴史時代小説大賞特別賞「狼の裔」、同最終候補「天暗の星」ともリンクする、「夜須藩もの」人情ストーリー。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
アブナイお殿様-月野家江戸屋敷騒動顛末-(R15版)
三矢由巳
歴史・時代
時は江戸、老中水野忠邦が失脚した頃のこと。
佳穂(かほ)は江戸の望月藩月野家上屋敷の奥方様に仕える中臈。
幼い頃に会った千代という少女に憧れ、奥での一生奉公を望んでいた。
ところが、若殿様が急死し事態は一変、分家から養子に入った慶温(よしはる)こと又四郎に侍ることに。
又四郎はずっと前にも会ったことがあると言うが、佳穂には心当たりがない。
海外の事情や英吉利語を教える又四郎に翻弄されるも、惹かれていく佳穂。
一方、二人の周辺では次々に不可解な事件が起きる。
事件の真相を追うのは又四郎や屋敷の人々、そしてスタンダードプードルのシロ。
果たして、佳穂は又四郎と結ばれるのか。
シロの鼻が真実を追い詰める!
別サイトで発表した作品のR15版です。
GAME CHANGER 日本帝国1945からの逆襲
俊也
歴史・時代
時は1945年3月、敗色濃厚の日本軍。
今まさに沖縄に侵攻せんとする圧倒的戦力のアメリカ陸海軍を前に、日本の指導者達は若者達による航空機の自爆攻撃…特攻 で事態を打開しようとしていた。
「バカかお前ら、本当に戦争に勝つ気があるのか!?」
その男はただの学徒兵にも関わらず、平然とそう言い放ち特攻出撃を拒否した。
当初は困惑し怒り狂う日本海軍上層部であったが…!?
姉妹作「新訳 零戦戦記」共々宜しくお願い致します。
共に
第8回歴史時代小説参加しました!
仇討浪人と座頭梅一
克全
歴史・時代
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。
旗本の大道寺長十郎直賢は主君の仇を討つために、役目を辞して犯人につながる情報を集めていた。盗賊桜小僧こと梅一は、目が見えるのに盗みの技の為に盲人といして育てられたが、悪人が許せずに暗殺者との二足の草鞋を履いていた。そんな二人が出会う事で将軍家の陰謀が暴かれることになる。
大和型戦艦4番艦 帝国から棄てられた船~古(いにしえ)の愛へ~
花田 一劫
歴史・時代
東北大地震が発生した1週間後、小笠原清秀と言う青年と長岡与一郎と言う老人が道路巡回車で仕事のために東北自動車道を走っていた。
この1週間、長岡は震災による津波で行方不明となっている妻(玉)のことを捜していた。この日も疲労困憊の中、老人の身体に異変が生じてきた。徐々に動かなくなる神経機能の中で、老人はあることを思い出していた。
長岡が青年だった頃に出会った九鬼大佐と大和型戦艦4番艦桔梗丸のことを。
~1941年~大和型戦艦4番艦111号(仮称:紀伊)は呉海軍工廠のドックで船を組み立てている作業の途中に、軍本部より工事中止及び船の廃棄の命令がなされたが、青木、長瀬と言う青年将校と岩瀬少佐の働きにより、大和型戦艦4番艦は廃棄を免れ、戦艦ではなく輸送船として生まれる(竣工する)ことになった。
船の名前は桔梗丸(船頭の名前は九鬼大佐)と決まった。
輸送船でありながらその当時最新鋭の武器を持ち、癖があるが最高の技量を持った船員達が集まり桔梗丸は戦地を切り抜け輸送業務をこなしてきた。
その桔梗丸が修理のため横須賀軍港に入港し、その時、長岡与一郎と言う新人が桔梗丸の船員に入ったが、九鬼船頭は遠い遥か遠い昔に長岡に会ったような気がしてならなかった。もしかして前世で会ったのか…。
それから桔梗丸は、兄弟艦の武蔵、信濃、大和の哀しくも壮絶な最後を看取るようになってしまった。
~1945年8月~日本国の降伏後にも関わらずソビエト連邦が非道極まりなく、満洲、朝鮮、北海道へ攻め込んできた。桔梗丸は北海道へ向かい疎開船に乗っている民間人達を助けに行ったが、小笠原丸及び第二号新興丸は既にソ連の潜水艦の攻撃の餌食になり撃沈され、泰東丸も沈没しつつあった。桔梗丸はソ連の潜水艦2隻に対し最新鋭の怒りの主砲を発砲し、見事に撃沈した。
この行為が米国及びソ連国から(ソ連国は日本の民間船3隻を沈没させ民間人1.708名を殺戮した行為は棚に上げて)日本国が非難され国際問題となろうとしていた。桔梗丸は日本国から投降するように強硬な厳命があったが拒否した。しかし、桔梗丸は日本国には弓を引けず無抵抗のまま(一部、ソ連機への反撃あり)、日本国の戦闘機の爆撃を受け、最後は無念の自爆を遂げることになった。
桔梗丸の船員のうち、意識のないまま小島(宮城県江島)に一人生き残された長岡は、「何故、私一人だけが。」と思い悩み、残された理由について、探しの旅に出る。その理由は何なのか…。前世で何があったのか。与一郎と玉の古の愛の行方は…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる